ブランデーとウイスキーの違いは原料!代表的な種類や味の違いなど解説
「ブランデーとウイスキーの違いって何?」
美しい琥珀色をした蒸留酒のウイスキーとブランデーですが、見た目もよく似ているため、このような疑問をお持ちの方も多いかもしれません。
実は、ブランデーとウイスキーの大きな違いは原料です。
本記事では、ブランデーとウイスキーそれぞれの特徴と原料・製造工程・味わいや飲み方・産地といった違いについてご紹介します。
また、それぞれの代表的な種類についてもご紹介しますので、購入する際の参考にしてみてください。
※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。
目次
ブランデーとウイスキーの違いは原料
ブランデーとウイスキーはどちらも洋酒の蒸留酒です。
飲んでみれば香りや味わいに違いがあるのは分かるのですが、その違いはどこにあるのでしょうか。
ブランデーとウイスキーの一番大きな違いは、原料が異なる点です。
ブランデーはぶどうをはじめとする果物が使われますが、ウイスキーは麦やトウモロコシなどの穀物が使われています。
ウイスキーはスモーキーな香りと味わいが特徴で、ブランデーは甘い香りと味わいが特徴です。
アルコール度数はウイスキーが40〜45度、ブランデーが37〜50度程度です。ウイスキーは味を、ブランデーは香りを楽しむお酒とされています。
ブランデーとウイスキーそれぞれの概要と、原料その他の違いについて見ていきましょう。
ブランデーとは
ブランデーは、果物を原料とする蒸留酒の総称です。
もっとも代表的な原料はぶどうですが、ほかに、りんご、さくらんぼ、洋梨、ベリー類などさまざまな果物が使われます。
果汁を発酵・蒸留させ、木製の樽やステンレスタンクで熟成させて造られます。
ぶどう以外の果物が使われたブランデーは、「フルーツブランデー」と呼ばれることもあります。
フルーティーな香りとほのかな甘味を感じられ、上品でまろやかなコクが特徴です。
ブランデーはそのまま飲むのはもちろん、スイーツの香り付けにも使われています。
ウイスキーとは
それに対してウイスキーは、大麦やトウモロコシなどの穀物を原料にして作られる蒸留酒です。
大麦やトウモロコシなどの穀物に麦芽を加えて糖化し、酵母を加えて発酵・蒸留させ、木製の樽で熟成します。
麦芽は「ピート」と呼ばれる泥炭をいぶして乾燥させる場合が多く、煙によるスモーキーな香りと穀物の深いコクが特徴です。
ウイスキーは甘味が少なくキレのある味わいで、ストレートやロックなどさまざまな飲み方を楽しめます。
ブランデーとウイスキーの製造工程の違い
ブランデーとウイスキーはどちらも蒸留酒ですが、製造方法には一部で違いがあります。
ブランデーの製造工程は以下のようになっています。
- 1. 収穫したぶどうを圧搾して発酵させる
- 2. 発酵させたもろみを蒸留する
- 3. 蒸留を終えたものを樽に入れて熟成させる
ウイスキーも、原料を発酵させて蒸留するという点では同じなのですが、発酵の前の手順が少し異なります。
発酵をさせるには十分な糖分が必要なのですが、ウイスキーの原料である穀類には糖分がほとんどなく、そのままでは発酵させることができません。
そこで、麦芽を使ってデンプン質を糖に変えてから発酵させる必要があります。
一方の ブランデーは原料が果物のため、原料自体が糖分を多く含んでいます。
そのため、ウイスキーのように「糖に変える」という工程は必要ありません。
ブランデーとウイスキーはどっちが美味しい?
ブランデーとウイスキーは見た目には似ているところがありますが、味わいは違っています。
ここでは、ブランデーとウイスキーの味わいの違いと、それに伴う飲み方、楽しみ方の違いについてご紹介します。
ブランデーとウイスキーの味わいの違い
まず、ブランデーの味わいの特徴としては、以下のような点があります。
- フルーティーで甘い香りがする
- まろやかで口当たりが良い
ブランデーは、原料の果実由来の甘く芳醇な香りと、クセが少なくまろやかな口あたりが特徴です。
特に長く熟成されたものはアルコールの角が取れ、熟成年数が古いものほど飲みやすさや芳醇な香りがアップします。
一方のウイスキーは、製造工程で使われる麦芽がピートと呼ばれる泥炭の煙で乾燥されていることが多いため、その煙によるスモーキーな香りが大きな特徴となっています。
ブランデーとウイスキーの飲み方の違い
ブランデーはフルーティーで甘い香りに特徴があるため、その香りを存分に楽しむためにストレートで飲むのが一般的です。
また、その香りを生かしてスイーツの香り付けにも使われることもあります。
飲む際にはチューリップ形をしたブランデーグラスに常温のブランデーを注ぎ、色や香りを楽しんでから口に含むのが良いでしょう。
この時、手のひらで温めすぎるとアルコールの匂いが強まるので注意が必要です。
また、ブランデーの甘い香りはデザート感覚で楽しむこともできるため、食後に飲むお酒としても適しています。
一方のウイスキーは、スモーキーな香りと、甘味が少なくキレのある味わいが特徴です。
ストレートのほかにオンザロックや水割り、ハイボールなど、さまざまな飲み方が楽しまれています。
飲み方によってまろやかさや風味が変わったりと、自分好みの味わいを楽しむことができます。
食後や就寝前などに飲むのも良いですが、オンザロックやハイボールは食事との相性も良く、お酒と食事をバランス良く楽しめるでしょう。
ブランデーとウイスキーの共通点
ここまでブランデーとウイスキーの違いを見てきましたが、ともに洋酒で蒸留酒であるというのは大きな共通点です。
果物や穀物が使われていますが、どちらも蒸留酒のため糖質がないのがありがたいところです。
また、ブランデーとウイスキーはどちらもアルコール度数が40度前後であり、この点も共通しています。
蒸留酒と醸造酒
ブランデーとウイスキーはどちらも蒸留酒ですが、お酒は製造方法によって蒸留酒と醸造酒に分けられます。
醸造酒とは、原料を酵母でアルコール発酵させて造るお酒のことです。
すなわち、発酵のあとで蒸留という工程を経ないお酒ということになります。
代表的な醸造酒としては、ビール、日本酒、ワインなどがあります。
そしてブランデーやウイスキーなどの蒸留酒は、「醸造酒を蒸留して造るお酒」という風にも言うことができます。
また、醸造酒や蒸留酒に果実や香辛料などを配合した「混成酒」と呼ばれるお酒もあります。
代表的な混成酒としては梅酒やリキュールが挙げられます。
ブランデーとワインの関係
さて、ブランデーは主にぶどうを原料とする蒸留酒でした。
そして、ぶどうを原料とする醸造酒といえばワインです。
すなわち、ブランデーは「ワインを蒸留したもの」とも言うことができるのです。
ブランデーとワインは非常に関係の深いお酒と言えるでしょう。
ともにぶどうを主な原料としていることから、ブランデーとワインの名産地はほぼ一致しています。
たとえば、ブランデーで有名なコニャック地方と、ワインで有名なボルドー地方は、フランス西部で隣り合って位置しています。
ブランデーの代表的な種類
ブランデーの中にも、産地・製法・原料などによって様々な種類があります。
その中でも代表的なものに、
- コニャック
- アルマニャック
- カルヴァドス
の世界三大ブランデーがあります。
コニャック
コニャックは、フランス西部のコニャック地方で製造されているブランデーで、高級ブランデーの代表格として知られています。
フランスの「AOC(アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ:原産地統制呼称規定)」と呼ばれる認証により、製造方法や産地が細かく決められています。
規定によれば、2度の蒸留を行ってアルコール度数を高めた後、オーク樽に入れて2年以上熟成させなければなりません。
その厳しい規定によって、高級ブランデーとしての地位を確かなものとしているのです。
原料の果実は「ユニブラン」と呼ばれる酸味の強い白ぶどうが主に使われ、フルーティーで上品なコクと風味が魅力です。
アルマニャック
アルマニャックは、フランス南西部のアルマニャック地方で造られています。
コニャック地方からは、ワインで有名なボルドー地方を挟んで南側に位置します。
原料がぶどうである点はコニャックと同じなのですが、アルマニャックは連続式蒸留機と呼ばれる装置を使って1度のみ蒸留を行います。
蒸留方法の違いにより、アルマニャックはワイルドで野性的な味わいという特徴が生まれています。
また、蒸留後の熟成にはカシ製の樽が使われることが多いです。
コニャックと同じく、AOCで製造方法や産地が規定されています。
カルヴァドス
カルヴァドスは、フランス北西部のノルマンディ地方で造られるりんごのブランデーです。
りんごの甘く芳醇な風味と濃厚な味わいが魅力で、年数をかけるほどまろやかな味わいになります。
日本では飲料よりも、スイーツの風味づけやカクテルの材料に使われるケースが多いです。
原料にはノルマンディー地方で栽培されたリンゴの中から48種類が使われ、銘柄によってリンゴの配分が異なります。
コニャック・アルマニャックと同じく、AOCで製造方法や産地が規定されています。
ブランデーの等級
ブランデーは、熟成期間の違いによってランク(等級)が設定されています。
このランク分けは、AOCに規定がある産地のブランデー(コニャック・アルマニャック・カルヴァドスなど)に適用されます。
ブランデーの等級には、以下のようなものがあります。
- スリースター
- VS(Very Special)
- VO(Very Old)
- VSOP(Very Superior Old Pale)
- ナポレオン
- XO(Extra Old)
- オルダージュ(Hors d'âge)
このリストでは、下に行くほど熟成年数が長くなっています。
一般的には、熟成年数が長いほど等級が高くなり、価格も高くなる傾向です。
ブランデーの等級について詳しくは、以下の記事をご参照ください。
ウイスキーの代表的な種類
ウイスキーの有名な産地として、「5大ウイスキー」と呼ばれる5つの地域があります。
スコットランド産の「スコッチウイスキー」、アイルランド産の「アイリッシュウイスキー」、アメリカ産の「アメリカンウイスキー」、カナダ産の「カナディアンウイスキー」、日本産の「ジャパニーズウイスキー」の5つです。
産地によっても特徴が違ってくるのですが、ここでは製造方法や原料の違いに着目して、
- スコッチウイスキー
- アイリッシュウイスキー
- バーボンウイスキー
の3種類についてご紹介します。
スコッチウイスキー
スコッチウイスキーは、イギリス北部のスコットランドで製造されているウイスキーです。
水、イースト菌、大麦麦芽のみを原料とし、単式蒸留器で2度(3度)蒸留を行います。
さらに蒸留後、3年以上木樽で熟成させる必要があります。
スコッチウイスキーには以下の6つの産地があり、それぞれ味や特徴が異なります。
- ハイランド:しっかりとしたピート香でエッジが効いた風味
- ローランド:まろやかでライトな口当たり
- キャンベルタウン:潮の風味とフルーティーな甘み
- スペイサイド:芳醇でエレガントな風味
- アイラ:ほのか潮のピート香で個性が強い
- アイランズ:やや軽めのピート香、甘い香りでスモーキー
アイリッシュウイスキー
アイリッシュウイスキーは、北アイルランドを中心としたアイルランド島で造られているウイスキーです。
アイリッシュウイスキーは単式蒸留器で3回蒸留する点と、乾燥時にピート(泥炭)を使用しない点が特徴です。
蒸留後は、木製の樽に詰めて「アイルランドまたは北アイルランドの倉庫で3年以上熟成する」という規定があります。
最近では2回蒸留してピートを使用する蒸留所もありますが、スコッチウイスキーよりもクリアで飲みやすいものが多いです。
バーボンウイスキー
バーボンウイスキーは、世界5大ウイスキーの1つであるアメリカンウイスキーの一種です。
トウモロコシをメインの原料に使用し、バニラやキャラメルのような甘い香りがします。
なお以下の3つの厳しい規定をクリアした品種のみが、バーボンウイスキーを名乗れます。
- 51%以上のトウモロコシを原料としている
- 熟成には必ずオークの新樽を使用している
- アルコール度数40%以上でボトリングされている
ブランデーとウイスキーの違いに関してよくある質問
ここまでブランデーとウイスキーの違いや共通点についてご紹介してきましたが、細かい点でまだ疑問が残っているかもしれません。
そこで、ブランデーとウイスキーの違いについてのよくある質問をご紹介し、回答していきます。
ブランデーとウイスキーはどっちが高い?
ブランデーもウイスキーもブランドや熟成年数などによって価格は大きく異なるため、どちらのほうが値段が高いのかは断言できません。
どちらも、スーパーマーケットで買えるような安価なものから、数百万円するような高級なものまで存在しています。
ブランデーとウイスキーはどっちが太る?
どちらも蒸留酒で糖質が含まれていないため、お酒の中では太りにくいと言えます。
ただし甘いドリンクで割ると太る可能性があるため、飲み方や飲酒量には注意しましょう。
ブランデーとウイスキーで度数は違う?
ブランデーとウイスキーのアルコール度数はどちらも40%前後で、大きな違いはありません。
ただし、ブランデーもウイスキーも具体的な度数は銘柄によって異なります。
度数が気になる方は買おうと思っている銘柄の度数を調べてみてください。
ブランデーとウイスキーの産地の違いは?
ウイスキーの産地としては、5大ウイスキーのスコットランド・アイルランド・アメリカ・カナダ産・日本が有名です。
果物を原料とするブランデーは、フランス・イタリア・スペイン・ペルーなど、ワイン製造で有名な地域が中心的な産地となっています。
ブランデーとウイスキーの違いまとめ
ともに洋酒で蒸留酒であるブランデーとウイスキーの違いについてご紹介してきました。
- 原料の違い(果物か穀物か)
- 製造工程の違い(発酵前に糖化させるかどうか)
- 味わいや飲み方の違い
- 産地の違い
ブランデーとウイスキーの大きな違いは原料です。
原料の違いによって味わいや香りにも差が出るため、魅力を最大限楽しめる飲み方やシーンも変わってきます。
今回ご紹介したブランデーとウイスキーの違いを参考に、お気に入りの種類・銘柄や飲み方を見つけてみてはいかがでしょうか。
より詳しい情報を知りたい方はこちら
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