色絵金銀彩を研究した富本憲吉の作品はいくらで売れる?査定時のポイントをご紹介
富本憲吉は20世紀の日本を代表する陶芸家です。
活動初期から日常で使える陶磁器を追求し、功績を認められて人間国宝に認定されました。
独自に探求した色絵金銀彩の技法で、様々な骨董品を作り上げました。
中古市場においても人気の作家で、皿、湯飲み、壺などがコレクター需要として高まっています。
本記事では富本憲吉の略歴、技法、買取相場、査定する際のポイントをご紹介します。
※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。
目次
富本憲吉とはどんな作家?
富本憲吉は色絵磁器で人間国宝に認定され、文化勲章を受章した陶芸家です。
奈良の安堵村で本格的に器の製作を始めた1917年から、日常で使う陶磁器への関心が強かったとされています。
波佐見や益子など国内の陶磁器の産地に出向いて、その土地で作られた素地に模様を描いて製作をしていました。
九谷焼を製作する北出塔次郎の窯で色絵磁器の研究を重ねて独自の作風を開拓します。
富本は京都市立美術大学で陶器科設立時の教授となり学長も勤めました。
また、東京美術学校(現東京藝術大学)の教授にも就任しました。
1955年に人間国宝に認定されて、「富本憲吉作陶四十五周年記念展」を開催し、1961年に文化勲章を受章しました。
1963年に肺がんのため77歳で亡くなりました。
遺書には「墓不要。残された作品をわが墓と思われたし」と記されていたようです。
富本憲吉の代表作と技法の特徴
富本憲吉の有名作品は、染付清涼里小景図八角鉢、染付柘榴模様土瓶・湯呑、鉄描銅彩柘榴模様大皿、色絵銀彩野葡萄模様土瓶、土焼野葡萄模様小瓶、朱泥イッチン野葡萄模様皿、色絵薊模様皿などがあり、これらは東京国立近代美術館や富本憲吉記念館に所蔵されています。
富本憲吉の作品といえば色絵技法が用いられていることが特徴です。
まず色絵とは白釉がかかった陶器の表面に赤や緑などの彩釉で上絵付けをすることです。
色が付けられた陶磁器を低火度で焼くと出来上がります。
富本憲吉が完成させた「色絵金銀彩」とは、色絵に金彩と銀彩を施す技法です。
彩釉された陶磁器に金や銀を施す際は、金と銀は融点が異なるため同時に焼成できません。
しかし、富本は銀に白金(はっきん)を混ぜることで同時に焼成できることを発見しました。
富本憲吉の作品の買取相場
富本憲吉の作品はどれくらいの価値がつくのでしょうか。
買取相場は作品の人気度や状態などによって異なります。
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富本憲吉の作品を査定する際のポイントとは?
骨董品をコレクションしている方は富本憲吉の作品をお持ちではないでしょうか。
陶磁器を査定するポイントがいくつかありますので、ここでは簡単にご紹介します。
製作年代はいつか
査定では富本憲吉の作品の価値を決める際に製作年代を確認します。
製作年代によって作風が大きく異なるためです。
初期作品は楽焼土焼や染付などの技法で素朴な作品が、中期頃に和風の白磁や色絵磁器などが、後期頃に金銀彩などが目立ち、年代によって作風が移り変わっています。
中古市場では、富本憲吉の代名詞といえる色絵金銀彩が用いられていた後期の作品が人気とされています。
作品の底に書かれた「富」のサインは、製作年によって書体が異なります。
そのため、サインを見ればどの時代に作られたのかが把握できます。
セットで購入した作品は、全てそろえてから売る
富本憲吉の作品には大皿、壺、茶碗、湯飲み、箸置きなどがあります。
なかには複数の湯飲みがセットで作られ、例えば「色繪赤地金銀彩煎茶碗」は五客の茶碗がついた作品です。
査定ではセットになった作品は、どれも欠けることがない状態で出すと再販価値が見込まれて評価される可能性が高いです。
富本憲吉の作品を売る場合は陶磁器が全てそろっているかを確認しておきましょう。
作品の状態
富本憲吉の作品を含む陶磁器は、状態が良いほど査定金額が上がりやすいです。
陶磁器は割れ、欠け、汚れ、ヒビ、カビ、ホコリがつきやすく、劣化が激しくなると自力でお手入れすることが難しくなります。
釉薬や彩色も剥がれてくるため、作品の外観を損ねてしまう場合があります。
査定に出す前に必ず状態を細かく確認して、マイクロファイバークロスやメガネ拭きなどの柔らかい布できれいにしておきましょう。
ただし、釉薬の剥がれや陶磁器の退色が気になっても自力での修復は避けてください。
修復時に誤って割ってしまって作品の価値を著しく下げてしまう可能性があるからです。
陶磁器は土でできていて吸水性が高く、湿気がこもった場所に保管すると水分を含んでカビの原因になり得ます。
乾燥しやすい場所においても割れてしまいやすくなるため、湿度と温度が保たれている場所に保管をして少しでも状態を良くしておきましょう。
付属品も一緒に売る
富本憲吉の作品を購入すると、共箱、二重箱、商品説明の紙、鑑定書などがついてきます。
共箱には作家のサインと落款が記されており、査定に出せば本人が作ったものだという証明ができます。
共箱の側面やフタ、また作品に署名がある場合もあります。
付属品も全て査定に出すとコレクター需要が見込まれて評価が上がりやすくなります。
査定前に付属品があるかどうかを探しておきましょう。
富本憲吉の作品を売りたい!バイセルでは骨董品の買取実績が豊富!
富本憲吉の作品は骨董品の買取実績が豊富な業者に売りましょう。
査定では作品の状態や種類、入手経路、製作年代、付属品の有無、中古市場での希少度などを考慮して、適切な査定金額を出します。
富本憲吉の作品は製作年代ごとに価値が異なります。
骨董品の査定実績が豊富な業者なら、年代も含めて価値を見極められます。
陶磁器は劣化によって釉薬や装飾がはがれやすくなるので、少しでも状態が良いうちにお売りください。
バイセルは富本憲吉などの骨董品買取実績が豊富にあります。
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