象牙は売れない?1本物の登録票など買取に関する注意点とは
象牙は古くから印鑑や装飾品、置物などの素材として使われてきた高級素材です。
ワシントン条約によって輸入が禁止されているため希少価値が高く、買取市場でも高値での買取例が多く見られます。
しかしながら、象牙の買取には特有の注意点も多く、買取サービスを利用するに当たっては不安も多いかもしれません。
象牙は売れるのか、象牙を売るためには用意すべきもの、象牙買取の注意点のほか、高く売れやすい象牙や象牙製品の特徴などについてもご紹介します。
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目次
1本物の象牙を売るには登録票が必要!
象牙を加工したアクセサリーや印鑑などは問題ありませんが、象牙の原型をとどめている1本物は登録票がないと譲渡・売買できません。
たとえ彫り物がしてあっても、原型が残っている象牙の売買は登録票が必要です。
ただし、加工されていて原型が残っていない象牙製品は該当しません。
象牙はワシントン条約によって1989年以降の輸入が原則禁止となり、1995年から「国際希少野生動植物登録票」がないと譲渡・売買ができなくなりました。
登録されていない象牙の譲渡・売買は違反とされており、行った場合は厳しい罰則を受けなくてはなりません。
登録票のない象牙をお持ちの場合には、一般社団法人 自然環境研究センターに申請しましょう。
登録料は、象牙1本につき5,000円かかります。
象牙の登録方法
一般財団法人 自然環境研究センターにて、象牙の登録をする手順は以下の通りです。
(1)自然環境研究センターに電話をし、象牙の登録希望を伝えます。
電話番号:03-6659-6018(平日10:00〜17:00、昼12:30〜13:30)
(2)登録申請用紙が届くので、必要事項を記入し、象牙規制前に日本に輸入した証拠となる書類とカラー写真とともに提出します。
※書類の修正や鮮明なカラー写真の追加を依頼される場合があります。
(3)登録票が手元に届いたら完了です。
書類を本申請する前に担当者から必要事項が書かれているか確認がありますので、送付前にお電話で自然環境研究センターまでお問い合わせください。
買取に出すためには自然環境研究センターが発行する登録票が必須ですので、事前に手続きをしておきましょう。
一般的な買取業者が査定できる象牙製品の種類
象牙は、象の発達した切歯(門歯)を指し、黄味がかった淡い灰色が特徴です。
古くから彫刻作品、骨董品、家具、装飾品などに用いられており、適度な硬質と柔らかさを兼ね備えているので加工品に適しています。
バブル期には印鑑の素材として象牙の需要が高まりましたが、ワシントン条約によって、1989年以降の象牙の国際取引は原則禁止となりました。
現存している象牙製品は、一部の骨董品買取業者等にて買取の対象となっています。
ここでは、一般的に買取業者にて買取対象とされている象牙の種類をご紹介します。
・置物(1本牙、彫刻品、仏像など) |
・根付け |
・印籠 |
・印鑑 |
・三味線のバチ |
・タバコのパイプ |
・ビリヤード玉 |
・麻雀牌 |
・アクセサリー(ネックレス、ブレスレット、ブローチなど) |
・数珠 |
・香炉(こうろ) |
・茶道具(なつめ、茶杓、茶入れ、香合など) |
上記でご紹介した象牙加工品以外にも、幅広く査定をしている業者もあります。
ちなみに、アクセサリーには象牙のほかに金やプラチナなどが使われていると、貴金属としての価値も認められ、より高く買取してもらえるかもしれません。
なぜ象牙は買取市場で価値があるの?
ワシントン条約によって象牙の国際取引が原則禁止されたため、新しい象牙製品が流通するということは基本的にありません。
一時的に輸入が解禁された時期もあったのですが、限定的なものでした。
そのため、象牙を用いた骨董品や家具、楽器などは希少価値が非常に増しており、買取価格も上昇しているのです。
特に、1本物の象牙の形で残っているものは希少性が高く、そのまま飾ることも加工することもできるため、買取市場での需要が高くなりやすいです。
買取店によっては自主的に禁止している場合がある
ただし、野生生物の違法取引問題を考慮して、自主的に象牙製品の扱いを禁止した買取業者、フリマサイト、オークションサイトなどもあります。
象牙や象牙製品を売る際には、どこでなら象牙が売れるのかを事前に確認しておきましょう。
バイセルでは象牙以外にも陶磁器・掛け軸・水墨画などの骨董品を買取しております。
気になる方はこちらのバナーをご覧ください。
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お申し込みフォームへ高く買取されやすい象牙の特徴
象牙や象牙製品の買取において重要となる査定ポイントには様々あります。
ここではその中でも、「こんな象牙・象牙製品は高く買取されやすい」という象牙の特徴をご紹介します。
・鉛や樹脂などの詰め物が入っていない象牙
・保存状態の良い象牙製品
・有名作家の作品など骨董的価値の高い象牙製品
・象牙の麻雀牌
・インド象の象牙
・ハードタイプのアフリカ象の象牙
鉛や樹脂などの詰め物が入っていない象牙
象牙は根元から3分の1くらいが空洞になっているのですが、加工の都合や重量の嵩増しのために、その空洞に鉛・木・石・練物(動物の骨などを樹脂で固めたもの)などの詰め物が入っている場合があります。
保存状態の良い象牙製品
象牙は固くて丈夫なものではありますが、長年保管しているうちに徐々に劣化してしまうことがあります。
例えば置物や根付などの象牙製品でデザインが欠けてしまうなどしていると、骨董的価値が下がる分、買取価格も状態が良い場合に比べて低くなってしまうかもしれません。
反対に、割れやヒビがなく、経年劣化を感じさせないような保存状態の良い象牙は高く買取されやすいといえるでしょう。
ただし、多少の割れや欠けがあっても象牙が希少なことに変わりはありません。
まずは、手数料無料の買取業者を選んで無料査定で価値を確かめてみましょう。
有名作家の作品など骨董的価値の高い象牙製品
これは象牙製品の骨董的価値の側面なのですが、有名な彫刻家や有名な骨董品作家が手掛けた作品には高い買取価格がつく場合が多いです。
例えば安藤緑山・駒田柳之・清水信生・小針孤舟といった有名彫刻家による象牙彫刻や、「撥鏤(ばちる:象牙細工の工芸技法)」の技法で人間国宝に認定された吉田文之の作品などは、買取市場でも高い評価を受けています。
麻雀牌
象牙の加工品の中でも、緻密なデザインの細工が施されている麻雀牌は買取市場における人気が高いです。
特に麻雀牌が一式揃っている場合にはコレクターからの需要も増し、買取価格も高くなりやすい傾向があります。
インド象の象牙
象牙は象の種類によっても価値に幅が出ます。
特に価値が高いとされているのは、クリームがかった美しい色味を持つインド象の象牙です。
インド象は他の象に比べて牙が小さく、密度・硬度が高いという特徴があります。
またインド象は、すべての象牙の国際取引が原則禁止となった1989年より14年も前の1975年には、すでに国際取引が禁じられていました。
より長い期間にわたって輸入が禁止されているため、他の象よりも貴重で「幻の象牙」とも言われています。
ハードタイプのアフリカ象の象牙
1989年まで輸入することができたためインド象に比べて多く流通しているアフリカ象の象牙ですが、生息場所の環境や食べるものによって硬さが変わることが知られています。
このうち、コンゴ・ザイール・ガボンなどの中央アフリカで採れることの多かった、より硬いハードタイプの象牙は希少性が非常に高く、買取価格が高くなりやすいでしょう。
ハードタイプの象牙はソフトタイプに比べて密度が高く、少しピンクがかったアイボリーで透明感のある光沢が特徴です。
一方、ジンバブエ・ボツワナなどで採れることの多かったソフトタイプの象牙は、白に近いアイボリーの色味が特徴です。
象牙を売る際に気をつけたい業者選びのポイント
象牙は登録票、詰め物の問題、偽物の問題など、買取に出す際の注意点の多い品物です。
そこで、ここでは象牙を安心して買取に出せる業者を選ぶためのポイントを4つご紹介します。
・特定国際種事業者である
・骨董品に関する専門性を持っている
・査定料・キャンセル料などの各種手数料が無料である
特定国際種事業者である
象牙を扱う買取業者は、絶滅危機に瀕する野生動植物を守る法律に基づいて「特定国際種事業者」という事業者登録が必須です。
この事業者側の登録は、1本物に限らず加工品を取り扱う場合にも必須となっています。
象牙を扱う買取業者を探す際には「特定国際種事業者であるかどうか」をまずは念頭に置いておきましょう。
特定国際種事業者でないのに象牙買取を勧めてくるような場合には、怪しいと考えて良いでしょう。
骨董品に関する専門性を持っている
特に象牙を加工した骨董品の買取の場合には、象牙の素材としての価値に加えて、骨董的価値を見極められる専門知識や査定技術を持った業者でなければ正確な価値は見極められません。
象牙を使った骨董品を買取に出す場合には、象牙の買取実績だけでなく、各種骨董品の買取実績も確認しておくようにしましょう。
査定料・キャンセル料などの各種手数料が無料である
象牙製品は価値の高いものが多いですし、希少で大切なものも多いでしょうから、買取に際して慎重になるのは当然のことです。
そこで、象牙製品の買取を依頼するなら、査定料・キャンセル料などの各種手数料を無料にしている買取業者がおすすめです。
各種手数料が無料であれば、「試しに査定だけ」や「査定金額を聞いてからゆっくり考えたい」という場合にも費用がかかることはありません。
無駄な費用のかかる心配なく象牙を売ることができますので、各種手数料が無料の買取業者を選ぶのが安心です。
象牙とは
やや黄味がかった淡いアイボリーホワイトが美しい象牙は、文字通り象の牙です。
人肌になじむ吸湿性と適度な硬度を持つ一方、加工しやすい柔らかさもあることから、古来よりさまざまな国々で工芸品の素材として使用されてきました。
人工の素材にはないあたたかみがあり、吸湿性によって朱肉を吸い上げることができる象牙は、日本では特に印鑑の素材として盛んに使用されてきました。
他にも箸やパイプなどの手や口にふれるアイテム、置物やアクセサリーなど象牙の美しさを生かせるアイテムの素材として多く使われています。
その反面、象牙は長い人類の歴史の中で乱獲が行われたこともあって、一時は象の絶滅が危ぶまれるなど負の歴史もありました。
そして1989年、野生動物の保護を目的とする「ワシントン条約」において、象牙の国際取引は原則禁止という制限が掛けられることになりました。
そのため、現存する象牙の置物やアクセサリー、彫刻作品などの希少性はいっそう高まり、非常に高い価値を持つようになっているのです。
象牙の歴史
人類が象牙を利用し始めたのは、なんと旧石器時代にまでさかのぼります。
木や石と同様の素材のひとつとして用いられ始めた象牙は、次第にその美しさから珍重されるようになりました。
紀元前のギリシャ・ローマ時代にはすでに高級素材としてみなされ、ローマ帝国の皇帝たちは象牙を権力の象徴として扱いました。
ヨーロッパの上流階級の人々は服のボタン、食卓のナイフ・フォークの柄、ビリヤードの球、ピアノの鍵盤などとして象牙を好んだようです。
またイスラム世界では、イスラム美術ならではの緻密で繊細な幾何学模様を彫りつけるなど、美術品の素材として重宝されました。
そしてアフリカ大陸がヨーロッパ諸国の植民地となった19世紀には、アフリカ象が乱獲されて大量の象牙がヨーロッパに送り込まれたという歴史があります。
日本でも、最古の象牙製品としては、飛鳥・奈良時代の朝廷の宝物を納めた正倉院にある「紅牙撥鏤尺(こうげばちるのしゃく)」があります。
赤を基調とした鮮やかな色調で染め上げた尺(ものさし)であり、儀礼用の品物でした。
その後は茶の湯の文化が発達していく中で、繊細な彫刻や細工を施した象牙の茶道具が作られるようになり、当時の文化人や将軍・大名などの権力者に好まれました。
江戸時代になると印籠や根付の素材として珍重されることになりましたが、当時の日本の象牙工芸は世界の中でも最高水準とされており、明治以降に海外のコレクターからも注目を集めました。
現在でも、世界の名だたる美術館・博物館に日本の象牙製品が所蔵されています。
象牙は偽物に注意
象牙は非常に価値が高いだけに、残念ながら多くの偽物も存在します。
具体的には、詰め物の話のところでも登場した練物(動物の骨などを樹脂で固めたもの)を象牙風に成形して、象牙と偽って出回っている場合があるのです。
象牙の偽物を見極めるのは専門家でもない限り非常に難しいのですが、本物の象牙には見極めに役立ついくつかの特徴があります。
・本物の象牙には年輪のような縞模様が入っている
・本物の象牙は光にかざすと、薄く光が透ける
・本物の象牙は経年劣化によってヒビや変色が発生する
・本物の象牙には根元部分に空洞がある
・本物の象牙は角ばった鋭利な割れ方をする
ただし、偽物も本物を模して作られているわけですから、これを知っていたとしても実際に見極めるのは困難です。
本物かどうかを確実に知りたい場合には、象牙の買取業者に頼るのが無難でしょう。