坂倉新兵衛作品を高価買取してもらうには?高く売るポイントや実際の買取例をご紹介

坂倉新兵衛は、萩焼の制作で江戸時代初期から続く大名跡です。
萩焼の伝統的な美しさと歴代家元の創意工夫が融合した陶器は独自の魅力を放っており、茶人や骨董品コレクターから高く評価されています。
骨董品買取市場でも人気が高く、高く買取されるケースも多く見られます。
本記事では坂倉新兵衛作品の特徴や作風の解説に加え、歴代の中で高価買取されやすい坂倉新兵衛、より高く買取してもらうためのポイント、バイセルでの実際の坂倉新兵衛作品の買取例といった買取情報もご紹介します。
※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。
目次
萩焼の名門・坂倉新兵衛とは
坂倉新兵衛は、山口県長門市深川にある萩焼の窯元で、代々伝わる陶芸家の名跡です。
萩焼の起源は、1604年にまで遡ります。
この年、毛利輝元の命により、朝鮮から高麗茶碗の技術を有する陶工・李勺光と李敬の兄弟が招かれました。
毛利輝元は、関ヶ原の戦いで敗北し、領土を失った後、安芸の広島から長州の萩へ移住しました。
その際、李兄弟も同行し、萩での窯開きに貢献したことが、萩焼の始まりです。
萩焼の伝統は、以来数世代にわたり坂倉家によって受け継がれ、今日まで続いています。
坂倉新兵衛を初代とするこの家系は、萩焼の革新と伝統の両方を体現しており、長い歴史を持つ陶芸の中心として高く評価されています。
坂倉と呼ばれるようになったのは、六代の坂倉藤左衛門からです。
歴代坂倉新兵衛
坂倉新兵衛の名は江戸時代から現在まで代々受け継がれており、2024年には十六代坂倉新兵衛(正紘)が襲名しました。
坂倉新兵衛は、以下のように受け継がれていますが、「坂倉」姓になったのは六代目からです。
- 初代李勺光
- 二代山村新兵衛光政
- 三代山村平四郎光俊
- 四代山村弥兵衛光信
- 五代山村源次郎光長
- 六代坂倉藤左衛門
- 七代坂倉五郎左衛門
- 八代坂倉半平
- 九代坂倉平助
- 十代坂倉九郎衛門
- 十一代坂倉新兵衛
- 十二代坂倉新兵衛
- 十三代坂倉新兵衛
- 十四代坂倉新兵衛
- 十五代坂倉新兵衛
- 十六代坂倉新兵衛
歴代坂倉新兵衛の中で、骨董品買取市場で特に人気が高いのが十二代・十四代・十五代坂倉新兵衛です。
人気・知名度ともに高く、買取市場で活発に取引されています。
坂倉新兵衛作品の特徴
坂倉新兵衛の作品は、土の風合いを生かした素朴でありながらも、端正で気品と温かみのある柔らかな美しさが特徴です。
これは、萩焼の伝統を代々受け継ぎながら、各代の個性も融合させてきた結果生まれた作風作風であると言えるでしょう。
萩焼の伝統に則って、坂倉新兵衛窯では陶工名を刻むことは少ないですが、各代の作品にはその時代の雰囲気や技術が色濃く反映されています。
当代は「技術や文化を伝承することが窯の記録となる」と語っており、歴代の試行錯誤が伝わってきた、今の坂倉新兵衛の作風になっています。
坂倉新兵衛が制作する萩焼とは
萩焼は山口県萩市で生まれた伝統的な陶器で、ざっくりとした焼き締まりの少ない陶土を用いた優しい風合いが特徴です。
粗い土を使用することで、浸透性、保水性、保温性が高く、釉薬と土の収縮率の違いによって表面に微細なヒビ(貫入)が生じます。
このヒビから水分が浸透することで器の色合いが使い込むほどに変化し、「萩の七化け」と呼ばれる独特の味わいが生まれます。
萩焼は素朴で自然な風合いが魅力で、装飾は最小限に抑えられています。
釉薬の掛け具合や焼成時の炎による偶然の効果が、個性的な風合いを生み出しているのです。
色彩としても、枇杷(びわ)色・灰青色・白色など、土の色を生かした自然なものが主流となっています。
また、茶碗の高台の一部を切り取った「切り高台」は、萩焼の特徴の一つとして知られています。
バイセルでの坂倉新兵衛作品の買取実績
坂倉新兵衛の萩焼は骨董品買取市場でも高い評価を得ており、高い価格で取引されることもあります。
特に、人気の高い十二代・十四代・十五代などの作品は買取市場でも需要が高く、保存状態の良いものであれば、高く買取されやすいでしょう。
バイセルでは、日本全国を対象に坂倉新兵衛をはじめとした陶磁器・骨董品の買取を行っており、買取実績も豊富にございます。
以下の表は、バイセルにおける坂倉新兵衛作品の実際の買取例です。
買取日 | 買取地域 | 買取商品 | 買取価格 |
---|---|---|---|
2024/02/06 | 福岡県大川市 | 陶器/など | 22,500円 |
2024/02/16 | 香川県仲多度郡 | 陶器/など | 15,000円 |
2024/02/19 | 東京都大田区 | 陶器/など | 26,000円 |
2024/06/04 | 東京都文京区 | 陶器/など | 350,000円 |
2024/06/04 | 東京都文京区 | 陶器/など | 150,000円 |
※上記買取実績はあくまで一例です。状態によっては、ご希望の金額に添えないものや、お値段が付かないものもございますのであらかじめご了承下さい。
実際の買取価格は作品の保存状態などの諸条件によっても変動します。
お持ちの坂倉新兵衛の具体的な価値については、バイセルの無料査定でお確かめください。
歴代坂倉新兵衛の中で高価買取されやすいのは?
坂倉新兵衛の作品には、代々の当主が受け継いできた伝統と熟練の技術が注ぎ込まれた価値の高いものが多いです。
その中でも特に骨董品買取市場で人気が高いのが、
- 十二代坂倉新兵衛
- 十四代坂倉新兵衛
- 十五代坂倉新兵衛
の3人です。
各代の作品の特徴や代表作、高く買取されやすい理由などについてご紹介します。
十二代坂倉新兵衛
十二代坂倉新兵衛(1881-1960)は、萩焼の歴史において「中興の祖」と称される重要な人物です。
明治時代に入ったことで藩の庇護を失った萩焼を復興させるべく、同じく萩焼の有名作家である十代三輪休雪らとともに尽力しました。
十二代坂倉新兵衛は茶道の表千家十二代惺斎宗左・十三代即中斎宗左に師事するなど、茶道との結びつきを非常に強く持ちました。
その結果、茶陶としての萩焼のブランドイメージを確立したのは大きな功績です。
十二代坂倉新兵衛の作品には、裏千家十四代家元・淡々斎宗匠の書付があるものも確認されています。
このような功績により、1956年には山口県指定無形文化財の指定を受け、1957年国の選択無形文化財保持者に認定されています。
十二代坂倉新兵衛の作品は、茶道の精神に合う温和で品のある作風が特徴です。
萩焼の伝統的な土味を生かし、琵琶色萩など萩焼特有の美しい発色が見られます。
その功績から茶人や骨董品コレクターからの人気が高いため、骨董品買取市場でも高く買取されやすくなっています。
十二代坂倉新兵衛の代表作としては、「萩焼茶碗 即中斎宗匠 銘『せせらぎ』」「萩井戸茶碗」などがあります。
十四代坂倉新兵衛
十四代坂倉新兵衛(1917-1975)は、父である十二代坂倉新兵衛と同じく、茶道具の制作で多くの茶人から愛された陶芸家です。
戦後の復興期において、萩焼の伝統を継承しつつ、その技術と芸術性を現代に適合させ、多くの人々に愛される作品を生み出しました。
日本現代陶芸展や日本伝統工芸展での入選歴のほか、1972年には山口県指定無形文化財保持者に認定されています。
十四代坂倉新兵衛の作品として特徴的なのは、萩焼の伝統的な技法を守りながらも、端正で温かみのある柔らかな美しさを持つ茶陶「新兵衛茶陶」です。
萩焼特有の土の風合いを活かし、釉薬の味わいを引き出しています。
その確かな技術と独自の美学により多くの茶人や骨董品コレクターから支持され、骨董品買取市場でも高く買取されやすくなっています。
十四代坂倉新兵衛は茶碗・水指・茶入などに秀作が多く、代表作としては「萩茶碗『初霜』」「萩茶碗『山路』」「萩喰籠」「萩トジメ水指」などがあります。
十五代坂倉新兵衛
十五代坂倉新兵衛(1949-)は、萩焼の長い歴史の中で培われた技術と精神を受け継ぎながら現代の感覚を取り入れ、萩焼の新たな可能性を切り開いてきた重要な陶芸家です。
その功績は高く評価されており、2013年には山口県指定無形文化財萩焼保持者に認定され、2019年には旭日双光章を受章しています。
現在は十六代に家督を譲り、「一渓(いっけい)」の名で作陶を続けています。
十五代坂倉新兵衛は、使いやすい萩茶碗や優れた造形感覚を持つ花器など、実用性と美しさを兼ね備えた作品が特徴です。
萩焼の特徴である「土味」を大切にした自然な色合いの作品、特に「枇杷色」のやわらかな釉調と端正な造形は高く評価されています。
そこに象嵌などの加飾技法も取り入れ、萩焼に新たな表情を与えたと言えるでしょう。
このような十五代坂倉新兵衛独自の美的感覚は骨董品買取市場でも高く評価されており、高く買取されやすい陶芸作家の1人となっています。
十五代坂倉新兵衛も十二代・十四代と同様に茶陶を中心に制作しており、代表作には「灰被花器『朝顔』」「白釉流し水指」などがあります。
坂倉新兵衛作品をより高く買取してもらうためのポイント
坂倉新兵衛作品には価値の高いものも多いですから、せっかく売るなら少しでも高く買取してもらいたいですよね。
では、坂倉新兵衛作品をより高く買取してもらうためにはどのような点に注意すれば良いでしょうか。
代表的なポイントとして、以下の3点をご紹介します。
- 入手経路などの来歴を明確にしておく
- 綺麗な状態で保存しておく
- 共箱などの付属品を揃えておく
入手経路などの来歴を明確にしておく
坂倉新兵衛の萩焼など価値ある骨董品の査定では、買取市場における作品の信頼性のために「どこで手に入れたか」「いつ購入したか」「誰から譲り受けたか」など購入に至るまでの背景が確認されます。
例えば「業界で信頼されている専門店で購入した」「著名な茶人が所有していた」などの来歴は、作品の価値を判断するうえでも重要な情報になります。
そして、その来歴を証明する書類等があればさらに信憑性が増し、買取市場における信用度が増すことでより高く売れるかもしれません。
入手した経路や時期、過去に所有していた著名人といった記録がある場合には、処分せずに大切に保管しておきましょう。
綺麗な状態で保存しておく
坂倉新兵衛の萩焼など、陶磁器の買取で必ずチェックされるポイントが「保存状態」です。
保存状態の良いもの(制作当時の状態をなるべく保っているもの)は、買取価格が高くなりやすいでしょう。
特に坂倉新兵衛は長い歴史のある名跡ですから、古い時代のもので保存状態の良いものには高い希少性が認められ、買取市場でも高い需要がつく可能性があります。
一方で、割れ・欠け・ヒビ・修繕した跡などがあるなど保存状態が良くないと、その分だけ価値は下がってしまうでしょう。
ヒビや割れの原因となるような大きな衝撃を与えないように、保管時には必ず箱に入れておくなど、普段から丁寧に扱うようにしましょう。
また、陶器は土という素材の性質上水分を吸い込みやすく、そのまま放置しているとカビが発生してしまう可能性もあります。
水分や汚れが付着した場合にはすぐに拭き取り、風通しが良くて湿気が溜まりにくい場所に保管すると良いでしょう。
共箱などの付属品を揃えておく
坂倉新兵衛などの有名作家が手掛けた、骨董的価値のある陶磁器は通常、共箱と呼ばれる木の箱に入った状態で世に出されます。
この共箱には、蓋の裏などに墨書き(作者のサイン)が入れられていることがあり、価値を証明できるため買取市場での信頼性が高まります。
これによって買取市場での需要が増し、より高く買取される可能性があるでしょう。
また、坂倉新兵衛作品の場合には、共箱の蓋の裏などに表千家・裏千家の家元といった有名茶人の書付が入っている場合があり、これも同様に買取市場での信頼性を高める効果があります。
鑑定書や保証書といった書類も同様で、付いていることでより高く買取してもらえる場合があります。
共箱や鑑定書といった付属品がある場合には、作品本体と一緒に大切に保管しておきましょう。
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