【切手コラム】額面って何だろう？

シート・バラによって違う切手の額面合計

バラの切手の場合、前述したように切手に描かれている数字が額面です。

一方、シートの場合はバラ1枚の額面×シートにまとめられた枚数分が額面になります。

なお、1円から500円までの普通切手の場合、未使用の切手シート1枚はバラ切手100枚分です。

例えば、未使用の50円切手1シートの場合、50円×100枚＝合計5,000円が額面になります。

使用済み切手シートの場合、バラ1枚の額面×シートに残っている枚数で算出される金額がそのシートの額面です。

通常、郵便局で切手を購入する際は、額面の金額と同じ価格で販売されますが、オリジナルフレーム切手という種類の記念切手は、販売価格と額面が同一ではありません。

オリジナルフレーム切手は、作成を依頼する側の希望に沿って写真やデザインを印刷できるサービスです。

そのため、額面の金額以外にも注文料金が発生することを理解しておきましょう。

【額面別】切手の種類

2021年10月現在販売されている普通切手の額面は16種類に分類されており、慶弔用の普通切手4種を含め、全部で20種類です。

普通切手以外では、イベントの記念や各地方の名所などを題材にした特殊切手やふるさと切手が販売されています。

ほかにも、人気のキャラクターや季節の花などをモチーフにしたグリーティング切手もあり、あらゆる場面での活用が期待できるでしょう。

いずれの切手においても、基本的には63円や84円の額面が多い傾向です。

切手買取においては額面をそこまで気にする必要はない？

切手買取の査定を依頼する場合、普段から利用するような普通切手は額面より低い金額を提示される場合もあります。

しかし、プレミア切手の場合は額面割れする可能性は低いでしょう。

プレミア切手を購入するコレクターにとって、切手収集の目的は郵便物に使用するためではありません。

また、通貨単位が異なる時代の切手では、同じ日本国内の切手でも現代とは物価が異なります。

そのため、現代に適した通貨価値の設定は困難を極めるでしょう。

中国やヨーロッパなどの海外切手も同様です。

必ずしも発行当時のレートに基づく額面による買い取りとは限りません。

現行の普通切手を買い取ってもらう場合と、プレミア切手などの珍しい切手を買い取ってもらう場合は、額面に対する考え方が異なることに留意しましょう。

国内の切手でも額面以上の価値を持つ切手はあるのか？

1955年までに発行されていた切手はプレミア切手として扱われており、額面以上の金額で取引されているものがあります。

たとえバラでも高額査定につながる可能性があるため、所有している切手にプレミア切手がないか確認するとよいでしょう。

ここでは、種類別にプレミア切手に該当するものを紹介しますので、該当する切手がないか確認してください。

記念切手

国家的行事の記念に発行される記念切手は、発行枚数が少ない、現存数が少ないなどの理由から、希少価値が高い切手も存在します。

• ・明治天皇銀婚記念切手
• ・日露戦争勝利記念（北白川官能久）
• ・日露戦争凱旋観兵式記念切手
• ・万国郵便連合加盟50年
• ・飛行郵便試験記念切手
• ・明治神宮鎮座10年記念切手
• ・全国緑化運動記念切手
• ・国土緑化運動記念切手
• ・立太子礼記念切手
• ・国体切手（第1回大会では発行されていません）

特殊切手

特殊切手は、おもにキャンペーンなどで発行されたシリーズ切手であり、収集性が高い切手と考えられます。

そのため、シリーズのなかで多くの種類がそろっている場合は高額査定の対象になるでしょう。

• ・切手趣味週間記念シリーズ「見返り美人」
• ・切手趣味週間記念シリーズ「月に雁」
• ・切手趣味週間記念シリーズ「ビードロを吹く娘」
• ・文化人シリーズ
• ・日本三景シリーズ
• ・国宝シリーズ
• ・20世紀デザイン切手

沖縄切手

沖縄切手は、アメリカ軍が沖縄を統治していた頃に使用されていた切手です。

1945年から1953年の6月までに発行された切手は「沖縄切手」、1953年7月から1972年までに発行された切手は「琉球切手」と、呼び名は異なります。

• ・沖縄 第1次普通切手
• ・植林記念切手
• ・はと航空切手
• ・琉球大学開校記念切手
• ・琉球政府創立記念切手
• ・天女航空切手
• ・米ドル加刷
• ・改定加刷切手

航空切手

航空切手は航空郵便専用の切手として発行されましたが、発行されていた期間が短いことで希少性が高まっている切手です。

• ・芦ノ湖航空切手
• ・きじ航空切手
• ・五重塔航空切手
• ・立山航空切手
• ・大仏航空切手
• ・コイル航空切手

軍事切手

軍が運用、管理していた軍事郵便で利用されていた軍事切手は、利用対象が軍人だったため、発行枚数が非常に少なく希少性は高まっています。

• ・菊軍事
• ・軍事加刷Ⅰ型
• ・軍事加刷Ⅱ型
• ・青島軍事切手
• ・大正白紙軍事切手
• ・旧大正毛紙軍事切手
• ・新大正毛紙軍事切手

年賀切手

年賀切手は封書や私製はがきで年賀状を送る際に利用します。

現在発行されている年賀切手ではなく、1955年より前に発行された切手には額面以上の価値が認められるでしょう。

• ・富士山
• ・二見ケ浦
• ・しめ飾り
• ・羽根つき
• ・応拳のとら
• ・少女と兎
• ・翁の面
• ・三番叟人形

持っている切手があれば額面の計算をしてみよう

年季の入った郵趣の方は、シート単位でストックブックに収集されていることも珍しくありません。

記事の冒頭で解説した方法をもとに計算すれば、想定外の金額に驚く方もいるのではないでしょうか。

そろそろ整理しようかと考え始めた頃には、すでに膨大なファイル数になっていることも多く、対応する金券類買取業者も驚くほどの高額になる場合があります。

さらに、現行通貨と異なる切手を持っていれば、査定額に大きく影響するでしょう。

適正な査定により価値を知るためにも、切手に強い買取業者への依頼が不可欠です。

切手買取と額面：まとめ

切手を査定してもらう場合、記念切手だとしても額面より高く買い取ってもらえるとは限りません。

郵便局で購入したものであっても、切手専門店、金券ショップで購入したものであっても同様です。

希少性や保存状態など、あらゆる要素が考慮されるため、額面未満に下がることも多々あることに留意しましょう。

買取店などで使われている言葉に「プレミア切手」という呼び名がありますが、切手の額面より1円でも高く売れる切手に与えられる呼び名です。

切手購入時の価格よりも高い価値があるのか知るためには、切手に対する強い専門知識が必要といえます。

適切な売却額で取引するためにも、切手買取の実績が豊富なバイセルにご依頼ください。