
特有の光沢が美しい銀食器は、贈答品やコレクションとして根強い人気があります。
ご家族がかつて集めていた、贈答品や記念品として貰ったなどの理由で、自宅等に使っていない銀食器をお持ちの人も多いのではないでしょうか。
不要となった銀食器をお持ちの場合は、買取に出すよう検討することをおすすめします。
銀食器の買取金額の決まり方やブランド銀食器の買取相場、銀食器をより高く買取してもらうための注意点についてご紹介します。
銀食器の歴史と価値

銀は古来から人類と深い関わりのある貴金属であり、食器のほかに宝飾品や貨幣、電線や電池といった電気工学の分野など、幅広く利用されています。
銀と銀食器の歴史、および銀食器の価値についてご紹介します。
銀と銀食器の歴史
銀の歴史は古く、世界遺産としても有名なトルコのカッパドキアからは、紀元前4000年頃に作られたと思われる粒状の銀が出土しています。
また、銀製宝飾品の歴史は紀元前3000年頃、銀食器の歴史は紀元前200年頃より始まったと言います。
精製技術が十分でなかった中世以前、銀は金に比べて精製に高い技術が必要だったため生産量が少なく、金よりも高価な存在でした。
銀があまりに希少であったことから、金に銀メッキを施すことさえあったと言います。
従って中世ヨーロッパの銀食器も非常に高価なものであり、実際に使うことができたのは王侯貴族に限られたようです。
銀食器の価値
近代以降は精製技術の向上もあって銀の価値は下がりましたが、それでも銀食器には高い価値が認められるものが多いです。
銀食器は骨董品やアンティークとしてコレクション目的の高い需要があるほか、素材である銀自体にも価値があります。
銀は宝飾品等に使われる貴金属であることに加え、工業製品などに使われる実用的な金属としても幅広く用いられます。
様々な分野から需要が高い素材である銀を使った銀食器は、買取市場においても値崩れしにくい商材であると言えるでしょう。
銀食器の種類
銀食器の種類は幅広く、日常生活にも密接しています。
銀食器の主な種類は、以下の通りです。
・プレート
・グラス
・カトラリー
・ポット
・クリーマー
・ボンボニエール
大きく括ると上記の種類が主ですが、グラスでもワイングラスやコップ、カトラリーでもスプーンやナイフ、フォークなどと細かく分けると多くの種類があります。
お持ちの銀食器の種類が買取対象になるかどうかお悩みの場合は、買取業者に直接問い合わせてみましょう。
銀食器とステンレス食器の違い
銀食器と似たもので、ステンレス食器があります。
一見すると違いが判らない2つですが、価値は銀食器の方が高いとされています。
ステンレス食器は非常に錆びにくく強度がありますが、銀に比べると黒っぽく見えます。
一方、銀食器は変色することはありますが、純銀であれば剥げることはなく優しい光沢を放ちます。
ステンレス食器は1本数百円と安価で入手しやすいため、高い買取額はさほど期待できないでしょう。
銀食器の買取相場はどのように決まる?

買取市場における銀食器の買取相場はどのような要素で決まるのでしょうか。
アンティークの銀食器なら、歴史的価値・骨董品としての需要などが買取相場に大きな影響を与えます。
ブランドものの銀食器の場合には、特にブランドの人気の高さが重要になってくるでしょう。
そして、すべての銀食器について、買取相場に大きく関わるのが素材である銀自体の相場です。
「食器」という見方をしていると忘れがちですが、やはり銀食器の買取においては、銀自体の価値の変動は無視できません。
銀の価格は宝飾品としての需要、工業製品としての需要の増減などによって日々変化します。
銀相場の変動によって銀食器の買取価格も変化することがありますから、銀食器の買取を考える際には銀相場の変動にも注目しておきましょう。
有名な銀食器のブランド
前述した通り、どのブランドの銀食器かによっても買取額に大きく影響が出ます。
有名な銀食器のブランドをいくつかご紹介します。
・マッピン&ウェッブ
・エルキューイ
・ジョージジェンセン
・上田銀器工芸
・早川器物
中でもフランス王室御用達と認められた「クリストフル」は、世界中で愛される銀食器ブランドです。
流行りがあるブランドものでも、「唯一の品質、それは最高の品質」をモットーに世界中の人々を魅了しているクリストフルの銀食器は、今後も一流ブランドとして愛され続けるでしょう。
刻印で見る銀の純度
銀食器をはじめとする銀製品には、ホールマークという刻印が入っています。
時代や製造国によって様々ですが、刻印を調べることで銀の純度などが分かります。
絵柄のマークもありますが、一番分かりやすいのは「純度100%」は「1000」、「純度95%」は「950」と1000分率の数字で表しているものです。
銀の純度が高いほど買取相場も高くなるので、チェックしておきたいポイントです。
ただし、純度の高い銀は柔らかすぎるため、銀食器には「スターリングシルバー」と呼ばれる純度92.5%の銀合金が用いられることが多いです。
ブランド銀食器の買取相場はどれくらい?

銀食器の買取価格は、アンティークかどうか、または銀の含有量などによって大きな差が出てきます。
ここでは、買取市場で比較的取引量の多いブランドの銀食器について、おおよその買取相場をご紹介します。
ブランドの人気によっても買取相場は異なってきますが、例えばフランスの人気ブランド・クリストフルの銀食器であれば、10万円前後の買取価格がつくこともあるでしょう。
ただし、これは保存状態が良い、ブランドの中でもっとも人気がある、セット内容が揃っているなどの条件が整った場合に限ります。
実際の買取場面とは異なる場合もありますので、あくまで参考程度と考えてください。
銀食器をより高く買取してもらうためのポイント

高い価値が認められることも多い銀食器ですが、少しでも高く買取してもらうためにはどのような点に注意すれば良いでしょうか。
銀食器を高く買取してもらうために知っておきたいポイントを3つに分けてご紹介します。
・セットの銀食器はセット内容をすべて揃えておく
・付属品も一緒に査定に出す
・慎重な手入れで保存状態を保つ
・相見積もりを取る
それでは、詳しく説明します。
セットの銀食器はセット内容をすべて揃えておく
贈答品や記念品などとして、銀食器のセットを受け取る機会があった人もいらっしゃるでしょう。
そのようなセットの銀食器を買取に出す際には、セット内容をすべて揃えておくことでより高い買取価格がつくことがあります。
なぜならセットの銀食器は、セット内容がすべて揃っているものの方が需要が高く、買取業者としても再販がしやすいためです。
特にブランド品の場合は、買取額へ顕著にあらわれやすいです。
セットの銀食器は、中の食器だけでなくセット内容を収納できる箱も大切に保管しておき、買取の際にはセット内容をすべて揃えて査定に出すようにしましょう。
付属品も一緒に査定に出す
ブランドものの銀食器では、正規店で購入すると、セット品でなくとも箱が付属してくることが多いです。
この場合にも、箱を銀食器と一緒に査定に出すことで、より高い買取価格がつく可能性があります。
またブランドによっては新品購入時に、代表者や工房長の署名が入った鑑定書が付いていたり、銀食器本体にブランドのマークやシリアル番号が刻印されている場合もあります。
これらは本物のブランド銀食器であることを証明する助けとなりますので、査定の際には忘れずに提示するようにしましょう。
慎重な手入れで保存状態を保つ
銀食器の買取価格を大きく左右するのが、保存状態です。
価値ある銀食器でも傷がついていたり、装飾などに欠けがあったりすると、買取価格は下がってしまうことが多いでしょう。
また、銀食器は空気や人間の皮膚に触れることで、化学変化を起こして黒く変色してしまう場合があります。
銀食器が黒ずんだまま買取に出すと、場合によっては買取価格が減額されてしまうかもしれません。
銀を磨くクロスや黒ずみが落ちる専用クリームなども販売されていますので、そういったアイテムで手入れすることも検討してみましょう。
手入れの際は銀食器を傷つけないよう、慎重に行うようにしてください。
ただし、元々が高価な銀食器でなかった場合、買取価格の上昇分よりも手入れ費用の方が高くついてしまう可能性もあります。
そのあたりを考慮し、買取価格の上昇幅が大きそうな場合に、お手入れアイテムを賢く利用するようにしましょう。
相見積もりを取る
銀食器を買取に出すときは、2~3箇所以上の買取業者に査定の申し込みをして、相見積もりを取るのがおすすめです。
実際に複数の業者に査定をしてもらうことで、対応の仕方や査定額を比べることができます。
査定してもらった中で、最も高い買取額を提示してくれたところに買取を出せば、お持ちの銀食器を少しでも高く売ることができるでしょう。
また、相見積もりを取る場合は、最終的に最高額以外の業者を断ることになるので査定料・キャンセル料を無料としているところに査定依頼するとほぼ余計な費用がかかりません。
銀食器の買取でよくある質問

銀食器の買取サービスを初めて利用するときには、分かりにくいことや疑問点が出てくることも珍しくありません。
ここでは、銀食器の買取でよくある質問をご紹介し、解説します。
どんな買取業者を選べば良い?
銀食器の買取に対応している業者は、総合リサイクルショップ・骨董品専門の買取業者・ブランド食器専門の買取業者・貴金属専門の買取業者など様々あります。
その中から実際に利用する買取業者を選ぶ際には、お持ちの銀食器に合った専門性を持っているかどうかに注目してあげると良いでしょう。
歴史的価値の高い銀食器であれば骨董品専門の買取業者、人気ブランドの銀食器ならブランド食器専門の買取業者、素材である銀自体の価値を生かしたいなら貴金属専門の買取業者といった具合です。
リサイクルショップは最も身近に利用できる買取店ではありますが、銀食器に対する専門性を持っている可能性が低く、銀食器本来の価値を見極めてもらえない可能性があるため、おすすめできません。
銀メッキの食器も買取してもらえる?
銀食器の中には、大きく分けて純銀製の食器と銀メッキの食器とがあります。
やはり純銀製のものの方が、銀の貴金属としての価値も見込まれるため、買取価格は高くなりやすいです。
ただし、銀メッキだからと言って買取してもらえないというわけではありません。
貴金属としての銀の価値は認められませんが、ブランドものなどの場合には、銀メッキの食器にも高い価値が付く場合もあります。
銀メッキだから高い買取価格はつかないと諦めてしまわず、まずは試しにブランド食器専門の買取業者に査定を依頼してみましょう。
折れたシルバーカトラリーなども買取してもらえる?
シルバーカトラリーなどの銀食器で、折れてしまっている場合には買取してもらえるのか不安になってしまうかもしれません。
もちろん、保存状態が良い場合に比べれば食器としての価値は下がってしまうでしょう。
しかしながら、銀の貴金属としての価値に絞って考えるならば、極端なことを言えば変形していようが折れていようが影響はありません。
貴金属として買取される場合には、次の用途に合わせて溶かして成形し直すことが予想されますから、食器としての形をとどめている必要はないのです。
その意味で、折れたシルバーカトラリーなどを買取に出すなら、貴金属の買取に強い買取業者を選ぶと良いかもしれません。
セット内容が揃っていないけど査定してもらえる?
セット内容に欠品があったとしても、ほとんどのところで査定してもらえるでしょう。
完璧にすべて揃っているものよりは買取額が下がってしまいやすいですが、食器専門の買取業者であれば査定してくれるところが多いです。
すでにセットの一部を持っていて、持っていない部分を探している人からすれば、欠品があるセット内容でも需要があります。
欠品があるセットものは、食器に特化した販路をもっていると言える食器専門の買取業者へ査定を依頼しましょう。
銀食器の買取方法は何を選べばいい?
買取業者によっては、持ち込み買取・宅配買取・出張買取のうち、利用者が買取方法を選ぶことができます。
この中で最も手間がかかりにくい、おすすめな銀食器の買取方法は、出張買取です。
出張買取とは、査定員が利用者の自宅を訪問し、その場で査定・買取してくれるサービスです。
持ち込み買取のように自分で買取店まで品物を持ち運ぶ手間や、宅配買取のように梱包する 手間が省けます。
出張買取を利用すれば、自宅にいながら銀食器の査定を受けられるので、その他の買取方法に比べて時間や労力を削減できます。
銀食器以外についでに査定してもらいたい品物があれば、その場で気軽に追加依頼もできるので、銀食器の買取方法で迷ったら出張買取を選びましょう。