王時敏の絵画・掛け軸は買取してもらえる?代表作や高価買取のコツ

王時敏(おうじびん)は、水墨による山水画で有名な中国清代の画家です。
古典画の徹底的な研究に基づく絵画理論や多彩な表現技法は中国・清代画壇の基礎を築いたとして、多くの美術ファンから高く評価されています。
美術品買取市場での取引例は多くありませんが、もし買取に出されれば高い価値がつく可能性は十分にあります。
本記事では、王時敏作品の特徴や代表作・人気作品に加えて、買取市場での動向、高く評価されやすい王時敏作品の特徴、王時敏の絵画や掛け軸を高価買取してもらうためのポイントなどについてご紹介します。
※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。
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目次
王時敏とは
王時敏(1592-1680)は、中国の清代(1644-1912)初期に活躍した画家です。
清代初期に活躍した6人の画家「四王呉惲(しおうごうん:王時敏・王鑑・王翬・王原祁・呉歴・惲寿平)」の1人に数えられます。
王時敏は1592年、中国東部・江蘇省太倉(たいそう)の文人官僚の家に生まれました。
祖父は明の宰相も務めた高官・王錫爵(おうしゃくしゃく 1534-1614)です。
王時敏自身も文官として明王朝に仕え、太常寺少卿(たいじょうじしょうけい:国の祭祀・礼楽・宗廟を司る官庁の次官)を務めました。
家柄が良かったこともあり、王時敏は幼少期から宋・元時代の名画に囲まれて育ったといいます。
そのような環境もあり絵画に興味を持っていた王時敏は、明末の画壇の重鎮であった董其昌(とうきしょう 1555-1636)に師事して文人画の正統な理論と技法を学びました。
また、同郷で同年代の王鑑(おうかん 1598-1677)とは無二の親友として、共に古典画を研究しました。
そして1644年、明が滅亡すると官職を辞して故郷に隠棲し、絵画制作に専念するようになります。
王時敏は画家であると同時に、古典画の研究者、指導者としても有名です。
王翬(おうき 1632-1717)を見出して弟子として指導したほか、孫である王原祁(おうげんき 1642-1715)も祖父・王時敏の教えを受けました。
ここに親友としてともに研究した王鑑を加えれば、清代の「四王」がすべて王時敏の関係者ということになります。
清代中国画壇の中心人物であり、のちの中国画家たちに大きな影響を与えた人物だと言えるでしょう。
王時敏の作風
王時敏は古典画の研究に基づいた水墨の山水画で知られています。
特に元代(1271-1368)末期の大家、黄公望(こうこうぼう 1269-1354)の画風を理想とし、生涯を通じてその精神性や技法を研究しました。
そして、過去の巨匠の画風や筆法を借りる「倣古(ほうこ)」のスタイルを得意としました。
倣古とは単なる先人の模倣ではなく、過去の巨匠たちのエッセンスを自分の中で統合し、洗練させて再構築するという手法です。
技法の上での特徴としては、黄公望も得意とした「披麻皴」(ひましゅん:麻の繊維をほぐしたような柔らかい線で山の質感を出す技法)を多用したことが挙げられます。
墨使いは湿潤で、そこに代赭(たいしゃ:赤茶色)と花青(かせい:藍色)で淡く色をつける「浅絳山水(せんこうさんすい)」の技法を得意としました。
全体として画風は平明で穏やかで、極端なデフォルメを避け、落ち着いていて調和の取れた構成が特徴です。
独創性を競うよりも、「古人の優れた技法をいかに正しく継承するか」という点に重きを置いていると言えるでしょう。
王時敏作品は買取してもらえる?高く売れやすいポイントとは
中国美術史上の重要人物であり、のちの画家たちにも大きな影響を与えている王時敏の絵画や掛け軸には、中国の美術ファンのみならず、日本の愛好家からも高い支持があります。
美術品買取市場での取引例は多くありませんが、買取市場に出てきた場合には高い価値がつく可能性があるでしょう。
また、中国では2007年から「1911年以前に作られた中国骨董品・美術品の海外持ち出しを禁止する」というルールが施行されているため、王時敏のような古い時代の作家の作品は非常に希少性が高くなっています。
王時敏作品の中でも高く評価されやすいのは、生涯をかけた古典画研究の成果とも言える「倣古」作品です。
特に、傾倒していた黄公望のスタイルに倣った「倣黄公望」作品は高く評価されやすいでしょう。
王時敏だけでなく、絵画・中国掛軸など中国美術の買取では有名作家の作品ほど買取相場が高くなりやすい傾向があります。
以下のページでは、有名作家の作品など中国美術の買取相場、高く売るコツなど、中国美術の買取情報について記載してございます。
参考までにぜひご参照ください。
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王時敏の代表作
徹底的な古典画研究に基づいた、平明で穏やかな画風と落ち着いていて調和の取れた構成が特徴の王時敏の山水画は、多くの中国画愛好家を魅了しています。
ここでは、王時敏の絵画の中でも特に人気の高い、代表作と言うべき作品についてご紹介します。
倣古山水図冊(ほうこさんすいずさつ)
「倣古山水図冊」は、王時敏が理想とした宋代・元代の巨匠たちの画法についての研究を1冊の図冊(アルバム)に集約した作品です。
1作品ごとに異なる過去の大家のスタイルを倣古して描かれています。
王時敏が倣った主な画家としては、以下のような巨匠たちがいます。
- 五代十国時代~宋代:董源(とうげん 生没年不明)、巨然(きょねん 生没年不明)
- 元代:黄公望、王蒙(おうもう 1308?-1385)、倪瓚(げいさん 1301-1374)、呉鎮(ごちん 1280-1354)
王時敏は、これらの巨匠から名画のエッセンスを抽出・再構成し、自身の端正な筆致で描き直しました。
それぞれの作品では、王時敏が研究を重ねた披麻皴や浅絳山水といった技法を用いて、先人たちのスタイルやエッセンスが再現されています。
奇抜な構図や極端な誇張を避け、古典的な調和を重視した構成で、どのページをめくっても文人らしい静謐な自然が広がっています。
杜甫詩意図冊(とほしいずさつ)
「杜甫詩意図冊」は、王時敏が唐代(618-907)の詩聖・杜甫の詩から着想を得て、その情景を山水画として描き出した作品を集めた図冊です。
画業の最晩年となる80歳ごろに制作した、全12図からなる傑作です。
各図は、杜甫の五言律詩や七言律詩の中から特定の詩句を選び、その詩情を視覚化したものとなっています。
穏やかな山々の風景、静かな水辺の風景、力強い山岳の風景などが描かれ、各図には対応する杜甫の詩句が記されています。
これは中国美術の理想とされる「詩画一律(詩の中に画があり、画の中に詩があるという考え方)」を体現したものとして、非常に高い芸術性が認められています。
12図それぞれの中では、王時敏が長年研究してきた董源・巨然・黄公望・王蒙などの巨匠たちの技法が、詩の雰囲気に合わせて自在に使い分けられています。
そして、潤いのある墨使いと淡く上品な彩色が見事に融合しており、画面全体に杜甫の詩にふさわしい深みと静謐さが漂っています。
長白山図巻(ちょうはくさんずかん)
「長白山図巻」は、王時敏が42歳頃に描いた活動前期における代表作です。
研究してきた古人の技法を借りて現実の風景をいかに描くかという、王時敏の画家としてのアイデンティティを確立した作品と言えるでしょう。
描かれているのは、友人・張鴻(ちょうこう)の別荘があった中国東部・山東省の「長白山」です。
横長の巻物の形式になっています。
作風の特徴としては、実際の長白山の風景をベースにしながらも、画面構成は文人が理想とする隠棲の場として再構成されている点が挙げられます。
黄公望に倣った披麻皴の技法によって、山の穏やかな質感がよく表現されています。
また、流れるような雲や、重なり合う山々の配置が非常に巧みで、手前から奥へと続く空間の広がりが墨の濃淡と繊細な線の重なりによって見事に表現されている点も特筆すべきでしょう。
ここに挙げたもののほかにも、王時敏には「浮嵐暖翠図(ふらんだんすいず)」「倣王維江山雪霽図(ほうおういこうざんせつせいず)」「江山蕭寺図巻(こうざんしょうじずかん)」「倣黄公望山水図(ほうこうこうぼうさんすいず)」など様々な有名作品があります。
また、王時敏の作品ならここに挙げたような有名作品でなくとも、保存状態などの条件によって高く買取してもらえる可能性があります。
お持ちの王時敏作品の具体的な価値については、ぜひ1度バイセルの無料査定でお確かめください。
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お申し込みフォームへ王時敏の絵画や掛け軸を高価買取してもらうためのポイント
中国美術史上の重要人物であり、その研究が清代の中国画壇の礎ともなった王時敏の絵画や掛け軸は、多くの美術ファンから高く評価されています。
では、そんな王時敏の絵画や掛け軸を少しでも高く売るためには、どのようなポイントに気をつければ良いでしょうか。
王時敏作品を含む絵画や掛け軸の買取において、より高く買取してもらうために知っておきたい3つのポイントをご紹介します。
- 綺麗な状態で保存しておく
- 箱や鑑定書などの付属品を揃えておく
- 入手経路などの来歴を明確にしておく
綺麗な状態で保存しておく
絵画や掛け軸の買取で、買取価格に大きく関わるのが「保存状態」です。
保存状態の良いもの(制作当時の状態をなるべく保っているもの)は、買取価格が高くなりやすいでしょう。
その一方で、日焼け・シワ・色あせ・虫食いがあるなど、作品の状態が悪ければその分だけ価値は下がってしまいます。
そうならないためにも、直射日光を避ける、飾らない場合は箱に入れて風通しの良い場所で保管するなど、書や掛け軸の状態を保つための工夫をしてあげることが重要です。
箱や鑑定書などの付属品を揃えておく
絵画や掛け軸を含む美術品の買取では、作者のサインや箱などの付属品の有無も買取価格に大きく関わってきます。
王時敏作品の場合には、「王時敏」「西廬老人(隠居したあとの号)」などの署名に朱色の印章が添えられたサインが入っている場合が多いです。
また、掛け軸の箱には作者の箱書きが入っている場合があるなど、付属品が本物の証明になってくれることもあります。
そのため、サインや付属品があることで買取市場での信頼性が増し、より高い需要を集めて買取価格が高くなる可能性があるのです。
絵画・掛け軸の付属品としては、箱、風鎮(ふうちん:掛け軸の下部に吊り下げる重り)や紐(掛け軸を巻く際や吊るす際に使う)、そして鑑定書などの付属資料があります。
箱や風鎮・紐などの付属品は、汚れていたとしても揃っているだけで買取価格に影響するため、処分せずにとっておきましょう。
また、鑑定書がある場合はやはり買取市場における信頼性につながって買取価格アップにつながる可能性があります。
絵画や掛け軸本体とともに大切に保管しておいてください。
入手経路などの来歴を明確にしておく
王時敏の絵画・掛け軸など価値ある骨董品の査定では、買取市場における作品の信頼性のために「どこで手に入れたか」「いつ購入したか」「誰から譲り受けたか」など購入に至るまでの背景が確認されます。
例えば「業界で信頼されている専門店で購入した」「著名な好事家が所有していた」などの来歴は、作品の価値を判断するうえでも重要な情報になります。
そして、その来歴を証明する書類等があればさらに信憑性が増し、買取市場における信用度が増すことでより高く売れるかもしれません。
入手した経路や時期、過去に所有していた人物といった記録がある場合には、処分せずに大切に保管しておきましょう。
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