大島紬よりも価値が高いといわれる薩摩絣とは?薩摩絣を売るときに必要なことは?

2024.06.24

着物買取 コラム
大島紬よりも価値が高いといわれる薩摩絣とは?薩摩絣を売るときに必要なことは?
あまり着ていない薩摩絣の着物を持っています。売ったらいくらになりますか?
保存状態や種類により買取価格が変わりますので一度拝見いたします。お電話・メールよりお問合せ下さい。
祖母が昔着ていた薩摩絣の着物を譲り受けました。価値ってありますか?

薩摩絣は宮崎県都城市の綿織物で、日本の最高峰といえるほどの品質の高さを誇ります。

鍛錬を重ねた職人が工程を積み上げることで生み出される薩摩絣の風合いは、着物愛好家から人気を博しています。

品質の希少価値は中古市場でも評価されています。

本記事では薩摩絣の特徴、製作工程、薩摩絣を売るときに必要なことをご紹介します。

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薩摩絣とは?

薩摩絣とは?

薩摩絣とは、宮崎県都城市(みやこのじょうし)で生産されている綿織物です。

80番手のエジプト綿の双糸という細い綿糸で織られています。

高級着物である大島紬や結城紬を着尽くした方が最後に求める着物としても有名で、日本の最高峰に位置づけられています。

薩摩絣は「綿薩摩」とも呼ばれ、紺地のものを「紺薩摩」、白地のものを「白薩摩」と呼ぶこともあります。

現在では琉球絣の影響を感じさせないデザインに生まれ変わっています。

精緻な技術によって織り上げられた薩摩絣の風合いは木綿生地でありながら絹と比べて遜色なく、専門家でもない限り見た目や触り心地だけで綿織物だと見抜くのは難しいでしょう。

薩摩絣の功労者である永江明夫とは?

薩摩絣の起源は解明されていませんが、1609年に薩摩藩の藩主である島津義久が琉球に侵攻した際の献上品であったと言われています。

当時は琉球で製作されていたものの、薩摩藩を介して流通していたために薩摩絣の名で知れ渡り、庶民の着物として人気を博しました。

そのあと徐々に薩摩絣の需要は減少しますが、昭和になって東郷織物工場の東郷治秋とその息子である永江明夫が薩摩絣を研究し、大島紬の製法を駆使して新たな薩摩絣を生み出したことで、薩摩絣は再び脚光を浴びることとなりました。

永江明夫は薩摩絣の功労者です。

奄美大島出身の永江は第二次世界大戦のシベリア抑留から鹿児島に戻った際に、奄美大島がアメリカ領になっていたころから九州に留まることを決意します。

そこで宮崎県の工房である東郷織物に出会い、薩摩絣と大島紬を織り始めました。

絹に負けない丈夫な絣を作ろうと、大島紬が織られていた締め機で絣織りの技術を生み出し、15年以上をかけて理想の薩摩絣を完成させたのです。

薩摩絣の製作工程

薩摩絣の製作工程

薩摩絣の製作工程は大島紬に近く、80番手のエジプト綿の双糸という細い糸を使って織り上げられます。

薩摩絣に用いられる木綿糸は滑りにくくて切れやすく、水につけると縮む性質があって色落ちもしやすいため製作には熟練の技術が求められます。

薩摩絣の製作はまずコンピューターを使った図面調整から始まります。

次に精密な絣を作るため締機(しめばた)を使った絣括りの作業を行います。

続いて染料に何度も浸して絣糸を染めますが、染める色によって藍染め、桜染めなどと呼ばれます。

染め上がった絣糸はほどいてから水洗いされ、丁寧に織り上げられ、薩摩絣の完成となります。

最初の図面調整以外は全て職人の手作業で仕上げるまでに長い時間を要します。

このようにして精魂込めて製作された薩摩絣は「綿のダイヤモンド」とも称され、多くの方から愛されているのです。

薩摩絣の価値

薩摩絣の価値

薩摩絣の工房は昔よりも大きく減り、現在は宮崎県都城市の東郷織物が独占して作っている状態です。

薩摩絣は一反を織るのに半年を要し、年間で80反ほどしか織られません。

80番手のエジプト綿の双糸は絹よりも滑りが悪く、熟練した技術が必要です。

絹製の大島紬よりも薩摩絣の方が手間がかかっている分、生産数が限られてしまうので店頭でなかなか手に取れないといわれています。

薩摩絣を売るときに必要なこと

薩摩絣を売るときに必要なこと

希少価値が見込まれやすい薩摩絣をお得に売るには何が必要なのでしょうか。

ここでは簡単に3つのポイントをご紹介します。

汚れた薩摩絣はなるべく落とさずに売る

薩摩絣は熟練した職人の伝統技術によって織り上げられています。

どれだけ大事に手入れをしていても着るうちに汗ジミや変色が発生し、湿気によるカビや経年劣化での傷みなどが出てくる場合があります。

薩摩絣の汚れは悉皆屋(しっかいや)で落とせます。

悉皆屋とは着物の染めや洗い張りなどを扱っている専門店のことで、着物のトラブルをサポートしてくれます。

着物を反物の状態に戻してから洗い、新たにのりを引いて生地の風合いを蘇らせる洗い張りを依頼すれば、新品に近い状態を取り戻すことができるでしょう。

ただし、汚れ具合によっては悉皆屋の料金が査定金額を上回る可能性があります。

査定ではきれいな薩摩絣だと価値が上がりやすいですが、汚れていても適切な査定金額で売れます。

箱や証紙などの付属品も一緒に売る

薩摩絣を購入した時についてきた箱や付属品を査定で一緒に売ることをおすすめします。

証紙があれば査定士に薩摩絣が本物だと証明できます。

証紙は反物から着物に仕立てた際に出てきた生地の切れ端に付けられており、作者名、織元、産地、生地の素材などが記載されています。

証紙があれば薩摩絣の品質を保証できるため査定で評価される場合があります。

綿薩摩絣の東郷織物製の証紙には「正藍染(化学染料を一切使わず、天然の藍だけで染めたという意味)」と書かれています。

永江明夫の作品であれば「永江明夫」の縦書きのサインと、武者小路実篤がしたためた「薩摩絣 手織絣 誠実無比 実篤」と書かれた証紙が加わります。

手元に残っていれば必ず査定士に見せましょう。

薩摩絣が傷まないうちに査定に出す

薩摩絣は綿でできているので訪問着などに使われる正絹とは異なり、湿度や温度によって状態が劣化しやすいわけではありません。

ですが、何回か着用したまま湿気が滞留しやすい場所にしまっておくと薩摩絣に臭いが移ったり、カビが生えてしまったりする場合があります。

そのまま保管しておくと、薩摩絣の状態が悪くなってしまうかもしれません。

お持ちの薩摩絣が傷まないうちに査定に出すことをおすすめします。

サイズが大きめであること

薩摩絣は大きいサイズの方が査定で需要が高くなりやすいです。

現在の日本人女性の平均身長である160㎝以上の身丈だと、着物を自分のサイズに仕立てやすいため着物買取市場では人気の傾向があります。