金の埋蔵量はどれくらい?日本で採れる金の量は?

現在でも世界で採掘され続けている金ですが、私たち人類の歴史において、貴重な資源として重宝されてきました。
宝飾品としても使われているなど、金は私たちの生活に身近なものとして定着しています。
では現在、世界でどのくらいの金が産出されているのか、またあとどのくらい埋蔵されているかご存知でしょうか。
本記事では、金の埋蔵量や日本で採れる金の量についてご紹介します。
金の埋蔵量はあとどれくらい?
人類がこれまで世界各地で採掘してきた金の採掘総量は、およそ18万トンです。
採掘総量18万トンはオリンピック競技用プールおよそ3.8杯分におよびます。
一方、未採掘の金の埋蔵量は、およそ5万トンと考えられています。
これは、現在の年間採掘量である3,000トンを採掘し続けた場合、およそ15年後には金が枯渇してしまう計算です。
しかし埋蔵量はあくまで「採掘可能な」金を指します。
つまり、現代の技術力では採掘できない金や、採掘にかかるコストと採掘できる金量が釣り合っていないものは埋蔵量に含みません。
例えば、海水にはかなり薄い濃度の金が眠っています。
地球上すべての海水量を考えると、理論上はおよそ50億トンもの金を採掘できる計算です。
現在は採掘不可能でも、将来的に技術が進歩して採掘可能となった場合、まだ眠っている膨大な量の金が採掘されるかもしれません。
金の埋蔵量はどこの国が一番多い?

世界各国の、金の産出量と埋蔵量ランキングは以下のとおりです。
金の産出量
- 1位 中国 401トン
- 2位 オーストラリア 315トン
- 3位 ロシア 311トン
- 4位 アメリカ 226トン
- 5位 カナダ 183トン
- 6位 ペルー 143トン
- 7位 インドネシア 135トン
- 8位 ガーナ 127トン
- 9位 メキシコ、南アフリカ共和国 117トン
まず世界で最も産出されているのは中国で401トン、2番目に多いオーストラリアは315トン、3番目のロシアは311トン、4番目のアメリカは226トン、5番目のカナダは183トンと、中国がダントツで多い産出量です。
中国では年々金の産出量が増えていましたが、環境規制が強まっていることもあり、近年は少し減少傾向にあります。
南アフリカは、かつて世界の金の約70%を産出していたのが、採掘のし過ぎが影響して産出量が低下し続けています。
北アメリカ大陸もアメリカとカナダを合わせると、産出量が400トンを超えるため金の産出量が豊富です。
しかし、世界全体で見ると金の産出量は増加しており、産出技術が今後向上すればさらに増加していくことも考えられます。
金の埋蔵量
世界の金の埋蔵量をランキング形式にすると以下のとおりです。
- 1位 オーストラリア 約1万トン
- 2位 ロシア 約5,300トン
- 3位 南アフリカ 約3,200トン
- 4位 アメリカ 約3,000トン
- 5位 インドネシア 約2,600トン
- 6位 ブラジル 約2,400トン
- 7位 ペルー 約2,100トン
- 8位 中国 約2,000トン
- 9位 カナダ 約1,900トン
オーストラリア、ロシア、南アフリカ、アメリカ、インドネシアの順で埋蔵量が多いデータとなっています。
産出量2位のオーストラリアは、埋蔵量ではおよそ1万トンで1位と、金が豊富な国です。
埋蔵量2位のロシアは、産出量も世界3位を誇るため、今後も金の産出量と埋蔵量の両方で上位をキープしていくでしょう。
以降3番目に多いのが南アフリカのおよそ3,200トン、4番目はアメリカでおよそ3,000トン、5番目はインドネシアのおよそ2,600トンとなっています。
産出量が低下している南アフリカですが、埋蔵量は世界3位を誇ります。
以下、6位ブラジル、7位ペルー、8位中国、9位カナダときます。
金の産出量世界トップの中国は、埋蔵量に関しては世界8位と産出量よりも下です。
日本における金の採掘量と埋蔵量は?
ここまでは、世界各国の金産出量と埋蔵量について触れてきました。
一方、日本での採掘量と埋蔵量はどうなっているのでしょうか。
日本最大級の金山は、新潟県にある佐渡金山です。
佐渡金山は1601年に発見され、開発が進みました。
その後、約400年もの間金を掘り続けられ、採掘された金の総量はおよそ78トンにもおよぶとされています。
日本最大級の金山としていた佐渡金山ですが、鉱石の量が枯渇し1989年に閉鎖となりました。
佐渡金山と同じく金産出量が多かった最大級の金山が、北海道の鴻之舞金山です。
鴻之舞金山は1915年より鉱山として開発が始まり、1973年に閉鎖となるまでの金総産出量は64トンにもおよびます。
最盛期には、東洋一と称されたこともあるほど、豊富な金産出量を誇っていました。
鴻之舞金山が閉鎖したあと、日本ではなかなか産出量が豊富な鉱山が見つかりませんでしたが、1985年に鹿児島にある菱刈鉱山で採掘が開始されます。
菱刈鉱山は金が豊富で1985年から2013年までの、金の総産出量はおよそ200トンにもおよびます。
ちなみに菱刈金山では、鉱石1トンに含まれる金の量がおよそ20グラムです。
世界の主要な鉱山での平均がおよそ5グラムなのを考えると、かなり多いことがわかるでしょう。
日本の金の採掘量と埋蔵量
日本の金の採掘は現在、菱刈金山のみで行なわれており、現在でも毎年およそ6トン採掘されています。
昔に比べて金の採掘が活発でなくなった一方で、近年「都市鉱山」という考え方が生まれました。
都市鉱山とは、携帯電話や電子機器の基板など、さまざまな資源が含まれる工業製品を指す言葉で、1988年に南條道夫教授たちによって提唱されたリサイクル概念です。
都市鉱山に含まれる金は、日本だけで7,000トンもあるといわれており、これは世界の金埋蔵量の15%前後を占める量とされています。
現時点では、都市鉱山のリサイクルは大きな事業展開に至っていませんが、今後の技術的な進歩などを考えると、都市鉱山からの金の産出も期待できるかもしれません。
金は長期的資産としておすすめ

金は、長期的な資産として投資価値のあるものです。
金の投資には、金貨・金地金・純金積立などの現物投資から、投資信託・金先物投資などの現物を持たない投資までさまざまな種類があります。
金の投資は細かく管理しなくても運用できるため、余計な手間がかかりません。
また長期的に運用する際、買付タイミングを分散させることで、リスクを分散させることも可能です。
一時的な価格ダウンが発生しても、長期的に見れば安く買えるチャンス。
金投資の良いところは、世界どこでも換金ができるため「有事の金」と呼ばれ、インフレなど経済の混乱にも強い点です。
金は希少な存在であることから、価値が上がりやすいのも特徴。
長期的な資産として運用していくには、おすすめの投資方法です。
まとめ
古くから貴重なものとして大切にされてきた金は、残りの埋蔵量を考えると十数年後には枯渇する可能性が示唆されています。
海水に眠る金や、都市鉱山に含まれる金など、実際には現在推定されている埋蔵量よりも多くの金が眠っているものの、技術面やコスト面で採掘が難しいのが実情です。
しかし、それもいずれは採掘可能になる日が来るかもしれません。
「有事の金」と呼ばれるように、金は政治や経済の混乱があっても高い価値を持っています。
今後、金の産出量が減るとすればそれだけ希少性が上がり、金の価値も当然上がります。
また、技術の進歩などで産出量が増えたとしても、それだけ金に関わる産業は盛り上がりを見せるでしょう。
いずれにせよ、現物に価値のある金は長期的な投資に向いています。
価値ある資産を形成したいと考えている場合は、金の投資を検討してみてはいかがでしょうか。

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