
代表的な洋食器のメーカーには、どのようなものがあるのでしょうか。
洋食器の買取を検討中であれば、種類や高く売れやすいブランド、買取相場は気になりますよね。
本コラムでは、高価買取されやすい洋食器ブランドおよび買取相場、さらに高く売るためのポイント3つをご紹介します。
洋食器の具体的な保管方法や、買取業者の賢い選び方なども解説するので参考にしてみてください。
目次
そもそも食器は買取に出せるのか

食器をお持ちの場合「そもそも食器は買取に出せるの?」と悩む方もいるかと思います。
基本的には、食器はほとんどの買取業者で買取対象とされています。
特に未使用のものや、ブランドものであれば、高価買取が期待できます。
買取対象となる食器について詳しくご説明します。
中古の食器でも買取対象になる?
「自宅で使っていた」「中古食器屋で購入した」などの理由で、中古の食器をお持ちの方もいるでしょう。
中古の食器の場合、ブランドものなど食器市場で需要があるものでしたら、売れることが多いです。
ただし、著しく保存状態が悪いものや、さほど有名でない・人気がないブランドものの場合は買取を断られてしまうこともあります。
どんな種類の食器を査定してもらえる?
洋食器の種類は、非常に幅広いです。
多くの業者が買取対象としている、主な洋食器の種類を以下でご紹介します。
・プレート
・ボウル
・カトラリー
・カップ&ソーサー
・ポット
・クリーマー
大きく分けるとこの通りですが、カトラリーにもスプーン・フォーク・ナイフ、カップにもティーカップ・コーヒーカップなどがあり、細かく見ていくとさらに種類が多いです。
洋食器は、基本的にほとんどの種類が買取対象となるでしょう。
洋食器と和食器の違い

洋食器と和食器は、和洋の食文化の違いから生まれた違いがいくつかあります。
西洋では、お皿を持つことなく、テーブルに置いたまま食事します。
そのため上からお皿を見ることが多く、洋食器には真上から見たときに見える位置に柄がデザインされている傾向にあります。
また、ナイフフォークなどで食べるので器にある程度の硬さが求められるため、洋食器は磁器で作られることが多いです。
一方で日本では、器を持って食事をするため、滑りにくく手触りを追及した和食器が多いです。
持ち上げることで食器の全体が見えるため、外側・内側とで色柄が違うものがあるのも特徴です。
また、和食器は独特の質感をもつ土を原材料とした陶器で作られることが多く、素朴で自然のあたたかみを感じられる印象を与えます。
高価買取されやすい洋食器ブランドとは?

ティーセットやポット、プレートなどの洋食器を生産しているブランドは数多く、ブランドやシリーズによって買取相場も大きく異なります。
人気が高いブランドの有名シリーズは、高価買取されやすい傾向にあります。
高価買取されやすい洋食器ブランドについて、その特徴、有名なシリーズなどと共にご紹介します。
ウェッジウッド
ウェッジウッドは、1759年にイギリスで「英国陶工の父」と呼ばれていたジョサイア・ウェッジウッドによって設立された食器ブランドです。
彼が4年かけて開発した「ジャスパー」シリーズが有名で、その技法はヨーロッパ中を魅了し、現在でも開発時の技法を用いて制作しています。
またマグカップで有名な「アイコン」シリーズは、ネオ・クラシカルスタイルを現代風にアレンジしたデザインで、ピンクとブルーの2色展開です。
マイセン
マイセンは、ヨーロッパで初めてた白磁の製造に成功したがゆえに「白磁器の最高峰」と言われているドイツの食器ブランドです。
西洋各国の中で最初に白磁食器を完成させたのがマイセンとされています。
マイセンの「アルペンフローラ」シリーズは、「波の戯れ」シリーズがベースとなっており、可愛らしいアルプスの花々が絵付けされています。
リチャードジノリ
リチャードジノリは、1735年にイタリアでカルロ・ジノリ侯爵が創設した食器ブランドで、その美しい白磁は「トスカーナの白い肌」と称賛されるほどです。
リチャードジノリは創業以降、多くの名作を生み出し、今でもロングセラーとなっている作品が存在します。
初期は豪華な1点物の作品が主流でしたが、後に侯爵の息子らが引き継ぎ、作品をシリーズ化していきました。
リチャードジノリの代表的なシリーズ「イタリアンフルーツ」には、柔らかい曲線を描くブランド定番の形「アンティコシェイプ」が用いられています。
また、それと同じ形が採用されている「アンティコチェリー」シリーズは、大きく描かれたチェリーが印象的で、セットで使用するとより華やかです。
クリストフル
クリストフルは、1830年にフランスで創業したカトラリー製品のブランドです。
中でも代表的なシリーズ「アルビ」は、ルイ13世様式(フランスの美術様式)が施されていて、洗練されたシンプルなデザインが特徴です。
クリストフルのシリーズには、新しく発表された全面に繊細な彫刻が施されている「ジャルダンエデン」、ロココ調の愛らしい装飾が特徴の「マルリー」などもあります。
また、創業当初に一部の製品に銘打ったブランド「ガリア(gallia)」の製品は、骨董品としての価値も高くつくことがあります。
バカラ
バカラは、1764年にフランス・バカラ村で、ルイ15世の許可を受けてガラス工場を作ったのがブランドの始まりです。
美しいクリスタルガラスを高度なカッティング技術で加工したバカラ製品は、パリ万国博覧会・フランス産業製品博覧会をはじめとする数々の会で、多くの賞を受賞してきました。
水の元素記号を指す「H2O」の名前が付いたバカラのシリーズは、水が流れるような穏やかなフォルムが特徴で、タンブラーが有名です。
また、19世紀までに作られた「オールドバカラ」と呼ばれるものであれば、骨董価値がつくこともあります。
セーブル
セーブルは、フランスのセーヴルで生産される磁器のことで、「セーブル焼」や「セーブル磁器」とも呼ばれます。
セーブルの年間生産数は、多くて5,000~6,000個程度なので、希少性が高く「幻の陶磁器」と言われています。
セーブルの職人は100人前後と少数精鋭の体制をとっており、高品質にこだわった作品作りをしています。
セーブルで最も古い濃紺の技法「クラウデッドブルー(フランス語でブルーニュアージュ)」を用いる際は、二度目のコバルト彩色の際に絵の具をこすり出し、雲状のぼかしを入れています。
他シリーズは、生産数が限られ希少性が高いとされる「アガサブルー」、濃紺色が全体に均一に表現されている「ファットブルー」があります。
ロイヤルコペンハーゲン
ロイヤルコペンハーゲンは、1773年にデンマークで初めてフランツ・ヘンリック・ミュラーが磁器食器の製造に成功したことから始まる食器ブランドです。
国王と王太后の援助によって、ロイヤルコペンハーゲンは王室御用達の名窯となり、特徴である美しいコバルトブルーの手描きの絵付けが人気です。
「アンデルセン」シリーズはアンデルセン童話をモチーフにしており、フィギュリン・陶板画など、幅広く展開されています。
他シリーズは、100年以上毎年異なる絵柄を制作している「イヤープレート」「イヤーカップ&ソーサー」、植物と金彩で飾られている「フローラダニカ」などがあります。
エルメス
フランスのファッションブランドであるエルメスは、テーブルウェアも手がけています。
「食文化の国フランスにふさわしい芸術的な食器」をテーマに、資本関係を結んでいるサンルイらと共に高級感あふれるテーブルウェアを提案し続けています。
エルメスの代表的な食器シリーズには、パリ本店のモザイク装飾がモチーフの「モザイク・ヴァンキャトル」や、白地に燃えるような赤色の装飾が目を引く「ガダルキヴィール」などがあります。
ティファニー
ティファニーはアメリカのジュエリーブランドですが、引き出物などのギフトに選ばれる食器も世界中から評価されています。
ティファニーの食器のデザインやフォルムは、高級感あふれるものから遊び心あるものまで様々です。
ティファニーの代表的な食器シリーズには、ニューヨークの名所などがカジュアルに描かれている「5thアベニュー(ニューヨーク)」や、ティファニーブルーを背景にホワイトリボンを結んだ「ブルーボックス(ブルーリボン)」などがあります。
ブランド洋食器の買取相場はどれくらい?

食器買取市場における洋食器の買取相場はどれくらいになるでしょうか。
ここでは洋食器の有名ブランドの製品について、おおまかな買取相場をまとめました。
以下の表をご参照ください。
ブランド | 買取相場 |
---|---|
ウェッジウッド | ~3万円前後 |
マイセン | ~100万円前後 |
リチャードジノリ | ~10万円前後 |
クリストフル | ~10万円前後 |
バカラ | ~100万円前後 |
セーブル | ~5万円前後 |
ロイヤルコペンハーゲン | ~50万円前後 |
※上記の相場表は、あくまで目安です。あくまで作家の中でもっとも人気のある作品の相場を記載しております。骨董品の状態によってはお値段が付かない場合もございます。
※査定させて頂く骨董品などの状態次第では、買取相場は上記に比べて大きく変動しますのでご了承ください。
※骨董品に汚れや傷などがある場合には、額面を下回る買取価格となる場合もございます。
※弊社基準により一部の骨董品は査定対象外となります。
マイセンやバカラなどのハイブランドは、人気シリーズものであれば100万円前後の買取額が望めることがあります。
また、ロイヤルコペンハーゲンも有名なブランドであるため、シリーズによっては買取額50万円前後が期待できるでしょう。
ただし、これらは人気作品で保存状態が良いなどの場合の買取相場です。
実際の買取場面ではこの限りではありませんので、あくまで目安程度と捉えてください。
洋食器を高く売るためのポイント

洋食器を買取に出す際に、いくつかのポイントを押さえておくことで、少し高く売ることができるかもしれません。
主に気をつけておきたいポイントを3つご紹介します。
・食器の状態を維持する
・箱やセットを一緒に査定しもらう
・骨董専門の買取業者に売る
それでは詳しく説明します。
食器の状態を維持する
買取してもらう食器は、綺麗な状態であるほど査定評価が高くなります。
そのため保管には気を配り、ホコリ・汚れなどがある場合は落として、使用済みで茶渋などが見られる場合は洗って綺麗な状態にすると良いです。
ただし、タワシなどで強く擦ると傷が付く恐れがあるため、柔らかい布やスポンジで優しくお手入れしましょう。
お手入れ時は、食器を落として割らないように注意を払います。
箱やセットを一緒に査定してもらう
食器は、新品購入時に近いほど買取額が高くなる傾向にあります。
例えば、ブランド食器を購入した際に、箱や取扱説明書などが付属してくることがあります。
食器本体を売るとき、これらの付属品も一緒に査定してもらいましょう。
また、付属品の保管状態にも気を配っておくと尚良いです。
それと同様に、セット商品を売るときは一式揃っていたほうが高く買い取ってもらいやすいので、全部揃っているか確認しておきましょう。
骨董専門の買取業者に売る
洋食器は、骨董専門の買取業者に売るのがおすすめです。
骨董専門の買取業者には、洋食器の専門知識や買取経験が豊富な査定員が在籍しています。
そのため、お持ちの洋食器に適している価格を見定めてくれるでしょう。
自分で価値が分かっていなかった洋食器も、プロの目で新たな価値が見出されるかもしれないので、買取の際は一度専門の買取業者に相談するのが得策です。
洋食器の具体的な保管方法

お持ちの洋食器の価値を最大限に活かして売るためには、保管方法に気を配り、状態を悪化させないことが大事です。
おすすめしたい洋食器の具体的な保管方法をご紹介します。
洋食器に多い磁器は、陶器に比べて吸水性が少なく、においやカビが発生する心配がさほどないため手がかからない器とされています。
とは言え、カビやシミが一切できないという保証もありませんので、水分を残さずにしっかり乾燥させてからしまうようにしましょう。
また、保管スペースが足らず、食器を個別に収納できないこともあるでしょう。
食器同士を重ねて収納する場合は、間に薄手の布か紙ナプキンなどを挟んで、傷付け合わないようにします。
さらに、変色の原因にもなるため、直射日光が当たらない場所で保管しましょう。
良心的な買取業者の選び方

洋食器は骨董専門の買取業者に売るのがおすすめですが、存在する業者の数は非常に多いです。
数ある買取業者の中から、利用者にとって良心的な売り先を選ぶにはどうすれば良いのでしょうか。
以下のポイントに当てはまる買取業者を選ぶことで、サービス面や買取金額に満足できる買取に近づけるでしょう。
・査定料、キャンセル料が無料である
・TVCM・チラシなどの広告を打っている
・出張買取を行っている
それでは、詳しく解説します。
査定料、キャンセル料が無料である
買取業者の中には査定料、キャンセル料などを請求するところがあります。
査定を依頼した際に、査定額に納得できずに、買取をキャンセルする可能性もありますよね。
その場合、査定料やキャンセル料だけを支払うということは、なるべく避けたい方が多いでしょう。
査定料やキャンセル料については、各業者のホームページなどに記載されているので確認しておきましょう。
場合によっては、注意書きが小さく書かれていて見つけづらいこともあるので、買取業者に直接電話やメールで問い合わせてみるのが最も確実です。
TVCMなどの広告を打っている
なるべく品物を高く売りたいと考える方は、TVCMやチラシなどの広告を打っている買取業者を選びましょう。
広告を打てるということは、資金力がある業者とも言えます。
洋食器などの骨董品は、種類によっては何十万~何百万円の価値があり、そのような品は資金力がある業者でないと買取が難しくなります。
資金力があまりない業者では、買取してもらえないか、査定額が安くなる恐れがあるため注意が必要です。
出張買取を行っている
出張買取とは、ほとんどの大手買取業者が行っているもので、査定員が利用者の自宅まで訪問してその場で査定する買取方法です。
利用者が査定額に納得できれば、その場で現金化も可能な業者が多いです。
洋食器は割れ物なので、買取店まで持ち運んだり宅配で送ったりすると「途中で傷を付けてしまうかも」などという心配が付きまといます。
しかし、出張買取を利用すれば、洋食器が自宅にある状態のままで買取に出せます。
他の買取方法よりも、時間や手間を削減できると言えるでしょう。
洋食器買取に関するQ&A

洋食器を買取に出そうと検討している方の中には、いくつか疑問が浮かぶ方もいるでしょう。
洋食器買取によくある質問についてお答えしていきますので、参考にしてみてください。
Q.「ペアグラス」の片方が欠品していても買い取ってもらえる?
A.基本的には買取可能としている業者が多いです。
同様に片方欠品してしまった人が探している可能性があるので、需要はあるでしょう。
元々ペアで入っていた箱などがあれば、一緒に査定に出しましょう。
Q.ブランド品なのか無名ものか分からないんだけど、査定対象になる?
A.骨董専門の買取業者であれば、洋食器のブランドに精通している査定員が在籍しています。
そのため、ブランド品かどうか分からない洋食器でも、価値を見極めてくれます。
お持ちの洋食器がどのような価値をもつのかを知るという意味でも、一度プロの査定員に見てもらうことをおすすめします。
Q.汚れていても買い取ってもらえる?
A.汚れや傷が付いている食器の場合、多くの買取業者で査定してもらうことは可能でしょう。
しかし、状態が良い食器に比べて、査定額が減額になる傾向にあります。
また、あまりに状態が悪いものは買取不可となる可能性もあります。
まずは骨董専門の買取業者に相談してみましょう。
Q.売りたい食器がたくさんあるんだけど、査定してもらえる?
A.買取業者にとっては、利用者1人1枚ずつのお皿を順番に買い取っていくよりも、1人の利用者から複数買い取った方が効率が良いでしょう。
そのため、複数枚の食器を買取に出すのは、むしろ歓迎されることが多いかもしれません。
あまりに多い場合は、その旨を事前に買取業者に伝えておくと、査定がスムーズに進むかもしれません。