信楽焼の花瓶・壺の買取相場は?高く売れる信楽焼の3つの特徴もご紹介

日本には有名なご当地焼き物が数多くありますが、その中でも「NHK朝の連続テレビ小説」の題材になるなど、最も注目度が増していると言えるのが「信楽焼」でしょう。
良質の陶土による土の質感が存分に楽しめる信楽焼にはファンが多く、骨董品買取市場においても高い価格で取引されるケースが見られます。
本記事では信楽焼の買取相場や有名作家に加えて、高く売れやすい信楽焼の特徴、少しでも高く売るためのポイントなどをご紹介します。
※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。
信楽焼の価値

信楽焼は、主に滋賀県甲賀市信楽町で作られる陶器です。
店前などで見かける狸の置物でも有名ですが、温かみのある発色と信楽特有の土の質感が特徴です。
花瓶や壺をはじめ、「わびさび」が感じられる信楽焼は、茶人をはじめとする日本人や海外からも評価が高い焼き物です。
信楽焼の中でも「古信楽」と呼ばれる、鎌倉から室町時代の間に作られた信楽焼は、独特の風合いが感じられること、古いために希少性が増していることから、買取市場において美術品・骨董品として価値が高い焼き物として評価されます。
信楽焼の買取相場

骨董品買取市場における信楽焼の買取相場はどれくらいになるでしょうか。
花瓶・壺をはじめとする信楽焼は、作品それぞれが一点ものであり、価値もさまざまです。
そのため、「信楽焼の買取相場はこれくらい」と一概に言うのは難しいものがあります。
しかしながら、「有名作家の作品で、保存状態が良ければ高く買取されやすい」といった、ある程度の傾向があります。
例えば、信楽焼を手掛ける代表的な作家である北大路魯山人の作品で、特に高いものであれば100万円前後の買取相場になるでしょう。
ただし、作品の保存状態などによっても買取価格は大きく変動しますので、あくまで参考程度と考えてください。
※上記は参考価格であり、実際の買取価格を保証するものではありません。
※ご査定時の市場状況、在庫状況により買取価格が変動する場合ございます。
※お買取相場の価格は未開封の未使用品を想定しています。お品物の状態によって価格が大きく変わる場合がございますのでご了承ください。
お持ちの信楽焼の価値が気になる方は、骨董品・美術品買取のバイセルにお任せください。
バイセルには信楽焼の知識を充分に有する査定士がおりますので、お持ちの作品の価値をしっかりと見極めて価格に反映いたします。
査定料・キャンセル料は無料ですので、「持っている信楽焼に値が付くか知りたいだけ」という場合もお気軽にお申し付けください。

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高額買取されやすい信楽焼の特徴

買取市場で高額がつくケースも多い信楽焼ですが、具体的にはどのようなものが高く買取されやすいのでしょうか。
信楽焼を含む焼き物の買取において特に重要視される3つの査定ポイントから、高価買取されやすい信楽焼の特徴を見ていきましょう。
- 有名作家が手掛けた信楽焼
- 共箱が付属している信楽焼
- 保存状態の良い信楽焼
それではそれぞれ詳しく解説します。
有名作家が手掛けた信楽焼
信楽焼を含む焼き物の買取において、最も大きく買取価格を左右するポイントの1つが、作者です。
有名作家が手掛けた信楽焼であれば、高価買取の可能性は高くなります。
信楽焼には、以下のような有名作家たちが存在します。
神崎紫峰 | 高橋春斎 | 北大路魯山人 | 鈴木治 | 杉本貞光 |
辻清明 | 上田(谷井)直方 | 古谷道生 | 保庭楽入 | 高橋楽斎 |
中井和仁 | 小川得斎 | 辻村史朗 | 今井道平 | 高井明山 |
奥田三楽 | 信開山 |
もちろん、ここに挙げた以外にも数多くの作家がおり、高く買取される作品もあります。
お持ちの信楽焼が作家物かどうかを知りたいときには、作品本体の裏面に押されていることの多い作者の印である「落款(陶印)」で確認することが可能な場合もあります。
しかし、専門家でない人が落款を見ても正確な判断は難しい上に、中には落款を押さない作家物の信楽焼もあります。
共箱が付属している信楽焼
信楽焼に限らず、有名作家が手掛けた焼き物は共箱と呼ばれる箱に入っていることが多いです。
共箱は一般的には木製の箱で、蓋などに作品名や作家名が墨書きされています。
骨董品コレクターにとっては共箱も重要なコレクションの一部であり、墨書きによって有名作家本人の作であることが証明できるため、共箱の有無は信楽焼の買取において非常に重要な査定ポイントです。
あるはずの共箱が付いていないと、買取価格は下がってしまう恐れがあります。
ただし、共箱が無いからといって買取に出せないわけではありません。
信楽焼には元々共箱がない作品も存在するため、共箱がなくてもまずは査定を受けて、お持ちの信楽焼の価値を確かめてみましょう。
保存状態の良い信楽焼
信楽焼を含む陶芸作品の買取においては、作品の保存状態が買取価格を大きく左右する場合があります。
いくら価値の高い信楽焼であっても、ヒビ・キズ・デザインの欠け・割れがあるなど、保存状態が悪ければ買取価格は下がってしまう可能性が高いです。
反対に、ヒビや傷などがない綺麗な状態の良信楽焼であれば、高価買取される可能性も高くなるでしょう。
ヒビや割れの原因となるような大きな衝撃を与えないように、信楽焼などの焼き物は必ず箱に入れて保管するなど、普段から丁寧に扱うようにしましょう。
信楽焼を少しでも高く売るための3つのポイント

元々価値が高い作品も多い信楽焼ですから、買取に出すならその価値を最大限に活かして、より高く売りたいですよね。
- 簡単な手入れをしておく
- できるだけ早く買取に出す
- 付属品をそろえておく
それではそれぞれ詳しく解説します。
簡単な手入れをしておく
信楽焼を含む焼き物は、綺麗な状態であるほど買取額が高くなりやすいです。
良い状態を保つためにも、日ごろから簡単な手入れを欠かさずに行っておくことが大切です。
信楽焼の食器等を使った後は、早めに洗ってよく乾燥させてからしまうようにしましょう。
水気が残ったまましまうと、カビ・におい・シミの原因になります。
また、信楽焼は温度変化に敏感なため、煮沸などは避けた方が良いでしょう。
ただし、未使用品の場合は、不用意に手入れをすることで「使用品」という扱いになって査定額が下がってしまうことがあるため注意が必要です。
未使用品のお手入れは、乾いた布で優しくホコリを拭き取る程度にしておきましょう。
できるだけ早く買取に出す
信楽焼などの陶芸作品は素材が土である性質上、どんなに保管環境・手入れに配慮していても、制作から長年経てば経年劣化を免れないことがあります。
そのような経年劣化で信楽焼に変色やヒビ・欠けなどが見られる場合には、買取額が下がってしまう恐れがあります。
そのため、信楽焼の買取を検討しているのであれば、保存状態が悪くなる前に少しでも早く買取に出すことも1つの手です。
なるべく良い保存状態のまま少しでも高く売るために、売ると決めたら早めに買取に出すことも検討してみてください。
付属品をそろえておく
信楽焼の花瓶・壺などの作品を購入した際には、共箱や説明書などが付いてくることがあります。
特に作家ものの信楽焼の場合、共箱の箱書きによって、その作家が手がけた作品であることを証明します。
査定時にはこれら共箱をはじめとする付属品をそろえておくことで、査定もスムーズに進み、査定評価も高くなりやすいです。
作家ものの信楽焼の花瓶・壺は共箱と一緒に高く売ろう!
信楽焼の中でも有名な作家ものは高値になりやすいので、少しでも高く売りたいのであれば共箱などの付属品も一緒にお出しください。
販路が豊富なバイセルが、満足のいく買取になるよう努力いたします。
信楽焼買取に関して気になることがございましたら、骨董品買取の実績が豊富なバイセルに、お気軽にお問い合わせください。

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高額買取が期待できる信楽焼の作家

信楽焼の中でも高額買取が期待できるものは、有名作家が手掛けている作品であることが多いです。
ここでは、骨董品買取市場でも人気の高い信楽焼の代表的な作家をご紹介します。
神崎紫峰
神崎紫峰(かんざきしほう 1942-2018)は、古信楽の自然釉の美しさを追求した焼き締め作家です。
焼き締めとは、通常陶器作りに欠かせない釉薬(ゆうやく・表面を覆うガラス質の部分)をかけずに、窯の中で高温で焼き上げる方法です。
10日近くかけて焼くことにより、作品に灰がかかり、自然釉となって「景色(自然にできる美しい色合い)」を生み出します。
他にも神崎紫峰は、窯の中で土がかいらぎ状に流れて色が変化していく「瀑布窯変(ばくふようへん)」などの自然変化を用いることもあります。
神崎紫峰は公募に参加することはなく、個展中心の活動であるため、国内に留まらずドイツやアメリカ等海外で人気が高い作家です。
骨董品買取市場での評価も非常に高いと言えるでしょう。
自然変化を大切にしている神崎紫峰は、茶碗や花入れなどの作品が有名です。
高橋春斎
高橋春斎(たかはししゅんさい 1927-2011)は20世紀を代表する信楽焼作家の1人です。
同じく信楽焼作家である3代目高橋楽斎のもとに生まれ、父に指導を受けて1968年に自らの窯を開きます。
信楽では貴重とも言える、滋賀県の指定文化財保持者の認定を受けている人物のうちの1人で、信楽陶芸展や滋賀県文化賞など様々な賞を受賞しています。
高橋春斎の作品は、荒々しさと温かみを兼ね備え、素朴で深い味わいをもっているのが特徴です。
骨董品市場でもその特有の味わいに人気が集まっており、根強い人気を誇ります。
木製のように見える柄の手桶水指や「信楽しのぎ大壺」「窯変矢筈水指」などを手掛けました。
北大路魯山人

北大路魯山人(きたおうじろさんじん 1883-1959)は、信楽焼のみならず様々な分野で活躍した芸術家です。
京都で生まれた北大路魯山人(きたおうじろさんじん 1883-1959)は、20歳で実母がいる東京に向かいました。
魯山人は書や篆刻(てんこく)の分野で活動していましたが、30歳代後半になると料理の器作りに身を入れるようになり、自分の作った窯で器を作り始めます。
その後、陶芸家としても活躍した魯山人は、信楽の良質な土を気に入り、信楽を度々訪れていたと言います。
魯山人は信楽焼特有の明るい緋色(火色)を活かした、味わい深い作品を生み出し続け、多くの焼き物愛好家を魅了しました。
人間国宝の指定を2度も受けましたが、「芸術家に勲章は要らない」という自身の信念を貫いて断ったと言います。
信楽焼作家の中でも圧倒的な知名度を誇る北大路魯山人作品には、やはり高く買取されるものも多いです。
魯山人の有名作品には、緋色と緑色のコントラストが美しい「信楽灰被(はいかつぎ)大壺」や、春の桜と秋の紅葉を描いた「色絵雲錦(うんきん)大鉢」などがあります。
杉本貞光
杉本貞光(すぎもとさだみつ 1935-)は東京生まれの陶芸家で、信楽・楽・織部・美濃など様々な技法を使って焼き物を生み出しています。
30歳代の頃に初めて信楽山中で窯を築き、郷愁ただよう独創的な作品を手掛ける陶芸家として活躍します。
「わびさび」を追求し続けた杉本貞光は、海外などでも個展を開き、世界的に名の知れた陶工です。
骨董品買取市場での人気も高く、高価買取されやすい作家の1人となっています。
杉本貞光の有名作品には、灰白色・緋色のコントラストと丸みを帯びたフォルムが特徴の「信楽焼の蹲(うずくまる)」や、 花入・茶碗などがあります。
鈴木治

鈴木治(すずきおさむ 1926-2001)は、戦後の陶芸界をリードした信楽の有名作家です。
京都のろくろ職人である父のもとに生まれ、幼少の頃から身近に陶土がある生活を過ごしていました。
戦後、積極的に茶陶信楽の制作に取り組み、多くの受賞や個展の開催などで活躍しました。
鈴木治の作品の中では、信楽の土に赤化粧を施し焼き締め、主に動物や自然のものをモチーフにした「泥象」シリーズが有名です。
従来の焼き物のイメージを覆す、豊饒な世界を表現する鈴木治作品には、骨董品買取市場でも強い支持があります。
辻清明
辻清明(つじせいめい 1927-2008)は、東京都名誉都民にも推挙された信楽焼の有名作家です。
10代の頃から陶芸に興味をもち、陶工のもとで学んでいました。
辻清明は自然釉を用いた信楽焼を中心に制作し、光風会展出品工芸賞や日本陶磁協会賞などで多くの賞を受賞しました。
「明る寂びの美」と呼ばれる独自の世界感を表現する辻清明の信楽焼は、骨董品買取市場においても高い人気を誇ります。
辻清明の有名な作品には、土で羽を表現した「信楽フクロウ」や、蓋の開いた重量感のある感を表した「信楽陶缶」などが挙げられます。
信楽焼ってどんな焼き物?歴史
信楽焼の歴史は、鎌倉時代後期の窖窯(あながま)で壺・甕(かめ)・擂鉢(すりばち)などの焼き物が作られたことから始まったと言われています。
信楽町は良質な陶土が多く採れること、茶道が栄えていた京や奈良に近いことから、室町・桃山時代ごろから茶陶信楽が発展していったようです。
江戸時代には大規模な生産が可能になり、信楽焼の茶壺は一般家庭に普及していきました。
明治時代以降は、青みがかった美しい色に焼きあがる「なまこ釉」を用いて、さらに幅広い種類の陶器を生産していきます。
その後も、信楽でたぬきの置物が作られたり、インテリア製品や外壁タイルに用いられるなど、さまざまな形で私たちの生活空間に取り入れられています。

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