単衣とはどんな着物?袷との見分け方や合わせやすい和装品も解説

2024.09.26

着物買取 コラム
単衣とはどんな着物?袷との見分け方や合わせやすい和装品も解説

着物に興味はあっても、日常的に着る習慣の少なくなった現代では、なかなか着る機会はありませんよね。

そんな方には、普段着として仕立てられていることの多い単衣(ひとえ)なら、気軽に楽しむことができておすすめです。

単衣の着物の特徴や着用時期、袷の着物との違いや見分け方、単衣に合う和装品などを解説していきます。

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単衣と袷の違いを特徴別に解説

単衣と袷の違いを特徴別に解説

着物には単衣(ひとえ)・袷(あわせ)・薄物(うすもの)の3種類があります。

着る場面は季節や気温に合わせて異なります。

ここでは着用場面、素材、特徴などをご紹介します。

単衣(ひとえ)

単衣とは裏地がなく、透けない着物です。

生地が軽くて風通しが良いところが特徴で、日差しが強い日に着ると涼しく過ごせるでしょう。

単衣を着る時期は、6月や9月といった季節の変わり目です。

季節の変わり目のうち気温が高い日なら夏物の帯を、低い日なら冬物の帯を着用します。

一般的に単衣は絽(ろ)や小紋に代表される普段着に仕立てられ、フォーマルな場ではあまり着用されません。

単位は裏地がないため着物の線がはっきりと出にくいことがあり、単位の下に長襦袢を着て形を整えると美しく着られます。

ちなみにウールや木綿などの厚手の単衣もあります。

夏が終わって気温が下がってきた時期に着ると、暖かく過ごせます。

単衣の着物には居敷当てがつけられていることが多い

居敷当て(いしきあて)とは、単衣の後ろ身頃(みごろ)や腰あたりに付ける当て布です。

単衣には裏地がついていませんが、腰やお尻の生地の強化と透け防止が目的で居敷当てを縫い付けます。

居敷当てを付けることで縫い目や生地が補強されて長く着られる、生地の薄さが原因でインナーが透けるのを防止できるというメリットがあります。

足さばきが良くなって歩きやすくなるという点も挙げられます。

袷(あわせ)

袷とは、裏地がついている着物です。

生地を2枚合わせているので、冬の寒い時期でも暖かく過ごせます。

着用時期は、1月〜5月と10月〜12月です。

袷の着物は涼しくなってきた10月から、春の終わりの5月頃まで着るのが一般的です。

結婚式や式典などのフォーマルな場でも着られる、最も一般的な仕立て方の着物です。

袷の着物には留袖・振袖・訪問着・色無地などの礼装用から、小紋や紬などの普段着まで幅広い種類があります。

素材は正絹が中心ですが、ポリエステル製も増えています。

袷の着物の裏地には保温効果がある白い胴裏(どううら)と、汚れ防止のために裾と袖口の部分に縫われている色付きの八掛(裾回し)の2種類があります。

八掛は歩いた時に見えることもあるので、着物の色合いに合った生地が多くなっています。

薄物(うすもの)

薄物は、裏地がなく透け感がある着物です。

着用時期は7月〜8月がベストです。

薄物の素材には、通気性の良い絽(ろ)や紗(しゃ)などの正絹でできた着物や、上布の素材に使われる麻などがあります。

絽で仕上げた着物は透け感がないためフォーマルの場にふさわしいです。

紗は透け感が多少あるのでセミフォーマルに着用し、上布はカジュアルな場面に着用されることが多いです。

単衣と袷の見分け方

単衣と袷の見分け方

上記では単衣・袷・薄物の3種類の特徴を紹介しました。

単衣と袷は見かけでは判断がしづらく、どちらを購入したらいいか迷ってしまうでしょう。


ここでは単衣と袷の見分け方を2つにまとめました。

・単衣には裏地がない、袷にはある

・単衣の袖口は内側に折り畳んで縫われている、袷は袖口・振り・裾から八掛が見える


単衣と袷の違いは、裏地にあります。

単衣は6月や9月といった季節の変わり目に着るので、裏地をつけないことで涼しく着られるように仕立てています。

一方で、袷は寒い時期にも着るので、生地を2枚合わせており、袖口・振り・裾にも裏地をつけています。

単衣の着物に合う和装品

単衣の着物に合う和装品

単衣には、帯や小物をどのように合わせれば良いでしょうか。

ここでは単衣に合う帯・長襦袢・半襟・バッグ・履物などの和装品についてご紹介します。

単衣の着物に合う帯

単衣は合わせる帯によって、結婚式や式典などの場にも着られます。

着物の帯には袋帯・名古屋帯・半幅帯の3種類があり、それぞれ着用シーン、長さ、幅が異なります。

単衣用の袋帯は、3種類の帯のうち一番長くて幅が広く、重さがあります。

しかし、単衣用の多くは薄手の生地で織られているため夏の結婚式におすすめです。

単衣用の名古屋帯である「単帯(ひとえおび)」は、袋帯とは違って裏地や芯がついておらず薄手で軽いです。

単衣用の半幅帯は、小紋や紬をはじめとした普段着用の単衣と合わせるのが良いでしょう。

半幅帯にも裏地があるものとないものがあります。

単衣の着物に合う長襦袢

着物に単衣があるように、下着である長襦袢にも単衣があります。

単衣の着物には、単衣の長襦袢を合わせるのが良いでしょう。

素材は正絹やポリエステルなどさまざまありますが、汗をかきやすい夏に着用するには、ご家庭で洗える種類のものがおすすめです。

購入前に洗濯の可否をチェックしておきましょう。

特に暑い時期には、絽・紗・麻などの薄手の長襦袢もあります。

単衣の着物に合う半襟

半衿とは、着物の下着である長襦袢につける衿のことです。

着物を着用したときに首元から見える白い襟の部分が半衿です。

半衿にも様々な種類がありますが、単衣の着物に合う半襟としては以下の4種類が挙げられます。

半衿の種類適した時期
6月~9月下旬頃
麻絽(あさろ)6月下旬~8月下旬頃
絽縮緬(ろちりめん)6月上旬~6月中旬頃、9月中旬~9月末頃
楊柳(ようりゅう)5月初旬~5月末頃、9月中旬~9月末頃

単衣の着物に合うバッグ

フォーマルな場で着用する単衣には、クラッチバッグ・ビーズバッグ・利休バッグといった、礼装に対応できるバッグを選ぶのが良いでしょう。

普段着として単衣を着用する場合には、かごバッグや巾着がよく合います。

竹や麻を素材としたバッグを単衣に合わせると、涼しげな印象で統一感を出すことができます。

単衣の着物に合う履物

履物に関しても基本的には、着用場面に合わせたものを選ぶのが良いでしょう。

普段着などのカジュアルな場面では、麻やパナマ・ラタンなどの夏らしい素材で作られた履物を合わせると、やはり涼しげな印象で統一感を出すことができます。