王一亭の書画・掛け軸の買取価格は高い?代表作や高価買取のポイント

王一亭の書画・掛け軸の買取価格は高い?代表作や高価買取のポイント

王一亭(おういってい)は、仏画・花鳥画などの絵画に、自作の詩文とそれを記した書、さらに印章を添えた「詩書画印」のスタイルで有名な中国の書画家です。

日本とのつながりが深いことから日本国内の骨董品買取市場でも高い人気があり、買取価格も高くなる可能性があるでしょう。

本記事では、王一亭の人物像や書画家としての作風、有名作品に加えて、買取市場で高く売れる理由、高い価値がつきやすい王一亭作品の特徴、王一亭の書画・掛け軸を高価買取してもらうためのポイントなどについてご紹介します。

※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。

バイセル査定士 高橋裕太 バイセル査定士 高橋裕太

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王一亭とは

王一亭(1867-1938)は、中国の清朝末期から中華民国の時代に活躍した実業家・政治家・書画家です。

本名は王震ですが字の一亭でよく知られ、また「白龍山人」「梅花館主」「海雲楼主」などの号でも知られます。

王一亭は13歳で金融機関の徒弟となったことから実業家としての人生をスタートさせました。

この頃、業務の傍らで外国語も学んでいたといい、この向上心と勤勉さがのちのキャリアにもつながります。

その後海運業界へ転職すると、日本の日清汽船や大阪商船で働き、三井洋行が所有する上海製造絹糸社の社長を務めるなど、日本の経済界との太いパイプを築きました。

その後、清の末期から中華民国初期には商業団体で指導的立場に就くなど、上海実業界の中心人物へと成長していきました。

そして王一亭は実業家として得た財力と人脈を背景に、中国同盟会(孫文らを中心とした革命政党)へ参加して資金面や革命思想の普及などで重要な役割を果たしました。

中華民国成立後は農商務大臣に就任するなど、実業部門の責任者として政府を支えました。

また、商売を通じて多くの友人が日本にいたことから親日家としても知られ、特に1923年の関東大震災では救援や復興に尽力しました。

現在の日台関係につながる友好を象徴する人物としても有名です。

書画家としての王一亭

王一亭は実業界で成功を収めはじめた若い頃から、書画に対する強い関心と熱意を抱いていたといいます。

はじめは任頤(じんい 1840-1895)のもとで絵を学び、その後呉昌碩(ごしょうせき 1844-1927)に師事したことで本格的に書画家としての道を歩み始めました。

王一亭の作品ジャンルは多岐にわたり、山水画・人物画・花鳥画・仏画など、幅広いジャンルで優れた作品を生み出しました。

中でも彩色山水画や彩色花鳥画、そして花卉山水画(花と山水を組み合わせた画)などを得意としました。

また、仏教への信仰から晩年には仏像を多く描いたことでも知られ、仏画が多く残されています。

王一亭の書画家としての評価は現在でも非常に高く、近代中国美術を代表する書画家の1人として世界的に高い評価を受けています。

王一亭の作風

王一亭の作風としてキーワードに挙げられるのが、師匠・呉昌碩から受け継いだ「詩書画印」です。

すなわち、絵画と詩文、その詩文をしたためた書、そして印章までを1つの芸術として融合させた表現形式です。

また、王一亭は骨法用筆(物の骨格や生命力を描き出す筆遣い)と呼ばれる、呉昌碩の力強い筆致も受け継いでいます。

これにより、鳥や植物、山などに力強い生命力が与えられています。

色彩の面では、呉昌碩が枯れた趣を好んだのに対して王一亭は潤いのある色彩を多用し、画面全体に生き生きとした生命感があるのが特徴です。

また、王一亭の実業家としての勢いを表すかのような闊達でダイナミックな構図を用いることもあり、活力や情熱を感じさせます。

王一亭作品の買取価格は高い?価値が高くなりやすい作品の特徴とは

近代中国美術を代表する書画家の1人である王一亭の書画・掛け軸は、多くの骨董ファンから高い評価を受けています。

特に、親日家であったことから日本へ輸出された作品も多く、日本の買取市場でも高い人気を誇ります。

高い買取価格のつきやすい作家の1人だと言えるでしょう。

王一亭作品の中でも特に高く買取されやすいのは、晩年に熱心に描いた仏画、そして得意とした彩色の山水画・花鳥画です。

中でも日本の軸装仕立てになっているものは買取市場でも需要を集めやすく、高く買取されやすい傾向があります。


王一亭だけでなく、書画・中国掛軸など中国美術の買取では有名作家の作品ほど買取相場が高くなりやすい傾向があります。

以下のページでは、有名作家の作品など中国美術の買取相場、高く売るコツなど、中国美術の買取情報について記載してございます。

参考までにぜひご参照ください。


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バイセルでの掛け軸・中国美術の買取実績は?

バイセルには、掛け軸や中国美術の買取実績が数多くございます。

以下の各ページでは、掛け軸や中国美術のバイセルでの実際の買取例について記載してございます。

参考までにぜひご覧ください。


王一亭の有名作品にはどんなものがある?

力強い筆致で描く生命力あふれる絵画とともに詩と書にも優れている王一亭作品は、多くの骨董ファンから支持を集めています。

では、そんな王一亭の有名作品にはどんなものがあるでしょうか。

ここでは、「仏画」と「花鳥画・花卉山水画」に分けて、王一亭の有名作品について見ていきましょう。

王一亭の仏画

王一亭は仏教への信仰心から、特に晩年には多くの仏画を描いたことで知られています。

王一亭の仏画は、力強い書の筆法を線描にも活かしている点が特徴です。

また、仏画の売却益を関東大震災の救援など災害救済の資金源としていたという点にも、王一亭の仏画を描く上での精神性が感じられます。

王一亭の仏画には以下のようなものがあります。

無量壽佛図(むりょうじゅぶつず)

「無量壽佛図」は、王一亭が篤く信仰した無量壽佛(阿弥陀如来の別名)の尊像を描いた重要な作品群です。

無量壽佛は無限の寿命を持つことから長寿と福徳を象徴するとされ、「無量壽佛図」は吉祥的な意味合いからも人気があります。

仏像を描く線描や背景の山水表現には、王一亭が師・呉昌碩から受け継いだ力強く雄渾な筆致が用いられています。

そして、王一亭の「無量壽佛図」の中には、師・呉昌碩が題辞(だいじ:書画の上部に書き記す言葉)と跋文(ばつぶん:書画の下部に書かれる文章)を記したとされる合作もあります。

「無量壽佛図」は、力強い芸術表現と平和と人々の幸福を願う内面が凝縮された、王一亭の代表的な作品群だと言えるでしょう。

観音図(かんのんず)

「観音図」は、王一亭の仏画の中でも特に多く制作された画題です。

モチーフである観世音菩薩は、仏教において人々の苦しみの声を聞き、慈悲をもって救済するとされる菩薩です。

王一亭は観世音菩薩の利他の精神に深く共鳴しており、災害救済などの慈善活動の動機にもなりました。

王一亭が描く観音図の特徴は、なんといっても穏やかで慈愛に満ちた観音様の表情です。

鑑賞者に安らぎを与えてくれます。

描線は師・呉昌碩から学んだ力強い筆致を活かしつつも、観音様の柔らかな雰囲気に見合うよう丁寧に整えられた線描が用いられています。

売却益を災害救済の資金源にしていたこともあり、王一亭にとって観音図を描くことは、観音様の慈悲を具体的に実践する宗教的な行為であったと考えられます。

達摩祖師図(だるまそしず)

禅宗の祖である達磨大師を描いた「達摩祖師図」も、王一亭の仏画における重要なモチーフの1つです。

達磨大師は、壁に向かって九年間座禅を組み続けた「面壁九年」の故事で知られる、不動の精神や強い意志を象徴する人物です。

王一亭の仏画は力強い書と描線が特徴ですが、これが達磨大師の強い精神力を表現するのに非常に適していました。

王一亭の「達摩祖師図」では達磨大師と衣が力強い線で描かれ、さらに背景を極力省略することで達磨大師の存在感を際立たせています。

また、達磨大師は厳しい修行を象徴するため鋭い眼光や険しい表情で描かれることが多く、その達観した内面を感じさせる表情は大きな魅力となっています。

王一亭の花鳥画・花卉山水画

王一亭作品のもう1つの軸として、生命力あふれる花鳥画・花卉山水画があります。

強い生命力と吉祥的な意味合いを強調して表現されているものが多く、鮮やかな顔料を効果的に使用した彩色作品も多く見られます。

王一亭の花鳥画・花卉山水画には以下のようなものがあります。

歳寒三友図(さいかんさんゆうず)

「歳寒三友図」は、伝統的な吉祥画のモチーフである松竹梅の三種の植物を組み合わせた作品です。

松は常緑不老、竹は君子の徳、梅は清廉潔白を象徴し、清廉さを失わない君子の理想的な精神を象徴するモチーフとして好まれました。

王一亭の「歳寒三友図」の特徴としては、書の力強い筆致そのままの勢いで描かれた松竹梅の枝や葉の描線です。

この雄渾で力強い墨線は三友(松竹梅)の持つ「剛直さ」や「節操」という精神性を強調しています。

そして、墨の表現を主とした中、梅の花びらなどに明るい色彩を加えることで、厳寒の中で咲く梅の生命力を際立たせています。

春杏麻雀図(しゅんきょうまじゃくず)

杏と雀を描く「春杏麻雀図」は、王一亭作品の特徴である生き生きとした生命力と明るい色彩の表現を存分に発揮できる画題です。

杏は春の訪れを告げる花として、若々しさや喜びを象徴する吉祥的なモチーフとなっています。

そして雀は古くから身近な生き物として親しまれており、花鳥画においては生命の躍動感や賑やかさを添える役割を果たします。

王一亭の描く杏は、力強い枝振りと、淡い色や紅を帯びた花弁のコントラストが特徴です。

杏の花の淡いピンクや白、枝の生き生きとした緑青などが、画面に春の息吹をもたらしています。

また、雀は多くの場合つがいで描かれたり、枝先に集まっている姿が描かれたりします。

この様子は、家庭円満や子孫繁栄といった吉祥的な意味合いを象徴していると考えられます。

瓢葉秋老図(ひょうようしゅうろうず)

「瓢葉秋老図」は「春杏麻雀図」とは対照的に、王一亭が秋の深まりとその趣きを表現した画題です。

描かれるのは、秋が深まり、葉が枯れかけた瓢箪です。

瓢箪は蔓が長く伸びて多くの実をつけることから、古来より子孫繁栄や吉祥の象徴とされてきました。

王一亭の「瓢葉秋老図」では細かい写実的な描写よりも、「秋が深まった瓢箪の生命力」を墨の勢いで表現する写意画の技法が光っています。

単に美しい草花を描くのではなく、秋の瓢箪の中に時の移ろいや生命の移り変わりという深いテーマを内包しています。



ここに挙げたもののほかにも、王一亭は様々な作品を残しています。

そして、有名作品でなくとも、王一亭の作品であれば保存状態などの条件によって高く買取される可能性があります。

お持ちの王一亭作品の具体的な価値については、ぜひ1度バイセルの無料査定でお確かめください。

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王一亭の書画・掛け軸を高価買取してもらうためのポイント

優れた書画家であると同時に有名な実業家であり、日本とのつながりも深い王一亭の書画・掛け軸には、買取市場でも非常に人気の高いものも多いです。

では、そんな王一亭の書画や掛け軸を少しでも高く売るためには、どのようなポイントに気をつければ良いでしょうか。

王一亭作品を含む書画や掛け軸の買取において、より高く買取してもらうために知っておきたい3つのポイントをご紹介します。

  1. 綺麗な状態で保存しておく
  2. 箱や鑑定書などの付属品を揃えておく
  3. 入手経路などの来歴を明確にしておく

綺麗な状態で保存しておく

王一亭を含む書画や掛け軸の買取で、買取価格に大きく関わるのが「保存状態」です。

保存状態の良いもの(制作当時の状態をなるべく保っているもの)は、買取価格が高くなりやすいでしょう。

その一方で、日焼け・シワ・色あせ・虫食いがあるなど、作品の状態が悪ければその分だけ価値は下がってしまいます。

そうならないためにも、直射日光を避ける、飾らない場合は箱に入れて風通しの良い場所で保管するなど、書や掛け軸の状態を保つための工夫をしてあげることが重要です。

箱や鑑定書などの付属品を揃えておく

書画・掛け軸を含む骨董品の買取では、作者のサインや箱などの付属品の有無も買取価格に大きく関わってきます。

王一亭のサインとしては、「一亭」や「白龍山人」の署名に朱色の印章が組み合わされていることが多いです。

このようなサインや箱に入った作者の箱書きなどは「本物の王一亭作品である」という証明になります。

付いていることで買取市場での信頼性が増し、買取価格がより高くなる可能性があるのです。

書画・掛け軸の付属品としては、箱、風鎮(ふうちん:掛け軸の下部に吊り下げる重り)や紐(掛け軸を巻く際や吊るす際に使う)、そして鑑定書などの付属資料があります。

箱や風鎮・紐などの付属品は、汚れていたとしても揃っているだけで買取価格に影響するため、処分せずにとっておきましょう。

また、鑑定書がある場合はやはり買取市場における信頼性につながって買取価格アップにつながる可能性があります。

書画や掛け軸本体とともに大切に保管しておいてください。

入手経路などの来歴を明確にしておく

王一亭の書画・掛け軸など価値ある骨董品の査定では、買取市場における作品の信頼性のために「どこで手に入れたか」「いつ購入したか」「誰から譲り受けたか」など購入に至るまでの背景が確認されます。

例えば「業界で信頼されている専門店で購入した」「著名な好事家が所有していた」などの来歴は、作品の価値を判断するうえでも重要な情報になります。

そして、その来歴を証明する書類等があればさらに信憑性が増し、買取市場における信用度が増すことでより高く売れるかもしれません。

入手した経路や時期、過去に所有していた人物といった記録がある場合には、処分せずに大切に保管しておきましょう。

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