ブレゲはヴァシュロンコンスタンタン、パテックフィリップ、オーデマピゲ、ランゲアンドゾーネと並ぶ世界5大時計ブランドに君臨しています。
創業者のブレゲは現在の高級時計の主流となる複雑機構などの開発と改良をし、さらに視認性を高めるために時計の針、文字盤の数字、装飾に至るまで独自に開発しました。
時計の針は太くて装飾が多く時刻が見づらかったのを、針の先端を丸くして穴を空けることで見やすくしました。
文字盤の数字も同様に独自の書体で描かれ、視認性を向上させています。
そして、ケース側面をコインのようにギザギザと描いた「コインエッジ装飾」と、文字盤に規則的な模様を彫る「ギョーシェ彫り」もブレゲを象徴するデザインです。
ブレゲの定価は200万円以上するモデルが多く、中古市場では傷や汚れがあっても高い価値が見込まれます。
代表的なモデルのクラシックを中心に、トラディション、マリーンなどが人気です。
ここでは人気モデルの種類と特徴、買取相場をご紹介します。
クラシック
「クラシック」は1972年に誕生したブレゲを代表するモデルです。
創業者のアブラアン・ルイ・ブレゲが、18世紀末に作った時計から着想を得ました。
クラシックはブレゲ針、ブレゲ数字、文字盤に施されたギョーシェ彫りの装飾が特徴です。
ギョーシェ彫りとは規則的な模様を彫った装飾で、時計盤に彫ることで光の反射を抑えて見やすくなります。
ブレゲのギョーシェ彫りは機械を使わずに、伝統的なギョーシェ彫機を使って細かなモチーフを手作業で刻んでいます。
また、ブレゲのギョーシェ彫りは様々な模様があります。
代表的な模様は、パリにある石畳のような模様の「パヴェ・ド・パリ」、麦の穂をイメージした「バーリーコーン」、波を意味する「ヴァーグ」、市松模様を意味する「ダミエ」などがあります。
クラシック「7137BB/Y5/9VU」
クラシック「7137BB/Y5/9VU」は、1794年に登場したブレゲの自動巻き懐中時計「ペルペチュエル・No.5」を引き継いだモデルです。
「No.5」にはムーンフェイス、パワーリザーブ計、15分単位で時刻を音で知らせる機能を持つクォーターリピーター、大型の日付表示を搭載しています。
定価は490万円で、中古市場では数百万円前後で取引されている事例が多いです。
クラシック「5207BB/12/9V6」
クラシック「5207BB/12/9V6」は、ケースの12時位置にパワーリザーブを、6時位置にレトログラード式の小さい秒針を同一線上に配置したシンメトリーなデザインが特徴です。
同モデルは、ケースサイズが39mmとクラシックシリーズの中では大きめです。
シースルーの裏蓋からは、シリコン製のアンクルとヒゲゼンマイを搭載したキャリバー516DRSRが見えます。
65時間の長時間パワーリザーブも搭載されています。
クラシック・クロノグラフ「3237BA/12/286」
クラシック・クロノグラフ「3237BA/12/286」は、1970年代のブレゲの初期モデルです。
小さい秒針と30分積算計の表示機能がある2カウンター式クロノグラフを搭載しています。
「3237BA/12/286」はケースサイズが36mmで、イエローゴールドが目を惹きます。
シースルーの裏蓋からは、ブレゲに買収された時計ブランド・ヌーベルレマニア製のコラムホイールの手巻き式ムーブメントが見られます。
また、中古市場でクラッシック・クロノグラフ「3237 K18YG」は数十万円で取引されています。
クラシック「5177BB/2Y/9V6」
クラシック「5177BB/2Y/9V6」は、銀座ブティック10周年の記念モデルとして発表されたモデルにデイト機能を搭載しました。
「5177BB/2Y/9V6」は深海のような濃いブルーの文字盤が特徴です。
スチールのブレゲ針にロジウムメッキで仕上げが施され、濃いブルーの文字盤に配置されているブレゲ針とブレゲ数字がくっきりと見えます。
中古市場では数十万円~数百万円で取引されている事例があります。
トラディション
「トラディション」は創業者のブレゲが開発した懐中時計「スースクリプション」が元となっており、衝撃吸収装置「パラシュート」と、可変慣性テンプを搭載しています。
ムーブメントの部品は、表面に研磨材を吹きかけるグルネイユ加工がされています。
また、トラディションは2005年に手巻きモデル「7027」が登場し、現在は「7038」「7097」「7077」「7047」「7067」「7057」「7597」が展開されています。
トラディション・インディペンデント・クロノグラフ「Ref.7077BR/G1/9XV」
トラディション「Ref.7077BR/G1/9XV」は2015年に発表されました。
3Hzと5Hzの異なる振動数のテンプ(時計の心臓部)を2つ使用し、通常の時刻表示用とクロノグラフ機能用で独立させました。
また、50時間のパワーリザーブが備わっています。
ケースは直径44mmと大型です。
中古市場では数百万で取引される場合があります。
トラディション・トゥールビヨンフュゼ「Ref.7047」
トラディション「Ref.7047」は、2007年にトラディションシリーズで初めての複雑機構の時計として登場しました。
「Ref.7047」にはトゥールビヨンや円錐滑車と鎖引きによるコンスタントフォース(定力装置)を搭載しています。
トゥールビヨンのキャリッジ、文字盤が青色になっているのが特徴です。
マリーン
マリーンは、1700年代後半にブレゲが開発した海洋時計「マリンクロノメーター」を引き継いで、1990年に登場したスポーツモデルです。
1700年代後半にブレゲは海洋時計「マリンクロノメーター」を開発し、1815年にフランス国王ルイ18世から功績を称えられて王国海軍時計師の称号を授かりました。
ブレゲが亡くなった後もフランス海軍との関係は続き、航海用精密時計の製造がされてきた歴史があります。
1990年に水深50mに耐えられる防水機能を持つスポーティーウォッチとして登場しました。
マリーンのムーブメントにはシリコンを使用しています。
電子機器が発する磁力の影響で、脱進機やヒゲゼンマイが磁気を帯びて精度不良になるのを避けられます。
シリコンのムーブメントは、ブレゲが2000年代から業界に先駆けて投入したといわれています。
初代
初代モデルは、18金ローズゴールドとステンレススチール製の18金イエローゴールドのコンビモデルが登場しました。
しかし、コンビモデルは初代のみです。
初代モデルは、1996年に発表された「アエロナバル」があります。
ケースにコインエッジ装飾を入れており、プレス加工で模様をつけています。
第二世代
マリーンの第二世代「マリーンⅡ」は2004年に登場しました。
ケースの防水機能を水深50mから100mにまで上げ、ケースのサイズを36mmから39mmに変更しました。
そしてラバーストラップとSSブレスレットが追加されました。
「マリーンⅡ」は初代マリーンよりもスポーティさを強調したモデルにした結果、ブレゲの人気モデルとなりました。
第三世代
第三世代の「マリーンⅢ」は2018年に登場しました。
「マリーンⅡ」からデザインが大きく変わったことが特徴です。
「マリーンⅢ」には「マリーン Ref.5517」「マリーン 5527」などのモデルがあります。
ケースのサイズは「5517」が40mm、「5527」が42.3mmと、第二世代よりも大きくなりました。
また、ベルトを止めるラグもプレートに変更されました。
マリーンⅢは愛好家の中でも定評のあるので、中古市場では高い需要が見込まれるでしょう。
マリーン・ラージデイト「Ref.5817」
マリーンラージデイト「Ref.5817」は2004年から2018年まで作られていました。
同モデルはケースのサイズが約40mmまで拡大し、文字盤には大きな日付表示がつけられています。
「タイプ20」「タイプXX」
「タイプ20」は、「マリンクロノメーター」から続く軍隊との縁から、フランス海軍航空部隊向けに1955年から制作しているモデルです。
「タイプXX(トゥエンティ)」は、軍用パイロットウォッチを民間用モデルとして登場しました。
初期の「タイプ20」には文字盤の種類が複数あります。
ブランド名の記載がないスモールインデックスタイプは2,000本限定で流通されています。
市場に流通している本数が少ないため希少性が見込まれるでしょう。
「タイプ20」「タイプXX」はミリタリーウォッチ愛好家から好評で、中古市場では100万円以内で取引されていることが多いです。