金は酸化しないはずなのに、金アクセサリーが錆びるのはなぜ?
金は酸化に強く変色しない金属といわれていて、美しさを保てることからアクセサリーの素材としても人気があります。
それにもかかわらず、金のアクセサリーを使用していると、いつのまにか錆びてしまうケースがあるのはなぜなのでしょうか。
酸化しないはずの金が錆びや変色を起こす原因、変色した際の対処法、金アクセサリーを錆びや変色から予防する方法について解説します。
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目次
金は酸化しない!錆びない理由とは
金は酸やアルカリにも強く、汗をかいたり温泉に入ったりしても変化が起こらない金属といわれています。
金はなぜ酸化もせず、錆びないのでしょうか。
金はなぜ錆びない?
金が酸化しない理由としては、耐蝕性に優れ、他の物質と反応しない安定した金属であることが挙げられます。
その安定性は、濃塩酸と濃硝酸を混合して作成する王水という特殊な溶液以外では溶けないほどです。
金が酸化しない仕組みには、金属のイオン化傾向(陽イオンへのなりやすさ)が関係します。
イオン化傾向が大きい金属ほど酸化しやすく、小さい金属ほど酸化しにくいのが特徴です。
金属は陽イオンになりやすい性質を持っていますが、そのなかでも金は最もイオン化傾向が小さい金属のため、酸化が起こりにくいといえます。
プラチナも酸化しない
金と同様に酸化しにくい金属と言われるのがプラチナです。
プラチナも酸やアルカリに強く、他の物質と反応しない安定性を持っています。
金製品・プラチナ製品には様々な純度のものがありますが、金やプラチナの純度が高ければ高いほど錆びにくく、また変色しにくくなります。
金製品の純度とは
金は美しい輝きと高い安定性からアクセサリー・ジュエリーなどの素材として人気ですが、細かい加工を施すには柔らかすぎるという特徴があります。
そこで他の金属(割り金)を混ぜて合金とすることで、アクセサリーとして加工しやすい硬さにしたり、傷がつきにくくしているのです。
また、金の含有量を下げることで価格を抑えることもできます。
その合金の質量のうち、金が占める割合のことを金の純度といいます。
金の純度は24分率で「K24(24k・24金)」「K18(18k・18金)」のように、あるいは1000分率で「999(=K24)」「750(=K18)」のように表されます。
酸化しないはずの金アクセサリーが錆びるのはなぜ?
金は酸化しない金属といわれているにもかかわらず、なぜ金のアクセサリーは変色してしまうのでしょうか。
それには、先ほどの金の純度の話が関わってきます。
つまり、金自体は非常に錆びにくいのですが、純金でない金製品には金以外の割り金が混ざっているからです。
割り金として使われる一般的な金属には銀・銅・パラジウム・ニッケル・亜鉛などがありますが、これらの金属は金に比べて空気中の酸素、汗や皮脂、洗剤や洗髪剤などの化学薬品、温泉の成分などに反応しやすいのです。
金は本来高い安定性を持っていますが、金の含有量が低い場合、混合された別の金属が他の物質と反応することで、金製品が変色を起こしてしまうことがあります。
反対に、金の含有量が高いものであれば、日常的な使用程度であれば変色することはあまりないでしょう。
金のアクセサリーが錆びてしまったときの対処法
では、お持ちの金のアクセサリーが使っているうちに変色したり、錆びが発生してしまったりしたときにはどうすれば良いでしょうか。
金のアクセサリーが錆びてしまったときに考えられる3つの対処法をご紹介します。
- レモン汁やお酢に浸す
- 貴金属専用クロスで磨く
- 重曹で洗浄する
レモン汁やお酢に浸す
酸化して錆が発生してしまった場合には、レモン汁やお酢など酸に浸す方法が効果的です。
レモン汁やお酢に含まれる酸が、割り金の錆びた部分を溶かしてくれるのです(詳しい説明は省きますが、錆びた金属が 金属イオン+水 に分解されます)。
なお、お酢を使う場合には塩を加えるとより効果が高まります。
具体的な手順は以下のとおりです。
- お酢に塩を加える、もしくはレモン汁の溶液を作る
- 容器に溶液と金のアクセサリーを入れて浸ける
- 5〜10分経過したら溶液からアクセサリーを取り出し、水でしっかりと洗う
- やわらかい布で水気をしっかり拭き取る
なお、真珠やサンゴなど、酸に弱い宝石がついている場合にはこの方法は避けてください。
貴金属専用クロスで磨く
宝石付きのアクセサリーの場合、先ほどの酸を使った方法では水分で宝石の接着成分が外れてしまったり、溶液の成分で石が悪影響を受けたりする可能性があります。
そのように酸に浸ける方法が適さない場合には、変色の発生した部分を貴金属専用のクロスで優しく磨く方法もおすすめです。
貴金属専用クロスはホームセンター等でも買うことができます。
その際、純度の高い金は柔らかいため、強く磨き過ぎると製品の表面を傷つけてしまう可能性もあるので注意しましょう。
また、宝石部分は磨かないようにしてください。
金メッキ製品は磨くことでメッキが剥がれてしまう可能性があるため、この場合にも注意が必要です。
重曹で洗浄する
金のアクセサリーが黒ずみを起こしてしまっている場合、酸化ではなく硫化が起こっている可能性も考えられます。
硫化による黒ずみは、金製品に含まれる割り金の銀が皮脂や汗に触れることで起こります。
こういった黒ずみは、掃除などによく使われる重曹を利用することで改善できます。
具体的な手順は以下のとおりです。
- アクセサリーを浸けるための容器にアルミホイルを敷く
- お湯と重曹を3対1の割合で溶いて溶液を作る
- 容器に溶液と金のアクセサリーを入れて浸けておく
また、黒ずみの中でも銀の硫化ではなく、銅の塩化によって起こっているものもあります。
これは金製品に含まれる割り金の銅に、塩素系の漂白剤が付着することが原因と言われます。
塩化による黒ずみはきれいに落とすことが難しいため、漂白剤を扱う際にはアクセサリーを外すなど、普段から注意するようにしてください。
金のアクセサリーを酸化させないための予防法
上でご紹介したような対処法もあるにはありますが、錆びや変色を完全に除去するのは難しい場合も多いです。
そこで、お持ちの金アクセサリーに錆びや変色が発生しないように、普段から気をつけて予防・お手入れしておくことが重要です。
金アクセサリーを綺麗に保つための予防法をまとめましたので、参考にしてみてください。
- 入浴時は外す
- 化粧品や香水をつけない
- 着用後にさっと拭く
- 中性洗剤で洗浄する
- 炭酸水で洗浄する
- 定期的に専門店でメンテナンスする
入浴時は外す
金製品に含まれる割り金は、水分・温泉の硫黄成分・入浴剤の成分・シャンプーに含まれる硫化ナトリウムなどに反応して、錆びや変色が発生してしまう可能性があります。
金アクセサリーは入浴前には外し、スキンケアなどのお手入れがすべて終わったあとに再び着用する習慣をつけたほうがよいでしょう。
同様に、食器洗いなどの水仕事の際にも、あらかじめ外しておくのがおすすめです。
また、プールや海なども真水ではないため、変色や錆びの原因となりやすい場所の1つです。
プールや海に入る際にも、金アクセサリーを外しておくと安心です。
金アクセサリーに化粧品や香水をつけない
化粧品や香水に含まれる成分も、割り金に反応して変色を引き起こすおそれがあります。
また、夏場を中心に使用機会が増える日焼け止めにも悪影響をおよぼす成分が含まれています。
金アクセサリーを着用する際には、化粧品や香水、日焼け止めがアクセサリーに付着しないように注意してあげましょう。
着用後にさっと拭く
金アクセサリーに付着した皮脂や汚れは、長時間放置しておくと酸化の原因になります。
そこで錆びや変色を防ぐためには、着用後にやわらかい布などでさっと拭いて、こまめに汚れを取ってあげることが重要です。
結婚指輪など着けたままにする金製品もあるかと思いますが、できればこまめに外して拭く習慣をつけましょう。
中性洗剤で洗浄する
定期的なお手入れとして、金アクセサリーを中性洗剤を使って洗浄してあげるという方法もあります。
汗や皮脂を落とす効果もあり、錆びや変色の予防に効果的です。
具体的な手順は以下の通りです。
- ぬるま湯に中性洗剤を入れて混ぜる
- この溶液に金アクセサリーを20分ほどつけ置く
- 柔らかい歯ブラシや綿棒で汚れを落とす
- 綺麗な水ですすぐ
- 水分をよく拭き取る
純度の高い金は傷がつきやすいため、歯ブラシや綿棒で汚れを落とす際には、傷がつかないように注意してください。
また、宝石がついているものは水を使ったお手入れに向かない場合もあります。
真珠やエメラルドなど、水に弱い宝石がついている場合はこの方法は避けてください。
炭酸水で洗浄する
ジュエリー専門店などでは、業務用の超音波洗浄機という専用機器でアクセサリーの洗浄を行います。
これは超音波の衝撃を用いて効果的に洗浄を行うものです。
家庭で行う場合には、炭酸水で代用することができます。
具体的な手順は以下の通りです。
- ぬるま湯に強炭酸水を加える
- そこに金アクセサリーを浸け、やわらかいブラシで磨く
やはり純度の高い金は傷がつきやすいため、磨く際には傷がつかないように、力を入れないよいに注意してください。
また、レモン汁を使った方法同様、酸に弱い宝石が付いている場合にはこの方法は避けてください。
定期的に専門店でメンテナンスする
着用方法に注意し、自宅でのお手入れを行なっていても、どうしてもケアが行き届かない場合はあります。
そのようなときは、金のアクセサリーのクリーニングやリペアサービスを提供している専門店での、定期的なメンテナンスがおすすめです。
専門店を上手に活用して、アクセサリーの美しさを保つようにしましょう。
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