森口華弘の魅力的な作品を高価買取してもらうコツは?買取相場も併せて紹介
- 森口華弘の着物を持っています。売ったらいくらになりますか?
- 保存状態や種類により買取価格が変わりますので一度拝見いたします。お電話・メールよりお問合せ下さい。
- 母から森口華弘の着物を譲り受けました。価値ってありますか?
森口華弘(もりぐちかこう)は人間国宝でもある日本の染織家です。数多くの個展を開催したり、展覧会に出品したりと精力的に活躍した着物作家で、オリジナルの技法で他に類を見ない世界観を表現しています。
お手元に森口華弘の作品をお持ちで、もし売りに出そうと考えている方であれば買取相場は気になりますよね。いきなり買取に出すのではなく、まずは相場をチェックしてみましょう。もしかしたら高値で買取されるかもしれません。
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お申し込みフォームへ※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。
森口華弘とは
着物を売る前に、まずは森口華弘がどんな人物か、彼の着物作品にはどのような特徴があるのかを知っておきましょう。森口華弘の作品の魅力や価値が分かれば、おおよその買取相場価格が把握で着たり、悪徳業者に買い叩かれたりする心配が減るかもしれません。
生まれから染色家の道に進むまで
森口華弘は1909年に現在の滋賀県守山市に生まれました。華弘は雅号で本名は平七郎といいます。小学校を卒業すると、遠縁の親戚が営む京都の薬屋に奉公に出されました。
薬剤師を目指して夜は薬学校夜学部に通い始めますが、制度が変更されて薬剤師になるためには専門学校卒業が義務付けられるようになり、金銭的余裕がないことを理由に断念します。
奉公に出されていた頃、森口華弘は絵を描くことが好きで、自然画を描いては薬屋の店頭に貼り付けていました。そこへ偶然彼の絵に友禅の図案を作る職人が興味を持ち、染色をしてみないかと誘います。この出来事をきっかけに、森口華弘は薬屋を辞めて染色家になりたいと考えます。
友禅との出会いから人間国宝になるまで
家族の同意を得て母の従兄で仕立て屋の坂田徳三郎の紹介で、京友禅師の中川華邨(なかがわかそん)に弟子入りします。16歳での弟子入りは遅かったものの、修行に精を出して実力を身につけていきました。
一方で華邨の紹介により、日本画家の疋田芳沼(ひきたほうしょう)にも日本画を学びます。寝る間も惜しんで修行に励み、睡眠不足で神経衰弱になるほどだったとも言われます。
1939年、友禅職人としては遅咲きの29歳で独立します。
華邨の出入り業者であった安田商店が、森口華弘とも商売がしたいと依頼します。師匠の顧客と仕事をすることに戸惑いがありましたが、華邨の許しが出たため取引するようになりました。その後、問屋から注文を受けて染色を行うだけでなく、友禅作家として活動することを志します。
友禅作家としての活動をしていく中で森口華弘は次々に新しい技法を編み出し、類まれなる芸術観を着物に表現し、多数の賞を受賞します。
57歳のときに重要無形文化財「友禅」の保持者(人間国宝)に選定され、62歳のときに紫綬褒章を受章するなど、その功績が高く評価されました。
森口華弘の年表
西暦 | 来歴 |
---|---|
1909年(0歳) | 滋賀県野洲群守山町で森口家の三男として誕生し、平七郎と名付けられる。 |
1924年(15歳) | 中川華邨と疋田芳沼に、友禅と日本画を学ぶ。 |
1934年(25歳) | 中川華邨の作風を広めるという由来で坂田徳三郎により贈られた「華弘」の号を名乗る。 |
1939年(29歳) | 京都市中京区に自らの工房を構えて独立する。この頃に蒔糊技法(後述)の着想が生まれる。 |
1955年(46歳) | 第2回日本伝統工芸展に、蒔糊技法を施した友禅着物「早春」「松」「おしどり」を出品して全作入選を果たし、「早春」は朝日新聞社賞を受賞する。 |
1956年(47歳) | 東京・日本橋三越にて第1回個展を開催し、以後毎年開催する。 |
1958年(49歳) | 東京・日本橋三越にて第1回個展を開催し、以後毎年開催する。 |
1960年(51歳) | 社団法人日本工芸会理事に就任する。 |
1967年(57歳) | 友禅の国指定重要無形文化財所持者(人間国宝)に認定される。京都国立近代美術館で開催された「近代日本の絵画と工芸」展に出品する。 |
1970年(61歳) | 社団法人日本工芸会副理事長に就任する。 |
1971年(62歳) | 紫綬褒章を受章する。 |
1973年(64歳) | 第20回日本伝統工芸展に友禅着物を出品し、20周年記念特別賞を受賞する。 |
1982年(71歳) | 勲四等旭日小綬章を受章する。 |
2002年(98歳) | 老衰のため死去。 |
森口華弘の代表作
第2回日本伝統工芸展に入賞、朝日新聞社賞を受賞をした「早春」は、彼の代表的作品といっても良いでしょう。
「早春」は白地をベースに、着物全体に梅の枝と花が描かれているのが特徴です。
力強い枝から伸びる繊細な小枝と花を、鮮やかなえんじ色で描いています。
薄く白い雪が枝に乗っている様子は、手に取れそうなほどリアルで美しいです。
また、手がけた着物の種類は、蒔糊友禅訪問着・染名古屋帯・駒織縮緬地友禅訪問着・留袖などがあります。
流れるような描線や写実的な植物が印象的で、どれも雄大でありながら可憐さもある独特な味のあるデザインです。
森口華弘の着物について
では、彼の生み出した着物の魅力はどんなところにあるのでしょうか。多くの着物ファンから森口華弘が支持を集めている理由は、主に優美な雰囲気を醸し出している芸術面と、特殊な技法を駆使している技術面の双方が高く評価されているからです。森口華弘作品の特徴や表現技法を、具体的にご説明いたしますので確認していきましょう。
森口華弘の着物の特徴
森口華弘の着物は、花の可憐さや雪景色を巧みに表現している着物ばかりで、着物というよりは一枚の日本画のようです。大胆な川の流れや生命を感じられる花の枝など、迫力と儚さを兼ね備えた作品も多く、見る者を圧倒します。
色の濃淡のつけかたも見ものであり、全体的に優美な雰囲気が醸し出されているのが特徴です。 植物や鳥、花などの自然をモチーフとすることが得意で、四季折々の風景や鶴や梅の花などの縁起物も好んで描いており、自然が好きな森口華弘ならではの作風です。
森口華弘の着物で用いられる「蒔糊技法」と「七五三技法」
森口の着物では「蒔糊技法」と「七五三技法」といった技法が用いられます。ここでは2つ紹介します。
蒔糊技法
蒔糊技法(まきのりぎほう)とは、竹皮に餅粉でつくった糊を貼り付け乾かして剥がした後、細かく砕いて湿らせた布の上に蒔いて色が染まることを防ぐ技法です。糊を蒔いた部分は、吹雪・滝しぶき・雪・霞(かすみ)などの細かい動きや雰囲気を表現することができます。
漆器の表面に漆で絵・文字・文様などを描いたあと、乾かないうちに金や銀の粉を蒔いて定着させる「蒔絵」という技法からヒントを得て華弘が確立させました。
この細かな技法を一部分だけにではなく、着物全体に施した技術力と優美さが評価され、森口華弘の代表的な技法とされています。キリッとしたシャープさや軽やかさを演出していて、洗練された雰囲気に仕上げられています。
七五三技法
もう1つ、華弘は裾にいくにつれ花の形をだんだんと大きくして、色彩で繊細な変化をつけて立体感を表現する「七五三技法」を考案しました。
草木や花などの自然をモチーフとして描くことが得意な森口華弘だからこそ、生み出すことができた技法だと言えるでしょう。綿密に構図を考えないと表現できないので、高い技術力と独創的なセンスによって成しえる技と言えます。
森口華弘作品の買取相場とは?
森口華弘の作品の買取相場は、過去の着物市場における買取事例を見てみると15万円程度です。やはり森口華弘は人間国宝に認定されていますので、その分需要があり買取価格が高額になりやすいと言えるでしょう。
特に柄が豪華な訪問着は高く買い取られる傾向にあります。しかし、すべての森口華弘の着物・帯が必ずしも15万円で買い取られる訳ではありません。
糸がほつれていたり、色焼けしていたりするなど着物・帯が傷んでいれば、状態が悪いと査定されて買取価格が低くなる場合もあります。買取価格は参考程度に留めておき、着物買取のプロに査定を依頼して適正な買取価格をつけてもらいましょう。
※上記は参考価格であり、実際の買取価格を保証するものではありません
※ご査定時の市場状況、在庫状況により買取価格が変動する場合ございます。
※お買取相場の価格は未開封の未使用品を想定しています。お品物の状態によって価格が大きく変わる場合がございますのでご了承ください。
森口華弘を高価買取してもらうには?
せっかく買取に出すなら、なるべく高い価格で買い取ってほしいですよね。ここでは、高価買取になるポイントを3点お伝えします。
保存状態を良くしておく
新品未使用や未開封のものは、状態が綺麗なことが多いですので買取金額が高くなりやすいです。中古品であっても、シワやシミが少ない、目立つ汚れや糸のほつれがないなど、状態が良ければ比較的高値で買い取ってもらえる可能性が高いです。
着ないままたんすの中で放っておくと、虫に食われたりシミができたりするかもしれませんので、早めに買取業者に査定してもらった方が賢明です。
落款がついている
落款がついていると、高額買取が期待できます。落款とは作家が自分の制作した作品に押すスタンプのようなもので、本人が作ったという証拠になる重要なものです。
着物の衽(おくみ)部分に押されていることが多く、着物に精通している人が見れば誰の作品か、どれくらい価値があるかが一目で分かります。
森口華弘の作品には「華弘」という落款があり、知識がなくても読みやすい形をしています。落款は本人が作品をつくったという証拠になるためです。着物を処分する前に、まずは落款の有無をチェックしてみましょう。
息子・森口邦彦作品も同時に買取に出す
森口華弘の息子の森口邦彦も、父と同じように友禅の重要無形文化財保持者に認定されています。お手元に森口邦彦の作品がないかも、併せて確認してみてください。
親子で人間国宝という着物作家は希少であり、親子の作品を同時に買い取ってもらえれば価値が高いので買取金額も上がる可能性があります。
両者の作品には落款や証紙(着物の生地の産地や染め方などが書いてある、落款同様に本物である証拠の用紙)があるため、着物と一緒に買い取ってもらうとより高額査定が見込めます。
リサイクルショップや質屋の利用は控える
着物を買い取って欲しいと考えた場合、まず最初に思いつく売却手段としてはリサイクルショップや質屋で査定・買取してもらうことではないでしょうか。ですが、それらの手段はあまり堅実とは言えず、おすすめはできません。
リサイクルショップや質屋は日々幅広いジャンルの品物を査定しており、査定士の中に着物に精通している人がいるかは不明です。着物は非常に高度な技術を用いて制作されるので、真の価値を見抜くには専門知識が必要不可欠です。
着物の知識がどれほどあるか分からない査定士に森口華弘作品の査定を頼むと、きちんとした価値が見抜けずに安価で買い取られる可能性があります。結果的に損をするかもしれないので、リサイクルショップや質屋での買取は控えた方が良いでしょう。
着物の買取業者に査定依頼する
着物の買取業者は、着物に特化した買取を行っている業者のことです。査定士は着物の知識が豊富で、着物の作家・産地・ブランドはもちろん、染めや織り技術の精巧具合や芸術性の高さなど、プロでないと分からないポイントまでしっかり査定します。
そのため、着物の価値に見合った買取価格が的確に算出でき、買取額で損することなく買い取ってもらえるのです。「着物を適正な金額で買い取って欲しい」「着物のことをよく分かっている人に査定してもらいたい」という方は、是非とも利用してみましょう。
出張買取サービスを利用しよう
買取業者の査定士が利用者の自宅まで出張し、その場で品物の査定や買取を行うサービスを「出張買取」と呼びます。着物は1枚で1キログラムほどあり、持ってみると意外と重いです。
重たい着物を買取を実施している店舗まで持ち運ぶのは重労働で、女性だとかなり大変なことでしょう。出張買取を利用すれば、重い着物を持って外出する必要がなく、自宅で簡単に買い取ってもらえるのでおすすめです。
また、着物を箱や袋に入れて持ち歩くと、着物に傷や汚れがついたり糸がほつれたりする恐れがあり、査定時には状態が悪くなっていることが考えられます。自宅で査定士が来てくれれば、状態が良いまま査定してもらえるので買取額が下がる心配がありません。
森口華弘作品の買取相場とは?作品の魅力と高価買取してもらうコツをご紹介:まとめ
森口華弘は弟子入りも独立も他の作家に比べれば遅かったものの、秀でた才能と鍛錬を武器に次々と素晴らしい作品を世に送り出しました。
人よりも遅いスタートだとしても、諦めずに技を磨き続ければ人を圧倒させられる作品を生み出すことができる…着物作品だけではなく、彼の生き方自体も素晴らしいものがあると思います。
そういった姿勢も、崇高な芸術性や高い評価につながったのではないでしょうか。本物の有名作家の着物であれば、高価買取される場合があります。自宅に落款が押されているような、貴重な着物は保管されていませんか。
着物のバイセルに見てもらえば、高値で売却できる可能性がありますので、もし今後着る機会がないのであれば、着物のバイセルへ査定に出しましょう。
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