由水常雄作品の買取価格は高い?代表作や高価買取のポイントを解説

由水常雄(よしみずつねお)は日本のガラス工芸家であり、著名なガラス工芸史研究者でもあります。
自身の研究を通して復元した、古代のガラス工芸の知識・技法を生かした作品は、多くのファンから愛されています。
骨董品買取市場でも由水常雄のガラス工芸は人気が高く、高価買取されるケースもあります。
本記事では、由水常雄作品の特徴や代表的な技法、買取市場で高く売れる理由、高く売れやすい由水常雄作品の特徴、由水常雄のガラス工芸を高価買取してもらうためのポイントなどについてご紹介します。
※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。
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由水常雄とは
由水常雄(1936-)は、日本のガラス工芸家・ガラス工芸史研究者です。
考古学的手法を用いて古代のガラス工芸技法を復元した功績で知られています。
由水常雄は1936年、徳島県に生まれました。
早稲田大学大学院で美術史を研究し、1968年にはチェコ政府招聘留学生としてカレル大学でガラス工芸史を学びます。
帰国後は早稲田大学や多摩美術大学で教鞭をとったほか、ガラス作家の養成校である東京ガラス工芸研究所を設立、また石川県に能登島ガラス工房を開設するなど後進の育成に尽力します。
その他、国立台湾芸術大学客員教授、ヴェネチア現代ガラス・ビエンナーレ審査員を歴任するなど、ガラス工芸の世界に大きな影響を及ぼしています。
由水常雄の研究者としての功績
由水常雄はガラス工芸作家であると同時に、考古学研究者としての側面を強く持ちます。
研究者としての代表的な功績として、正倉院ガラス器の復元研究が挙げられます。
正倉院に納められているガラス器について、実験考古学(現代の技術や知識では解明できない部分について、実際に過去の技術を再現して追体験するという考古学)的手法を用いて自らガラス器を復元し、その由来や製作技法を究めました。
この研究の際、アジアのみならずユーラシア大陸全域のガラス出土状況を調査したといいます。
この時に得られた広範な知見は、重要な史料となっています。
由水常雄の作風
工芸家としての由水常雄の作品についても、ガラス工芸史研究者としての知見が生かされています。
由水常雄作品には、自身が研究した世界各地の古代のガラス器についての知識や技法を反映した、悠久の歴史を感じさせる独特の美しさがあります。
たとえば、古代メソポタミア時代に発祥したとされる「パート・ド・ヴェール(ガラスの粉末を糊で練って鋳型に詰め、窯で焼成して作品を作るガラス工芸の技法)」や、ヴェネチアンガラスの伝統的技法である「ミルフィオリ(ガラスの中に様々な色のガラスを埋め込むことで金太郎飴的に模様を表現する技法)」など、由水常雄作品には海外の古代技法が駆使されているものも多いです。
由水常雄のガラス工芸作品は、研究者と工芸家という2つの側面が高い次元で融合した結果生み出されたものだと言えるでしょう。
由水常雄のガラス工芸の買取価格は高い?高く売れやすいポイントとは
ガラス工芸史の重要な研究者としても知名度の高い由水常雄の作品は、多くの骨董品コレクターから高い人気があります。
骨董品買取市場においても由水常雄作品の評価は非常に高く、高価買取されるケースもあるでしょう。
由水常雄のガラス工芸の中でも骨董品買取市場で高く買取されやすいのは、正倉院のガラス器を復元したものや、古代のパート・ド・ヴェール、ミルフィオリなどの技法を復活・応用した作品です。
研究者としての知見に基づいた作品は、由水常雄ならではのガラス工芸として高く評価されやすいでしょう。
由水常雄だけでなく、ガラス工芸の買取では有名作家の作品ほど買取相場が高くなりやすい傾向があります。
以下のページでは、バイセルにおけるガラス工芸の買取実績、ガラス工芸を高く売るためのポイント、高く売れやすいガラス工芸の種類や作家といった買取情報について記載してございます。
参考までにぜひご参照ください。
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由水常雄のガラス工芸作家としての大きな特徴が、自身が研究した古代の知識や技法を生かした作品です。
ここではその代表例として、正倉院ガラス器を復元した作品シリーズと、海外の古代技法をを用いた創作作品についてご紹介します。
正倉院ガラス器の復元シリーズ
正倉院ガラス器の復元シリーズは、ガラス工芸史研究者として取り組んだ実験考古学と、ガラス工芸家としての高度な技術が融合した由水常雄の代表的な仕事です。
この研究は、正倉院に納められている貴重なガラス器の真の姿と製法を解明することを目的として行われました。
その結果生み出された正倉院ガラス器の復元シリーズは単なる模倣ではなく、古代の技術と美意識を現代に復元したものとして、歴史的にも非常に重要です。
このシリーズの大きな特徴として、現代の一般的なガラスとは異なる古代ガラスの成分を分析・再現していることが挙げられます。
この成果により、古代ガラス特有の色合いや風合いを実現しています。
また、ガラスを削り出して文様を施す、「リーダカット」と呼ばれる切子技術を復元しています。
これにより、円文や蜂巣文様などの古代特有のカットが再現されています。
正倉院ガラス器の復元シリーズの有名作品としては、
- 白瑠璃碗(はくるりのわん)…緻密な切子細工によって光を受けると神秘的な輝きを放つ碗
- 白瑠璃水瓶(はくるりすいびょう)…水滴のような丸みを帯びた器形と嘴のように長く伸びる注ぎ口が特徴の水差し
- 紺瑠璃坏(こんるりのつき)…濃紺のガラスに銀製脚台を組み合わせた贅沢で華麗な杯
- 緑瑠璃十二曲長坏(みどりるりじゅうにきょくちょうはい)…十二の稜(かど)を持つ細長い形の坏
などがあります。
古代技法を用いた創作作品
由水常雄氏の創作作品にも、研究者として古代ガラス器の復元を通して復活させた技法を応用しているものが多くあります。ここでは、その中でも代表的な「パート・ド・ヴェール」「ミルフィオリ」「燿変(ようへん)」という3つの技法を用いた創作作品についてご紹介します。
パート・ド・ヴェール
パート・ド・ヴェールは紀元前1500年頃から古代エジプトやローマで用いられていた技法で、「ガラスの練り粉」を意味します。
パート・ド・ヴェールでは、細かく砕いた粉末ガラスを石膏などの型に詰めて窯でゆっくりと焼成し、再びガラス化させます。
表面のマットでザラリとした質感と柔らかな色合いが特徴で、複雑なレリーフや繊細なグラデーション表現が可能になります。
由水常雄はパート・ド・ヴェールを用いて、古代ガラス特有の「くすんだ、時間の重みを持つ」ような風合いを表現しました。
由水常雄のパート・ド・ヴェール作品としては、香合や小箱などがあります。
ミルフィオリ
ミルフィオリは古代メソポタミアで生まれ、ローマ時代に発展した技法で、「千の花」を意味します。
ミルフィオリでは、色ガラスを重ねた「金太郎飴」状のガラス棒(カネッテ)を熱して薄く引き伸ばし、輪切りにした断面をタイル状に敷き詰めます。
敷き詰めた断面を型に入れて焼成・融着させることで、断面の模様がそのまま器の表面全体に現れるのが特徴です。
緻密でカラフルな文様をガラスの中に封じ込めることができ、由水常雄はミルフィオリを生かして古代の華やかな装飾性を現代に蘇らせています。
燿変ガラス
「燿変」はもともと、陶磁器の焼成時に表面に予想外の美しい変化が現れることを指す言葉で、ガラスの焼成においても同様の現象が起こることがあります。
由水常雄は研究の過程で、ガラスの成分や窯内部の環境など、特定の条件下でガラスを焼成する際に偶然に現れる「燿変」のコントロール技法を獲得しました。
由水常雄の燿変ガラスでは、ガラスの表面に複雑な紋様や深みのある色合いが出現するのが特徴です。
また、焼成時にガラスが割れたり、ひびが入ったりする現象を意図的に活かした、偶発的な「破れの美」を作品に取り入れています。
由水常雄の燿変ガラスとしては、水指や茶碗などの茶道具が有名です。
ここに挙げた正倉院ガラス器の復元シリーズや、古代技法を用いた創作作品は、買取市場でも人気が高くなっています。
また、これらの人気シリーズでなくとも、由水常雄の作品であれば保存状態などの条件によって高く買取される可能性があります。
お持ちの由水常雄作品の具体的な価値については、ぜひ1度バイセルの無料査定でお確かめください。
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お申し込みフォームへ由水常雄のガラス工芸を高価買取してもらうためのポイント
ガラス工芸作家としてだけでなく、ガラス工芸史の研究者としても高名な由水常雄の作品は、骨董品買取市場でも非常に高く評価されています。
では、由水常雄の手掛けたガラス工芸を少しでも高く売るためには、どのようなポイントに気をつければ良いでしょうか。
由水常雄作品を含むガラス工芸の買取において、より高く買取してもらうために知っておきたい3つのポイントをご紹介します。
- 傷がつかないように保管しておく
- 共箱などの付属品を揃えておく
- 入手経路などの来歴を明確にしておく
傷がつかないように保管しておく
由水常雄を含むガラス工芸の買取では、保存状態が良好である(制作当時の状態をなるべく保っている)ほど高く買取されやすい傾向があります。
反対に、ヒビ・欠け・傷・欠損があるなど保存状態が悪いと、その分だけ買取価格は下がってしまうでしょう。
ガラス製品は大切に扱っていても非常に傷つきやすいですから、傷をつけないために、できるだけ共箱や購入したときの箱に入れて保管しましょう。
また、汚れている場合でも、無理に拭き取ろうとすると表面の加工など繊細な装飾が損なわれてしまう可能性があります。
手入れをする場合でも埃を優しく払う程度にしておきましょう。
共箱などの付属品を揃えておく
由水常雄のガラス工芸を含む骨董品の買取において、重要な査定ポイントの1つになるのが共箱・鑑定書・保証書といった付属品の有無です。
特に共箱は、作者の自筆によって作品名やサインが入れられているのが一般的であるため、作品の価値を証明するのに役立ちます。
由水常雄の場合、共箱に作品名とともに「由水常雄作」の署名と朱色の印章が入っていることが多いです。
また、作品の底部などに、制作年とともに「T.Yoshimizu」などの搔き銘(作品に直接刻まれたサイン)が入っているケースも多いです。
これらのサインは「本物の由水常雄作品である」という証明になるため、買取市場での信頼性が高まるでしょう。
その結果買取市場での需要が増し、より高く買取してもらえる可能性があります。
鑑定書も同様で、付いていることで作品の価値を証明できるため買取市場における信頼性が増します。
これらがあることで、より高い価格での買取につながる可能性があります。
共箱や鑑定書などの付属品がある場合には、作品本体と併せて大切に保管しておきましょう。
入手経路などの来歴を明確にしておく
由水常雄をはじめとした骨董品の査定では、買取市場における作品の信頼性のために「どこで手に入れたか」「いつ購入したか」「誰から譲り受けたか」など購入に至るまでの背景が確認されます。
「業界で信頼されている専門店で購入した」「由水常雄の縁者が所有していた」などの来歴は、作品の価値を判断するうえでも重要な情報になります。
そして、その来歴を証明する書類等があればさらに信憑性が増し、買取市場における信用度が増すことでより高く売れるかもしれません。
入手した経路や時期、過去に所有していた人物の情報といった記録がある場合には、処分せずに大切に保管しておきましょう。
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