中国と日本の掛け軸の違いとは?中国掛け軸を買取に出すときのポイントまとめ
- 中国の掛軸は買取してもらえますか?
- 保存状態や作家によりますので、まずはお電話・メールよりお問い合わせください。
- 中国掛軸が自宅にあります。価値はありますか?
中国掛け軸は1000年以上の歴史のある骨董品です。
数々の作家が掛け軸の作品を残しており、現在ではコレクション需要が見込まれています。
中古市場では中国掛け軸が活発に取引されています。
実家を整理していたら出てきた、親族から受け継いだなどの理由で中国掛け軸をお持ちなら価値を確かめてみてはいかがでしょうか。
本記事では中古市場で高い需要を誇る理由、中国掛け軸かどうかを見分けるポイント、買取相場、高く売るためのポイントをご紹介します。
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目次
中国掛け軸は1000年以上の歴史を持つ美術品
中国掛け軸とは中国由来の技法または作家による掛け軸作品の総称です。
中国掛け軸は1000年以上前から制作されていたと言われ、仏像のように仏教における礼拝に用いられたようです。
丸めて箱に収めると保管や持ち運びが容易であることから、日本には仏教を広める際に多くの中国掛け軸が持ち込まれ発展を遂げました。
日本画のジャンルは、山水画、花鳥画、神仏画などがありますが、これらも元々は中国から日本へと伝わったものとされます。
中国掛け軸が中古市場で高い需要を誇る理由
中国掛け軸は価値の高い美術品で、中古市場では常に需要を誇っています。
価値が高い傾向にある理由は大きく分けて2つあります。
・中国文化財の国外持ち出しを禁止する法律の基準改定がされたから
・中国富裕層による投資目的での購入の増加しているから
中国文化財の国外持ち出しを禁止する法律の基準改定がされたから
中国は自国の文化財の保護を目的に、文化財の国外持ち出しを禁じています。
「文化財」には掛け軸を含む絵画や陶芸品などの骨董品を指します。
2007年に、1911年以前に制作された文化財は一律に国外持ち出し禁止となりました。
また、歴史的・芸術的・科学的価値を有する文化財については、1949年以前に制作されたものは原則として国外持ち出し禁止の規定も加えられました。
文化財の持ち出しを禁止の基準が新たに改定されたことで、中国掛け軸の価格が高騰するようになりました。
1949年以前に制作された中国掛け軸が新たに日本に入ってくることは珍しく、国外に流出する中国掛け軸が少ないため希少価値が上がっています。
中国富裕層による投資目的での購入の増加
中国の富裕層の間では投資目的で骨董品を購入することが増えているといわれています。
陶磁器・象牙・刀剣などに加え、中国掛け軸を含む絵画も中国の骨董オークションにおいて盛んに取引される傾向にあります。
このような背景からオークションへの出品を目的で中国掛け軸の買い付け業者が現れ、中国掛け軸の需要が増加傾向にあるのです。
中国国外で骨董品の買い付け業者や骨董品を求める旅行者などが、日本にある中国掛け軸を多く買っていくそうです。
日本にある中国掛け軸の希少性は、さらに高まっているといえます。
中国掛け軸かどうかを見分けるポイント
中国掛け軸は常に中古市場で高い需要を誇っています。
押し入れや蔵などから掛け軸が見つかったら、中国掛け軸かどうかを見分けるにはどうすればいいでしょうか。
ここでは中国掛け軸の特徴をいくつかご紹介します。
・作品に詩句が書いてある
・画風が異なる
・掛け軸の長さが異なる
・軸先の大きさやデザインに特徴がある
・表木の形が四角である
作品に詩句が書いてある
中国の掛け軸は絵画に詩が、日本の掛け軸には絵画か書のみが書いてあることが主流です。
中国には「詩画一如(しいがいちにょ)」と「書画同源(しょがいっちろん)」という思想が反映されています。
詩画一如とは詩文などの文字と絵画を組み合わせた芸術作品のことです。
書画同源とは書と絵画は本質的には同じもので切り離せないという意味です。
中国の掛け軸は、詩とそれにふさわしい書体、詩と絵画の世界観があっていることが良いとされています。
画風が異なる
中国の掛け軸は仏画から始まり、動物画、美人画、花鳥画、山水画などが描かれるようになりました。
日本の掛け軸も中国と共通したモチーフを取り入れていますが、それぞれ色や線の描き方が異なります。
中国の山水画は山の情景を中心とした季節感の少ない画風で、絵の輪郭がはっきりとしている作品が多いです。
一方、日本の山水画は「にじみ」や「ぼかし」と用いて柔らかいタッチで描いています。
季節感を反映させた作品が豊富です。
掛け軸の長さが異なる
日本の掛け軸は床の間の大きさに合わせて作られ、長さは194cm・190cm・181cm・142cm・136cmが主流です。
一方、中国掛け軸は床の間に掛けると床まで垂れてしまうような長い掛け軸が存在します。
長さ2メートルを超える掛け軸だと中国掛け軸である可能性が高いでしょう。
軸先の大きさとデザインに特徴がある
軸先とは掛け軸を巻く際に軸となる部分のことで、掛けた際に一番下にきます。
日本の掛け軸と比べると中国掛け軸の軸先は大きいものが多いです。
また、中国掛け軸には高級素材が使われている、柄が彫りこまれているような軸先も多く見られます。
表木の形が四角である
表木(ひょうもく)とは、掛け軸に一番上についている紐と棒の部分のことです。
日本の掛け軸は表木が半月形になっています。
掛け軸の裏面は壁に沿うように平らになっており、正面から見たときには丸くなっています。
対して中国掛け軸の表木は四角いものが多いです。
中国掛け軸の表木がすべて四角いわけではありませんが、判断する目安になるでしょう。
中国掛け軸の買取相場はどれくらい?
中国掛け軸の買取相場は一概には言えませんが、明代や清代に作られた掛け軸は高額で売れる可能性があります。
呉昌碩、斉白石、徐悲鴻などの有名作家は需要が高い傾向にあります。
買取相場は状態、作家、作品などによって変動するので、目安程度と考えてください。
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中国掛け軸を高く売るためのポイントは?
中国掛け軸は希少性と人気の高さから、買取市場において高値で取引されることも多いです。
中国掛け軸の中でも高く買取してもらえる中国掛け軸とはどのようなものでしょうか。
買取価格がより高くなりやすい中国掛け軸の特徴について、代表的な4つのポイントに分けてご紹介します。
・有名作家の作品
・保存状態が良い
・共箱などの付属品がある
・肉筆のもの
有名作家の作品
有名作家の作品は中古市場で高値になりやすいです。
例えば、呉昌碩、斉白石、顧愷之、于右任、白雪石、黄慎、呉作人、徐悲鴻などは中国掛け軸の有名作家です。
特に代表作や人気作は中古市場で需要が高くなりやすいでしょう。
保存状態の良い
掛け軸を含む骨董品全般は、保存状態が良いと査定金額が高くなりやすいです。
掛け軸は紙でできているので、使わないまま収納していると湿気がこもりカビやシミが出てしまう可能性が高いです。
中国掛け軸はコレクター需要が見込めるため、売却を検討していたら劣化しないうちに査定に出すことをおすすめします。
カビ、シミ、色焼けが発生している掛け軸は、無理に汚れを落とすと破れてしまうため、そのまま査定に出しましょう。
共箱に入っている
共箱とは掛け軸をはじめとした骨董品を収めるために作品に付けられています。
作家物や高価な作品にはつけられていることが多いです。
作家物の掛け軸の共箱には墨書き(作者のサイン)が入っており、有名作家の作品であることを証明できます。
共箱は大切に保管しておき、査定時に作品と一緒に提示しましょう。
また、共箱には掛け軸を収める木箱と、その木箱を収める漆箱がセットになった二重箱があります。
査定時にはどちらの箱も掛け軸と一緒に出しましょう。
肉筆のもの
掛け軸は複製がしやすい美術品として知られ、印刷技術のない時代から盛んに行われてきました。
中国掛け軸のうち複製や模写でないオリジナル作品を「肉筆」と呼びます。
肉筆の作品は、複製や模写よりも査定金額が高くなりやすい傾向にあります。
肉筆であるかを確かめるには作品に入れられている落款を見ると判断できるでしょう。
専門知識を持った査定士が落款を見ることで、作家名や制作時期などを確認できます。
ちなみに中国掛け軸には図柄の中に隠し落款を忍ばせており、これも肉筆作品かどうかを見極める一つの要素となります。