中古カメラによくあるバルサム切れとは?原因や修繕方法を解説!
カメラレンズがバルサム切れを起こしていると査定金額が低くなる場合があります。
本記事ではカメラによくあるバルサム切れとはどのような状態なのか、バルサム切れの原因、修理方法をご紹介します。
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目次
バルサム切れとは何か?
カメラに詳しくない方はバルサムが何なのか、バルサム切れが起こると何がいけないのかがわからないかもしれません。
ここでは、バルサムの特徴とバルサムが切れることで起こる現象を解説します。
カメラレンズの「バルサム」とは?
バルサムとは植物から分泌される樹液のことで、一眼レフカメラやデジタル一眼レフカメラのレンズを貼り合わせる接着剤として使われています。
屈折率が高くカメラレンズの接着剤に適していることから、昔はアメリカやカナダに広く分布しているバルサムモミ(カナダバルサム)の樹液が使われていました。
100年以上の歴史があるもののカナダバルサムの樹液は淡黄色の着色が発生するうえ、経年劣化によって着色の程度が進行する、耐候性がやや劣るなどの欠点がありました。
そのため、現在は光硬化型などの強力で変質しにくい合成接着剤が主流になっており、バルサムという言葉だけが残っています。
バルサムが切れるとどうなるの?
バルサム切れとは、カメラレンズの接着剤であるバルサムが剥がれた状態です。
正面からカメラのレンズを見ただけではバルサム切れを起こしているかどうかがわかりづらいですが、レンズを斜めにするなど角度を変えることでフチに黄色く色がついているのが代表的な症状です。
また、バルサム切れが起こるとカメラレンズにくもりやブツブツとした点などが出てきたり、カメラレンズの焦点がうまく合わなくなったりします。
そのまま撮影するとぼんやりとした写真になりやすく、写りに悪影響を与えるので買取に出した場合は査定金額が低くなる傾向にあります。
査定時に少しでも高く売りたいならバルサム切れを起こさないように注意しましょう。
バルサム切れが起こってしまう原因
バルサム切れが起こる原因は大きくわけて2つ考えられます。
乾燥による劣化
カメラレンズは湿気に弱い性質があり、乾燥した場所に保管しておけば安心と考えているかもしれません。
しかし、天然樹脂であるバルサムは乾燥により収縮する性質があるので、年間を通して乾燥した場所で保管すると劣化しやすいです。
カメラレンズを湿気から守りつつバルサムの劣化を防ぐには、湿度40%の場所で保管するのがおすすめです。
経年劣化
天然樹脂であるバルサムは耐候性が弱く、年月の経過により品質が低下しやすい性質があります。
中古カメラのレンズは劣化スピードが速いうえ、乾燥や経年劣化によってバルサム切れが起こりやすくなります。
経年劣化は防ぎようのないですが、乾燥による劣化は保管状態によって変わります。
劣化スピードを遅らせるには防湿庫を用意するなど適切な保管方法を心がけてください。
バルサム切れしたレンズの修理方法
経年劣化などで中古カメラのレンズがバルサム切れしても修理できます。
ここでは自分でできるレンズの修理方法を紹介します。
レンズの接着剤を落とす
接着剤(バルサム)がベタベタしていたら無水エタノールで拭くだけできれいになります。
また、接着剤が硬くなっていたら冷凍と急速加熱を繰り返し、温度変化によって接着剤の機能を失わせます。
レンズの接着剤を落とすには、まず器にお湯を入れて電子レンジで加熱し、沸騰してきたら凍らせたレンズを入れます。
そのまま電子レンジで2分間加熱して再沸騰させたら器に水を加えて冷やします。
ぬるま湯になったら接着剤がはがれるかを確認し、剥がれないようであれば電子レンジで加熱と冷却を繰り返しましょう。
レンズを再度貼り合わせる
レンズの接着剤が取れたら紫外線硬化樹脂でレンズを貼り合わせます。
紫外線硬化樹脂はマッチの先くらいの量があれば十分です。
紫外線硬化樹脂は泡を押し出しながら、貼り合わせる面をすり合わせて塗り広げます。
その後は2枚のレンズの中心がズレないように、しっかり押さえて固定しましょう。
はみ出した樹脂は除光液で拭き取り、光に当てて硬化させれば修理は完了です。
以上の手順で進めれば自分でバルサム切れのレンズを修理できますが、メーカーや機種によっては古いバルサムが剥がれないことがあります。
また、外国産レンズはバルサム加工ができない可能性が高いです。
バルサム切れしたレンズは修理業者に直してもらおう
バルサム切れしたレンズを自分で修理できますが、不慣れな方が修理するとレンズを傷つけてしまう場合があります。
自分で修理できたとしてもレンズ本来の写りにならないことも考えられます。
さらに、数に限りのあるクラシックレンズは特に注意が必要で、修理方法によっては貴重なクラシックレンズが壊れてしまうかもしれません。
バルサム切れの修理には必要な機材やノウハウがあるため、不慣れな方や確実に修理したい方は業者に任せるのがおすすめです。
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