水指の買取相場はどのくらい?高く売れる特徴や買取業者を選ぶコツをご紹介
水指は中古市場で盛んに取引されています。
茶道では水を蓄えておく容器ですが、小ぶりな形からコレクションアイテムとして需要が見込まれます。
水指の素材は陶磁器や木製が主流ですが、バカラのガラスで作られた高級品もあります。
お持ちの水指がどれくらいの価値があるのか気になりますよね。
本コラムでは水指の概要、中古市場で需要が見込まれる水指の特徴、買取相場などをご紹介します。
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水指とは
水指は点茶のときに茶釜に水を足したり、茶碗や茶筅を水ですすいだりするときに、水を蓄えておく器です。
茶釜、鉄瓶、蓋置などと並んで中古市場で需要のある茶道具の1つです。
水指は陶磁器が多く、木製や金属製などもあります。
また、円筒形が一般的ですが、季節や用途によって形状と材質が異なります。
水指の蓋は、本体と同じ素材で作られた「共蓋(ともぶた)」と、本体とは違う素材で作られた「塗蓋(ぬりぶた)」があります。
中古市場で需要が見込まれる水指
中古市場において有名産地、ブランド、高級な素材で作られた水指は需要が見込まれます。
以下の水指をお持ちなら査定に出して価値を確かめてもらいましょう。
・有名作家の水指
・青磁(せいじ)
・純金・純銀
・バカラ製
・保存状態がきれい
・共箱などの付属品がある
有名作家の水指
人間国宝や伝統工芸品に認定された有名作家の水指は、数万円で売れる可能性があります。
特に瀬戸焼・常滑焼・越前焼・信楽焼・丹波焼・備前焼といった日本を代表する窯で作られた作家物の水指は、コレクター需要が見込まれます。
●備前焼の有名作家…藤原啓、藤原雄、金重陶陽、山本陶秀、伊勢崎淳、中村六郎
●瀬戸焼の有名作家…加藤唐九郎、加藤重高、加藤土師萌、原憲司
●常滑焼の有名作家…山田常山、山田宝生、吉川雪堂、村越風月、森下宗則
●信楽焼の有名作家…神崎紫峰、高橋春斎、北大路魯山人、鈴木治、杉本貞光
●越前焼の有名作家…市野信水、森本陶谷、正元直作、清水一也、大西雅文
水指が入っている共箱には作家の署名が入っています。
特に見当たらなければ、査定士に作家名を調べてもらってください。
青磁
青磁(せいじ)は青緑色に発色した磁器です。
釉薬に若干含まれる鉄分が、焼成すると透き通った青緑色に変わります。
中国が源流で、最上位の砧青磁(きぬた)、天龍寺青磁、七官青磁などがあります。
青磁の水指は格調が尊重されていたため、棚物(たなもの:茶道具を飾り置く棚)にのせて使われていました。
青磁の有名作家には陶芸家の中島宏がいます。
中国の青磁の再現は困難と言われていましたが、研究を重ねたのち「中島ブルー」という独自の表現方法にたどり着き、その功績が認められて人間国宝に認定されました。
西部工芸展出品の「浅青瓷円壺」で文部大臣賞を、西日本陶芸美術展出品の「粉青瓷線彫文壺」で内閣総理大臣賞を受賞しました。
純金・純銀
水指は金属、陶器、磁器、木などで作られます。
純金や純銀製の水指は、素材の価値も考慮されるため査定では高値になりやすいです。
寛政時代から続く京都の錺金具屋(かざり)「竹影堂」が作る水指や、中川浄益や石黒光南などの金工師が制作した水指は価値が高くなるでしょう。
バカラ製
バカラは、1764年に創業されたフランスのクリスタルガラスメーカーです。
バカラといえばグラスのイメージが強いですが、ガラスの水指も作っています。
バカラ製品が日本に輸入され始めた明治時代初期に、茶道具の美術商を営む春海籐次郎がバカラ製品に魅せられ、輸入したバカラ製品を茶人に提供していました。
春海籐次郎は西洋のデザインに合わせたバカラを日本の茶室にも使いやすいように、自らデザインしたものをバカラに特注しました。
以降、フランスと日本の文化が融合したバカラ製品を「春海好み」と呼び、日本でも「春海コレクション」の名で広まっていきました。
バカラと春海籐次郎が出会ってから100年経った2020年に、バカラからコレクションの復刻版が制作されました。
中古市場でバカラの水指は、数千円から数万円ほどの値が付くでしょう。
保存状態がきれい
査定では状態の良し悪しによって、金額が大きく変わります。
保存状態が良い水指は高値で売れやすいです。
水指についている汚れやホコリを拭き取ってから売ることをおすすめします。
傷や欠けがあっても自分で修復すると壊れてしまう恐れがあるので、そのまま査定に出してください。
共箱などの付属品がある
査定には、共箱や鑑定書などを提示すると評価が上がる場合があります。
共箱とは水指を入れる木製の箱で、墨で作家名や作品名などを記載しています。
鑑定書には水指を購入した場所や作家の来歴などが書いてあり、適切な価格を提示するときに役立ちます。
査定時に付属品があると作品の価値を見極めるのに役立つ付属品です。
水指本体と同じく、共箱があまりに劣化していると有名作家や産地でも値段がつかない場合があります。
古い水指があったら今以上に劣化しないうちに査定に出すことをおすすめします。
水指の買取相場
水指の買取相場には作家や使った茶人などによって大きな幅があります。
藤原啓、中島宏、竹影堂の水指の買取相場は数万円程度です。
買取相場は作家の中で人気の作品で、且つ状態の良い場合は高値になるでしょう。
ただし、状態によっては値が付かない場合もあるので、目安として捉えておいてください。
他にも、表千家の家元・13代千宗左や、裏千家の家元・14代千宗室などの茶人が使った水指は人気です。さらに、書付や花押が入っていると数十万円ほどの金額が付く場合があります。
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水指は骨董品買取のバイセルに売るのがおすすめ
水指は骨董品を主に扱っている買取業者に売るのがおすすめです。
水指の価値は種類、作家、状態などの査定基準によって決まるので、骨董品全般に詳しい査定士でないと正しい価値を提示できないでしょう。
バイセルなら骨董品買取経験が豊富な査定士が在籍しています。
自宅にある骨董品を片づけたいとお考えなら、こちらから査定のお申し込みができます。ご覧ください。
水指買取でよくあるQ&A
水指の買取時によくある質問をQ&A形式でご紹介します。
買取前に読んでいただき、不安を解消して買取に望んでいただければと思います。
Q.平たい形状のものは水指ではない?
A.水指には様々な形状があり、横に平たい平水指や、縦に細長い細水指なども存在します。
水指かどうか不明な骨董品は、骨董買取を強化している業者に見てもらいましょう。
水指でなくとも骨董品であれば買取対象となります。
Q.蓋なしの水指でも売れる?
A.水指は基本的に蓋とセットであるため、本来あるはずなのにない場合には減額となるでしょう。
ただし、壺や花瓶を水指と見立てて使用していた茶人もおり、その場合は元から蓋が付いていません。
骨董品の買取を行っている業者であれば、それらもしっかりと見極めて査定をしてくれます。
蓋なしの水指は骨董品を主に買い取っている業者に見てもらいましょう。
Q.ヒビ・欠けがあっても買い取ってもらえる?
A.水指をはじめとする骨董品の場合、保存状態が買取額に大きく影響します。
ヒビ・欠けが見られる水指は、査定評価が低くなるでしょう。
ただし、作家ものや人気作品の場合であれば、状態が悪くても買い取ってくれることがあります。
ヒビ・欠けがあっても諦めずに、買取業者に相談してみましょう。
Q.他の茶道具も一緒に見てくれる?
A.骨董品の買取業者であれば、水指と一緒に他の茶道具も見てくれるでしょう。
複数の品物をまとめて査定に出すことで、買取額をアップしてくれるところもあります。
茶道での皆具といえば、水指・杓立・建水・蓋置の4点が揃ったものを指すので、水指が自宅にある方は他の茶道具や骨董品がないか確認しておくと良いでしょう。