首里城再建に貢献した鎌倉芳太郎とは?鎌倉芳太郎の着物は買取で高くなるの?

2024.02.16

コラム
首里城再建に貢献した鎌倉芳太郎とは?着物は買取で高くなるの?

鎌倉芳太郎は沖縄出身ではありませんが、琉球芸術に惹かれ、首里城再建や紅型の復興に貢献した人物です。

着物が好きな人であれば鎌倉芳太郎をご存じでしょう。

お持ちの着物の価値が気になりますよね。

本記事では鎌倉芳太郎の概要、中古市場での着物価値と査定時のポイントをご紹介します。

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※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。

鎌倉芳太郎とはどんな作家か

鎌倉芳太郎とはどんな作家か

鎌倉芳太郎は1898年に香川県に生まれた着物作家です。

型絵染めの人間国宝に認定され、沖縄の芸術を研究して首里城再建に貢献をしました。

1921年に東京美術学校(東京藝術大学の前身)の図画師範科を卒業し、文部省の命令で沖縄の女学校に出向し、琉球芸術の研究を始めました。

1923年に東京美術学校研究科に入学し、同校の校長に琉球研究資料を見せると東京帝国大学の伊東忠太教授を紹介され、1924年に助手として沖縄県に出張することになります。

それから数年間は首里や那覇の名家の所蔵品、沖縄本島、奄美大島、宮古島、八重山諸島の調査をして帰校しました。

1928年に東京美術学校で研究の成果として染織工芸資料を3000点以上を展示しました。

1930年に結婚し、東京美術学校の講師となりました。

1937年に再度、沖縄県で首里城と浦添城(うらそえじょう)などの発掘調査を行い、1944年に東京美術学校を退職(助教授)しました。

第二次世界大戦で自宅にあった研究資料が焼失しましたが、琉球の研究資料は東京美術学校に保管をしていたため免れました。

残った研究資料を元に本格的に琉球染織を取り組むようになります。

首里城と紅型の復元の功労者

鎌倉芳太郎は首里城の正殿(せいでん)、琉球王朝時代の工芸品、歴代国王の肖像画などを撮影し、さらに民家、衣装、風俗に至るまで幅広く記録していました。

生前、着物作家以外にも沖縄の芸術をまとめた本を刊行するほど、研究者としても成果を残しています。

第二次世界大戦で焼失したはずの首里城の正殿(せいでん)の資料を、鎌倉芳太郎は正殿の設計図を模写して残していたのです。

また、琉球芸術について様々な分野を網羅しており、存続不可能だった紅型の復興にも大きく貢献しました。

鎌倉芳太郎が記録したノートなど約7500点にものぼる資料は、国の重要文化財に指定されています。

着物作家として1983年に84歳で亡くなるまで精力的に作品の展示を続けました。

自身が調査した研究資料を元に着物を制作し、1972年に勲四等瑞宝章を受け、1973年に型絵染(かたえぞめ)の人間国宝に認定されました。

型絵染とは生地の上に型紙を用いて、防染剤を布に刷り込んで模様を染める技法です。

鎌倉芳太郎の代表的な着物は、型絵染芦蜻蛉文「爽」、型絵染紬地長着「松竹梅」、「藍朧型印金芦文『瑲』紬地長着」などがあります。

中古市場で鎌倉芳太郎の着物の価値は?

中古市場で鎌倉芳太郎の着物の価値は?

鎌倉芳太郎の着物は市場に出回っている数が少ないといわれています。

付属品がついているもの、着物に落款押されているものはあまり見かけないようです。

人間国宝にも認定されている作家なので、状態が良くて代表的な作品であれば数千円~数万円で売れる可能性があります。

鎌倉芳太郎の着物を査定する際のポイント

鎌倉芳太郎の着物を査定する際のポイント

鎌倉芳太郎は亡くなっているので新作が世に出ることはありません。

現在、流通している作品は価値が高くなる可能性があります。

ここでは鎌倉芳太郎の着物を査定する際のポイントを簡単にご紹介します。

状態が良い

鎌倉芳太郎の着物の価値は状態の良し悪しによって大きく変わります。

高級着物の多くは正絹でできており、汗、湿気、日焼け、カビなどで劣化しやすいです。

目立つ汚れがあると査定金額が低くなりやすい傾向があります。

査定前に裾、首元、内側に汗シミや色焼けなどがないかを確認し、見つけたら今以上に劣化しないうちに査定に出すことをおすすめします。

査定前に着物の湿気を飛ばす

着物をタンスやクローゼットに収納している場合は、査定前にハンガーにかけて風通しのいい場所に半日ほど湿気を飛ばしておきましょう。

高級着物の多くは絹でできています。

着物を湿度60%以上、室温5〜35℃の環境に保管すると、絹に含まれているタンパク質がカビのエサとなってしまいます。

日本の気候はカビが発生しやすいので、カビを防ぐには湿気を飛ばす必要があります。

身丈と裄丈が長いか

昔の着物は当時の日本人女性の平均的な身長に合わせているため、身丈(みたけ・着物の襟から裾までの長さ)、裄丈(ゆきたけ・着物の背中の縫い目から袖口までの長さ)が短い可能性があります。

現在の日本人女性が着ると長さが合わず、査定金額が低くなる場合があります。

着物の身丈は、着る人の身長±5㎝は必要とされており、現在の平均身長から考えると165cm以上の身丈がある着物だと需要が高い傾向にあるでしょう。

証紙があるか

着物には、作家の着物だという価値を示すための証紙がついてきます。

証紙には産地、技法、素材、伝統工芸品のマークが印字されており、仕立てた着物を販売する際は着物の裏に縫いつけられているか箱の中にしまわれている場合があります。

査定に出すときには証紙があると鎌倉芳太郎の着物だという証明ができるので、査定前に証紙があるかを確認しておきましょう。