着物は使い分ければ1年中着れる!季節によって変わる着物の種類・色・柄を徹底解説!
着物は着る季節によって、種類・色・柄を使い分けるのが良いとされます。
そこで今回は、どの季節にどのような着物を着れば良いのか、また、どんな帯や和装品を合わせればいいのかをご紹介します。
「季節ごとの着物にはどのくらいの種類があるのか」
「どの季節にどの種類の着物を着れば良いのか」
「季節ごとに適している着物の色・柄とはどのようなものか」といった疑問をお持ちの方は是非参考にしてみてください。
また、季節を問わずに着られる着物の色や柄についてもご紹介します。
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目次
着物は衣替えをすれば1年中楽しめる
着物は格式高い場所に着ていくものもあれば、日常着として着られるものもあります。
夏物と冬物の洋服を入れ替える習慣は、四季がある日本に古来からある文化です。
着物は現代の洋服よりも季節によって細かく衣類や持ち物を替える習わしがあります。
衣替えによって1年中過ごしやすくなると共に季節を感じさせる装いを楽しめます。
手入れや収納の仕方を身につけて、物を大切に長く使う心を養うという意味もあるようです。
季節ごとに着物の種類を変えるのは和の精神を体現した文化だといえます。
季節ごとに着られる着物の種類
着物には黒留袖、振袖、色留袖、訪問着などの種類が豊富あり、どの着物も季節によって袷(あわせ)、単衣(ひとえ)、薄物(うすもの)の3種類があります。
例えば訪問着でも、暑い季節には縫い目が荒くて通気性の良いものや、冬から春にかけて着るために生地を厚めにしているものなどが展開されています。
ここでは袷・単衣・薄物を着用する季節と特徴をご紹介します。
袷(あわせ)は、1月~5月、10月~12月にかけて着られる
袷は、春・秋・冬に着用でき、1年の中で最も長く着られます。
正月や成人式などのイベントに着用する人が多いですが、どの季節に着ても問題がないため、着物を最初に誂えるときには袷を選ぶ人もいるようです。
袷は正絹を素材とし、胴裏・袖裏・裾回しなどの部分に裏地を付けて仕立てられているのが特徴で、作りが丈夫で着姿に重厚感を与えます。
写真映えしやすいという理由から、室内であればファッションとしてオールシーズン着られます。
冬は部屋着として、夏は袷の着物が着用される場合もありますが、暑い時期に着ると空気が滞留してしまって汗ばんでしまう場合があります。
単衣(ひとえ)は、6月と9月の季節の変わり目に着られる
単衣は、裏地を使わずに1枚の生地に仕立てた着物です。
透け感が出ない程度の生地ですが、袷に比べて軽やかな着心地になっています。
そのため、春から夏、夏から秋へと、季節が移り変わる時期に着用します。
一般的には、6月と9月に着られていますが、着る日の気温によって5月や10月に着られる事もあります。
単衣の特徴や仕立て方、袷との見分け方については以下の記事に詳しく書いています。
単衣の詳しい特徴や仕立て方、袷との見分け方については以下の記事が詳しくなっています。
薄物(うすもの)は、初夏から真夏の7月〜8月にかけて着られる
夏の暑い時期には、夏用の着物とされている、薄物を着用します。
薄物は、たて糸とよこ糸の密度を粗くして、風通しをよく仕立てられた、透け感のある生地です。
素材は正絹やポリエステルが多いです。
夏の着物として有名なものには、「宮古上布」や「越後上布」など、上布(じょうふ)と呼ばれる上等な麻素材の着物があります。
また、絹製の夏の着物としては、「羅(ら)」「紗(しゃ)」「絽(ろ)」などが有名です。
いずれも「からみ織(捩り織)」と呼ばれる織り方で、目が粗く、通気性が良いのが特徴です。夏の着物と言うと浴衣をイメージする人も多いかもしれませんが、浴衣と薄物は別物です。
浴衣は元々「湯帷子(ゆかたびら)」と呼ばれ、平安時代に貴族が蒸し風呂に入る際に着用されたのが始まりと言われています。
それが時代の流れとともに、浴衣は入浴後に着用する「湯上がり着」になっていきました。
温泉旅館などで浴衣を着るのは、この名残といえるでしょう。
このような由来もあって、「夏の着物」と「浴衣」は形状は似ているものの、生地や着付けが異なります。
生地 | 着付け | |
---|---|---|
浴衣 | 綿・ポリエステル・綿麻 | 襦袢:不要 |
足元:素足に下駄 | ||
帯:半幅帯(男性はへこ帯) | ||
夏の着物 | 上布・絹・木綿・ポリエステル | 襦袢:必要 |
足元:足袋に草履 | ||
帯:袋帯・名古屋帯 |
季節ごとに合う着物の色・柄とは
着物の色・柄は、着用する季節に合わせて選ぶのが一般的とされています。
季節ごとに情緒を感じられるのは、日本人独特のものとも言われています。
日本ならではとされる四季折々の風情を、着物の色・柄で楽しみましょう。
着物の色・柄は「実際の季節よりも先取り」が基本です。
着物に描かれている草木・花が旬とされる季節よりも、1か月半〜1か月ほど先取りして、着用を始めるのがいいとされています。
また、着物に描かれている花が咲く直前くらいまで着るのが粋だと言われており、開花した後も着用して良いのですが、散り際には次の季節の色・柄を取り入れていくのがおすすめです。
それでは、どの季節にどんな色・柄の着物が合うのか、季節ごとに見ていきましょう。
春に着る着物の色・柄
春は、入学式など新たな門出を迎える季節です。
晴れやかな気持ちを、着物の色・柄に込めて、お出かけしましょう。
春に着る着物の色は、明るいパステルカラーやピンク色などが適しています。
桜の時期が過ぎる頃には、藤色や緑色などを取り入れましょう。
春に着る着物の柄は、芽吹き・桃・桜・牡丹・菖蒲・蝶などが適しています。
桜柄は、桜が三分咲きの頃までに着用するのが、一般的とされています。
桜が満開の頃に着用すると、桜と競い合っているように見えたり、流行遅れと思われる可能性があります。
夏に着る着物の色・柄
夏の暑い時期には、見ているだけでも涼しくなるような色・柄の着物を着用しましょう。
夏に着る着物の色は、モノトーンや、ペールカラーと呼ばれる淡い色味などが適しています。
クールダウンさせてくれるような、涼しげな配色を選びましょう。
夏に着る着物の柄は、紫陽花・朝顔・竹・笹・柳・魚・流水模様などが適しています。
また、季節の先取りとして、とんぼや楓が描かれている着物を着用する人もいます。
さらに、あえて冬らしいモチーフを取り入れて「涼しさ」を演出することもあります。
秋に着る着物の色・柄
秋は、紅葉やお月見など、日本の風情を感じられるイベントが多い季節です。
お彼岸を過ぎた頃から、秋らしいモチーフを取り入れていきましょう。
秋に着る着物の色は、紅葉を思わせるような、深い赤色や茶色などが適しています。
深めの紫色や緑色などを取り入れると、格好いい印象になります。
秋に着る着物の柄は、紅葉・萩・桔梗・撫子・山茶花・月などが適しています。
この中でも、紅葉(もみじ)は、秋に着る着物の定番柄と言われています。
冬に着る着物の色・柄
冬は、クリスマス・忘年会・お正月など、大勢で集まるイベントが多い季節でもあります。
イベントにおでかけする際には、着物や帯などで、華やかさを加えてみましょう。
冬に着る着物の色は、温かみのある赤やベージュ系などが適しています。
街のイルミネーションにも合うような、華やかな色味が合います。
冬に着る着物の柄は、菊・椿・南天・雪輪・枯山水などが適しています。
年明け以降であれば、梅のモチーフを取り入れた着物で、春を待つ気持ちを表現できます。
季節を問わずに着られる着物の柄
季節を問わずに通年着られる、便利な着物の柄もあります。
1年の中で最も長く身に着けられる袷を選ぶ際には、通年着られる柄のものにすると、着回しの幅が広がります。
季節を問わずに着られる着物の柄として、以下があります。
・抽象的な模様
・色々な季節の草花が描かれている
・吉祥文様(縁起がいいとされる鶴・亀・松竹梅などがモチーフとなったもの)
・無地
この他にも、自然のもの(雲や波、風景など)・動物・架空の草花などの柄が描かれている着物も、通年着用できます。
帯や和装品も季節によって変える?
着物の衣替えをするように、帯や羽織・長襦袢・半襟といった和装品も季節によって、すなわち季節ごとに着用する着物の種類によって変えていくという文化が、着物にはあります。
では、帯や羽織・長襦袢・半襟といった和装品は、具体的にどのように季節によって使い分けていけばよいでしょうか。
季節によって使い分ける帯の種類
季節による帯の使い分けのポイントとしては、「裏地がついているものは袷の着物に合わせる」「絽や紗など透け感があるものは夏に着用する」というものがあります。
「季節ごとに着用する着物に合わせる」と考えると分かりやすいかもしれません。
また、帯の柄に関しては「季節を感じさせる柄が入っているものは、その季節に締める」というのが基本のようです。
特に季節感がない柄のものであれば、いつ締めても良いでしょう。
このあたりのポイントを押さえておけば、季節ごとの帯選びの参考になるのではないでしょうか。
季節によって使い分ける羽織の種類
着物の上から着用する羽織や、道中着や道行などと呼ばれる和装コートも、着物に合わせる重要なファッションアイテムのひとつです。
和装コートは「コート」という名の通り、寒い時期の屋外で、袷とともに着用されます。
羽織は洋服で言うところのジャケットのような位置づけになり、冬以外の季節や室内でも着用することができます。
カジュアルな場での羽織代わりとして、着物に合うのであれば、ショール・ケープ・ポンチョなども用いることができます。
羽織は単衣に合わせることもでき、その場合にはレース調などの比較的薄手のものが季節に合うでしょう。
単衣を着用する時期である季節の変わり目には、昼夜の寒暖差があったり、室内の冷房で寒くなってしまうこともあるので、1枚薄手の羽織があると良いかもしれません。
季節によって使い分ける長襦袢の種類
着物の下に着る肌着である長襦袢にも、季節ごとの使い分けがあります。
長襦袢にも着物と同様に「袷」「単衣」「薄物」があり、袷の着物には袷の長襦袢、単衣の着物には単衣の長襦袢と、着物の種類に合わせて着用するのが基本となっています。
袷の長襦袢では、裏地には表地と同じ生地が使われることが多いです。
表地と同じ生地を使って裏地をつけた袖を「無双袖」と呼びます。
単衣の長襦袢では基本的には裏地はつきませんが、袖口などきものを着たときにちらりと見えてしまう部分だけに裏をつけた「半無双袖」と呼ばれるものもあります。
薄物の長襦袢も薄物の着物と同じように、絽・紗・麻などの薄く涼しい生地で仕立てられています。
ただし、長襦袢には温度調整の役割もありますから、例えば5月でも暑いと思えば長襦袢の季節を先取りするなど、気候に合わせて臨機応変に長襦袢を選ぶのも良いとされています。
季節によって使い分ける半衿の種類
半衿とは、着物の下着である長襦袢につける衿のことです。
着物を着用したときに首元から見える白い襟の部分が半衿です。
半衿は季節による使い分けが少なく、多くのものは1年中使うことができます。
着物のデザイン等に合わせて好きなものを選び、お洒落を楽しむことができます。
ただし、絽や紗の半襟は夏に着用するのが良いでしょう。
また、季節感ある柄が入っているものはその柄の季節に合わせて使うのが基本となっています。
たとえば梅の柄が入っているものは早春に、秋草模様が入っているものは秋に使うのが一般的です。
季節によって使い分ける帯揚げ・帯締めの種類
帯揚げ・帯締めは袷でも単衣でも基本的には同じものを使用します。
ただし、透け感のある帯揚げや、粗く編まれた涼しげな印象の帯締めは、夏に着用するのが似合うでしょう。
また、季節感のある模様が入っている帯揚げは、その季節に合わせて使ってあげると良いでしょう。
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お申し込みフォームへ【春夏秋冬】季節ごとの着物の着こなしまとめ
季節ごとにふさわしいとされる着物の種類や着こなしについてご紹介してきました。
季節による着物の種類としては、袷・単衣・薄物の3種類があり、仕立てや生地が異なる種類を季節ごとに使い分ける事で、着物を快適に着こなすことができます。
また、着物の色・柄も季節に合ったものを取り入れることで、四季を楽しむという着物の文化をより感じることができるでしょう。
帯や和装品についても、季節ごとに適しているとされる種類がありました。
ただし、今回ご紹介した季節による着物や和装品の選び方は、あくまでも目安であって絶対ではありません。
例えば5月などで「袷を着用したいけど少し暑い」と感じれば、長襦袢を夏物にすると快適な装いになるでしょう。
季節ごとの着こなしを知っておくことは重要ですが、最終的には着ていて快適か、あるいは楽しいか、素敵だと感じるか、といった基準で気軽に楽しんでも良いのではないでしょうか。