中国骨董品の代表的な種類8選!価値が高い理由や本物の見分け方を解説

「中国骨董品にはどんな種類があるの?」
「中国骨董品の高価買取のポイントを知りたい」
このような疑問をお持ちではないでしょうか。
中国骨董品には陶磁器や絵画などさまざまな種類があり、中国ならではの理由で高く売れるものも多く存在します。
本記事では、中国骨董品の種類、買取相場、中国骨董品の価値が高い理由、本物と贋物を見分けるためのポイント、高価買取されやすい中国骨董品の特徴などについて解説します。
中国骨董品の買取をご検討中の方は、ぜひご一読ください。
※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。
目次
中国骨董品とは?代表的な種類8選
中国の骨董品には、陶磁器・絵画・掛け軸・書画・文房四宝など非常に多くの種類があります。
中国骨董の歴史は古く、約6000年前には祭祀(さいし)で使うために青銅器が制作され、それがいま「中国骨董」と呼ばれるものの始まりといわれています。
美術品から実用品までさまざまなものが存在する中国骨董の中でも、ここでは代表的な8種類をご紹介します。
- 陶磁器
- 絵画
- 掛け軸・書画
- 青銅器
- 文房四宝
- 緞通
- 玉器
- 堆朱
陶磁器
陶磁器は中国骨董品の中でも深い歴史があり、起源は10,000年以上前の新石器時代までさかのぼります。
新石器時代は彩陶文化と呼ばれており、赤っぽい陶器の素地を磨いて酸化マンガンや代赭石(たいしゃせき)で焼いた「彩文土器(さいもんどき)」などが作られていました。
その後も時代に合わせてさまざまな陶磁器が制作され、「青磁(せいじ)」や「白磁(はくじ)」など現在も中国骨董として残る以下のような陶磁器として発展してきました。
青磁
青磁は、青磁釉(せいじゆう)を施した磁器で、淡い青色や緑色に発色したものです。
紀元前14世紀頃にはじまったとされています。
碧玉(へきぎょく)や翡翠(ひすい)に似ていることから、知識人や上流階級の貴族から愛されてきました。
白磁
白磁は、白素地に無色の釉薬(ゆうやく)をかけた磁器のことです。
日本の有田焼などにもつながる焼き物で、透明感のある乳白色と美しい光沢、なめらかな手触りが特徴です。
雪に例えられる白さは、やはり貴族たちを中心に愛されてきました。
景徳鎮
景徳鎮(けいとくちん)とは、江西省東北部の景徳鎮市で作られた陶磁器のことです。
景徳鎮市は2000年以上前の漢の時代から磁器作りの町として栄えており、中国における陶磁器の有名産地となっています。
白の粘土で作られた磁器とコバルトによる精密な装飾は歴代の皇帝をも魅了したと言われ、「中国陶磁器の代表」という地位を確立しています。
唐三彩
唐三彩(とうさんさい)とは中国の唐代(7~10世紀初頭)に作られた陶器で、緑・褐色・白色の3色(三彩)や藍色などの色彩が特徴です。
陶器に白か透明の釉薬をかけて緑や褐色の鉛釉を加えて低温で焼くと、3つの色味が混ざり合い独特の色合いを生み出します。
優れた造形技術も特徴で、人物や動物などが生き生きと表現されているものもあります。
染付
染付(そめつけ)とは、白色の土で成形した素地の上に酸化コバルトを主とした絵の具で模様を絵付けし、その上に透明の釉薬をかけて高温焼成した陶磁器です。
この絵の具は日本では呉須(ごす)と呼ばれ、伊万里焼などでも使用されています。
染付は中国国外の陶磁器にも広く影響を与えており、たとえばデンマークの有名食器メーカー・ロイヤルコペンハーゲンの製品は、染付磁器の1種です。
朱泥
朱泥(しゅでい)とは、鉄分の多い土を使って作った赤褐色の無釉の陶器です。
急須や湯飲みなどの煎茶道具に多く用いられ、中国では江蘇省宜興窯で生産されています。
朱泥は日本でも、常滑焼の急須などとしてお馴染みです。
そのほか、中国陶磁器の詳細や買取情報について詳しくは以下の記事をご参照ください。
絵画
中国骨董における絵画には、以下のような種類があります。
- 山水画
- 彩色画
- 人物画
- 花鳥画
- 水墨画
この中でも墨一色で濃淡を表現する水墨画はアジアならではのものとして世界的に高い評価を受けています。
有名作家の作品などを中心に、骨董品買取市場で高く買取されるものも数多くあります。
絵画は作者によって価値が大きく異なるのが特徴です。
買取市場で特に人気の高い画家としては、以下のような人物が挙げられます。
- 顧愷之
- 白雪石
- 董寿平
- 呉鎮作
- 呉道子
- 呉昌碩
- 斉白石
- 黄秋園
掛け軸・書画
掛け軸とは、仏間・応接室などに飾る絵や文字を記した巻物です。
特に中国掛け軸の歴史は古く、仏教の礼拝用として1000年以上前から制作されていました。
一方の書画とは、文章(文字)と絵が一つにまとめられた作品です。
中国では古くから「書画同源」という考え方があり、詩と絵画がセットで書かれてきました。
そのため、中国骨董における掛け軸には書画作品が非常に多くあります。
中国掛け軸は、絵のジャンルによって以下のように分類できます。
- 山水画
- 神仏画
- 花鳥画
- 水墨画
- 美人画
- 風景画
- 静物画
中でも山水画や花鳥画などは、骨董品買取市場で高い人気があります。
特に人気作者が手掛けた掛け軸はコレクター需要が高く、高値で取引されやすい傾向です。
青銅器
青銅器とは、銅と錫(すず)や鉛の合金で作られる置物や食器などの骨董品です。
ブロンズ像の「ブロンズ」とは青銅のことです。
中国における青銅器の歴史は古く、約3000年前の殷(いん)や周などの古代王朝で活発に制作されていました。
神々をもてなすための特別な器とされ、複雑なデザインと機能性の高さが特徴です。
青銅器は歴史が非常に古いため、制作年代の古いものでは作者不明のケースも多いです。
しかし、殷王朝後期の首都・殷墟からは、「殷璽(いんじ)」という印章が発見されているなど、印章や何かしらのサインが掘られていることもあります。
文房四宝
文房四宝とは「書道で使う4つの道具」のことで、具体的には以下の4種類の道具を指します。
- 筆
- 墨
- 紙
- 硯(すずり)
どれも書道で使用する道具で、水墨画や掛け軸の制作にも欠かせません。
文房四宝は偉大な芸術を生み出すアイテムとして注目度の高い骨董品であり、骨董品買取市場でも状態が良ければ高値で取引される場合があります。
特に硯は劣化しにくいため、買取市場で人気の高い骨董品です。
他の道具は、発色や素材の良さなどによって価値が変動しやすいです。
緞通
緞通(だんつう)とは、手織りの絨毯のことです。
中国で作られる「中国緞通」は、大きな花柄模様と両端に房が取り付けられています。
素材はウールやシルクで厚みがあり、しっとりふんわりした肌触りが魅力です。
また、柄を浮き彫りさせる「カービング」という技法を用いており、そのデザイン性の高さでも人気を集めています。
緞通は約2300年以上前、秦漢時代の王宮で使用されたのが始まりです。
明朝時代以降の1600年〜1800年ごろに生産されたものは、高値で取引される傾向にあります。
玉器
玉器(ぎょくき)とは、ネフライト(軟玉)や翡翠などの石を素材として彫刻や研磨によって作られた飾り・置物などの工芸品のことです。
主に王家や貴族たちの間で使用されており、権威を表す象徴やお守り的な役割を持っていました。
ネフライトや翡翠は比較的柔らかく加工がしやすいため、削り方によってさまざまな形の玉器が存在します。
色味としては原料の色がそのまま出るため、ネフライトや翡翠の淡い緑色の美しさが魅力となっています。
堆朱
「堆朱(ついしゅ)」とは漆器の1種で、朱漆を塗り重ねた層に文様を彫刻し、朱色のレリーフ状にしたものを指します。
中国では南宋時代(1127-1279)から本格的に制作されるようになった伝統的な技法と言えます。
堆朱の魅力としてはやはり、目を惹く鮮やかな朱色が挙げられます。
また、堆朱は時間とともに漆が馴染んでいくため、使い始めとある程度使用した後とで色合いが変化する点も魅力です。
このような経年変化も、骨董品として買取市場で人気となっている要因の1つでしょう。
中国骨董品の買取相場はどのくらい?
買取市場でも人気の高いものが多い中国骨董品ですが、買取相場はどれくらいになるでしょうか。
中国骨董の買取相場は、骨董品の種類のほか、手掛けた作家の人気・知名度、制作年代、作品の保存状態、付属品の有無などによっても異なります。
そのため、作品ひとつひとつで買取価格には大きな幅があり、一概に「中国骨董品の買取相場は〇〇円」とは言えません。
以下のページでは、中国骨董の一部ではありますが、特に人気の高い中国骨董品の買取相場を記載しています。
ぜひ参考にしてみてください。
中国骨董品の価値が高い理由
中国骨董は、骨董品買取市場の中でも特に高い価値のつくものが多いジャンルとなっています。
その理由として、以下の2点が挙げられます。
・中国文化財の国外持ち出しが禁止されているから
・中国富裕層による投資目的での需要が増加しているから
中国では2007年から、「1911年以前に作られた中国骨董品の海外持ち出しを禁止する」というルールが施行されています。
また併せて、歴史的・芸術的・科学的価値のある文化財で1949年以前のものが、少数民族の代表的な文化財で1966年以前のものが海外持ち出しが禁止されています。
これによって、中国国外に流通する中国骨董品の数自体が少なくなっており、希少価値が高くなっています。
さらに、それによって中国骨董品の価値が世界的に高くなったことから、中国富裕層による中国骨董品の買い占めが起こりました。
もともと少ないうえに中国富裕層の需要が増したことで、買取市場での価値が高くなっているのです。
中国骨董品は贋物に注意
上記のように中国骨董品の価値が高くなっていることから、残念ながら贋物も多く出回ってしまっています。
中国骨董品を購入する際には贋物に注意し、信頼できるルートから入手する、鑑定書のあるものを購入するなどの対策をしましょう。
中国骨董で本物と贋物を見分けるためのポイント
中国骨董品には残念ながら本物に似せた贋物も多く存在し、当然ながら贋物には高い価値がつくことはありません。
本物と贋物を見分けるのはプロでなければなかなか難しいのですが、ここでは参考として、中国骨董品が本物かどうかを見分けるためのポイントを3つご紹介します。
- 落款があるかどうか
- 制作年代に合致した作り方・形かどうか
- 素材が本物かどうか
落款があるかどうか
落款(らっかん)とは、作者が自分の作品に入れるサインや印のことです。
落款は「有名作家の作品である」という証拠になりますので、本物かどうかを見極めるのに重要なポイントです。
そのため落款が確認できることで買取市場も信頼性が増し、より高く買取される可能性があります。
落款は、たとえば絵画では絵の裏面、陶磁器では共箱と呼ばれる木箱に落款があるケースも多いです。
また中国掛け軸に特徴的なケースでは、図柄の中に隠し落款を忍ばせている場合もあります。
ただし、中には本物そっくりに落款が施されている贋物もありますので注意が必要です。
制作年代に合致した作り方・形かどうか
骨董品の種類それぞれで、制作年代ごとに当時のトレンドを反映したデザイン・素材などの特徴があります。
そのため、制作年代と作り方が一致していない場合には、本物かどうか慎重に判断しなければなりません。
骨董品の制作年代は、本体あるいは箱などの付属品に記載されているケースが多いです。
一度お手持ちの骨董品の制作年代をチェックし、時代にあった作り方や形かどうかを確認しましょう。
ただし、「該当する制作年代に流行った作り方ではない」としても、イコール贋物というわけではありません。
同様に、当時の作り方を再現した贋物もあるかもしれませんので注意してください。
素材が本物かどうか
骨董品の贋物は、「本物と見せかけて高く売って儲ける」ことを目的としているため、本物よりもチープな素材で作られている可能性が高いです。
主に高値がつく骨董品の素材としては、以下が挙げられます。
- 象牙
- 珊瑚
- 翡翠 など
一例として、象牙の贋作にはレジンや石などを混ぜた練物を使用していることがあり、本物と比べて質感・艶感が異なります。
また、珊瑚や翡翠の贋作にはガラスやプラスチックが用いられることがあり、本物と比べて内包物が全くなかったり反対に気泡が多すぎるという特徴があります。
ただし、中には本物の素材そっくりに作られた贋物も存在するため、注意が必要です。
ここまで中国骨董品の本物と贋物を見分けるためのポイントをご紹介してきましたが、実際にはプロの鑑定士でもない限り正確に見分けるのは困難です。
お持ちの中国骨董品が本物かどうか、どれくらいの価値があるかを知りたい場合には、バイセルの無料査定で価値をお確かめください。
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お申し込みフォームへ高価買取されやすい中国骨董品の4つの特徴
買取市場で高い価格がつくケースも多い中国骨董品ですが、具体的にはどんな場合に高価買取されやすいのでしょうか。
中国骨董品の査定では、以下のようなポイントを満たしていると買取価格が高くなりやすいと言えます。
- 保存状態が良い
- 制作年代が古い
- 有名作家の作品である
- あるべき付属品がきちんと揃っている
それぞれ詳しく見ていきましょう。
保存状態が良い
骨董品は古い時代に作られたものも多いため、ある程度の経年劣化は仕方ない部分があります。
しかし、それゆえに、古いのに保存状態の良い骨董品には希少価値が生まれ、高価買取してもらえる可能性が高くなるのです。
そのため、骨董品を高く売るためには日頃の保管方法が重要になってきます。
たとえば陶磁器なら傷がつかないように箱に入れて保管する、絵画や掛け軸なら日焼けやカビが発生しないように暗くて風通しの良い場所で保管するなど、状態を保つ工夫をしてあげましょう。
制作年代が古い
先述したように、中国では古い年代に作られた中国骨董品の国外持ち出しが禁止されています。
ただでさえ制作年代の古い骨董品は現存数が少ないことも多い上に、このルールの影響で、制作年代の古い中国骨董品は非常に希少性が高くなっています。
そのため骨董品買取市場でも高い価値がつきやすくなっているのです。
特に、制作年代の古い中国骨董品で保存状態が良い場合には、高価買取の可能性も高まるでしょう。
有名作家の作品である
中国のものに限った話ではありませんが、骨董品買取市場では作者が有名作家・人気作家であるほど高く買取されやすい傾向があります。
たとえば、絵画のところで名前を挙げた顧愷之・白雪石・呉昌碩・斉白石といった有名作家の作品であれば、買取価格は高くなるものが多いでしょう。
落款や箱書きなど作者の裏付けとなるものがあれば、査定の際に忘れず提示するようにしましょう。
あるべき付属品がきちんと揃っている
骨董品を購入すると作品本体のほかに、共箱や鑑定書などの付属品がついていることがあります。
鑑定書は作品の作品の価値を証明してくれる重要書類ですし、共箱にも作者のサインや印が入っていることが多いため、有名作家の作品であることを証明するのに重要な役割を果たします。
こういった付属品が揃っていることで買取市場での信頼性が増し、高く売れる可能性があるでしょう。
骨董品の購入時についてきた付属品は捨てずに保管しておき、買取の際は作品本体と一緒に査定に出すのがおすすめです。
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