着物の買取相場や金額はいくらくらい?古い着物を高く売るコツも紹介

- 古い着物でも買取してもらえますか?
- 古い着物でも、状態が良いもの、有名作家や産地の着物などは価格が付く場合がございますのでまずはお気軽にこちらよりお問い合わせください。
- 実家を整理していたら着物が出てきました。価値はつきますか?
着物は適切な方法で持ち込めば、高く買取ってもらえる可能性があります。
とはいえ、着物の買取金額相場はいくらくらいなのでしょうか。
今回は、着物の種類別の買取金額相場や、着物を高額で買取ってもらうコツについて、まとめてご紹介しましょう。
目次
着物の買取金額はいくらが相場?
近年、着物を着る人は増えているといわれており着物の需要は高まっています。
着物はそのまま着るだけでなく、リメイク素材としても人気です。
また、海外でも注目を浴びている点も見逃せないでしょう。
たんすのなかに眠ってしまっている着物があれば、ぜひ査定に出したいところです。
着物の買取金額相場は、種類や流行などによって異なります。
たとえば流行の柄であれば、通常よりも十分高値が期待できる可能性はありますので着物買取業者へ相談してみましょう。
ただし、着物の作家や産地によっては、より高く買取ってもらえる可能性もあります。詳しくは次の項目でご紹介しましょう。
種類や流行…着物の買取金額を左右する要素
着物の買取金額は、どのような要素によって決まってくるのでしょうか。
以下で査定の際にチェックされている項目をご紹介しましょう。
色合いや柄の流行
色合いについては、より多くの人が着られる色のほうが高く買取ってもらえる可能性が高まります。
たとえば赤やピンクなどは若い女性向けで、なかなか年配の女性は合わせづらい色です。
これに対して、薄紫色や草色といった色の着物は年齢を問わず、さまざまな人に合わせられます。
柄については一定の流行があるため、その流行に沿った柄の着物であれば高く売れます。
たとえば振袖は数年ごとに流行が変わるため、あまり古い柄のものだと額が下がってしまうこともあるでしょう。
一方で留袖などは、伝統的な和文様が好まれる傾向があるため、振袖ほど流行に価格が左右されないようです。
作家
人間国宝の作品のほか、伝統工芸品の着物、老舗呉服屋が仕立てた着物は高く買取ってもらえる傾向にあります。
有名な着物作家には、以下のような人が挙げられます。
作家名 | 分類 |
---|---|
久保田一竹 | 染色工芸家 |
木村雨山 | 加賀友禅染織家 |
喜多川平朗 | 染織工芸家 |
小宮康孝 | 染色作家 |
玉那覇有公 | 染色家 |
上野為二 | 染色家 |
与那嶺貞 | 染織家 |
中村勝馬 | 染色家 |
北村武資 | 染織家 |
古賀フミ | 染織家 |
宗廣力山 | 染色家 |
山田貢 | 染織家 |
平良敏子 | 染織家 |
志村ふくみ | 染織家 |
森口華弘 | 染織家 |
由水十久 | 加賀友禅作家 |
青木滋芳 | 染色工芸家 |
川島甚兵衛 | 染織家 |
伊達弥助 | 機業家 |
下記に一部作家のさらに深い情報を掲載しているページもありますので是非ご覧下さい。
また老舗呉服屋といわれるものは以下の通りです。
屋号 | 創業 |
---|---|
高島屋 | 1829年 |
三越 | 1673年 |
大丸 | 1726年 |
やまと | 1917年 |
銀座越後屋 | 1755年 |
ゑり善 | 1584年 |
銀座志ま亀 | 1810年 |
この中には皆さんご存知の有名百貨店も含まれています。
作家を示す証紙が手元にある場合には、一度確認してみましょう。
産地
伝統工芸品など、有名産地の着物は、より高い額で買取ってもらえます。
有名産地の例は以下のとおりです。
名称 | 産地 |
---|---|
江戸小紋 | 東京都 |
琉球紅型 | 沖縄県 |
大島紬 | 鹿児島県 |
塩沢紬 | 新潟県 |
結城紬 | 茨城県 |
読谷山花織 | 沖縄県 |
首里織 | 沖縄県 |
琉球絣 | 沖縄県 |
越後上布 | 新潟県 |
小千谷紬 | 新潟県 |
えぞ織 | 北海道 |
長井紬 | 山形県 |
牛首紬 | 石川県 |
伊那紬 | 長野県 |
天蚕紬 | 長野県 |
群上紬 | 岐阜県 |
大石紬 | 山梨県 |
丹波布 | 兵庫県 |
出雲絣 | 島根県 |
久留米絣 | 福岡県 |
綿さつま絣 | 宮崎県 |
八重山上布 | 沖縄県 |
宮古上布 | 沖縄県 |
芭蕉布 | 沖縄県 |
能登上布 | 石川県 |
黄八丈紬 | 東京都 |
久米島紬 | 沖縄県 |
上記に掲載している一部の伝統工芸品はこちらでも紹介していますのでご覧下さい。
産地についても証紙に明記されているのが一般的です。証紙については別の項目で詳しく解説します。
種類
着物にはさまざまな種類がありますが、なかでも訪問着は高額査定になりやすい着物の種類です。
続いて高く買取ってもらえる順に、振袖、付下げ、留袖、小紋、紬(つむぎ)、色無地となります。
種類ごとの相場や各着物の種類の詳細については、後ほどご紹介します。
生地
高額買取対象になるのは、100%絹でできた正絹の着物です。
正絹の着物の場合は、絹の重さを表す匁(もんめ)が大きいほど高額査定につながる傾向があります。
サイズ
誰でも着られるサイズに仕立て直せる着物のほうが高く買取ってもらえます。
目安としては、身丈160センチ以上、桁丈65センチ以上程度です。
季節
流行だけでなく、季節も着物の値段と関わってきます。
たとえば夏着物は7、8月に着る着物であるため、シーズンが始まる春ごろに売るのがおすすめです。
そのほか、秋から春にかけて着る袷(あわせ)、6月や9月の衣替えの時期に着る単衣(ひとえ)などがあります。
同じ着物であれば、季節を見計らって、より高く買取ってもらえるタイミングで査定に出すとよいでしょう。
着用回数
仕付けがついた状態の未着用のものや、着用回数が少ない着物のほうが高く売れます。
目安としては、新品購入から10年以内であれば高額買取されるといわれています。
古い着物でも大丈夫?着物を売る際の注意点
有名な作家や産地の着物であっても、気をつけなければ金額が下がってしまうことがあります。
以下で押さえておきたい注意点をご紹介しましょう。
保存状態
傷やしみ、汚れがつかないよう、保存状態には十分注意しましょう。
古い場合もクリーニングに出し、畳紙に入れるなどして、できるだけよい状態で査定してもらうのがベターです。
また、どんなに気をつけて保存していても、絹は経年劣化してしまう素材です。
できるだけ早めに買取してもらうよう心がけたほうがよいでしょう。
証紙の有無
証紙とは、産地や作家、品質を証明するための書類です。
有名作家や産地の着物であっても、証紙がないとそれを証明できないため、買取金額が下がってしまいます。
新品を購入した方の中には不必要と思って捨ててしまうケースもあります。
しかし価値を証明する大切なものなので大事に保管しておきましょう。
古い着物を買い取ってもらえる理由
値段が付かなさそうな古い着物でも、意外な金額で買い取ってもらえる場合もありますが、なぜ古い着物でも買い取ってもらえるのでしょうか?
買い取った着物を再販する
保存状態がよく、シミやシワのない着物は、再販する目的で買い取ってもらえる可能性が高まります。特に有名な作家の着物や有名産地の着物は、中古品であっても欲しいと考える買い手が付きやすいからです。
着用回数が少なくほぼ新品の着物も、再販できる可能性が高いでしょう。また、買い取った着物は再販前にメンテナンスをしたあと、販売されるようになっています。
レンタル用の着物として使用する
近年は海外からの旅行客の増加により、着物の需要は高まっています。外国人旅行客が日本の観光地で着物を着て街歩きをしたり、記念写真を撮ったりしている姿を目にしたこともあるのではないでしょうか。
保存状態や種類などがネックとなり、再販には適さない着物でも、このようなレンタル品として用いられることがあります。
リメイクなどをして販売する
再販やレンタルで使用できない着物でも、リメイクして販売されることがあります。着物の糸をほどくと1枚の布になり、それをドレスやワンピース、コートや帽子、バッグなどにリメイクすることができます。
質が高く、需要の高い生地であれば、着物を裁断して生地として販売されることもあります。着物の傷みが著しく、再販やレンタルでそのまま着ることが難しいものでも、生地に価値があると判断されれば買い取りも不可能ではありません。
高い金額で買取ってもらえる着物の種類
先述したとおり、高い金額で買取ってもらえる可能性が高いのは、汎用性の高い訪問着です。
以下で、その他の着物もあわせて、各着物の種類の詳細について解説しましょう。
訪問着
フォーマルな着物の種類です。未婚・既婚いずれの場合も着用できます。
絵羽と呼ばれる技法(仮縫いした状態で絵を描き、それを一度ほどいて染色する方法)で模様付けされているため、模様が縫い目で途切れない点が特徴です。
絵羽模様の着物は格が高いとされています。
振袖
未婚女性の第一礼装です。長い袖が特徴で、成人式や結婚式などで着られます。
柄は訪問着と同様、一枚の絵のように仕上がる絵羽模様です。
模様は可憐なものをモチーフにしてあることが多くなっています。
付け下げ
カジュアルな着物ですが、華やかな柄の場合はフォーマルにも用いられます。
絵羽模様でないため、縫い目部分に模様が入らず、着たときに模様がすべて上を向くようになっている点が特徴です。
留袖
フォーマルな着物です。色によって、黒留袖と色留袖があります。
黒留袖は、既婚女性の第一礼装です。背中と胸元、両後ろ袖前の5カ所に家紋が入ります。結婚式などに家族・親族・仲人などが着るのが一般的です。
色留袖は未婚・既婚に関わらず着られる礼装です。家紋の数によって格が異なり、もっとも格の高い5つ紋のものは黒留袖と同格になります。
紬(つむぎ)
カジュアルな着物です。
先に糸を染めてから着物に織り上げられるため、糸の色の組み合わせによって縞や格子といった柄が出てきます。
小紋・江戸小紋
カジュアルな着物で、同じ模様が着物全体にあしらわれている点が特徴です。お稽古事や街着でよく着られます。
江戸小紋はとても細かな柄の型染め(型紙で染める技法)となっています。
小紋の柄のなかでも、「定め小紋」といわれる鮫、行儀、角通しの柄は格のあるものです。
色無地
基本は街着などに使われるカジュアルな着物です。名前のとおり、1色で染められた無地の着物となっています。
紋をつければ結婚式などのフォーマルなシーンでも着られます。
帯
帯にもさまざまな種類があります。順番にみていきましょう。
袋帯は、フォーマルな着物に合わせる帯です。長さが4メートル以上あり、「二重太鼓」という結び方や、華やかな飾り結びで結びます。金や銀の糸が使われている点が特徴です。
洒落袋帯(しゃれふくろおび)は金や銀の糸を使わない袋帯のことです。カジュアルなパーティなどに使われます。
名古屋帯はカジュアルな着物に合わせる代表的な帯です。長さが約3メートル60センチあり、一重太鼓や角出しなどで結びます。
半幅帯は、袋帯や名古屋帯の半分の幅になっている帯です。小紋や紬のほか、浴衣などにも合わせられます。さまざまな結び方ができる点も魅力です。
買取り価格が下がってしまう着物は?
高く売れる種類の着物であっても、場合によっては買取金額が下がってしまうことがあります。
以下は買取金額を下げてしまうおもな要因です。
保存状態が悪い
シミ、色落ち、汚れ、虫食い、防虫剤のにおいうつり、カビなどは着物の買取金額を下げてしまう原因です。
また経年劣化による裏地の色あせ、箔の変色などがないかどうかも、気をつけて確認してください。
着る人が限られてしまう
服や、それに合わせる真っ黒の羽織は、着るシーンが限られてしまうため、他の色・種類の着物に比べると買取金額が下がってしまいます。
またサイズが小さすぎる着物も仕立て直して売れないため、買取金額が下がります。
さらに人の肌に触れる長襦袢(下着)も需要が少ないため、買取価格が下がってしまう傾向にあります。
ウールや化学繊維(ポリエステル)で作られている
ウールや化学繊維で作られている正絹でない着物は、着物としての価値が低いため値段が下がってしまいます。
要チェック!着物を高く売るためのコツ
同じ着物でも、査定を依頼するときに工夫すればより高く買取ってもらえることがあります。
以下でそのコツを見ていきましょう。
着物に詳しいバイセルに査定を依頼する
着物の価値を正しく査定してもらえる着物買取のバイセルに査定を依頼しましょう。
一般的なリサイクルショップで着物を売ると、正確な査定が出来ず、価値の高い着物でも値段がつかないといわれることがあります。
また、古い着物や正絹でない着物でも、バイセルならばある程度の値段で買取ってもらえる可能性があります。
諦めずに、まずは査定に出すことを検討してみましょう。
和装小物などもまとめて査定に出す
帯や下駄、足袋、草履、扇子、帯締め、帯揚げ、かんざしといった和装小物がある場合は、着物と一緒に査定を依頼するとよいでしょう。
小物一つひとつには大きな値はつきませんが、着物単体で売るよりも価格を上乗せしてもらえることがあります。
おわりに
今回は、着物の買取金額の相場や高く買取ってもらうコツ、査定を依頼する際の注意点などについてまとめてご紹介しました。
着物の査定は、今回紹介したさまざまな要素を加味して行われます。
ちょっと汚れがあったり古かったりしても、買取ってもらえる場合もあるかもしれません。
たんすの肥やしになってしまっている着物があれば、経年劣化してしまう前に、ぜひ査定に出してみてはいかがでしょうか。

より詳しい情報を知りたい方はこちら
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