本場黄八丈の買取相場や高く買い取ってもらうコツを解説
- 黄八丈の織物を持っています。売ったらいくらになりますか?
- 保存状態により買取価格が変わりますので一度拝見いたします。お電話・メールよりお問合せ下さい。
- 祖母が愛用していた本場黄八丈の着物を譲り受けました。価値はありますか?
本場黄八丈(ほんばきはちじょう)は東京都八丈島で生まれた絹織物です。
黄色・黒色・赤橙の樺色(かばいろ)の3色で構成され、素朴ながらも奥深い味わいがあります。
秋田県にも黄八丈の絹織物(秋田八丈)がありますが、それと区別するために八丈島産の絹織物は「本場黄八丈」と呼ばれます。
今回は本場黄八丈の歴史や魅力を始め、買取相場や少しでも高値で売るコツをご紹介します。
着物の買取を有意義にするため、査定に出す前にぜひともご覧ください。
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お申し込みフォームへ※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。
本場黄八丈の歴史
本場黄八丈が織られ始めたのは、平安時代の末期だとされています。
室町時代には、農産物の生産が難しかった八丈島から年貢として「八丈絹」の名で納めたことで、徐々に内地に渡ったと言われています。
当時はまだ染色技術が発達していなかったため、無地で白色の織物でした。
江戸時代になっても八丈島は本場黄八丈を納め続け、将軍・大名・大奥などの高い階級の人々に着用されていたものの、歌舞伎・狂言・浄瑠璃の衣装に用いられたことから次第に庶民にも親しまれるようになりました。
この頃になると染色技術が確立されたため、黄色などの色が染められるようになり、織技術も向上して縞や格子などの柄が表現できるようになります。
また、黄色は不浄除けの意味を持つと考えられているため、魔除けとして重宝され高価な着物とされるようにもなっていきました。
そして黄色の八丈絹が広く認知されたことから、黄八丈と名付けられます。
江戸時代の八丈島では、年貢に八丈絹を反物2つ分の長さ(8丈・約24メートル)にして納めていました。
良質な8丈の絹織物を生産していることから、いつからか「八丈島」と呼ばれるようになったそうです。島の経済を支えるほど、また島名の由来になるほど本場黄八丈が高品質な生地であることが分かります。
加えて、島にいる職人の数が少ないことから希少性が高く、入手困難なことも相まってさらに人気の着物となります。
本場黄八丈は1977年に国の伝統工芸品に指定され、一気に注目を集めました。
さらに1984年に本場黄八丈の第一人者とされる染色家の山下め由(めゆ)が、その2年後に娘の山下百八子(やおこ)が東京都の無形文化財工芸技法保持者に認定されます。
この2名の着物作家が手がけた作品であれば、高価買取が期待できるでしょう。
本場黄八丈の製作工程
本場黄八丈はどのようにして製作されるのでしょうか。
本場黄八丈がいかに手間暇かけて作られているかをご紹介します。
染め方や織り方を知れば、本場黄八丈がどれほど高級着物であることが、より一層お分かりいただけるかと思います。
染料の精製から染め方まで
今回は八丈島で本場黄八丈を製作している織元である「黄八丈めゆ工房」での製作工程を中心に紹介します。
まずは絹糸をとろ火で煮て水洗いして、絹独特の光沢感としなやかさを出します。
染料には八丈島に自生するイネ科のコブナクサから黄色を、タブの木から樺色を、シイの木から黒色を抽出したものを使います。
コブナクサとシイの樹皮は乾燥させた後に、タブは生皮を剥いた後に水と一緒に釜に入れて色素を煮出します。
糸を植物から出た汁に1晩かけて漬け込み、翌日に天日干しをするという作業を約20回繰り返して、念入りに染料を染み込ませます。その後に鮮やかな発色と色持ちを良くするため、1年分・約3,000キロの椿や榊(さかき)を3日以上かけて真っ白になるまで焼いて作った灰を水に溶かし、その灰汁で媒染(ばいせん・染料をしっかり糸に定着させるための工程)を50~60回ほど行います。
染めた糸を流水で洗って乾燥させ、2~5年間静かに寝かせて色むらをなくし、趣がある深く渋い色にします。
織りから仕上げまで
寝かせた糸を高機(たかばた・木製の手機)に丁寧に心をこめて手織りします。
すべての工程を職人の手作業で行い、リズムよく糸を打って縞や格子を組み合わせて柄を織り出します。
本場黄八丈は平織(ひらおり)と綾織(あやおり)の2通りの織り方があり、着物の種類や糸の色の見せ方によって織り方を変えます。
一般的な織り方は平織で、経糸(たていと)と緯糸(よこいと)を1本ずつ交差して織ります。
耐久力があり摩擦に強く、糸と糸の間に隙間ができるので通気性が良いことが特徴です。
綾織は経糸を2本〜3本の緯糸に通し、糸の交差部分を段違いに斜めにして織ることで、伸縮性に優れシワになりにくくするというメリットがあります。
1枚の着物を作るのに数年かかる上、1つひとつ職人が手作業で染めたり織ったりするため、大量生産はできず希少性がとても高いです。
百貨店や呉服店でもなかなか目にする機会はなく、中古着物市場でも貴重な着物として
扱われています。
ちなみに、現在「黄八丈めゆ工房」では着物以外にも、財布・コインケース・名刺入れ・ネクタイなども製作しており、本場黄八丈は形を変えながらも多くの人に愛されています。本場黄八丈の生地を使っており、状態が良ければ雑貨や小物でも高価買取が望めるでしょう。
本場黄八丈の特徴や魅力
一般的に本場黄八丈とされる織物は黄色をベースにしたものを指しますが、樺色をベースにした鳶八丈(とびはちじょう)や黒色をベースにした黒八丈もあります。
本場黄八丈は黄色のものがベーシックなスタイルではありますが、現代ではコーディネートがしやすいなどの理由から黒八丈が人気となっています。
柄は格子や縞が中心ですが、無地のものもあります。
1枚の本場黄八丈の着物を作るために膨大な時間と手間を要します。
ですが、その分仕上がったものは他に類を見ないしっとりとした発色で、渋い色でありながら高貴で洗練された雰囲気になります。
身にまとうと上品で大人びた印象になり、幅広い世代の人が楽しめる着物です。
もちろん高級感がある輝きを放つ絹織物ですので、ちょっとしたお出掛けからセミフォーマルな場でも活用できます。
様々な人が様々なシーンで着用できることが魅力の1つです。
上質な絹糸を使い職人の手で丁寧に織り上げているので、経年劣化に強く、洗えば洗うほど色や肌触りに味わいが生まれます。
永く着続けることができる高級着物ですので、手に入れたいと思う着物愛好家は多く、中古着物市場でも高い需要があります。
本場黄八丈の買取相場とは
本場黄八丈の着物の買取相場は、高いもので80,000円程度です。
特に本場黄八丈の有名作家・山下め由の作品は、状態と種類によっては高く売れる可能性があります。
鳶八丈や黒八丈も中古市場では需要が高く、状態がきれいで証紙のついている作品なら査定金額がつく場合が多いです。
ただし、状態が傷んでいると査定金額がマイナスになる傾向にあります。
本場黄八丈に汚れを見つけたら状態がきれいなうちに査定に出すことをおすすめします。
※上記は参考価格であり、実際の買取価格を保証するものではありません。
※ご査定時の市場状況、在庫状況により買取価格が変動する場合ございます。
※お買取相場の価格は未開封の未使用品を想定しています。お品物の状態によって価格が大きく変わる場合がございますのでご了承ください。
本場黄八丈を少しでも高値で売るコツ
本場黄八丈は中古着物市場では大島紬や結城紬などと並んで人気を博しているので、状態が良ければ高額査定が期待できます。
お持ちの本場黄八丈の価値に見合う査定額にするため、これから紹介するコツを是非とも実践してみてください。
証紙があれば必ず査定士に見せる
証紙はその着物が本物だと証明するために、着物を織った際に余った生地の切れ端に作家名や織元などが記されている紙が貼りつけられたものです。
証紙を着物と一緒に査定士に見せれば、査定士に着物が本物であると認められるため、買取価格が上がりやすくなります。本場黄八丈には以下の証紙があるため、もしお手持ちであれば査定時に提出し忘れないようにしてください。
- 伝統工芸品産業振興協会から発行される証紙。意匠化された「伝」の字と、その下部に日の丸が描かれている。
- 黄八丈織物協同組合から発行される証紙。黄の地色に「本場黄八丈」の字が中央に大きく載っている。
- 作家名が書かれている証紙。東京都の無形文化財工芸技法保持者である山下め由や山下百八子など有名作家であれば、より高価買取が望める。
着物の買取実績が豊富なバイセルを利用する
着物を買取に出す際はバイセルをおすすめします。
バイセルの査定士は、中古市場で需要の高まりやすい着物の種類と状態を熟知しています。
着物に関する知識を幅深く有しており、査定でしっかりと価値を判断する技術もあります。
そのため、お持ちの本場黄八丈に現在の価値に見合った査定金額をご提示できます。
不要になった本場黄八丈を売るならバイセルにお任せください。
複数の買取業者に査定を依頼する
また、着物の買取業者は複数利用しましょう。
1社だけだと本当に着物に見合った買取価格を出しているか判断できず、その業者で即決すると損をするかもしれません。
複数の買取業者を利用すれば、おおよその買取価格の相場が把握できますし、1番高い買取価格を提示してくれた業者で買い取ってもらえばお得です。
着物の買取業者を上手く利用して、後悔のない着物の取引をしましょう。
出張買取サービスを利用する
出張買取とは、買取業者の査定士が利用者の自宅まで出張し、その場で査定や買取を行うというサービスのことを指します。
利用者は重い着物を持ち運んだり、ダンボールに詰めたりする必要がないので、簡単・楽に着物を買い取ってもらえます。
最大のメリットは、利用者が着物にむやみに触れなくて良いので、きれいな状態で査定してもらえるということです。
持ち込み買取や宅配買取だと、移動中に着物に傷や汚れがつく恐れがあるので、査定時に買取額が下がることが危惧されます。
出張買取を利用すれば、しまった状態のままの着物を査定してもらえるため、買取額が下がることを食い止められる可能性が高いです。
きれいな状態にしてから査定してもらう
着物は新品に近いきれいな状態の方が高価買取が期待できます。
ご自身で少しでも着物の状態を良くできるなら、査定前にしておいた方が無難です。
ホコリやカビのような臭いを感じたら、湿気の少ない晴れた日を選んで、風通しの良い室内で着物を干して臭いと湿気を飛ばしましょう。
生地表面にゴミやホコリがついていたら、きれいな手や柔らかい布を使ってササッと軽く払ってください。
糸がほつれていたら根元から切り、シワがついていたら着物を広げてシワを取っておきましょう。
無理してまでクリーニングに出さない
町にある一般的なクリーニング店で着物をクリーニングに出すと、生地がヨレヨレになったり糸がほつれたりした状態で返却されるかもしれません。
本場黄八丈をはじめとする高級な着物は、正絹など動物由来の素材で織られているので、洋服と同じようにクリーニングすると糸がもろくなることが懸念されます。
せっかくきれいにしてもらおうと思ってクリーニングに出したのに、これでは意味がありませんよね。
また、着物専用のクリーニング技術を持っているクリーニング店もありますが、クリーニング代の値が張ります。
高いクリーニング代を出して着物をきれいにしたところで、査定金額でクリーニング代の元が取れる保証はありません。
格安で着物専用のクリーニングを行っている業者を選ぶならまだしも、近所の一般的なクリーニング店や大枚をはたいて着物をクリーニングに出すくらいなら、今の状態のままで査定に出しましょう。
たとう紙に包んで査定に出す
たとう紙は着物を包むための和紙のことで、吸湿効果に優れています。
外部から着物に湿気がつくことを予防し、また着物についた湿気を取り除く効果があります。
着物をたとう紙に包んで保管しておけば、少しでも長くきれいな状態を保てますのでおすすめです。
ただし、たとう紙の吸湿効果は永久に持続する訳ではないので、1年に1度は新品と交換しましょう。
また、たとう紙に包んだ状態のまま着物を査定に出してください。
買取業者の査定士に査定されるギリギリまできれいな状態を保てば、買取価格が下がらずに済むかもしれません。
和装小物もまとめて買い取ってもらう
着物の他にも和装小物で不要なものがあれば、まとめて査定に出して買い取ってもらいましょう。
和装小物とは、帯・帯留め・かんざし・下駄など和装に関連した小物のことを指します。
和装小物単品だと買取が難しくても、着物とセットであればまとめ買いができるという業者もありますので、買取できるか相談してみましょう。
また、本場黄八丈は着物以外にも帯や帯締めなどが作られていますので、こちらも状態が良ければ高価買取が期待できます。
本場黄八丈製の和装小物も着物と一緒に売れば、査定金額が上乗せされる場合があります。
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