服部織物の帯は高く売れる?買取相場と高額査定のポイント

2024.06.24

着物買取 コラム
服部織物の帯は高く売れる?買取相場と高額査定のポイント
服部織物の帯を持っています。いくらになりますか?
保存状態や種類により買取価格が変わりますので一度拝見いたします。お電話・メールよりお問合せ下さい。
生前、祖母が大切に保管していた服部織物の帯を譲り受けました。価値ってありますか?

服部織物(はっとりおりもの)は、京都・西陣で200年以上続く老舗の帯の織屋で、1969年に京都府から「老舗」の称号を得た由緒ある格式高い店です。

生地に金や銀を織り込んで西陣織の独自技法「こはく錦」をはじめ、幻想的な華やかさや独特な幾何学模様が特徴的なロココ様式のデザインを帯に取り入れるなど、伝統の枠を超えた斬新なスタイルを発信し続けています。

ご自宅に輝かしい金銀が繊細にあしらわれた服部織物の帯は眠っていませんか。

今回は、服部織物の買取相場はどのくらいか、少しでも高く売るコツは何かをご紹介いたします。

お問い合わせ・無料相談はこちら

電話から相談する

0120-612-773

通話料無料・24時間365日受付中

メールから相談する

お申し込みフォームへ

※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。

服部織物ってどんなブランド?

服部織物ってどんなブランド?

服部織物は1788年に服部勘兵衛(かんべえ)が滋賀県塩野村で創業しました。

後に京都の西陣に拠点を移して織物を始め、帯一筋で営む老舗のブランドです。

1977年に京都府から「老舗」の号を拝受し、1982年に京都商工会議所から顕彰されるなど高く評価されてきました。

現在、西陣の織屋は500件ほどありますが、中でも100年以上続いている店は数件です。

織屋がいかに生き残るのが困難で熾烈な業界か、服部織物がどれだけ人々から熱烈な支持を得ているかがわかります。

服部織物の特徴

服部織物の帯がここまでの支持を受ける秘密は糸にあります。

通常の西陣織は3,500本ほどの経糸(たていと)を使うことが多い中、服部織物ではより深みを持った意匠を表現するために約6,000本の経糸を使用しています。

糸の本数が増えると帯が重くなりそうですが、それを防ぐために細く丈夫な糸を厳選しています。

糸にこだわるのはもちろんのことですが、デザインにも情熱を注いでいます。

伝統的なものを始め、海外や現代的なデザインも取り入れており、常に新しい芸術作品を生み出しています。

例えばイタリア・ルネッサンス期に人気だった宮殿や寺院の壁紙のデザインをアレンジした「ロココ金唐革文」、ロココ様式にイタリア美術の斬新さを加えた「イタリア更紗文様」など、日本古来の文様に捕らわれない新しい芸術感を表現しています。

「複雑なデザインで色数が多いのに軽い」「締め心地が良くて着崩れしにくい」という、服部織物ならではの高い芸術性と使用感の良さを生み出しています。

服部織物のロゴマークを確認

服部織物にはBを背中合わせにしたようなロゴマークがあります。

これは「服部織物」の「服」という字を意匠化したもので、自信と信頼の証として帯の証紙に描かれています。

こはく錦の証紙には、金色の文字で大きく「こはく錦」と書いてあります。

服部織物の作品紹介

服部織物の作品紹介

服部織物の作品の特徴といえば軽さと締めやすさを兼ね備えており、その着心地は最高品質であるとされて着物ファンから大きな支持を得ているところではないでしょうか。

また、やわらかくてシワになりにくいという特徴もあるため、長期保存に耐える丈夫さがあることも人気の理由の1つです。

そんな服部織物の中で特に有名な代表作を紹介します。

服部織物の代表作といえば「こはく錦」

服部織物の中でも代表的かつ最高峰クラスの帯が「こはく錦」です。

熟練された伝統技術をもつ職人がその手ひとつで織り上げる袋帯で、一本をつくるのに数か月かかるほどの逸品です。

24金や銀を薄く押した和紙を細く裁断してつくる「引箔(ひきはく)」を、精密に生地に織り込むことで、他にはない圧倒的な輝きと美しさを表現しています。

立体感や重厚感を演出するために、1本の経糸に2枚の箔を引く二重箔(にちょうばく)、3枚の箔を引く三重箔(さんちょうばく)と呼ばれる引箔技法も用いられます。

鮮やかな文様を表現することが特徴の西陣織において、その技法は真骨頂と呼べるでしょう。

複雑な文様だと1日にわずか数10センチしか織れない場合もあります。

織物逸品(手織逸品)

ロココ王朝文様

ロココはフランス語で小石や砂利の意味を持つロカイユが由来で、複雑な曲線で草花などを甘美な華やかさを演出するデザインが特徴的です。

18世紀前半のフランス宮廷文化で生まれ、造形美術においては視覚的快感が尊重されたため、壁や家具など室内装飾に使われてきました。

ロココ王朝文様が用いられた帯は花や花びらのようなデザインが一面に表現されています。

流動的な曲線ややわらかい色調を多用し、優雅さや明るさを表現しつつも幻想的な雰囲気があふれています。

正倉院華文

正倉院は奈良県の東大寺にある皇室の美術品や工芸品を収蔵した高床式倉庫です。

奈良時代の最盛期、大陸からの舶来品ではなく日本オリジナルの染織物の文様を創ろうと考案され、様々なデザインが生み出されました。

正倉院は日本染織の源流とされる貴重な織物が収蔵されている伝統ある高貴な倉です。

服部織物の正倉院華文(しょうそういんはなもん)とは、正倉院に収められている日本オリジナルの意匠をイメージしてつくられました。

その中でも鳳凰(ほうおう)は空想の瑞鳥で、鳳凰が飛べば群鳥はその後ろを飛び、君子が平らかに世を治めたときだけ現れると言い伝えられています。

鳳凰がいくつもあしらわれており、縁起が良くめでたい帯となっています。

吉祥松寿文

松は常緑樹で冬でも青々としているため、繁栄・不老長寿・慶賀など活動的な生命の象徴とされています。

日本古来より神聖な存在とされている松の意匠は、人々が永く繁栄して幸福をもたらすことを表しています。

吉祥松寿文(きっしょうしょうじゅもん)は、松が意匠された帯は幹が途切れることなく描かれていて、枝葉が脈々と力強く織られています。

めでたい場で着用するのにふさわしい逸品です。

四季草花文様

四季草花文様(しきくさばなもんよう)は四季折々の草花や葉を鮮やかに表現しています。

香り強くしなやかで女性らしさが息づく藤、気高く立派で豪華な大輪が咲く菊、艶やかで「高貴」や「優雅」を象徴する牡丹などが描かれています。

縁取られた円の中に草花が、その周りには草木が垂れ蝶が舞う様子が表されていて、気品がありながら可愛らしさも感じられる帯となっています。

半越ブドウ唐草文

半越ブドウ唐草文は渋い茶色をベースに、えんじ色と藤色のブドウの実、優雅に絡まりながら伸びるツタ、様々な形をした葉が描かれた気品があふれる帯です。

半越ブドウ唐草文は子孫繁栄と財運を呼ぶ文様とされ、ヨーロピアンな雰囲気が漂いつつも落ち着いた色味のため着物に合うデザインとなっています。

カジュアルな文様のため、普段使いしやすい帯です。

古今織 献上唐草文

古今織 献上唐草文はベースに金銀の糸を使い、さらに五色の染料を手染めで擦りこませてある作品です。

「五彩の金糸」とも呼ばれ、美しいグラデーションに仕立て上げられ、直線美・曲線美を兼ね備えたアール・デコを日本人に馴染み深い唐草文様で表現されています。

また、折り目が細かく斜めに並んだ斜子(ななこ)地で織り上げており、帯を締めやすく且つ落ち着いた光沢を生み出すことができます。

絽(ろ)・袋帯

紗 朝顔

絽と紗(しゃ)は夏用着物の生地であり、絽は結婚式や葬式などフォーマルな場に、紗はレストランや卒業式などカジュアルからセミフォーマルな場で着られます。

紗は絽以上に透け感があり、着ていても見ていても涼しい着物です。

美しく凛として咲く藍色の朝顔と、生き生きとした葉脈が走る緑色の葉が印象的で、爽快感と涼しさを醸し出します。

夏に着用するのにぴったりですね。

夏紅葉と撫子

さっぱりと青い夏紅葉と、薄い紫や桃色に色づいた撫子が優雅な袋帯です。

全体的に夏の清々しさを表現しつつ、奥ゆかしく可憐に咲く撫子が華々しさを添えています。

服部織物の買取相場はどれくらい?

服部織物の買取相場はどれくらい?

服部織物の帯の買取相場は、着物買取市場の事例を見ると1万5,000円ほどです。

帯に服部織物のロゴマーク(Bを背中合わせにしたようなデザイン)があり、落款があるものではさらに高額での取引が期待できるでしょう。

ただし、帯に汚れやシワなどがついていると価値が下がるため、高値で買取できるとは言い切れません。

実際の金額は査定士に見てもらいましょう。


※上記は参考価格であり、実際の買取価格を保証するものではありません。

※ご査定時の市場状況、在庫状況により買取価格が変動する場合ございます。

※お買取相場の価格は未開封の未使用品を想定しています。

お品物の状態によって価格が大きく変わる場合がございますのでご了承ください。

服部織物を売る前に知っておきたいこと

服部織物を売る前に知っておきたいこと

服部織物を売るなら事前に知っておきたいことをご紹介します。


・汚れていてもクリーニングには出さない

・購入時についてきた付属品や証紙も査定に出す

・複数枚の帯や着物を売るなら出張買取を利用する

汚れていてもクリーニングには出さずに売る

服部織物の状態がきれいだと査定で評価されやすいですが、少しでも良い状態で売りたくてもクリーニングに出す必要はありません。

服部織物ほどの高価で精緻な帯は着物を扱うクリーニング店ではないと修繕できない場合があり、普段着を中心に扱うクリーニング店よりも代金がかさむ可能性が高いです。

そのため汚れを落とした服部織物が高く売れたとしても、クリーニング代の元が取れるほどの査定金額にはならない可能性があります。

汚れている服部織物にも査定金額がつくので、そのまま査定に出すことをおすすめします。

購入時についてきた付属品や証紙も査定に出す

服部織物を購入すると箱や証紙などがついてきます。

帯と一緒に付属品も査定に出すと服部着物の品質を証明できて、評価が高くなる可能性があります。

足りない付属品があったら査定までにそろえておきましょう。

複数枚の帯や着物を売るなら出張買取を利用する

査定士が自宅まで来て査定してくれる出張買取がベストな選択だと言えます。

自分で着物にむやみに触ることがないため、着物が傷みにくく少しでも高い値段で買い取ってもらいやすいです。

査定や売却は着物に詳しいバイセルにお任せしましょう。