京友禅の買取相場はいくら?納得して売るためのポイントもご紹介
京友禅は、加賀友禅、東京友禅と並ぶ日本三大友禅の一つで、着物界の重鎮である田畑喜八や森口華弘などの有名作家が製作してきました。
高価な品なため、自分で購入するよりも成人式などの記念にいただく方が多いでしょう。
しかし、着る機会がなくて箪笥にしまったままになっていませんか? 不要になった京友禅は買取業者に売却することをおすすめします。
本記事では京友禅の買取相場と納得して売るためのポイントをご紹介します。
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京友禅とは?
京友禅とは京都府で作られている伝統的工芸品です。
石川県の「加賀友禅」と東京の「江戸友禅」と合わせて日本三大友禅として有名で、中でも京友禅は最も歴史が長いです。
「友禅」とは、模様染めの技法を意味します。
京友禅の製作は悉皆屋(しっかい)の元で、図案の製作から仕上げまで、20以上の工程を分業で行います。
京友禅の代表的な文様
京友禅の代表的な文様は、平安貴族が着ていた束帯や十二単などに使われた「有職文様(ゆうそく)」、牛車(ぎっしゃ)の車輪や扇などを描いた「御所解き文様(ごしょ」、宮中で使われていた木製の扇を重ねて描く「檜扇(ひおうぎ)」の3種類です。
加賀友禅との違い
京友禅の特徴を、加賀友禅の特徴と比べながら解説します。
色彩、文様の種類、装飾、制作の工程数など異なる点が多いです。
・色使い
京友禅…多色使いで華やか
加賀友禅…加賀五彩(臙脂、藍、黄土、草、古代紫)を使って落ち着いた風合い
・模様
京友禅…御所車などの公家で使われていたものを描く、虫食いはなし
加賀友禅…花鳥風月、草花など自然界にあるものを写実で描く、虫食いはあり
・装飾
京友禅…刺繍や箔押しをする
加賀友禅…刺繍や箔押しはしない
・技法
京友禅…型友禅
加賀友禅…手描き友禅
・ぼかし
京友禅…外側の色を薄くして、内側を濃くした内ぼかし
加賀友禅…外側を濃く、内側を薄くした外ぼかし
全体的に京友禅は加賀友禅より、刺繍や金箔を使った華美で豪華な印象のものが多いです。
繊細で濃淡を活かす加賀友禅とは対照的と言われています。
京友禅の買取相場
京友禅が高価なのはなんとなく知っていても、査定ではどのような価値がつくのかを知らない方が多いでしょう。
査定では着物なのか帯なのか、そして保存状態・作家名・サイズ・中古市場での需要度などを細かく見ることで適切な金額を算出します。
そのため、少しでも高く売却したいなら、京友禅の価値を見極めてくれる着物の買取業者を選びましょう。
バイセルは全国から数千点以上の着物買取実績があり、価値を熟知している査定士が多数在籍しております。
以下の京友禅買取ページでは、バイセルの買取実績や買取金額、買取方法などをご紹介していますので、お持ちの京友禅の価値について参考にしてみてください。
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お申し込みフォームへ京友禅を納得して高く売るポイント
せっかく京友禅という高価な着物を持っているのに、売却した後に「もっと高く売れたかもしれない」と後悔したくないですよね。
以下の2点を中心に、京友禅を納得して高く売るポイントをご紹介します。
- 有名作家の着物は需要が高い
- カビや汚れはなるべく落としておく
それではそれぞれ詳しく解説します。
有名作家の着物は需要が高い
京友禅は、第一礼装や略礼装に位置する振袖や留袖など、格の高い着物に多いです。
格の高い着物は有名作家が手がけるのが主流なので、査定で評価も上がりやすいです。
その他にも、二代目や三代目よりも初代の作品や、手描き友禅の1点ものなども価値が上がりやすいです。
京友禅を代表する作家をいくつかご紹介します。
田畑喜八
田畑喜八の京友禅は、中でも友禅の人間国宝に認定された三代目の価値が高いです。
着物を製作する際には、代々受け継がれる色の生地が貼られている「田畑家コレクション」を使います。
現在は五代目が継承しており、代によって作風が異なることが特徴です。
三代目は写実的な表現を得意とし、五代目は着物のサイズを生かした大胆な友禅の構図と色数の少なさで表現します。
北出与三郎
初代・北出与三郎は皇室御用達の作家で、40年にわたって100枚以上の着物を皇室に収め続けました。
北出与三郎の特徴である「北出カラー」は、榊染め(さかきぞめ)と呼ばれる染め技法で、金を大胆に使いながら豪華な着物を作り上げます。
初代は2000年に亡くなりましたが、二代目である息子が伝統を守り続けています。
上野為二
上野為二(うえのためじ)は、京友禅に加賀友禅の染色技法を取り入れた「京加賀」を確立し、友禅の人間国宝に認定された作家です。
初代の作品は、二代目の作品よりも現存数が少ないので希少価値があります。
羽田登喜男
加賀友禅や京友禅を融合させた独自の技法で製作した羽田喜男の作品は、「羽田友禅」とも呼ばれています。
鴛鴦柄(おしどり)は作品の中でも人気上位に入り、状態や中古市場の需要によっては高値で売れる可能性があります。
森口華弘
友禅の人間国宝・森口華弘(もりぐちかこう)は紫綬褒章も受章しており、中でも代表作「早春」が高く評価されています。
息子の森口邦彦は、父と同じく友禅の人間国宝に認定されており、親子で人間国宝なのは非常に珍しいことと言われています。
初代の作品の方が高く評価されやすいですが、森口親子はどちらを査定に出しても高値で売れる可能性があります。
これらの作家ものを査定に出す際には、証紙をそろえておくことでより高値になることがあります。
証紙は着物の証明書でもあるので、査定の手助けにもなり、再度販売する際にも重宝されるのです。
京友禅の査定前に一度証紙が揃っているかを確認しておきましょう。
カビや汚れはなるべく落としておく
着物の査定では、本体の保存状態が良いかどうかで査定金額が大きく変わります。
高級着物の素材に使われている正絹は非常にデリケートで、湿気や直射日光が天敵です。
こまめに手入れをしておかないと、気づいたときには状態が悪くなってしまっていたなんてケースもあり得ます。
着物の状態トラブルでよくあるのはカビの発生で、特に酸素、温度、湿度、栄養分の4つが多い部分に出やすいです。
着物をしまうときに触れた手に汚れがついているとカビにとって栄養となり、カビが白、黄色、黒に変化していきます。
白カビの時点なら軽く撫でたり叩いたりすれば落とせる可能性がありますが、黒いカビになるとクリーニングに出さなければ落とせなくなってしまいます。
京友禅を売る前には屋外に干して湿気を飛ばし、カビや汚れがあったら布でやさしく拭き取っておきましょう。
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京友禅の歴史
京友禅は、江戸時代に京都で扇絵師として人気だった宮崎友禅斉が、自分の画風を模様染めに生かした友禅染めの技法を確立させたのがはじまりです。
技法が確立されるまでは生地に色や模様を入れる際に、刺繍、箔、絞り染め、板締めでしかできなかったのが、京友禅が生まれたことで染めの技術が進歩しました。
しかし、江戸幕府は贅沢品の所有を制限する奢侈禁止令(しゃしき)を出していたので、豪華な色彩や刺繍の着物を着ることができませんでした。
代わりに華美な色彩を抑えた友禅染めが町人の間で評判を呼びました。
その後、奢侈禁止令がなくなると友禅染めに金箔や刺繍を施すようになっていき、徐々に現在の華やかな京友禅に近づくようになりました。