金製品は磁石にくっつく?本物の金と偽物の見分け方を紹介!
貴金属の代名詞である金で作られた製品はいつの時代も人気が高く、高い価格で売買されています。
アクセサリーなどの装飾品として、あるいは安定した実物資産として、金製品を持っている人は多いでしょう。
しかし、一部では偽物の金製品が出回っており、なかには素人では区別がつかないような精巧なものもありますので注意が必要です。
金メッキ・金張りの基礎知識に加え、金製品の本物と偽物を見分ける方法についてご紹介します。
磁石を使用した方法などすぐに試せるものもありますので、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
金製品とみなされない金メッキと金張り
我々が普段目にする金製品には大きく分けて、純度がほぼ100%の純金、金と他の金属とを混合させた合金、さらに表面に金をコーティングした金メッキ・金張り製品があります。
金メッキ・金張り製品に関しては金製品とはみなされていないので、装飾品などを購入する際には注意しましょう。
では、「金メッキ」「金張り」についてそれぞれ詳しく見ていきます。
金メッキ(GP・M表記)
金メッキとは、他の金属で作ったものの表面に金の膜を付着させた製品です。
安価に金に近い輝きを楽しめるのが魅力ですが、金製品とは別物です。
金メッキ製品には通常、「K18GP」のように、「GP」という刻印が入っていることが多いです。
「K18GP」なら、「18金でメッキを施している」という意味になります。
「GP」表記は「ゴールドプレーテッド」の略で、和訳すれば「金メッキ」であることを表します。
また、他の刻印として「K18 3M」といったものも存在します。
この「〇M」はメッキの厚さを表すもので、「K18 3M」なら「18金で厚さ3mmのメッキが施してある」ということになります。
他にも珍しいものとしてはGEP(Gold Electro Plated:電気式金メッキ)という刻印もあります。
金張り(GF・GS・GR・RGP表記)
金張りとは、真鍮などの合金を芯として、総重量に対して通常5%以上の金を着圧する加工のことです。
金メッキに比べて金部分のコーティング層が厚く、耐久性が高くなっています。
刻印は「K14GF」などと入っています。
「GF」と入っているものがは「ゴールドフィルド」の略で、「金張り」を表します。
「K14GF」なら「14金で金張りをしている」という意味になります。
国内ではK14(14金)の金張り製品が多いことから、「K14GF」という刻印を見かけることも多いかもしれません。
金張りの表示としては他にも「GR」(Gold Rolled)・「GS」(Gold Shelled)・「RGP」(Rolled Gold Plate)といった刻印もあります。
金張りをする際に用いられる手法の違いによって様々な刻印がありますが、どれも金張りを指しています。
やはり金製品とは異なるものです。
偽物の金製品に注意!事例をご紹介
金メッキや金張りは金のような輝きを安価に楽しめる製品で、金製品とは別物です。
金メッキ製品・金張り製品であることが明示されているため、用途や予算に応じて使うにはメリットも大きいものと言えるでしょう。
注意したいのが、金メッキや金張りの技法を使った偽物の金製品も、一部で出回っているという点です。
ここでは、偽物の金製品にはどのようなパターンがあるかをご紹介します。
偽物の金製品を掴まされてしまうことのないように注意してください。
メッキ製品なのに「K18」など金製品の刻印が入っている
金メッキ製品には通常「K18GP」のように、金メッキを示す「GP」などの刻印が入っているというのは先述した通りです。
偽物の金製品のパターンの1つとして、「メッキ製品なのに刻印が『K18』など金製品のものになっている」というものがあります。
つまり、金メッキを表す「GP」をわざと省略し、消費者の目をごまかそうとしているのです。
実際には少量の金しか使われていないにもかかわらず、内側まで金を使った製品と見せかけて、高額な商品代金をだまし取る手口です。
部分的に金メッキの素材を使用している
金メッキを金と詐称する手口のなかには巧妙なものとして、製品の全部ではなく一部だけに金メッキの素材を使用しているものがあります。
例えば、金のジュエリーなのですが、留め金やマルカン(パーツとパーツをつなぐ輪っか状の金具)部分が金メッキになっているというような事例があります。
購入者にジュエリー全体が金であるかのように錯覚させる手口で、大部分に本物の金が使われているために見抜くのが難しくなっています。
実際には一部が金メッキであるために、全体が金である場合と比べて価値は低くなってしまいます。
純度を詐称している
これは金メッキの技術を悪用した手口とは異なりますが、金の純度を詐称するというのもよくあります。
例えば、実際には14金であるにも関わらず「K18」と18金の刻印が入れられているといったケースです。
金製品は金製品ですが、純度が違うためやはり貴金属としての価値も変わってきます。
こういった詐欺に使われるジュエリーなどの金製品・金メッキ製品を作る業者は、一流メーカーに比べて技術力が劣ります。
そのため、全体的な作りや細かな部分の加工が雑である可能性があります。
こういった偽物を掴まされることのないよう、金製品を購入する際には実物を見てから買う、信頼できるルートで買うなどするのがおすすめです。
金なら磁石にくっつかない?磁石を使った見分け方
お持ちの金製品に刻印が見当たらない、刻印が擦れて刻印がちゃんと読み取れない、あるいは刻印がどうも怪しい、といった場合もあるかと思います。
そんな時、金が本物かどうかの見分け方の1つとして、磁石を使う方法があります。
実は磁石にくっつく金属は、一般的に金属製品に使われるものの中では鉄・ニッケル・コバルトなどごく少数しかありません。
金は磁石に反応しないのです。
ここでは「金は磁石に反応しない」という性質を使って、磁石を使用して偽物を見分ける方法をご紹介します。
調べたい金製品が磁石にくっついた場合とくっつかない場合に分けて、それぞれどういうことが言えるのかを見ていきましょう。
磁石がくっつく場合
K24やK18といった刻印があるにもかかわらず磁石に反応した場合は、金メッキや金張りを悪用した偽物である可能性が高いでしょう。
金メッキの中身には、コバルトやニッケルといった磁石に反応する金属が使われるケースも多いからです。
ただし、本物の金製品であっても、ネックレスの留め金部分など一部がステンレスでできているものなどは、磁石が反応するケースもあります。
この場合、ステンレスが使われていることが明記されているなら、偽物とは言えません。
また、古い金製品の中には、割り金に(合金を作る際に金に混ぜられる金属のこと)磁石に反応する性質を持つ鉄・コバルト・ガドリニウムなどが使われているケースもあります。
そのため、「磁石が反応したから必ず金メッキだ」とは言いきれません。
磁石がくっつかない場合
金は磁石に反応しない性質を持っているため、本物の金製品であった場合には基本的に磁石に反応しません。
では、磁石に反応しなければ必ず本物の金製品かと言うと、これも言いきれません。
磁石で見分けられないように、金メッキの中身をタングステンなど磁石に反応しない素材にしている偽物もあるからです。
磁石を使う方法は、本物の金かどうかを見極める1つの目安にはなりますが、それだけで判断できるものではありません。
磁石を使った確認方法はあくまでも判断材料の1つ、参考程度であるということは覚えておきましょう。
磁石以外で本物の金かどうか見分ける方法
磁石を使った方法以外にも、本物の金かどうかを見分ける方法はいくつかあります。
- 刻印を確認する
- 色味を確認する
- 重さ(比重)を確認する
- 摩擦が多い部分に変色がないか確認する
- 表面を削ってみる
ただし、磁石を使った方法同様、これらはあくまで簡易的に判別する参考程度の方法です。
「確実に見分けられる」というものではないことは認識しておきましょう。
刻印を確認する
金製品の刻印はもっとも簡単に金製品か金メッキ製品かを確認できる方法ですので、まずチェックしたい部分です。
金製品の刻印には、使われている金の純度や製造元が示されます。
本物の金製品であれば、「K24」「K18」「750」といった刻印が見つかるでしょう。
反対に、「K24GP」や「K18GP」といった刻印があれば金メッキ製品であることが分かります。
刻印のある箇所は金塊やインゴットであれば表面に、指輪であれば内側、ネックレスであれば留め金部分、金杯であれば裏側の底部分など、ものによって異なります。
ぱっと見て分からない場合は、裏側や内側など細かな部分を調べてみてください。
色味を確認する
金製品に詳しい人であれば、色味によって金の純度をある程度見分けることができます。
たとえば純金は濃い山吹色をしていますが、K18・K14・K10と純度が低くなるにつれて明るい黄色に近づいてきます。
色味だけで偽物を確実に見分けることはできませんが、「純度に対して色味がおかしい」と感じたら、さらに詳しく調べても良いかもしれません。
重さ(比重)を確認する
金は、金属の中でも比重が大きいという特徴があります。
そのためサイズが同じでも、金で作られたものと金メッキで作られたものとでは重さが異なる場合があります。
金メッキのものは表面だけが金でコーティングされているため、全体の重量は金よりも軽くなることが多いです。
アクセサリーなどの小さいものだと重さの違いに気付きにくい可能性がありますが、仏像や盃などある程度の大きさがある場合は、手にとって重量を確認してみるとよいでしょう。
見た目より軽いと感じるものは金メッキの可能性があるかもしれません。
「手で持ってみてもわからない」という場合は、重量計を用いて確認すると、違いがわかりやすくなります。
摩擦が多い部分に変色がないか確認する
金メッキは表面に金の薄い膜を付着させているものです。
そのため、衝撃や摩擦によって小さな傷ができるとその部分の金メッキが剥がれている場合があります。
見分けたいアクセサリーなどをよく観察し、摩擦が多い部分があれば、変色がないか確認してみてください。
もし変色している場合には、メッキが剥がれて中の素材が見えている可能性があります。
ただし、本物の金製品でも「割り金が錆びて変色する」といったケースもありますから、やはり確実に見分けられる方法ではありません。
表面を削ってみる
「金メッキは摩擦によって剥がれることがある」という性質を利用し、試金石(しきんせき:金を調べるために使われる硬い鉱石)で金属の表面を削ってみる方法もあります。
メッキ製品は表面を薄く金でコーティングしているだけなので、少し削ればなかに使われている素材を確認できます。
ただし、傷が付いてしまうことと、試金石を使用して判別するのは慣れが必要なため、自分で試す方法としてはあまりおすすめできません。
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