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優佳良織は、1962年に北海道旭川市で生まれた織物です。主に羊毛を主として織られていますが、絹や亜麻が使用されている作品もあります。1つの作品に200色以上の色糸を使用していることで油絵のような見た目、高度な織りを創り出しており、その作品の素晴らしさから日本のみならず海外でも注目されています。 昔は「ユーカラ織」と呼ばれていましたが、アイヌ民族の織物と勘違いする人が多く見受けられたそう。1980年頃に日本で初めての染色専門の美術館である、国際染織美術館の開館と同時に呼び名を「ユーカラ織」から漢字表記で「優佳良織」となりました。

厚司織は、おひょうの樹皮などから採れる樹木の糸で織った織物で、アイヌの織物です。茶色や黒、深緑などの地味な色が多い印象ですが、しっかりとした帯が着物を引き立ててくれます。 厚司織の語源は、アイヌ語の「アッツシ」で、主な材料はオヒョウやシナノキなどの樹木や樹皮を剥いで約1週間水などに浸してから数時間煮込んで柔らかくし、細く裂いて糸に紡いで織ってつくられています。 普段着や晴着、頭巾・刀掛けに使用されていましたが、今ではお土産用の風呂敷・壁掛け・帯など様々な用途の物がつくられています。

中村勝馬は 北海道函館市出身の染色作家です。叩き糊などの染色の新しい技法を用い、伝統的友禅に構図の近代的作品、芸術性の高い独自の新たな風を吹き込みました。友禅作家の第一人者として有名ですが、友禅作品に落款を取り入れた先駆者としても知られています。伝統的な友禅技術を基に新しい感覚で作り出された動きのある意匠、品格のある色調に優雅な作風が特徴で、左右非対称の図案で「波文黒留袖」や「雲文黒留袖」など黒留袖の作品が多くみられます。 1955年に重要無形文化財「友禅」保持者(人間国宝)に認定され同年に日本工芸会の理事、1963年には常任理事を歴任した後、紫綬褒章や勲四等瑞宝章を受章し長きにわたり活躍されました。

尾﨑久乃は北海道函館市に生まれ、日本伝統工芸士として活躍している、染織作家です。1995年に朝日現代クラフト展入選後、個展を数回開き2010年には日本伝統工芸展初入選しました。 手書き友禅、染め上がった時表れる白い線、糸目糊を全体の輪郭線に用いたり、白い部分を蝋を溶かして防染するローケツ染めを得意としています。主に糸目友禅で堰出友禅の作品が多いです。 友禅臈纈着物「こなしの花」や「野いばら」を初め、爽やかな色合いでまるで水彩画のような透き通った作品が魅力的です。 植物の模様が多いので、お花や草木が好きな人は1点でも着てみたいと思う作品が見つかるのではないでしょうか？

北海道の着物文化は、アイヌ民族の伝統と和人の文化が融合した独特の特色を持っています。アイヌの衣服には、獣皮や樹皮を用いた素材や、独自の文様が特徴的です。一方、道南地域では江戸時代からの交易により、木綿衣も広く普及しました。また、中国東北部から入った山丹服や、本州から伝わった打ち掛けなどの外来の衣服も、正装として重要な役割を果たしました。

北海道の祭りや行事において、着物は重要な役割を果たしています。江差町の「姥神大神宮御祭」では、370年以上の歴史を持つ祭りで、豪華な神輿や山車が特徴です。この祭りでは、参加者が伝統的な着物姿で祭りを盛り上げます。 また、函館市で8月1日から5日に開催される「函館港まつり」も、着物姿で楽しむことができる人気の夏祭りの一つです。

北海道の観光と着物体験として、小樽では歴史的建造物を背景に着物や浴衣を着て写真撮影を楽しむことができます。 また、北海道博物館や旭川市博物館などの施設では、アイヌ文化の伝統的な衣服について学ぶことができます。