池上秀畝作品の買取価格は高い?代表作や高価買取のポイントを解説

池上秀畝作品の買取価格は高い?代表作や高価買取のポイントを解説

池上秀畝(いけがみしゅうほ)は、細部まで丁寧に描き込む緻密で写実的な描写によって生み出される山水画・花鳥画で有名な日本画家です。

克明な観察とダイナミックな構図によって描かれる自然の迫力や生命感あふれる表現は非常に評価が高く、美術品買取市場でも高価買取されるケースがあります。

本記事では、池上秀畝作品の特徴や代表作・有名作品に加えて、買取市場で高く売れる理由、高く売れやすい池上秀畝作品の特徴、池上秀畝の絵画を高価買取してもらうためのポイントなどについてご紹介します。

※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。

池上秀畝とは

池上秀畝(1874-1944)は、明治から昭和初期にかけて活躍した日本画家です。

特に、緻密な描写による山水画や花鳥画は有名です。

現在の長野県伊那市に生まれた池上秀畝は、絵を学ぶために15歳で上京しました。

日本画家・荒木寛畝(あらきかんぽ 1831-1915)に弟子入りすると、師の教えで徹底した写生を重んじる作風を確立します。

文展(文部省美術展覧会)を中心に作品を発表すると、1907年には文展で初入選、1916年からは3年連続で文展特選を受賞するなど高い評価を得ました。

一方で、1918年には文展の審査方法に異を唱え、同志とともに新結社を結成して文展改革に乗り出します。

翌1919年には帝国美術院を創設、帝展(帝国美術院展覧会)を発足させると、審査なしで出品を可能とする体制を作り、美術の大衆化や作家の創作意欲を刺激する役割を果たしました。

晩年には帝展では審査員を務め、画塾「伝神洞」を主宰して後進の育成にも尽力しました。

池上秀畝の作風

池上秀畝の代名詞とも言えるのが、緻密な描写による山水画・花鳥画です。

対象を克明に観察し、細部まで丁寧に描き込む写実性は際立っています。

鳥の羽毛、植物の葉脈、岩肌の質感など、写生に基づいた精緻でリアルな筆致は、池上秀畝の大きな特徴と言えるでしょう。

色彩の面では、伝統的な日本画の技法に則りつつも、華やかで明快な色彩を用いているのが特徴と言えます。

特に花鳥画では、その色彩感覚が作品に生命感を与えています。

また、特に屏風絵などの大型作品では、見る者に迫力とダイナミックな印象を与えるような大胆で迫力のある構図が見られます。

池上秀畝の作品の種類

池上秀畝の作品には、通常の紙本・絹本の日本画作品のほかに、掛け軸作品や屏風絵作品も多くあります。

特に掛け軸作品は小型で扱いやすいものが多いことから、美術品買取市場でも人気が高くなっています。

池上秀畝作品の買取価格は高い?高く売れやすいポイントとは

対象を克明に観察した緻密な描写で高く評価されている池上秀畝の作品は、美術品買取市場でも高い人気があります。

美術館に収蔵されているものなど貴重な作品も多くありますが、掛け軸作品などを中心に買取市場での取引例も見られます。

池上秀畝作品の中でも美術品買取市場で高く買取されやすいのは、やはり緻密な描写と鮮やかな色彩で描かれた山水画・花鳥画です。

池上秀畝の真髄が発揮された作品として、高く評価されやすいでしょう。

特に、サイズの大きい作品は買取価格も高くなりやすい傾向があります。


池上秀畝だけでなく、絵画の買取では有名作家の作品ほど買取相場が高くなりやすい傾向があります。

以下の各ページでは、有名作家の作品を中心とした日本画・掛け軸の買取相場や、高く売るためのポイントといった買取情報について記載してございます。

参考までにぜひご参照ください。



バイセルでの日本画の買取実績は?

バイセルには、日本画をはじめとした絵画の買取実績が数多くございます。

以下の各ページでは、日本画をはじめとした絵画のバイセルでの実際の買取例について記載してございます。

参考までにぜひご覧ください。


池上秀畝の代表作

対象を克明に観察した緻密な描写による池上秀畝の山水画・花鳥画は多くの美術ファンを魅了しています。

ここでは、池上秀畝の絵画の中でも特に人気の高い、代表作と言うべき作品についてご紹介します。

初冬

「初冬」(1910)は、池上秀畝の代表作の1つに数えられる六曲一双の屏風絵です。

東京国立近代美術館に所蔵されています。

「初冬」は池上秀畝が得意とした山水画で、厳しく冷たい初冬の空気と、静寂に包まれた山中の情景が描かれています。

色彩は池上秀畝作品の中では珍しく、水墨画に近い落ち着いた色調で描かれています。

しかし、控えめながら彩色を巧みに用いることで、水面の光や雪の質感を見事に表現しています。

池上秀畝らしい写実性で岩肌の質感や木々の枝ぶりなどが克明に描写され、厳しい冬の情景に潜む静かな生命力や息吹を感じさせます。

夕月

「夕月」は1916年の文展で特選を受賞した、池上秀畝の代表作の1つです。

六曲一双の屏風絵で、東京国立近代美術館に所蔵されています。

「夕月」は月そのものではなく、満月に照らされた静かな情景を描いた作品です。

月光に照らされた山、木、鹿などが池上秀畝らしい写実性で描かれており、花鳥画としての要素もあります。

光の巧みな表現で夜の空気感や空間の広がりを感じさせ、静かで幻想的な雰囲気を生み出しています。

峻嶺雨後

「峻嶺雨後」は1917年の文展で特選を受賞した、池上秀畝の代表作の1つです。

六曲一双の屏風絵で、東京都の目黒雅叙園に所蔵されています。

「峻嶺雨後」のモチーフになっているのは、雨が上がったばかりの険しい山々です。

峻厳な山岳の雄大な景色が目前に迫るかのようなダイナミックな構図で描かれており、非常に力強い山水画となっています。

雨に洗われた後の清々しい空気感や湿った岩肌の質感が、池上秀畝らしい緻密な筆致と彩色によって巧みに描き出されています。

四季花鳥

「四季花鳥」は4幅の掛け軸からなる連作の花鳥画で、1918年の文展で特選を受賞している名作です。

長野県立美術館に所蔵されています。

「四季花鳥」では、春・夏・秋・冬の四季を通じて移り変わる自然の風景と、そこに生きる鳥や植物が描かれています。

池上秀畝らしい精緻な描写力で、鳥の羽毛の1本1本まで、花びらや葉の1枚1枚までが非常に細かく、そして生命力あふれる筆致で描き込まれています。

また、背景に金箔を用いるなど鮮やかで華やかな色が使われており、作品全体に生き生きとした躍動感を与えています。

桃に青鸞図・松に白鷹図

「桃に青鸞図・松に白鷹図」(1928)は、池上秀畝の晩年の代表作といえる2枚組の杉戸絵(杉で作られた戸板に描かれた絵)で、表裏にそれぞれ「桃に青鸞図」「松に白鷹図」が描かれています。

オーストラリア大使館に所蔵されています。

2枚組の一方である「桃に青鸞図」は、桃の木に、想像上の鳥である「青鸞(せいらん)」がとまっている姿を描いた作品です。

青鸞は、美しい羽を持つ伝説の鳥で、吉祥の象徴とされているものです。

淡い桃の花と鮮やかな青鸞の対照的な色彩が美しく、華やかさと品格を兼ね備えています。

もう一方の「松に白鷹図」は、厳かな松の木に鋭い眼光を持つ白鷹がとまっている姿を描いた作品です。

池上秀畝の力強い筆致で描かれた白鷹は凄まじい迫力で、力強さや威厳を感じさせます。


ここに紹介したもののほかにも、池上秀畝には「雨中竹屏風」「翠禽紅珠」「国之華」「秋晴」「夏より秋図」など数多くの有名作品があります。

また、ここに名前のない作品であっても、池上秀畝の絵画作品であれば保存状態などの条件によって高く買取される可能性があります。

お持ちの池上秀畝作品の具体的な価値については、ぜひ1度バイセルの無料査定でお確かめください。

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池上秀畝の絵画を高価買取してもらうためのポイント

克明な観察と緻密な描写力で描かれる池上秀畝の山水画・花鳥画は、美術品買取市場でも高く評価されています。

では、池上秀畝の絵画を少しでも高く売るためにはどのようなポイントに気をつければ良いでしょうか。

池上秀畝作品を含む絵画の買取において、より高く買取してもらうために知っておきたい3つのポイントをご紹介します。

  1. 綺麗な状態で保存しておく
  2. 鑑定書などの付属品を揃えておく
  3. 入手経路などの来歴を明確にしておく

綺麗な状態で保存しておく

池上秀畝を含む絵画の買取では、保存状態が良好である(制作当時の状態をなるべく保っている)ほど高く買取されやすい傾向があります。

反対に、ひび割れ、退色、シミ、シワ、カビ、傷、破れ、タバコの臭いがあるなど保存状態が悪いと、その分だけ買取価格は下がってしまいます。

池上秀畝のような有名作家の場合には多少の経年劣化があっても買取してもらえる場合も多いですが、高価買取の可能性は低くなってしまうでしょう。

作品を良い状態に保つためには、専用の袋や箱で保護する、直射日光を避けて風通しの良い場所で保管するなどの工夫をしてあげましょう。

鑑定書などの付属品を揃えておく

池上秀畝のような有名画家の作品をより高く売るためには、作者のサインや鑑定書・保証書といった、作品の価値を示す付属品の有無が重要な役割を果たします。

池上秀畝作品の場合、作品の右下や左下などに「秀畝」というサインの入っているものが多いです。

また、サインのそばには通常、朱色の印章が押されています。

これらのサインや印章は作品の品質と信頼性を示す重要な証拠になるため、買取市場における信頼性が増すことで多くの需要を集められます。

鑑定書も同様の効果があり、付いていることで作品の価値を証明できるため買取市場における信頼性が増します。

これらがあることで、より高い価格での買取につながる可能性があります。

鑑定書・保証書などの付属品がある場合には、作品本体と併せて大切に保管しておきましょう。

入手経路などの来歴を明確にしておく

池上秀畝をはじめとした絵画の査定では、買取市場における作品の信頼性のために「どこで手に入れたか」「いつ購入したか」「誰から譲り受けたか」など購入に至るまでの背景が確認されます。

例えば「業界で信頼されている専門店で購入した」「〇年△月に××博物館に貸し出した」などの来歴は、作品の価値を判断するうえでも重要な情報になります。

そして、その来歴を証明する書類等があればさらに信憑性が増し、買取市場における信用度が増すことでより高く売れるかもしれません。

入手した経路や時期、美術館への貸出履歴といった記録がある場合には、処分せずに大切に保管しておきましょう。

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バイセルの査定士は、高い専門知識と豊富な査定経験を生かして、池上秀畝作品をはじめとした絵画1点1点の価値をしっかりと見極め、正確に鑑定します。

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