
昭和を代表する画家・東山魁夷の独特な感性で描いた風景画は、多くのファンに評価されており、買取市場でも需要があります。
東山魁夷作品の買取相場や高く売るコツ、買取方法についてご紹介します。
作品の魅力や代表作品、さらに買取業者の見極め方も解説しますので、査定前にご一読ください。
目次
東山魁夷ってどんな人?

東山魁夷は昭和を代表する日本画家のひとりです。
1908年に横浜の船具商を営んでいた両親のもとに生まれ、13歳の頃に画家を志します。
東山魁夷は、芸術の名門でもある東京美術学校を卒業した後、美術史を学びにドイツのベルリン大学へ留学しました。
1935年に帰国し、政府が主催する美術展覧会である官展に出品を続けるも、なかなか入賞することができませんでした。
しかし、1947年についに入選したのが、日展に出展していた「残照」でした。
「残照」は、制作当時の彼の沈んだ気持ちと、千葉県鹿野山で見た残照の景色が重なっていたことから出来上がった作品です。
これを機に東山魁夷は風景画家となり、日展での活躍を主に、日本芸術院賞・毎日芸術大賞など数々の賞を受賞しました。
東山魁夷の魅力
東山魁夷の魅力は「自分自身の心情を自然の中に表現することが非常に優れた画家である」という点でしょう。
東山魁夷の作品は主に風景画ですが、その何気ない風景や自然を題材に、自分の心を重ねて表現しています。
そのため、幻想的で現実世界とは少しかけ離れたような、神々しさが感じられる画になります。
これは、東山魁夷が風景画という作品のなかに人生のすべてをぶつけていたからこそ、生み出される特徴と言えるでしょう。
なお、戦後から東山魁夷が暮らしていた千葉県市川市には、東山魁夷記念館が建てられ、多くの作品が展示されています。
東山魁夷の代表作品

東山魁夷の作品の中でも有名な作品や人気の高い作品は、買取額も高くなりやすいです。
東山魁夷の代表的な作品を、特徴とともにご紹介します。
残照
「残照」(1947年)は、東山魁夷の名を世に知らしめるきっかけとなった代表作品です。
この作品のモチーフとなった鹿野山の山頂からの眺めは、戦争や身近な人の死、更には空襲で家までも失った彼の当時の心境と重なったと言います。
よく見るような風景だからこそ、生きていることを実感できるような東山魁夷の素直な気持ちが伝わるような作品です。
白馬の森
「白馬の森」(1972年)は、富士山五合目を題材とした幻想的な作品で、「白い馬シリーズ」のひとつです。
他の「白い馬シリーズ」では、風景画に溶け込むようにさりげなく馬が位置しています。
それに対し「白馬の森」は、馬が主題として大々的に描かれている点が特質すべき作品と言えます。
緑響く
「緑響く」(1982年)は、信州・八ヶ岳にある御射鹿池(みしゃかいけ)が舞台となった作品で、CMなどでも使用されたことがあります。
「白い馬シリーズ」のひとつで、緑の大自然の中に白馬を描き、自然の雄大さとその生命の尊さを感じさせる素晴らしい作品となっています。
非常にシンプルな作品でありながら、風景画の中に自らの心情を映し出す技量はまさに昭和を代表する画家の名にふさわしいものなのかもしれません。
東山魁夷作品の買取相場

東山魁夷の作品は、状態の良い版画のもので20~30万円ほどで買い取られた事例があります。
本体の状態によって買取価格が大きく異なるため、実際に査定してもらわなければ明確な買取額は分からないでしょう。
また、東山魁夷の作品には、レプリカ(複製品)が多く存在します。
レプリカであっても、有名作家が手掛けたものなど、美術的価値が認められれば買取に出せることもあるでしょう。
東山魁夷の作品をお持ちで買取相場が知りたい方、あるいはレプリカかどうか知りたい方は、プロの査定員に見てもらうことをおすすめします。
東山魁夷作品を高く売るコツ

価値がある東山魁夷作品を買取に出すのであれば、どうせなら少しでも高く売りたいですよね。
東山魁夷作品を高く売るコツを大きく分けて3つご紹介します。
・骨董専門の買取業者に売る
・付属品を揃える
・保管に気を付けておく
それでは、詳しく解説します。
骨董専門の買取業者に売る
東山魁夷作品の正しい価値は、作品や制作年代、本体の状態などの細かいポイントを評価して割り出します。
そのため、東山魁夷作品や絵画に関して熟知している人でないと、正しい価値は割り出せないとも言えます。
それらを踏まえて、東山魁夷作品を正しい価値で売りたいなら、骨董専門の買取業者がおすすめです。
なぜなら、骨董品専門の買取業者には、東山魁夷作品の専門知識や買取経験が豊富な査定員がいるからです。
プロの査定員がお持ちの東山魁夷作品を精査し、適した額で買い取ってくれるでしょう。
リサイクルショップなどで素人の査定スタッフに低く価値を見誤られるより、骨董専門の買取業者で査定を受けて満足のいく買取にすることが大切です。
付属品を揃える
東山魁夷作品を買取に出す際には、付属品を揃えておくことをおすすめします。
絵画の付属品には、証明書や鑑定書、箱などがあります。
これらの付属品が揃っているほど、骨董コレクターからの需要は高まるため、買取額も上がる傾向にあります。
家で飾るからと言って箱などを捨てたりせずに、買取時のことも考えてとっておきましょう。
また、額縁ごと不要という方は「すぐ飾りたい」という買い手のために、そのまま査定に出してみても良いかもしれませんね。
保管に気を付けておく
東山魁夷作品をはじめとする絵画は、本体の状態が綺麗なほど買取額が高くなる傾向にあります。
絵画のおすすめの保管場所は、カビ・シミなどを避けるために湿気を避け、風通しの良い場所です。
また、保管時は作品を箱や袋に入れ、縦に立てて置きましょう。
水平に重ねると、下の方の箱や箱の中の作品が変形してしまう恐れがあります。
作品を飾っている場合も、定期的にホコリを振り払うなどのお手入れを怠らないようにしましょう。
東山魁夷作品のおすすめの買取方法

実際に東山魁夷作品を買取に出す際、どのような方法があるのでしょうか。
主な買取方法について、3つご紹介します。
・出張買取
・宅配買取
・持ち込み買取
中でも、東山魁夷作品を売るなら出張買取がおすすめです。
その理由を含め、それぞれの買取方法の特徴について詳しく解説します。
出張買取
出張買取とは、査定員が利用者の自宅を訪問し、その場で査定・買取してくれる買取方法です。
利用者は、家から出ずに自宅にいながら査定を受けることができます。
絵画は、大きかったり重かったりすることが多いため、自分で持ち運ぶには手間や労力がかかります。
持ち込み買取や宅配買取などを利用した際、運んでいる途中に作品が傷付つく可能性がゼロではありません。
傷や汚れがついたら、査定評価が下がりやすいので、無事に買取店まで運べるか気を張ることになるでしょう。
出張買取であれば、作品が今ある状態から価値を下げることなく、自宅で査定が受けられます。
特に「複数の作品を売りたい」「査定に出したい作品のサイズが大きい」などという人は、出張買取の利用が好ましいでしょう。
宅配買取
宅配買取とは、買取業者から宅配キット(段ボール・緩衝材・書類等)が送られてきて、売りたい作品をそこに詰めて発送する買取方法です。
査定結果に納得できれば、査定額は銀行振込などで対応してくれ、査定員と顔を合わすことなく買取まで成立します。
「査定員を自宅へあげるのに抵抗がある」「スキマ時間で買取を済ませたい」などと考える人は、宅配買取の利用が向いているかもしれません。
持ち込み買取
持ち込み買取とは、利用者が自ら売りたい作品を持って買取店へ出向く買取方法です。
ほとんどのお店では予約の必要がなく、空いている時間に査定・買取を行えるので「気軽に早く売ってしまいたい」という人には便利かもしれません。
しかし、多くの買取店が繁華街や駅の近くにあり、郊外に住んでいる方にとっては少し不便かもしれません。
もし時間をかけて買取店まで行ったのに、査定額に納得できずキャンセルとなる場合は、その時間が勿体ないと思ってしまうでしょう。
買取業者の見極め方

「骨董専門の買取業者」とひと口に言っても、大手企業が運営するところから個人経営の子小型店舗まで、多岐にわたります。
東山魁夷作品を売るときの買取業者の見極め方についてご紹介します。
参考にしていただき、安心して買取に出せそうな業者を探してみましょう。
買取実績を公開している
買取実績を公開している骨董専門の買取業者は、公開していないところに比べて、安心して買取に出せるでしょう。
買取実績は、業者のホームページやチラシなどで確認できるでしょう。
特にお持ちの作品に近い買取実績などが公開されていたら、おおよそではありますが参考になります。
同じ作品でも本体の状態によって買取額は上下しますが、買取実績を公開している限り、そこから極端に低く買いたたくことは少ないでしょう。
査定料・キャンセル料・出張料を無料としている
骨董専門の買取業者の中には、査定料・キャンセル料・出張料などの手数料がかかるところがあります。
実際に買取業者で査定額を算出してもらわない限り、キャンセルするか買取に出すか決めかねるという人もいるでしょう。
もしキャンセルをした場合、物も売っていないのに費用がかかってしまうと損をした気分にはならないでしょうか。
そのため、査定料・キャンセル料・出張料などの手数料を無料としている買取業者であれば、心置きなく査定に出せるでしょう。
手数料については、買取業者のホームページ等で確認できます。
東山魁夷作品の買取でよくある質問

東山魁夷作品を買取に出すときには、初めてであれば尚更、疑問や悩みごとが出てくるでしょう。
よくある質問について、Q&A形式でご紹介します。
Q. 東山魁夷作品ですが、作品名が分からないのですが査定してくれるの?
A. 絵画に特化している買取業者であれば、東山魁夷作品についても熟知している査定員が在籍しているので、いつ描かれたどのような作品なのか見極めてくれるでしょう。
まずは、骨董専門の買取業者に相談してみましょう。
Q. 隅にカビが生えてしまった作品でも見てもらえる?
A. カビやシミなどが見られる作品は、査定が可能でも買取が難しくなることがあります。
しかし、有名作家ものや人気作品であれば、多少の汚れでも買い取ってくれることもありますので諦めずに買取業者へ査定依頼してみましょう。
Q. 東山魁夷作品以外にも売りたい作品がたくさんあるけど買い取ってくれる?
A. 骨董専門の買取業者であれば、東山魁夷作品以外の絵画も買取対象としているため、複数の作品の査定は歓迎されるでしょう。
あまりにも売りたい品物が多い場合は、事前に連絡を入れたり、出張買取を利用したりしましょう。
Q. 買取に出す気はなく、査定してもらいたいだけでも良いの?
A. 品物の今現在の価値を知るのは大事なことなので、査定のみでも受けてみると良いでしょう。
そういった場合は、「無料査定」や「キャンセル料無料」を謳っている買取業者を利用しましょう。