横山大観作品の買取相場の決まり方は?高く売れる作品の特徴や買取のコツも解説
- 横山大観の作品を手放したいです。いくらで買取してもらえますか?
- 制作年代、保存状態、箱・額縁・鑑定証・保証書といった付属品の有無により価格は変わります。一度詳しく拝見致しますのでお電話・メールよりお問い合わせください。
- 祖父から譲り受けた横山大観の作品があります。価値ってつきますか?
日本伝統の絵画である日本画は、技法や画材などで西洋画とは違った特徴がある芸術として、日本のみならず海外でも人気を集めています。
その日本画の歴史の中でも代表的な作家と言えるのが、明治・大正・昭和の3つの時代で活躍した横山大観(よこやまたいかん 1868-1958)です。
幻想的で壮大な横山大観の作品は数々の美術館に所蔵されており、買取市場に出れば高値で取引されています。
横山大観の人物像や代表作に加え、作品の買取相場、高く売れる作品の特徴、おすすめの買取業者の選び方、少しでも高く売るためのポイントなどをご紹介します。
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お申し込みフォームへ※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。
目次
横山大観の人物像
横山大観は明治・大正・昭和の3時代で活躍した日本画家であり、第1回文化勲章受章者としても知られています。
明治元年(1868年)に茨城県で生まれた横山大観は、東京美術学校(現在の東京芸術大学)の第一期生として絵を学びました。
東京美術学校では岡倉天心(おかくらてんしん 1863-1913)や橋本雅邦(はしもとがほう 1835-1908)の指導を受け、菱田春草(ひしだしゅんそう 1874-1911)や下村観山(しもむらかんざん1873-1930)とは同期としてともに学ぶなど、画家人生をともにする仲間とも多く出会っています。
卒業後は同校の助教授として勤めていましたが、校内騒動に巻き込まれて辞職してしまいます。
その後、岡倉天心の呼びかけで、同期の菱田春草や下村観山らとともに日本美術院創設の一員として参加しました。
昭和33年(1958年)に89歳で亡くなるまで多くの作品を生み出し続け、他の日本画家や文化人とともに近代日本画の礎となる数々の功績を残しています。
その功績が讃えられ、文化勲章のほかにも朝日文化賞・文化功労者・勲一等旭日大綬章を受章・受賞しています。
横山大観の作風
横山大観は東京美術学校で岡倉天心や橋本雅邦に学んだほか、東京美術学校への入学前には、狩野派の狩野芳崖(かのうほうがい 1828-1888)と結城正明(ゆうきまさあき 1840-1904)に師事した時期があります。
また、東京美術学校の同期である菱田春草とともに、熱心に西洋画の研究をしていたことでも知られています。
そのような背景もあって横山大観の画風は、狩野派に代表される日本画の伝統を強く感じさせながらも、洋画の要素が取り入れられたことで独特の世界観を作り出しているのが特徴です。
特に横山大観の代名詞となっているのが、菱田春草とともに研究を重ねた朦朧体(もうろうたい)という画法です。
伝統的な日本画は輪郭線があるのが特徴の1つなのですが、朦朧体では輪郭線を用いず(没線描法)、色彩の濃淡によって形態や構図、空気や光を表すことに成功しました。
この画法により横山大観は、背景に溶け込むような幻想的な日本画を確立したと言えるでしょう。
また横山大観は、作品のモチーフとして富士山を多く描いたことでも知られています。
横山大観の代表作
横山大観は、複数の作品が重要文化財に指定されているほどの巨匠で、絵画から屏風、掛け軸、絵巻物などを手がけてきました。
美術品買取市場においては、代表作などの有名な作品であるほど高値が付くことが多いです。
横山大観の代表作として名高い作品の中から7つをご紹介します。
無我
『無我』は、横山大観が29歳の頃に描いた初期の代表作と言える作品です。
童子の心情を通して、禅的な悟りの境地を表現したものと言われています。
大観には同じ『無我』というタイトルの作品が合わせて3枚存在し、それぞれ東京国立博物館・足立美術館(島根県)・水野美術館(長野県)にあります。
興味深いのは、3枚ともが同じ時期に制作されたものにも関わらず、それぞれ画風や雰囲気が異なっている点です。
ただし、川辺の背景に柳の芽が生い茂りはじめている自然感は3枚ともに共通しており、童子の邪気のない存在感に時間軸が加わることで普遍性と現実の狭間を見ることができます。
現在美術館に所蔵されている作品ですので買取市場で出会う可能性は低いでしょうが、横山大観を語る上では外せない作品です。
瀟湘八景
『瀟湘八景(しょうしょうはっけい)』は、重要文化財にも指定されている横山大観の代表作です。
瀟湘とは中国山水画の伝統的な画題で、湖南省洞庭湖の南に位置する景勝地のことです。
横山大観は、四季それぞれの風景を二幅で描きました。
夏目漱石が「気の利いた様な間の抜けた様な趣がある」と評したことでも有名なこの作品は、大正元年(1912年)の第6回文展に出品されると、水墨山水画の趣とは異なる色彩と感覚で画壇を驚かせました。
重要文化財ですので買取市場に出回ることはありませんが、横山大観の代表作として外せない作品です。
生々流転
『生々流転(せいせいるてん)』は重要文化財にも指定されている作品で、『瀟湘八景』と並ぶ横山大観の代表作です。
流転する水の一生を描いた作品で、山間の雲が一粒の滴となり、地に落ちて渓流となり、やがて大河となって海へと流れ、竜巻となって天に昇ってまた雲になるという水の変転を、全長40メートルにもおよぶ絵巻物に描いた超大作です。
日本一長い画巻としても知られています。
横山大観が50代なかばの円熟味を増していた頃の作品であり(1923年)、確かな水墨技法で光や空気を感じさせる深みのある傑作となっています。
こちらも重要文化財ですので、買取市場では出会うことはできません。
白衣観音
『白衣観音(びゃくえかんのん)』は、大正元年(1912年)に『大観画集』にモノクロで掲載されて以来、2017年に105年ぶりに発見されたことが大きな話題になった作品です。
水辺の岩に腰掛ける白衣観音が、絹地に彩色されて描かれています。
横山大観の代名詞とも言える、輪郭線を用いない没線描法で描かれているのですが、細やかな描き込みで衣服の質感から岩のゴツゴツとした輪郭まで見事に描かれています。
この作品は個人蔵とのことですが、もし買取市場に出てくれば、とてつもない価値がつくのではないでしょうか。
或る日の太平洋
『或る日の太平洋』は、1952年に発表された横山大観晩年の代表作です。
敗戦と、1951年のサンフランシスコ講和条約から発想して制作されたと言われています。
奥に見える富士山と、その手前に逆巻く波涛は、混乱の中にある日本と日本画界を表しているのでしょうか。
当時は戦前からの反動で国粋的思潮に対する徹底的な否定があり、日本画は激しい批判にさらされて危機的状況にあったといいます。
この作品からは、そのような状況でも自分の表現を曲げないという横山大観の意志と、それを可能にする圧倒的な技量が感じられます。
買取市場では、この作品の複製を掛け軸に仕立てたものなどを見ることがあるのですが、複製でも非常に高い買取価格がつくことがあるほどの人気作品です。
群青富士
横山大観には富士山を描いた作品が多くありますが、『群青富士』はその中の代表的な1つです。
一双の屏風に、向かって左には雲海からわずかに顔を出す緑の山が、右には雲海から大きく突き出た富士山が描かれています。
白い雲海に、富士山の群青と残雪の白という鮮烈な色彩の対比と、簡潔な構図が実に心地良い作品です。
こちらの作品も静岡県立美術館に所蔵されているため、買取市場に出てくることはないでしょう。
紅葉
横山大観の『紅葉』は、六曲一双の屏風に秋の渓谷を描いた大作です。
朱で描かれた紅葉と鮮やかな群青で描かれた川が印象的で、泡立つ波にはプラチナ箔を砂子として撒き、土には金泥を刷くなど、大観の中で最も豪華絢爛な作品として知られています。
日本画の岩絵具の美しい魅力が画面全体に満ち溢れており、日本画の1つの到達点とも言えるでしょう。
こちらの作品も島根県の足立美術館に所蔵されているため、買取市場に出る可能性は低いでしょう。
まだまだある横山大観の有名作品
おもな横山大観の代表作をご紹介しましたが、有名作品はまだまだあります。
湖畔 | 白衣観音 | 雨霽る(あめはれる) |
紅葉 | 雨中喜鵠 | 白梅 |
神霊不二山 | 朧月 | 屈原 |
陶 淵明 | 村童観猿翁 | 曳船 |
これらの作品は、美術館で所蔵されていたり高い買取相場になっていたりと、買取市場でも価値が高いものばかりです。
このような作品をお持ちの場合は、一度買取業者で査定を受けてみましょう。
持っている作品の名前や詳細が不明でも、絵画を扱う業者であれば、価値を見極めてくれますよ。
横山大観作品の買取相場の決まり方は?
美術品買取市場における横山大観作品の買取相場は、どれくらいになるでしょうか。
横山大観作品には美術館レベルのものも数多く、作品によっては買取市場では出会うことが出来ないものも多いです。
しかしながら、リトグラフ・シルクスクリーンなどの版画作品は、買取市場で見かけることがあります。
横山大観作品は、人気の高さや保存状態の良さなどで買取相場が高くなる傾向にあります。
さらに、美術品としての価値が認められるものなら、高い買取価格がつくこともあるでしょう。
買取相場はものによって非常に幅が広く、買取業者によっても異なるため、一概に「横山大観ならこれくらい」とは言えません。
お持ちの横山大観作品の買取価格が気になるという方は、絵画買取の実績を多く持つバイセルまでお気軽にご相談ください。
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お申し込みフォームへ横山大観の査定ポイントと高く売れる作品の特徴
横山大観作品の買取価格を左右するポイントとして代表的なものに、「制作年代」「画法」「モチーフ」などが
あります。
それぞれの観点から、どのような作品が高く買取されやすいのか見ていきましょう。
制作年代
制作年代の観点から言えば、横山大観作品では昭和10年(1935年)頃〜晩年の作品に高い買取価格がつきやすいでしょう。
この時期の横山大観は作家として脂がのり、代表作と呼ばれる名作を次々と発表していた時期です。
この年代に制作された作品は買取市場における需要も多く、買取価格も高くなりやすい傾向があります。
画法
画法の観点から言えば、やはり横山大観の代名詞とも言える朦朧体(もうろうたい)で描かれた作品は人気が高いです。
朦朧体とは、横山大観と菱田春草が確立した技法で、線をはっきり書かずにぼかしを用いた没線描法です。
若いころの横山大観作品であっても、朦朧体で描かれた作品であれば比較的高く買取されやすいでしょう。
モチーフ
横山大観は作品のモチーフとして富士山を多く採用しましたが、大観の描く富士山はやはりファンから高い人気があります。
買取市場での需要も高いと言えるでしょう。
そのため、富士山を描いた作品であれば高く買取されやすいものも多いです。
富士山モチーフのものをはじめ、どのような作品であっても保存状態は重要な査定ポイントになってきます。
査定に出すまでは傷やカビなどがつかないように、大切に保管しましょう。
横山大観の贋作と鑑定について
横山大観は人気が高いがゆえに、贋作や工芸画(複製された作品)も多く出回っています。
中には本物とそっくりで、プロでも見極めが困難なものさえあります。
そこで、横山大観作品を売買する際に大きな安心材料になるのが、横山大観記念館(東京都台東区)による鑑定証です。
たとえば掛け軸作品の場合、一番下の軸の裏側などに平仮名やアルファベットの記号と数字の番号によって、鑑定・登録済みの作品であることが表されます。
この鑑定証があれば本物の証明になるため、買取市場においても高く買取されやすいでしょう。
また、横山大観作品を買う際にも、安心のためには鑑定証がついたものを購入するのがおすすめです。
バイセルでは、絵画に目利きの査定士が在籍しておりますので、真贋を確かめたいだけという方もお気軽にご相談ください。
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横山大観作品を安心して売れる買取業者の選び方
横山大観作品は非常に価値が高いものも多いですから、買取の際には安心して利用できる業者を慎重に選ぶことをおすすめします。
横山大観作品の買取を安心して任せられる業者を選ぶためには、どのような点を見れば良いのか、3つの注目ポイントをご紹介します。
骨董品専門の買取業者かどうか
横山大観作品を含む絵画は、正しい価値を見極めるのが非常に難しい品物です。
少ない情報から作者・作品名・制作年代・真贋などを見極めるのは、高い専門性を持った買取業者でなければ難しい仕事です。
質屋などでも横山大観作品を現金化できる場合はありますが、幅広い品物を扱う質屋に、日本画についてどれほどの専門性があるのかは疑問です。
横山大観作品を安心して売りたいと考えるなら、骨董買取に詳しい業者を選びましょう。
日本画の買取実績が豊富にあるバイセルをぜひご利用ください。
各種手数料が無料になっているか
買取サービスを利用する時には査定料・キャンセル料・出張買取の出張費などの手数料が発生する場合があります。
手数料の有無や金額は業者によって異なりますが、せっかく価値のある横山大観作品を売っても、手数料が引かれてしまっては少し残念な気持ちになってしまいますよね。
また「どれぐらいで売れるのか、試しに査定に出してみたい」と思っても、手数料がいちいちかかっているのでは、気軽に査定を依頼できません。
せっかくの横山大観作品や日本画を安心して買取に出すためには、買取にまつわる各種手数料を無料にしている買取業者を利用するのがおすすめです。
出張買取サービスを行っているか
買取業者が提供しているサービスには、大きく分けて以下の3つの買取方法があります。
- 持ち込み買取…利用者が品物を店頭まで持ち込む
- 宅配買取…利用者が品物を梱包し、買取業者に送る
- 出張買取…査定士が利用者の自宅まで来て査定・買取してくれる
このうち、横山大観作品の買取では出張買取の利用をおすすめします。
持ち込み買取・宅配買取では、自身で横山大観作品を店舗まで持ち運ぶか、梱包・発送しなければならないので査定までに手間がかかります。
また、横山大観作品を含む絵画は、取り扱いに繊細さを要します。
持ち運びや配送時のちょっとした衝撃であっても、作品に傷がついてしまうなどの可能性が無いわけではありません。
出張買取なら利用者の自宅で査定から買取まで全て行われますから、絵画を持ち運ぶ、あるいは梱包・発送する必要はありません。
横山大観作品の買取なら、出張買取が最も安心できる買取方法だと言えるでしょう。
バイセルの出張買取なら、査定料・出張料・キャンセル料を無料にて、全国に対応しております。
最短で即日のご訪問が可能なので、横山大観作品を安心かつ手軽に売りたいという方は、ぜひお問い合わせください。
バイセルの出張買取について、ご利用の流れやよくある質問などは以下のページよりご覧いただけます。
横山大観作品を高く売るための3つのポイント
非常に価値の高いものも多い横山大観作品ですが、さらに少しでも高く買取してもらうためのコツのようなものはあるでしょうか。
横山大観作品を含む日本画の買取において、買取価格への影響が大きい3つのポイントをご紹介します。
- 保存状態が良いか
- サインやエディションナンバーがあるか(版画作品)
- あるべき付属品がついているか
それでは、それぞれ詳しく解説します。
保存状態が良いか
横山大観作品など絵画の買取においては、作品の保存状態が良いかどうかが買取価格を大きく左右します。
横山大観作品は価値の高いものが多いですが、それでも傷・破れ・カビが発生しているなどすると買取価格が下がってしまうでしょう。
反対に、横山大観作品は人気の高いものばかりですから、保存状態が良ければ高く買取してもらえるケースが多くあります。
横山大観作品を査定に出すまでは、湿気の多い場所での保管を避け、箱や額に入れておくなど、保存状態を良く保っておくための工夫が大切です。
サインやエディションナンバーがあるか(版画作品)
横山大観に限ったことではありませんが、版画作品の買取では、サインとエディションナンバーの有無が重要な査定ポイントになります。
エディションナンバーとは「〇〇/△△」のように、その版画作品が何枚刷られ、そのうちの何番目であるということを表す通し番号のことです。
横山大観のサインが確認できれば本物の証拠になりますし、エディションナンバーはその作品の希少性の証明になります。
一方、サインやエディションナンバーが入っていないものは本人公式のものではなく、のちに作られた複製品の可能性もあります。
版画作品に関しては、真作であるという確認が取れなければ、やはり買取価格が低くなってしまうでしょう。
あるべき付属品がついているか
横山大観作品などの絵画を購入したときには、箱・額縁・鑑定証・保証書といった付属品がついてくることがあります。
これらの付属品が揃っているかどうかは、絵画の買取においては必ずチェックされるポイントの1つです。
特に、鑑定証・保証書・横山大観のサインが入った箱などは、本物の横山大観作品であるという証明になります。
そのため、やはりこれらの付属品がついていた方が査定での評価も高くなりやすいでしょう。
買取業者としては、付属品があった方が買取後の再販もしやすくなるため、付属品が揃っている作品の方が高い買取価格をつけやすい傾向にあります。
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