喜多川平朗の着物は高く売れるの?買取ではどのくらいの価値がつく?

2024.02.02

着物買取 コラム
喜多川平朗の着物は高く売れるの?買取ではどのくらいの価値がつく?

喜多川平朗は「羅」と「有職織物」の技術で、人間国宝に認定されている作家です。

天皇家や宮家の儀式に用いられる装飾などを手掛ける機屋に生まれ、鎌倉時代頃には盛んに作られていた「羅」を明治時代に復元しました。

喜多川平朗の着物をお持ちの方は、査定でどのくらい価値がつくのか気になりますよね。

本記事には作家の概要、中古市場での価値、喜多川平朗の着物を売却する際にはポイントをご紹介します。

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※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。

着物作家・喜多川平朗とは?

着物作家・喜多川平朗とは?

喜多川平朗は1898年に京都市にある俵屋(たわらや)に生まれました。

俵屋は室町時代から500年以上の歴史のある機屋(はたや)です。

天皇家や宮家(みやけ)の儀式に用いられる装束や、伊勢神宮の式年御遷宮の際の有職織物を製造しています。

父・喜多川平八も西陣の名匠で、17代目を喜多川平朗が継ぎました。

喜多川平朗は1956年には中国から伝わった絹織物「羅(ら)」の復元と、1960年に宮中の儀式などに使う有職織物(ゆうそく)の人間国宝に認定されています。

画家を志望し、1921年に京都市立絵画専門学校日本画科に入学しました。

卒業後は兵役につき、除隊後は父のもとで修業します。

同時に染織史や染織技術史の研究を志しました。

喜多川平朗は大正~昭和時代に奈良県の東大寺にある正倉院(しょうそういん)の資料調査などに刺激を受けて、1931年から古典染織や正倉院裂(きれ)の調査を始めました。

衰退した錦、綾、羅などの製造方法や染色技法の復元に臨みました。

俵屋と同じ京都市にある高田装束の高田義男も古代染織の研究を志し、喜多川平朗は高田義男と協力して研究を始めました。

昭和天皇即位大典儀式、伊勢神宮式年遷宮など、宮中、神宮、神社への調達用の織物も数多く手がけました。

1942年に研究と作品の成果が認められ、西陣織工業組合による西陣五百年記念式典で文化功労者賞を受賞し、1945年京都市文化功労者となりました。

1949年には文化庁の記録映画「有職織物・喜多川平朗の業」が撮影されました。

1988年に老衰による呼吸不全のため90歳で亡くなりました。

喜多川平朗の作品「羅」と「有職織物」とは?

喜多川平朗の作品に用いられる「羅」と「有職織物」とはどのようなものなのでしょうか。

「羅」とは夏用に薄く織られた絹織物です。

名前は鳥を捉えるための「網」が由来で、布の目が荒く通気性に優れています。

縦糸同士が左右で絡み合うように織られ強度が高くなっています。

羅は中国が発祥で、日本には4世紀前半頃に伝来しました。

奈良時代から鎌倉時代頃には盛んに製作され、それ以降は衰退していましたが明治時代に喜多川平朗が復元しました。

また、有職織物も同じく中国から伝来された織物です。

平安時代になって色調や文様が日本人好みに変わり、公家たちが宮廷の儀式や服飾に用いた織物として使われるようになりました。

喜多川平朗の俵屋の手がける有職織物は、朝廷や公家たちが着る十二単などの「重装束」の色調と文様が基本です。

浮織物、二陪織物、綾(あや)、錦(にしき)、紗などの技法が受け継がれていきました。

17代目・喜多川平朗の頃から一般人に向けた帯や着物が作られ始め、一般の方に向けて帯地として形を変え製作がはじめられましたが、昨年惜しまれつつも帯地としての製作は終焉を迎えました。

喜多川平朗の代表的な作品

喜多川平朗の代表的な作品

喜多川平朗作品の多くは国立工芸館などに所蔵されており、市場に出回っている数は少ないとされています。


国立工芸館に所蔵されている作品はこちらです。

・1959年製「紅地菱花鳥文倭錦」「紫牡丹唐草文羅地金襴」「唐草文上代羅」

・1960年製「紅地鳥蝶唐花文錦」「縹地牡丹唐草羅地錦・霊芝雲文金襴」

・1961年製「段織綾」「暈繝錦」「暈繝錦・天皇挿鞋御料」「桐竹鳳凰文綾」

・1962年製「能衣装唐織黒紅段」

・1963年製「打掛唐織萌黄地牡丹文」

・1971年製「斑金錦牡丹唐草文帯」

・1974年製「刺納朽木文帯」

中古市場で喜多川平朗の作品の価値

喜多川平朗の作品は、国立工芸国立工芸館に所蔵されている作品館に所蔵されている作品以外に、上代錦「花卉虎文」、有職錦帯「彩桧扇文」、「有職織物格子撫子文」などがあります。

中古市場では状態が良ければ数万円の価値がつく可能性が高いです。

喜多川平朗が制作した訪問着や袋帯は人気なので、種類と状態によっては高く取引されるでしょう。

喜多川平朗の着物を売却する際にはポイント

喜多川平朗の代表的な作品

喜多川平朗の着物を売却する際には、いくつかのポイントがあります。

人間国宝に認定されている着物作家ですから、お得に売りたいですよね。

査定に出す前に参考にしてみてください。

着物を売るなら着物買取業者へ

着物は着物買取業者に売却することをおすすめします。

着物を専門的に扱う買取業者なら、作家名、種類、状態、人気度、中古市場での需要度などの様々な視点から価値を判断できます。

リサイクルショップでも着物を売れますが、価値を判断できるスタッフを配置していないことが多く、作家着物を売る場所に適していません。

オークションは自分で落札希望価格を決められますが、着物の価値に適した価格ではないと落札されない場合があります。

高価な着物であるほど売る場所を慎重に選ぶ必要があります。

着物の価値をしっかりと見極めてもらいたいのなら、着物の買取業者をおすすめします。

劣化しないうちに査定に出す

着物は劣化しないうちに査定に出すことをおすすめします。

喜多川平朗の着物は通気性の良い綿や麻でできており、正絹の着物よりはカビやシミになりづらい傾向があります。

ただし、長期間同じ場所に着物を保管していると、いつの間にかカビやシミがついて落ちなくなる場合があります。

「いつかまた袖を通したいから自宅に置いておきたい」という気持ちがあるかもしれませんが、着物は保管する場所によっては劣化を早めてしまいます。

ですから、しばらく着ていないのであれば早めに売却してしまいましょう。

使っていない和装小物も一緒に売る

喜多川平朗の着物に合わせて和装小物もお持ちであれば、セットで売却することをおすすめします。

和装小物は草履、足袋、帯締め、帯揚げ、帯留め、バッグ、かんざしなどがあり、着物とセットで査定に出せば金額がつく可能性があります。