着物を長持ちさせるたとう紙とは?使い方・注意点や交換時期を解説!
着物を美しく保管するために必要不可欠なアイテムの1つに「たとう紙」があります。
本記事は、たとう紙の役割や種類、使い方、交換時期の目安、使用時の注意点についてご紹介します。
お問い合わせ・無料相談はこちら
電話から相談する
0120-612-773
通話料無料・24時間365日受付中
メールから相談する
お申し込みフォームへ※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。
たとう紙とは、着物をしまうときに使う包み紙
たとう紙とは着物を収納する時に使う専用の包み紙です。
大きく分けて、たとう紙には3つの役割があります。
・着物の湿気をとって、カビの発生を防ぐ
・着物をホコリから守る
・着物にシワがつくことを防ぐ
各役割について詳しくご紹介します。
着物の湿気をとって、カビの発生を防ぐ
着物は湿気に弱く、長い間タンスや収納ケースに入れていると湿気が溜まってカビが発生してしまう可能性が高いです。
定期的に風通しをして湿気を飛ばさなくてはなりませんが、タンスから着物を取り出して風通しをするのは面倒ですよね。
そこで着物をたとう紙に包んで保管すれば除湿効果を期待できます。
大切な着物を収納するときのカビ対策として、たとう紙は力を発揮します。
着物のカビを防ぐ方法については、バイセルのこちらの記事をご覧ください。
着物をホコリから守る
室内には衣服・布団・カーテン・絨毯から出る小さな繊維が、見えないホコリとなって空気中に舞っています。
着物をタンスや収納ケースに入れたとしても、知らず知らずのうちにホコリが着物に付いてしまいます。
たとう紙で着物や帯を一枚ずつ包んで保管することで、ホコリがつくことを防げます。
着物にシワがつくことを防ぐ
着物を何枚も重ねて収納するときに、着物同士の摩擦で畳んだときの折り目がズレてしまい、それが原因でシワになる場合があります。
例えば本畳みの場合は右袖が外側に向くため、袖の部分はシワになりやすいです。
着物を一着ずつたとう紙に包んで収納すると摩擦を軽減して、着物を重ねて保管してもシワがつきにくくなります。
たとう紙を使うときの手順
たとう紙の役割がわかったところで、ここではたとう紙を使うときの手順を紹介します。
保管する前に着物の手入れをしてから、たとう紙を使いましょう。
・着物用ブラシでホコリを払う
・ハンガーに吊るして一晩干す
・たとう紙に着物を包む
着物用ブラシでホコリを払う
着物を保管する前に、表面についたホコリを着物用ブラシで落としましょう。
固いブラシですと着物を傷める原因にもなり、ホコリが残っているとたとう紙に包んでも虫食いの原因になってしまいます。
ハンガーに吊るして一晩干す
たとう紙に包む前に湿気が残らないようにするため、ハンガーに吊るして一晩ほど着物を干してください。
袷(あわせ)の着物の場合、一晩以上干してしまうと表の生地と裏の生地がズレてしまうこともあるので注意が必要です。
干す際は着物を裏返して干すこともお忘れなく。
たとう紙に着物を包む
たとう紙を用いた正しい着物の包み方は以下の通りです。
着物のサイズにはあまり左右されないので正しい包み方を覚えておきましょう。
手順1:着物をたとう紙の中央に置く
手順2:たとう紙の左右を内側に折り、内紐を結ぶ
手順3:たとう紙の下側を折り上げる
手順4:たとう紙の上側をかぶせる
手順5:たとう紙の紐を結ぶ
たとう紙の紐は着物に跡をつけてしまうこともあるので結ばなくても問題なく、着物の折り目が気になる場合は、綿棒を入れるようにするときれいに保管できるでしょう。
たとう紙を使う上での注意点とは
着物を良い状態のまま保管するための強い味方であるたとう紙ですが、使用の際にはいくつか注意したいポイントもあります。
たとう紙を使ってよりきれいに着物を保管するために、知っておきたいポイントについてご紹介します。
・一枚の着物に対して一枚のたとう紙を使う
・たとう紙の薄紙は捨てる
・たとう紙にシミが出たら交換する
一枚の着物に対して一枚のたとう紙を使う
着物と長襦袢や帯などをセットで購入した場合など、セットで着用するためにまとめて保管しておきたくなるところです。
ですが、一枚のたとう紙の中に複数のアイテムを入れて保管するのはおすすめできません。
例えば長襦袢にカビや虫食いなどのトラブルが発生した場合、同じたとう紙の中に保管していると、そのトラブルが着物や帯にも移ってしまう可能性があります。
一枚ずつ別々のたとう紙に入れて保管しておけば、たとう紙が壁となって着物や帯の被害を食い止めてくれるでしょう。
費用もかかるのですが、やはり着物の保存状態のことを考えるならば、惜しまずに「一枚の着物に対して一枚のたとう紙」というのがおすすめです。
たとう紙の薄紙は捨てる
着物を購入したときに、たとう紙は別に薄紙で包まれています。
店頭からお客様に着物が渡るまでの間に型崩れを防ぐために使われます。
そのため、薄紙は手元に届いたら捨てて構いません。
着物に薄紙を包んだままにしておくと薄紙が湿気の原因になり、着物にカビが生える可能性があります。
たとう紙に1~2年で交換する
長く使っているたとう紙が茶色に変わっているのを見たことがあるでしょう。
たとう紙は1〜2年ほどで吸収効果を保てなくなり、たとう紙が劣化すると着物を保護する力も落ちてしまいます。
変色しているたとう紙は吸収性が失われているサインなのですぐに交換してください。
また、着物を保管する上でシミと同じく、虫食いにも注意しましょう。
たとう紙は虫食いの予防にも高い効果を発揮しますが、取り替えないまま使っていると劣化して紙についている糊が虫のエサになってしまいます。
シミやシワがついている着物を整理したい!それ、バイセルが買い取ります!
「たとう紙に包んでいた着物にシミがついてしまった」「経年劣化で着物が少し汚れてきている」とお困りではありませんか。
しばらく着ていない着物は保管環境によってはシミやカビが発生してしまいます。
着物はきれいな方が売れますが、多少状態が悪くても買い取れる場合が多いです。
着物を整理したいのであればバイセルが買い取ります。
査定士が着物の専門知識と豊富な買取経験を活かして、お持ちの着物の価値を判断します。
バイセルは着物を中心に出張買取を提供し、多くの方からご指名をいただいております。
ぜひ無料査定をお試しください。
たとう紙についてもっと知ろう!素材、種類、サイズは?
たとう紙には素材、種類、サイズが複数あります。
ここではそれぞれの特徴についてご紹介します。
たとう紙は何でできているのか
たとう紙は和紙で作られているものが多いですが、代表的な素材は楮(こうぞ)・雁皮(がんぴ)・三椏(みつまた)などの木が挙げられます。
これらの木から作られる和紙は繊維同士の結合が強く、張りが強い特徴があります。
そして重要なのが、楮・雁皮・三俣からできた和紙は繊維同士に隙間が多く、通気性が高い紙質であるという点です。
通気性が着物のカビを防ぐうえで重要であり、たとう紙に適した素材となっています。
たとう紙は地域によって呼び方が違う
本記事では呼び方を「たとう紙」に統一していますが、たとう紙は地域によって呼び方や表記の仕方が異なります。
「たとうし」「たとうがみ」「たとうかみ」「たたみがみ」などの呼び方があり、漢字表記では「畳紙」「帖紙」「多当紙」などがあります。
また、京都など近畿地方では「文庫紙」や「キモノ紙」と呼ばれることが多いです。
京都では「たとう紙」というと、着物を着替える時に下に敷く「衣裳敷」のことを指す場合があるようです。
たとう紙の種類
たとう紙には紙質や用途などの違いによっていくつかの種類があります。
ここではたとう紙に使われている紙質についてご紹介します。
和紙のたとう紙
着物の保管用に昔から用いられてきたのが、美濃和紙など日本の伝統的な製紙方法で作られた和紙のたとう紙です。
素材は楮(こうぞ)・雁皮(がんぴ)などの天然の原料として作られるものが一般的で、一枚で数千円という値段がつくこともある高級品です。
吸湿性や耐久性が高いため、大切な着物を保管するときや、礼服など着る機会が少ない着物を長期間保管するのにも適しています。
中性紙のたとう紙
中性紙は中性か弱アルカリ性域で工業的に作られた紙です。
和紙よりも安価で耐久性と通気性もあり、使い勝手のよいたとう紙だと言えるでしょう。
和紙に比べれば除湿効果は低いため、定期的に風通しをするなどの工夫をしてあげる必要はありますが、「たとう紙を使いたいが価格が抑えたい」という場合におすすめです。
クラフト紙のたとう紙
クラフト紙は、パルプ紙と呼ばれる非常に安価な洋紙です。
着物を大量に持っていて、たとう紙の費用をできるだけ抑えたいという人に向いたたとう紙だと言えるでしょう。
クラフト紙のたとう紙はコストの面では非常に魅力的ですが、和紙や中性紙に比べて除湿効果は低いです。
クラフト紙のたとう紙を使うのであれば、別途除湿剤などのアイテムを併用するのがおすすめです。
たとう紙のサイズの種類
たとう紙は、用途に応じて様々なサイズのものが販売されています。
最も一般的な着物用たとう紙のサイズは約83cm×約36cmです。
この表を基準に、サイズや畳み方などからご自身に合ったたとう紙を選ぶと良いでしょう。
また、着物の他にも羽織や帯などを包むのに適したサイズのたとう紙もありますので、用途によって選んでみてください。
種類 | サイズ | 用途 |
---|---|---|
着物用(二つ折り) | 約83cm×約36cm | 身丈を半分に畳んで保管するのに最適 |
着物用長尺(二つ折り) | 約87cm×約36cm | 身丈が長い着物を半分に畳んで保管するのに最適 |
着物用(三つ折り) | 約64cm×約36cm | 身丈を1/3に畳んで保管するのに最適 羽織や袴の保管にも使える |
帯用 | 約56cm×約36cm | 帯の保管に最適 |