エルメス素材「クシュベル」の魅力！おすすめヴィンテージバッグの種類も紹介

エルメスでは、バッグに合わせてさまざまな素材が使われており、なかでも「クシュベル」という素材は廃盤になった現在でも人気の高い素材です。

本記事では、クシュベルがなぜ人気を集めているのかの理由を解説し、クシュベルが使われているおすすめのヴィンテージバッグを紹介します。

エルメス素材「クシュベル」とは？

「クシュベル」は、エルメスがかつて使用していた雄仔牛のレザー素材です。

正式名称は「ヴォー・グレネ・クシュベル（Veau Graine Courchevel）」で、現在でもその人気は衰えていません。

ここでは、クシュベルがなぜ今でも人気があるのか、素材としての特性や魅力について解説します。

上質な質感

クシュベルの魅力は、独特な上品な質感にあります。

クシュベルは、レザーに細かな斑の型押しとガラス加工を施すことで、光沢感を持たせています。

この適度な光沢がレザーに高級感を与え、上品な質感を際立たせているのです。

さらに、クシュベルは同色のほかの素材よりも発色がよく、やや明るい色味に仕上がります。

定番のカラーでも新鮮な魅力や印象を感じさせることが、クシュベルの人気を高める一因となっています。

さらに、ガラス加工による光沢感は見る角度によって色味が変化し、単色のレザーでも多彩な印象を与えます。

扱いやすい素材

クシュベルの人気の理由には、ガラス加工によって傷やスレに強い、高い耐久度を備えていることも挙げられます。

日常的に使っていても汚れが付きにくく、適切に手入れをすれば、長期間美しい状態を保つことができます。

さらに高い耐水性があり、汚れた場合でも水拭きができます。

軽量なため荷物を入れても重くなりづらいなど、日常的な扱いやすさも実現しています。

高級感のある質感を損なうことなく、日常使いしやすいバッグに仕上げられていることが、クシュベルがほかのレザー素材よりも優れている点です。

2000年代前半に廃盤に

クシュベルは質感と実用性から高い人気を誇っていましたが、2000年代前半に廃盤となりました。

クシュベルの後継のレザー素材として「ヴォー・エプソン」が2003年から使用されています。

現在、新しいバッグにクシュベルは使用されていません。クシュベルが見られるのはヴィンテージバッグだけです。

上述したとおり、クシュベルは耐久性が高く、傷や汚れに強いため、廃盤になってから20年以上経った今でも美しさを保っています。

そのためクシュベルが使用されたヴィンテージバッグは中古市場でも価格が下がりにくく、高価格で取引されています。

エルメス素材「クシュベル」と「ヴォー・エプソン」の違い

廃盤となっても人気の高いクシュベルと、その後継として使用されるヴォー・エプソンは、似た質感を持つ素材です。

しかし、まったく同じ質感ではなく、ヴォー・エプソンが完全にクシュベルの代わりになることはありません。

ここでは、それぞれの素材がどのように違うのか、2つのポイントから解説します。

光沢感

クシュベルとヴォー・エプソンの違いの一つは、レザーの光沢感にあります。

どちらも同じ雄仔牛のレザーを使用していますが、ヴォー・エプソンにはガラス加工が施されておらず、クシュベルのような光沢感はありません。

光沢感に注目すれば、それぞれの素材の違いがひと目でわかるはずです。

キメの細かさ／型押しの深さ

クシュベルとヴォー・エプソンは、どちらも型押し加工が施されています。

しかし、型押し加工の深さが違うため、型押しの見た目がやや異なって表れています。

クシュベルとヴォー・エプソンの型押しを比較すると、クシュベルのほうが型押しが深く、きめ細かな型押しが施されていることがわかります。

ヴォー・エプソンは型押しがやや弱く、型押しが少し荒いです。

光沢感よりも判断しにくい違いですが、間近でじっくり見れば、違いはわかります。

エルメス「クシュベル」を使ったヴィンテージバッグの種類7選

クシュベルは、20年以上前に廃盤になった素材のため、現在購入できるのは、中古市場で販売されているヴィンテージバッグに限られます。

ここでは、クシュベルが使われていた代表のバッグを7種類紹介します。

クシュベルのヴィンテージバッグ探しの参考にしてみてください。

バーキン

バーキンはエルメスを代表するラインで、高級な仕上がりからエルメスファンにとっては憧れの対象となっています。

荷物が多く入るように設計されており、ほかのバッグよりもサイズが大きく、旅行バッグとしても活用されているのが特徴です。

さらにバーキンは型くずれしにくく、軽量であるクシュベルは相性の良い素材です。

耐久性が高いため、気候が読みにくい旅行時にも使いやすく、重宝されます。

現在でもクシュベルのバーキンは高い人気を誇っています。

ケリー

ケリーは、モナコ公妃であった故グレース・ケリーが愛用していたことからその名が付けられた、1935年発売の長い歴史を持つバッグです。

特徴は、1本の持ち手があるデザインで、エレガントな雰囲気と美しいフォルムの組み合わせが、多くの現代女性からも人気を集めています。

硬質なクシュベルは、ケリーの美しいフォルムを保つのに適しており、光沢感を与えることでより高級感のあるデザインに仕上げています。

クシュベルが使用されたケリーは現在も人気が高く、高価格で取引されています。

オータクロア

オータクロアは20世紀初頭にデザインされ、エルメスで最初に作られたバッグです。

もともとは乗馬用具を運ぶために使用されていたため、エルメスのバッグのなかでも大きなサイズに仕上がっています。

また、オータクロアはバーキンの原型であり、大きなサイズはバーキンの設計に影響を与えています。

そのためバーキンと同様に、クシュベルの特性と相性が良く、より扱いやすいバッグに仕上がっています。

ボリード

エルメスで初めて作られたファスナー付きのバッグであるボリードは、美しい曲線が魅力です。

曲線が女性らしさを強調し、より女性らしいデザインに仕上がっています。

クシュベルは型くずれしにくい硬さと、折り目が付きにくい性質があるため、ボリードの美しい曲線を保つのに適した素材です。

長期間使用しても美しいフォルムを維持できることから、クシュベルのボリードは高い人気を誇っています。

サックアデペッシュ

数々の政治家や芸術家たちに愛用されていたことから、一流のビジネスバッグともいえるのがサックアデペッシュです。

大切な書類や公文書（デペッシュ）を安心して運べるバッグという意味のとおり、世界中のビジネスシーンで利用されています。

サックアデペッシュの目的は、バッグ内の書類を安全に運ぶことであるため、耐久性の高いクシュベルとの相性はバッチリです。

現行のサックアデペッシュにはヴォー・エプソンが使用されているため、クシュベルのサックアデペッシュを使うことでほかの人と差をつけることができます。

ヴェスパ

ヴェスパは、カジュアルに使える斜めがけのショルダーバッグです。

エルメスが厳選したレザーを用いることで、カジュアルななかにも高級感があり、おしゃれなスタイルで身に付けられます。

ヴェスパは日常使いに適したバッグであるため、傷や汚れに強いクシュベルの性質との相性は良好です。

さらに、クシュベルの高級感がプラスされることで、カジュアルなシーンからフォーマルなシーンまで使いやすいバッグに仕上がっています。

トリム

トリムは、クラシックなデザインと豊富な収納ポケットにより、デザイン性と機能性の両方を兼ね備えたバッグです。

ハンドバッグとしてもショルダーバッグとしても使用できるため、さまざまなスタイルに合わせられます。

収納ポケットが多く、荷物を多く運べることから、軽量なクシュベルとは相性が良いです。

また、クシュベルの上品な質感が加わることで、フォーマルなシーンでも使いやすくなり、活用できるシーンがグンと広がっています。

おわりに

クシュベルは上品な質感と高い耐久性から、発売から時間が経ってもバッグの美しい形状を保つことができる素材です。

そのため、現在でもクシュベルを使用したバッグは高い人気を誇り、中古市場でも高額で取引されています。

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