
切手収集といえば、人気がある趣味の1つであり、様々な切手が収集対象となっています。
切手の中でも1円切手は、マイナーチェンジをしながらも肖像であり続ける前島密は、1度もデザインが変更されていない珍しい切手です。
なぜ前島密は、1円切手の肖像であり続けるのか。
郵便の歴史から前島密の7つの功績、前島密モチーフの切手をご紹介します。
郵便の歴史

ポストに手紙を投函するだけで配達される、という現在の郵便の仕組みを初めて確立したのは、近代イギリスでした。
イギリスでは1500年代にポストが新設、1800年代には郵便切手が発行され、均一料金の郵便制度が施行され始めました。
この制度は世界中に普及していき、日本もまた、イギリスを参考にしつつ郵便制度を確立していきました。
江戸時代頃の日本では、郵便物は飛脚制度によって届けられていました。
飛脚制度とは、馬と駆け足を交通手段とし、荷物を運ぶ仕組みです。
しかし、郵便料金が高額であることや世界へ手紙が届けられないということなどが懸念点となり、郵便局を拠点とする近代郵便の制度に移行していきました。
前島密とは?

明治時代に始まった近代郵便制度を提唱したのが、当時の駅逓権正(交通通信担当官司)であった前島密でした。
前島密は政府が費やしている飛脚制度の高額な費用を見て、誰でも安価に郵便を利用できるよう日本の郵便制度を考え出し、東京大阪間で官営の郵便事業を開始しました。
前島密は1871年に、郵便先進国であったイギリスを視察後、日本に戻ってきて郵便制度の改革をします。
「郵便」「切手」という言葉も、前島密が定めたものです。
その後全国に郵便局が配置され、郵便料金を全国均一にし、誰でも自由に郵便を送ることができるようになりました。
前島密が行なった7つの功績

郵便事業をはじめとし、前島密が称えられる理由は他にもあります。
代表的な7つの功績をご紹介します。
郵便サービスの創業
前島密は1870年から11年間、郵政の長を務め、彼が中心となり1871年より郵便事業が開始されました。
長年に渡り郵便サービスに尽力していた前島密は「郵政の父」とも呼ばれています。
新聞事業の育成
郵便先進国であるイギリスを視察してきた前島密は、1871年の帰国後、すぐ郵便サービスを改良します。
郵便利用において、手紙類だけではなく、新聞・雑誌も安価で送れるようにしました。
1872年には郵便報知新聞(のちの報知新聞)を創刊、1873年には新聞の原稿を無料で送れるようにしました。
郵便為替サービスの開始
1875年、かねてから前島密がイギリス郵政に影響されて提案していた郵便為替が開始されました。
郵便為替とは、日本政府・日本郵政公社が行っていた送金に関する事業のことで、全国各地へお金を送れるサービスです。
郵便貯金サービスの開始
1875年、東京・横浜にて郵便貯金サービスが利用開始されました。
郵便貯金についても前島密がイギリス視察時に発見したもので、国民の生活や国家の発展のために彼が提案しました。
当初は「貯金」という概念がなかなか一般的に理解されず、普及させるのに苦労したようです。
勧業博覧会の開催
前島密は内務省に向け産業振興について強く奨励し、1877年に東京の上野で第1回勧業博覧会を開催することに成功しました。
この大会は産業発達に大きな影響を与え、審査官長を務めた前島密は「日本文明の1大恩人」とも言われるようになりました。
東京専門学校の創立
1882年、前島密は東京専門学校の創立の携わり、1887年には校長に就任しました。
東京専門学校は、教育水準が高く大学昇格を展望して組織を改編した後の1902年に「早稲田大学」へと改称しました。
電話サービスの開始
1890年には、電話の交換業務開始にも携わりました。
東京・横浜市内とその相互間に開設され、後に便利さが理解されると急速に拡大していきました。
前島密がモチーフの切手

近代郵便制度の確立に貢献した前島密を称え、日本初の郵便局である東京日本橋郵便局には「郵便発祥の地」という碑と前島密の像が立てられています。
また、前島密がモチーフとなっている切手も存在しているのでいくつかご紹介します。
没後100周年の記念切手
オリジナルフレーム切手セット「前島密 没後100周年」は、前島密の没後100周年を迎えた2019年に発行された切手セットです。
セット内容は、前島密の肖像写真をあしらった切手2枚が台紙に収められています。
切手は洋装の82円切手と、和装の62円切手です。
台紙の外側は、彼が居住していた横須賀市の情景写真が用いられています。
ゆかりがあるとされる新潟県・神奈川県のそれぞれ一部の郵便局で販売されました。
1円切手
日本の普通切手の絵柄は、基本的に産業・国宝・自然などのものがテーマとなっていますが、1種類のみ人物が描かれている切手が存在します。
それが、前島密が描かれている1円切手です。
これは前島密の偉業を長く称えていくことが目的であり、今後も1円切手の肖像だけは変えることがないと、日本郵便から公言されています。
これまで、銭単位・色・ロゴ・書体などについては細かい変更が何度も行われてきましたが、前島密の肖像は1947年の初発行より変わることはありませんでした。
郵便創業80年記念切手
郵便創業80年記念切手は、1950年に郵便創業80年を記念して発行されたもので、1円切手が4枚で構成されているシートです。
発行部数は100万枚で、図柄は普通切手の1円とほぼ同様で前島密が描かれています。
前島密は、この他にも「郵便創始75年記念切手」「郵便切手の歩みシリーズ」などでも図柄に使用されています。
もし1円切手が手元にあったら?

1円切手は、部分的な絵柄変更を経ているため、現在では手に入りにくいような古い1円切手であれば額面以上の価値が付くことがあります。
また、切手の査定には保存状態も大きく関わるため、保管のコツを押さえておきましょう。
切手の大敵である湿気や水分が付着すると、裏の糊が溶けて台紙に貼り付いてしまい、破れたりよれたりしてしまう原因となります。
さらに、直射日光に当たった状態で放置しておくと、変色・変質してしまう恐れもあります。
切手は、通気性の良い暗所で保管することがおすすめです。
もし古い1円切手が手元にあれば、試しに切手専門の買取業者に査定に出して、価値を知ってみるのもおすすめです。
プロの査定員に見極めてもらえば、思いがけない査定結果が聞けるかもしれません。
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