シルクスクリーン作品の買取相場は?シリアルナンバーの確認を!

シルクスクリーンはその親しみやすさから人気があり、現在では多くのアーティストが制作を手がけています。そのため、複数のシルクスクリーンを保有している人も多いかもしれません。
ここでは、シルクスクリーンの有名作家や作品の買取相場、買取価格の決まり方、売却の方法などを紹介します。シルクスクリーンを売ろうかと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
目次
現代の人気アート、シルクスクリーン
シルクスクリーンは、版画にある4つの分類のうち「孔版画」と呼ばれる手法の一種です。シルク印刷版にインクが通過する部分と通過しない部分を作り、インクをこし出すようにして、下に落として刷ります。
シルクスクリーンはシンプルな印刷方法であり、シルク印刷版を一度制作すれば何枚も印刷できます。印刷する数が多ければ、コストもかさみません。その手軽さから、Tシャツや生地、紙、木、金属、プラスチックなど、さまざまなものに利用されています。
このように、もともとは商業的に活用されてきたシルクスクリーンですが、20世紀になると徐々に芸術作品へも利用されるようになりました。現在では、さまざまなポップアート作家や版画作家が、シルクスクリーンを利用して作品を制作しています。
シルクスクリーンは版画の技法を用いることから、同じ作品が数十枚から数百枚あるものも存在します。そのため、有名な作家の作品を比較的入手しやすいのも魅力です。
なお、シルクスクリーンは「シルク」とついていますが、現在では合成繊維であるポリエステルを使用することが多くなっています。
有名なシルクスクリーン作家
シルクスクリーンを制作している作家は数多くいます。ここでは、そのなかでも評価の高い有名作家を厳選して紹介します。
アンディー・ウォーホル
アンディー・ウォーホルは、20世紀に活躍したアメリカの画家・版画家・芸術家です。美術のなかに身近なものを素材として持ち込み、表現する「ポップアート」の代表的作者であり、ポップアートの巨匠として知られています。
アンディー・ウォーホルの名前を知らなくても、マリリン・モンローのポップなシルクスクリーンを目にしたことのある人は多いかもしれません。
ヒロ・ヤマガタ
ヒロ・ヤマガタは、1948年に滋賀県で生まれ、高校卒業後に広告会社でデザイン関係の仕事に従事したのち、1972年に渡欧して水彩作品や油彩作品の制作を始めました。その後、1978年に渡米し、シルクスクリーンの制作を開始。現在もアメリカで活動を継続しています。ヒロ・ヤマガタの作品は、多くがシルクスクリーンです。
草間彌生
草間彌生は1929年に長野県で生まれ、1957年に渡米しアーティスト活動を本格化。前衛芸術家として現在も活躍しています。幼少期から幻視・幻聴があり、その体験をもとに、網目や水玉の模様を題材にした作品を数多く制作しています。
シルクスクリーン作品としては、カボチャをモチーフにしたものが有名です。
村上隆
村上隆は1962年に東京都で生まれ、1993年に東京芸術大学大学院を修了。アーティスト、キュレーター、映画監督など、さまざまな分野で現在も活躍しています。
平面的な日本美術と漫画・アニメーションなどを融合した「スーパーフラット」セオリーの発案者であり、代表作家でもある村上隆は、シルクスクリーン作品も数多く制作しています。
ロバート・ラウシェンバーグ
ロバート・ラウシェンバーグは、1925年にアメリカで生まれました。1953年頃から新聞記事の切り抜きや写真、絵はがき、日用品などを貼り付けた「コンバイン絵画」の制作を行なっています。今世紀の代表的な作家の一人です。
シルクスクリーン作品に関しても、アンディー・ウォーホルより先に表現として取り入れ、ポップアートの先駆け的な存在としても知られています。
キース・へリング
キース・ヘリングは1958年にアメリカで生まれ、1978年に名門の美術学校へ入学。ニューヨークの地下鉄構内の広告板にチョークで絵を描く「サブウェイ・ドローイング」を始め、ニューヨーク中で有名になりました。しかし、1988年にエイズの診断を受け、1991年に31歳の若さで亡くなっています。
目・鼻・口などのない、シンプルな人間の形を用いたシルクスクリーン作品が有名です。
鈴木英人
鈴木英人は1948年に福岡県で生まれ、1971年頃から広告デザインを開始。デザイナーやアートディレクターを経験し、1980年にイラストレーターとして活動を始めました。商業的なイラストを制作するほか、リトグラフやシルクスクリーンなどの版画作家としても活躍しています。
シルクスクリーン作品の買取相場
ここでは、シルクスクリーン作品の買取相場を紹介します。ただし、買取価格は諸条件によって異なるため、査定に出す際の参考の一つにしてください。
ヒロ・ヤマガタの作品
ヒロ・ヤマガタは多くの作品を制作しています。そのなかでも以下は、ヒロ・ヤマガタ5大作品とも呼ばれる、価値の高い作品です。
名称 | 買取相場 |
---|---|
ヒロ・ヤマガタ:レイニーデイ | 1万円~30万円 |
ヒロ・ヤマガタ:ペリエ | 1万円~50万円 |
ヒロ・ヤマガタ:泥棒 | 1万円~40万円 |
ヒロ・ヤマガタ:スノーキャッスル | 1万円~20万円 |
ヒロ・ヤマガタ:野外音楽会 | 1万円~10万円 |
その他に、ヒロ・ヤマガタのディズニー作品は、ディズニーファンからの需要もあることから、買取価格が高くなる傾向にあります。
鈴木英人の作品
鈴木英人は、活動初期にシルクスクリーンを含む版画作品を多数制作しています。ヨットや看板、街の風景、海などをモチーフにした作品が人気ですが、ポルシェを描いた作品は特に高評価を得ています。
鈴木英人のシルクスクリーン作品は、オークションなどでは2万円~100万円が買取相場です。
村上隆の作品
村上隆のシルクスクリーン作品としては、以下のものが有名です。
- 記憶の中のドラえもん
- AND THEN RED
- George Dyerの習作
村上隆のシルクスクリーン作品はオークションなどの場合、数十万円ほどが買取相場となっています。また、上記の作品に関しては、「記憶の中のドラえもん」が10万円~30万円ほど、「AND THEN RED」が1万円~6万円ほど、「George Dyerの習作」が1万円~8万円です。
※上記は参考価格であり、実際の買取価格を保証するものではありません。
※ご査定時の市場状況、在庫状況により買取価格が変動する場合ございます。
※お買取相場の価格は未開封の未使用品を想定しています。お品物の状態によって価格が大きく変わる場合がございますのでご了承ください。
シルクスクリーンの買取価格の決め手
ここでは、シルクスクリーンの買取価格が決まる仕組みを紹介します。保有しているシルクスクリーンが高く売れそうかどうか、査定に出す前の参考にしてみてください。
シリアルナンバーがあるか
シルクスクリーン作品は、有名作家が手がけたものの場合、シリアルナンバーが振られています。シリアルナンバーは、分母の数字が小さいほど買取価格が高くなる傾向にあります。分母の数字が小さければ、その分、世に出ているシルクスクリーン作品が少ないためです。
希少価値
シルクスクリーンに限らず、有名作家が手がけた作品は無名作家の作品より希少価値があると見なされ、買取価格が高くなる傾向にあります。
保存状態
シルクスクリーンは、保存状態も査定の重要なポイントの一つです。シルクスクリーンは通常の水彩画や油彩画とは異なり、絵の具で刷るだけで塗料を落ちにくくする工夫がされていません。
作品に傷や色焼けが発生していても買取先によっては売れることもありますが、その分、買取価格は低くなります。
査定に出す前には、ほこりや汚れを落とすなど最低限のメンテナンスを行ない、作品の第一印象を良くするよう努めるとよいでしょう。
シルクスクリーンを売る方法
保有しているシルクスクリーンを売却するには、大きく分けて「買取専門業者に依頼する」「オークション・フリマサイトに出品する」の2つの方法があります。
買取専門業者
買取専門業者には専門知識を持ったスタッフがいるため、相場をもとに適正な価格を提示してくれます。シルクスクリーンの詳しい知識がなくても、納得して買い取ってもらうことが可能です。
オークションやフリマサイト
オークションやフリマサイトを利用する場合は、自分で商品情報や商品画像を用意し、値付けを自分で行なう必要があります。十分な知識がなければ、本来なら高値で売れる品物を安く売却してしまうこともある点には、注意が必要です。
適正な価格で納得して買い取ってもらうためには、買取専門業者がおすすめです。
シルクスクリーンの買い取りならバイセルにお任せください
シルクスクリーンの買取方法には、いくつかの選択肢があります。ここでは、それぞれのメリット・デメリットを紹介しますので、自分にあった方法を選んでください。
店頭買取
店頭買取の大きなメリットは、買い取りについてじっくり相談できる点でしょう。デメリットとしては、店舗まで足を運ぶ必要がある点が挙げられます。
バイセルでは、店舗の買取ブースが個室のため、プライバシーも守られます。もちろん相談だけでも利用可能で、事前予約をしておけば待ち時間もありません。
出張買取
出張買取では、専門スタッフが自宅まで品物を査定に来てくれます。自宅にいながら査定を依頼できる点が出張買取のメリットです。ただし、スタッフを自宅に招きたくない方には不向きでしょう。
バイセルでは、送料・出張料などの手数料がかかりません。最短即日の訪問が可能で、売却を決めればその場で現金を受け取れます。
宅配買取
宅配買取のメリットは、宅配キットに品物を詰めて送るだけで済み、手軽に利用できる点でしょう。時間を気にせず、査定を依頼できます。
ただし、人によっては宅配キットに品物を詰めて送るという一連の流れが面倒に感じるかもしれません。
バイセルでは宅配キットや送料・査定料が無料のため、より気軽にご利用いただけます。
おわりに
シルクスクリーンは版画の一種のため、同じ作品が数十枚~数百枚存在することもあります。そのため、有名作家の作品が比較的入手しやすい傾向です。
有名なシルクスクリーン作家は、アンディー・ウォーホルやヒロ・ヤマガタ、草間彌生などです。買取相場は数万円~数十万円、場合によっては百万円台になるものもあります。シリアルナンバーがあり、希少性が高く、保存状態の良い品物は高価買取が期待できるでしょう。
いらなくなったシルクスクリーン作品があれば、早めに売却し、次のコレクターに引き継いでいくことを選択してみてはいかがでしょうか。