加賀友禅作家・森田耕三の着物の特徴と買取のコツについて

2024.02.02

着物買取 コラム
加賀友禅作家・森田耕三の着物の特徴と買取相場、買取のコツについて
しばらく着ていない森田耕三の着物を持っています。売ったらいくらになりますか?
保存状態や種類により買取価格が変わりますので一度拝見いたします。お電話・メールよりお問合せ下さい。
母から森田耕三の着物を譲り受けました。価値ってありますか?

京友禅・東京友禅と並び、三大友禅の一つである加賀友禅の作家、森田耕三(もりた こうぞう)の着物の買取でお悩みではありませんか?

森田耕三は石川県金沢市に生まれた加賀友禅作家です。

着物以外にもエレキギターやカードケースなどの様々な製品に加賀友禅の色彩を取り入れ、今まで加賀友禅に触れてこなかった人たちにその魅力を伝える活動を行っていて、他の作家からも厚い信頼を得ています。

制作過程のほとんどが手作業で行われる森田耕三の加賀友禅は手作りであるため生産できる数も少なく、それだけ希少性があるとされています。

そのような立派な着物を引き出しの奥にしまっておくのは非常にもったいないことかと思います。

今回の記事では、森田耕三の今までの経歴と彼が作る加賀友禅の魅力についてご紹介するとともに、着物の買取相場や買取をする際のコツについてもお教えします。

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※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。

本場加賀友禅作家・森田耕三の経歴について

本場加賀友禅作家・森田耕三の経歴について

現在は加賀友禅伝統産業会館という場所で、加賀友禅の技術指導や実演を担当している森田耕三について、まずは彼の経歴をご紹介します。

1956年(昭和31年)に生まれた森田耕三は1977年(昭和52年)に加賀友禅の落款登録作家である水谷澄正に弟子入りして加賀友禅を学びます。

9年間の修業期間を経て、1986年(昭和61年)に加賀友禅作家として独立した森田耕三の作品は、着物や帯にとどまらず様々な領域でも才能を発揮します。

例えば、加賀友禅の柄を施したエレキギター・カードケース・小銭入れの作成など、今まで加賀友禅と縁のなかった人にも加賀友禅の美しさを知ってもらおうと積極的に活動を行いました。

その活動が評価され、2014年には石川県伝統産業功労賞を受賞します。

現在は加賀友禅伝統産業会館で加賀友禅の指導と実演を担当し、金沢の伝統工芸である加賀友禅の魅力を人々に伝えています。

森田耕三がつくる加賀友禅とは

森田耕三がつくる加賀友禅とは

加賀友禅の作品を制作する森田耕三は石川県から伝統産業功労賞を受賞するなど、その技術は高い評価を受けています。

彼は加賀友禅の中堅若手作家の中でも、独自の柔軟な筆の使い方や彩色技法を用いて、新しい加賀友禅を表現していることが特徴です。

その創作意欲は着物だけにとどまらず、先ほどもお伝えした通り、カードケースや小銭入れなど着物と縁がなかった人にも受け入れやすい物に加賀友禅のデザインを応用して制作しています。

他にも、タペストリー(壁掛けの室内装飾用の織物)や染額(そめがく:織物を額に入れる室内装飾用の織物)などの制作にも意欲的です。

では、様々な製品で自身の加賀友禅を表現する森田耕三は、どのように加賀友禅で着物を制作しているのでしょうか。

森田耕三のつくる加賀友禅の制作工程と作品

森田耕三のつくる加賀友禅の制作工程と作品

森田耕三の着物や帯は制作過程のほとんどが手仕事で行われているため、完成までの日数が長いのが特徴です。

手作業で制作しているため生産される数も少なく、高価な着物として流通しています。

手描きの加賀友禅の制作には、図案作成の後に多くの工程をふみます。

簡単ではありますが制作工程をご紹介します。

1.下絵

図案をもとに柄の下書きを行います。

下書きには青花という露草の花の汁を使って、図案の模様の輪郭を写していきます。

青花は水で濡らすと消える性質があるので、制作工程後半の水洗いで消えます。

2.糸目糊置き

糸目糊置きとは、下絵の輪郭に沿って糊を置く作業のことを言います。

糊が置かれた箇所は、糊が布を染めるのを防ぐことによって白い輪郭として残ります。

柄の良さを決める重要な工程と言えるでしょう。

3.彩色

加賀五彩を基調とした落ち着いた色を用いて染めていきます。

加賀五彩については後ほどご説明します。

4.中埋め

彩色した部分の色を鮮明な状態に保つため、彩色した部分の上に糊を置く作業です。

5.地染め(引き染め)

着物全体の色をムラなく染める作業です。

引き染めとも呼ばれ、ムラなく染め上げるためには温度や刷毛の力加減が重要で、高度な技術が必要となされる作業です。

6.本蒸し

地染めが乾いた後に生地を約1時間ほど蒸気にかけます。

蒸気にかけることによって、膨張した繊維に染料が入り、色が定着します。

7.水洗い

現在では、水温や水質が調整された人工川で水洗いが行われています。

その昔は自然の川で行われていて、友禅流しと呼ばれて金沢の風物詩となっていました。

8.仕上げ

脱水・乾燥後に、湯のしと呼ばれる作業を行います。

生地を蒸気にあててシワを伸ばし、縦糸と横糸の繊維を均一にして生地全体の幅を整える作業です。

その後も、生地の彩色補正などの最終調整を行い、加賀友禅ができます。

多くの工程を経て作られる森田耕三の加賀友禅の中でも、黒留袖の「五彩糸(ごさいし)」や「彩音(あやね)」などが代表作として挙げられます。

どちらの作品も、加賀友禅の独特な彩色である加賀五彩が用いられており、落ち着きのある色合いとなっています。

加賀五彩とは「藍・えんじ色・草・おうど色・古代紫」の5色で構成された色調のことで、それら5つの色によって落ち着いた色合いを表現するのが加賀友禅の魅力の一つでもあります。

森田耕三の作品の買取相場とは

森田耕三の作品の買取相場とは

近年に取引された森田耕三の作品の買取相場を見ると2万5,000円前後となっていますが、相場価格は着物や帯の流行や需要の有無によって大きく左右されますので、目安として把握しておきましょう。

中でもデザインが豪華絢爛で明るい着物は買取市場において人気が高いので買取価格が高い傾向にあり、状態が良いものであれば更に高額になりやすいと言えます。

しかし、シミがついている、カビが発生している、シワがくっきり残っているといった状態不良では価値の低下を招きます。

着物や帯は放っておくとどんどん状態が悪くなっていきますので、早めに査定に出すことを心掛けてくださいね。

※上記は参考価格であり、実際の買取価格を保証するものではありません

※ご査定時の市場状況、在庫状況により買取価格が変動する場合ございます。

※お買取相場の価格は未開封の未使用品を想定しています。お品物の状態によって価格が大きく変わる場合がございますのでご了承ください。

森田耕三の着物を買取するときのコツ

森田耕三の着物を買取するときのコツ

一つひとつの着物が手仕事によって作られる森田耕三の加賀友禅を買取に出そうと検討しているのであれば、なるべく損をしないで買い取ってもらいたいと思うでしょう。

ここからは、着物買取のコツについてご紹介します。

伝統工芸品・作家であることを証明する証紙を提示する

京友禅・東京友禅と並び、三大友禅の一つとされる加賀友禅です。

加賀友禅の品質を保証する証紙がある場合は、買取額が上がる可能性があるため買取査定時には忘れずに提示しましょう。

加賀友禅の証紙は、加賀染振興協会の審査に通過した着物に発行されている証紙で、加賀友禅の信頼と品質を表す印です。

加賀染振興協会は、品質表示事業や後継者育成事業などを推進している加賀友禅の共同組合です。

そのため、買取業者も査定時には確認する項目の一つとしているので、忘れずに提示しましょう。

着物の状態はきれいに保つ

着物は状態が良いほど高い価格で買い取ってもらえる傾向にあります。

良い状態というのは、一度も袖を通していない着物など、保存状態が良くてシミやカビがついていないものです。

もちろん袖を通した着物であっても、状態が良ければ高く買い取ってもらえる傾向にあります。

しかし、着物はデリケートな素材である絹(正絹)でできているので、きれいな状態を保つためには着用後の手入れと適切な保存が不可欠です。

特に、汗や室内の湿気が原因でシミ・カビが発生してしまう可能性があるので、着用後は風通しの良い部屋で半日ほど陰干しをしてからしまうようにしましょう。

また、部屋の湿気が徐々に着物へダメージを与えてシミなどを発生させてしまう可能性があるので、定期的に陰干しをして湿気をとばすようにしましょう。

着物の買取は専門知識を持ったバイセルに依頼する

着物の買取には、専門的な知識を持った着物専門買取のバイセルに依頼するようにしましょう。

その理由は、着物には今回ご紹介した加賀友禅などの伝統工芸品であるかどうか、森田耕三などの有名作家の作品であるかどうかによっては買取価格が異なる場合があるからです。

着物に対して専門的な知識・査定の技術を持っている業者でなければ、適正な価格で買い取ってもらうのは難しいでしょう。

リサイクルショップや古着屋などは気楽に買取を依頼できるかもしれませんが、店員が着物の知識を持っていない場合があり、着物の重さだけを基準に買取価格を決めてしまう可能性があります。

そのため、着物の買取には専門的な知識を持ったバイセルにご依頼ください。

加賀友禅作家・森田耕三の着物の特徴と買取のコツについて:まとめ

加賀友禅作家・森田耕三の着物の特徴と買取のコツについて:まとめ

森田耕三がつくる加賀友禅の特徴についてご紹介しました。

加賀友禅は京友禅・東京友禅と並び三大友禅に数えられるほど有名なため、多くのファンも存在します。

そんな人気のある加賀友禅の中でも、森田耕三の着物は柔軟な筆使いによって表現される手描きの加賀友禅のため完成までに時間がかかります。

そのため、生産される数も少なく希少性があるので価値のある着物と言えるでしょう。

希少性のある森田耕三の着物を引き出しにしまっておくのは、しのびないことかと思います。

今後も袖を通すご予定がないとのことでしたら、今回ご紹介した内容を参考に一度買取を検討してみるのはいかがでしょうか。