水指の買取相場はどのくらい?高く売れる特徴や買取業者を選ぶコツをご紹介
2022.05.18
骨董品買取
水指を買取に出す際、お持ちの水指が大体いくらくらいで売れるのか、ある程度は事前に知っておきたいですよね。
本コラムでは、水指の買取相場やおすすめの買取業者、高く売れる水指の特徴についてご紹介します。
水指の有名な種類や、買取時によくある質問も解説しますので、ぜひ水指買取の際は参考にしてみてください。
水指とは

水指は点茶のときに茶釜に水を足したり、茶碗や茶筅を水ですすぐために、水を蓄えておく器です。
茶釜や鉄瓶、蓋置などと並んで、買取市場で需要のある茶道具の1つです。
水指は陶磁器が多く、他には木製・金属製などもあります。
また、基本的には円筒形ですが、季節や用途によって形状・材質が異なります。
水指本体と蓋が一緒に焼物で作られるものを「共蓋」と言い、水指に合わせて別で塗物で作られるものを「塗蓋」と言います。
水指の有名な種類

水指には様々な種類がありますが、有名産地ものや人気作家・メーカーものであるほうが、買取市場において需要が高いです。
特に有名な種類をいくつかご紹介しますので、お持ちの水指が該当するかどうか、事前に確認しておくと良いでしょう。
・備前焼水指
・青磁水指
・純銀水指
・バカラ ガラス製水指
・瀬戸焼水指
それでは、それぞれの特徴や価値を解説していきます。
備前焼水指
備前焼とは、日本の陶磁器窯を代表する「六古窯」の中で最も古い焼き物です。
備前焼は岡山県の備前市周辺を産地とし、釉薬(ゆうやく)をかけずに、自然な土と火の融合によって焼かれる赤みのある味わいが特徴です。
人気作家ものの備前焼水指は価値が高く、例えば人間国宝である藤原啓が手掛けた作品などが有名です。
青磁水指
青磁とは青磁釉をかけた磁器で、透き通るような青緑色が特徴です。
焼き方によって、様々な色味や形に変えられます。
中でも、「中島ブルー」と呼ばれる陶芸家・中島宏などの有名作家ものであれば、多少の経年劣化などが見られても買取額に期待できるでしょう。
純銀水指
純銀水指は、名前の通り純銀製のため、陶磁器に比べて買取相場が高い傾向にあります。
京都の老舗錺職メーカー「竹影堂」が手掛けた水指は、江戸時代から続く伝統的な技術で制作しているため、信頼の高い作品とされています。
人気メーカーや人気作家が手掛けた純銀水指であれば、尚更価値が高くなるでしょう。
バカラ ガラス製水指
バカラは、フランスのクリスタルガラスメーカーです。
バカラと言えば「グラス」をイメージするかもしれませんが、日本の骨董品にも深く関りがあります。
バカラが日本に輸入され始めた明治初期に、美術商を営む春海籐次郎がバカラ製品に魅せられて、茶室に合うデザインの製品を特注しました。
それ以降、フランスと日本の文化が融合したバカラ製品を「春海好み」と呼び、日本でも広まっていきました。
バカラ製品は、普及当時のカットガラス製水指の中でも、人気高い作品でした。
瀬戸焼水指
瀬戸焼は、愛知県の瀬戸市周辺で作られる焼き物で「日本三大陶磁器」のうちの1つです。
瀬戸焼の大まかな定義は「瀬戸エリアで作られている焼き物」であるため、それ以外の特徴があまりないのが特徴です。
そのため、瀬戸焼には磁器・陶器の2種が存在し、非常にバリエーションが豊富な焼き物です。
しかし瀬戸焼水指の場合、有名作家ものなどでない限り、買取額が付きづらい種類とされています。
水指の買取相場

水指の買取相場には、作家や使った茶人などによって大きな幅があります。
以下の表は有名作家による水指のおおまかな買取相場です。
作家・メーカー名 | 作品のジャンル | 買取相場 |
---|---|---|
藤原啓 | 備前焼 | 〜2万円前後 |
中島宏 | 青磁 | 〜5万円前後 |
竹影堂 | 金属細工 | 〜3万円前後 |
※上の表は、作家の中で最も人気のある作品、かつ状態の良い場合の相場を記載しています。骨董品の状態によっては値が付かない場合もあるため、あくまで目安として捉えておいてください。
表では、人間国宝に認定されている陶芸家・中島宏の作品が最も相場が高くなっています。
他にも、表千家の家元・13代千宗左(即中斎)や裏千家の家元・14代千宗室(淡々斎)などの茶人が使った水指は人気が高いです。
13代千宗左や14代千宗室の書付や花押が入っている水指では、50万円ほどの買取価格が付くものもあります。
ただし、この買取相場は特に保存状態が良かったものの場合です。
実際の買取価格とは異なる場合がありますので、あくまでも参考程度と捉えてください。
水指は骨董品買取のバイセルに売るのがおすすめ

水指は骨董を主に取り扱っている買取業者に売るのがおすすめです。
水指の価値は種類や作家、状態などの細かい点を評価したうえで決まります。
そのため、水指に詳しい査定員でないと、正しい価値を割り出せないでしょう。
骨董を取り扱っているバイセルであれば、水指の専門知識と買取経験が豊富な査定員が在籍しているので、現在の価値をしっかり見極めてくれます。
買取を検討している水指がある方は、まずは骨董を主に取り扱っている買取業者で、どれほどの価値があるのかだけでも聞いみてはいかがでしょうか。
高く売れる水指の特徴

高く買取してもらいやすい水指には、いくつかの特徴が見られます。
買取額が高くなる水指の特徴は以下の通りです。
・古い歴史がある
・有名作家もの
・高級な素材で作られている
・共箱がある
それでは、それぞれの特徴について詳しく解説していきます。
古い歴史がある
水指は古い時代に作られたものであるほど残存数が少なく、希少価値が高くなります。
もし、お持ちの水指が「売れるかどうか分からないけど古そう」という場合、それは充分査定を受けてみる理由になります。
所有者は知らずとも「実は手元の水指が、歴史的・骨董的価値をもつ古伊万里だった」などということもあり得るので、まずは骨董品の買取業者に相談してみましょう。
有名作家もの
水指の中でも、高額買取の対象になりやすいのが「作家もの」です。
作家の人気度や市場の需要などで買取額が異なりますが、事前に「作家ものの水指」と判明しているだけでも、買取額に期待できることがあります。
有名な水指作家には、人間国宝の荒川豊蔵・清水卯一・金重陶陽・音丸耕堂らが挙げられます。
水指の箱などに作家のサインなどが入っていた場合は明確ですが、特に見当たらない場合はプロの査定員に見極めてもらうのがおすすめです。
高級な素材で作られている
ほとんどの水指は、陶磁器で出来ていますが、稀に金や銀が素材となっているものもあります。
純金・純銀などの豪華な素材を用いた水指は、原料も高額になることから、献上品として作られた可能性などがあります。
そのため純金・純銀などが素材の水指は、骨董品としての価値と貴金属としての価値が期待できるので、積極的に買取に出すと良いでしょう。
共箱がある
水指を買取に出す際、共箱と揃えているだけで、買取額が上がることがあります。
共箱とは水指を保管できる木製の箱で、墨で作家情報・作品名・時代背景などが記載されています。
買取時に、作品の価値を見極めるのに役立つ付属品です。
また水指本体と同様に、共箱の経年劣化を見る限り「とても古そう」というものは、高額買取が狙えるかもしれません。
ただし、作品が古すぎてそもそも共箱が付いていない場合もあり得るので、水指本体のみでも諦めずに買取査定へ出してみることをおすすめします。
水指買取でよくあるQ&A

水指の買取時によくある質問をQ&A形式でご紹介します。
買取前に読んでいただき、不安を解消して買取に望んでいただければと思います。
Q.平たい形状のものは水指ではない?
A.水指には様々な形状があり、横に平たい平水指や、縦に細長い細水指なども存在します。
水指かどうか不明な骨董品は、骨董買取を強化している業者に見てもらいましょう。
もし水指でなくとも、骨董品であれば買取対象となります。
Q.蓋なしの水指でも売れる?
A.水指は基本的に蓋とセットであるため、本来あるはずなのにない場合には減額となるでしょう。
ただし、壺や花瓶を水指と見立てて使用していた茶人もおり、その場合は元から蓋が付いていません。
骨董品の買取を行っている業者であれば、それらもしっかりと見極めて査定をしてくれます。
蓋なしの水指は骨董品を主に買い取っている業者に見てもらいましょう。
Q.ヒビ・欠けがあっても買い取ってもらえる?
A.水指をはじめとする骨董品の場合、保存状態が買取額に大きく影響します。
ヒビ・欠けが見られる水指は、査定評価が低くなるでしょう。
ただし、作家ものや人気作品の場合であれば、状態が悪くても買い取ってくれることがあります。
ヒビ・欠けがあっても諦めずに、買取業者に相談してみましょう。
Q.他の茶道具も一緒に見てくれる?
A.骨董品の買取業者であれば、水指と一緒に他の茶道具も見てくれるでしょう。
複数の品物をまとめて査定に出すことで、買取額をアップしてくれるところもあります。
茶道での皆具といえば、水指・杓立・建水・蓋置の4点が揃ったものを指すので、水指が自宅にある方は他の茶道具や骨董品がないか確認しておくと良いでしょう。