酒井抱一作品の買取相場は?代表作や高く売るためのポイントを解説

酒井抱一作品の買取相場は?代表作や高く売るためのポイントを解説

酒井抱一(さかいほういつ)は、複数の重要文化財を含む数々の名作を残した、日本の美術史上でも重要な位置を占める江戸時代の絵師です。

花鳥風月を描いた屏風絵や掛け軸が有名で、各地の美術館に所蔵されているほか、美術品買取市場に出てくれば高値で取引されるケースも多いです。

本記事では、酒井抱一の作風や代表作・有名作品に加えて、買取相場、買取市場で高く売れる理由、酒井抱一作品をより高く買取してもらうためのポイントといった買取情報についてもご紹介します。

※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。

江戸琳派の祖・酒井抱一とは

酒井抱一(1761-1829)は、江戸時代後期に活躍した絵師です。

また、絵画だけでなく俳諧・・狂歌・能・茶道などにも精通した多才な文化人として知られています。

絵師としては尾形光琳(おがたこうりん 1658-1716)の作品を深く研究し、そこに酒井抱一独自の俳諧的な詩情を取り入れた画風を確立しました。

京都で活躍した尾形光琳に対して酒井抱一が江戸で活躍したことから、酒井抱一の確立したスタイルは「江戸琳派」とも呼ばれています。

ここでは、酒井抱一の経歴や作風、尾形光琳らとの関係性についてご紹介します。

酒井抱一の経歴

酒井抱一は江戸時代中期の1761年、姫路藩主の家系に生まれました。

抱一の兄・酒井忠以(さかいただざね 1756-1790)はのちに姫路藩主となっています。

由緒ある酒井氏のなかでも抱一の一族は酒井雅楽頭家(さかいうたのかみけ)と呼ばれ、文化・芸術に深い関心のある家系でした。

抱一の実家には兄・忠以の茶人・俳人仲間が集まり、文化サロンのようになっていたようです。

そのような環境の中で絵画に関心を持った抱一は、浮世絵師の歌川豊春(うたがわとよはる 1735-1814)に弟子入りし、絵師としてのキャリアをスタートします。

また同じころ、抱一は俳人の馬場存義(ばばぞんぎ 1703-1782)に入門し、俳句にも取り組んでいました。

兄が亡くなったあと、1797年に抱一は出家をしています。

詳しい理由は分かっていませんが、出家によって武家の雑事から解放された抱一は、より芸術に傾倒していきます。

絵師・俳人仲間だけではなく、書家や歌人、歌舞伎役者などさまざまなジャンルの芸術家と親交を深めた酒井抱一の作品には、大和絵の伝統を受け継ぎながらも、様々な芸術・文芸の感性が生きています。

酒井抱一の作風

酒井抱一の作風、つまり江戸琳派のスタイルの特徴は、俳諧的な情緒感や詩情性です。

モチーフとしては花鳥風月といった自然の題材が多く描かれ、特に草花は好んで用いられました。

酒井抱一の作品には、自然を深く洞察し、季節の移ろいを表現するという文学的な叙情性が強く感じられます。

尾形光琳らとの関係

様々な先達、あるいは同時代の芸術家から学んだ酒井抱一ですが、最も大きく影響を受けた相手が尾形光琳です。

尾形光琳は酒井抱一が生まれる前の1716年に亡くなっていますから、直接師事したわけではありません。

酒井抱一は尾形光琳が残した作品を模写するなどして研究し、光琳の技術や精神を学んでいきました。

尾形光琳も先人である俵屋宗達(たわらやそうたつ 1570-1643)の絵を模写するなどして研究したといいますから、抱一は絵画技術だけでなく、学び方も光琳に倣ったのかもしれません。

師弟関係に基づく伝達ではなく、私淑によって技術と伝統が受け継がれたのが、俵屋宗達・尾形光琳・酒井抱一らを代表とする琳派の特徴と言えるかもしれません。

酒井抱一作品の買取相場はどれくらい?

重要文化財や重要美術品に指定されている作品をはじめとして、酒井抱一の作品には博物館や美術館に所蔵されているものも多いです。

あまりに貴重なために、酒井抱一作品は美術品買取市場にもあまり多くは出回っていません。

そのため、酒井抱一の作品が美術品買取市場に出てきた場合には、買取相場は非常に高くなりやすい作家だと言えます。

酒井抱一作品は江戸時代に制作されたもので古いため、保存状態の良いものは希少価値が高くなります。

掛け軸などの小型のものであっても、酒井抱一作品で保存状態が良ければ300万円ほどの買取価格がつくこともあるでしょう。

※上記は参考価格であり、実際の買取価格を保証するものではありません。
※ご査定時の市場状況、在庫状況により買取価格が変動する場合ございます。
※お買取相場の価格は人気の高い作品で、保存状態も良かった場合を想定しています。お品物の状態によって価格が大きく変わる場合がございますのでご了承ください。


お持ちの酒井抱一作品の具体的な価値については、バイセルの無料査定でお確かめください。

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バイセルでの掛け軸・日本画の買取実績は?

バイセルには、酒井抱一を含む掛け軸や日本画の買取実績が数多くございます。

以下のページでは、代表的な掛け軸作家・日本画家の買取相場や、バイセルでの掛け軸・日本画の買取例について記載してございます。

参考までにぜひご覧ください。

酒井抱一の代表作

酒井抱一の作品には、重要文化財や重要美術品に指定されているものがいくつもあります。

その中でも、代表作中の代表作と言える重要文化財「夏秋草図屏風(なつあきくさずびょうぶ)」を中心に、特に有名なものをご紹介します。

夏秋草図屏風

重要文化財「夏秋草図屏風」は、江戸幕府第11代将軍・徳川家斉(とくがわいえなり 1773-1841)の父・一橋治済(ひとつばしはるさだ 1751-1827)への贈り物として、抱一の生家である酒井家から注文を受けて描かれた屏風絵です。

東京国立博物館に所蔵されています。

この「夏秋草図屏風」は、酒井抱一にとっては特別な意味を持つ作品でもあります。

それは将軍の父に贈るからではなく、憧れの尾形光琳作『風神雷神図屏風』(俵屋宗達作「風神雷神図屏風」の模写)の裏絵の注文だったからです。

尾形光琳作『風神雷神図屏風』は、風神図と雷神図という一双の屏風から成ります。

風神図・雷神図どちらの裏にも、抱一は銀地の背景に草花を描きました。

ただし、雷神図の裏には夏の夕立に打たれた後の草花(夏草図)が、風神図の裏には秋の野分に吹かれた後の草花(秋草図)が描かれています。

夏草図には葉先を下にむかって垂らす草花と増水した川を、秋草図には葉先が横方向になびく草花と宙を舞う蔦の葉を描くことで、季節の変化を表現しています。

もともと光琳の「風神雷神図屏風」は一対の神を描いたもので、四季を意識した作品ではありませんでした。

抱一が裏面に雷神が象徴する夏の夕立と、風神が象徴する秋の野分を描いたことで、表面の風神雷神図にも四季絵としての味わいが生まれたとも言えます。

このような発想は、絵画以外にも俳句や和歌、歌舞伎など様々な文化に親しんだ酒井抱一ならではのものであると言えるでしょう。

「夏秋草図屏風」は、酒井抱一の人生における研究の全てを注ぎ込んだ、集大成とも言える名作です。

屏風作品のある作家一覧

酒井抱一には「夏秋草図屏風」のほかにも「燕子花図屏風」「四季花鳥図屏風」「紅白梅図屏風」「月に秋草図屏風」など有名な屏風作品が多数あります。

屏風絵は長い歴史を持つ日本の伝統的な絵画形式の一つで、そのダイナミックな構図や装飾性は、現代のアートにも大きな影響を与えています。

日本の美術史においても非常に重要な位置を占める芸術形式であると言えるでしょう。

以下は、酒井抱一のほかに有名な屏風作品を手掛けた作家の一覧です。

横山大観円山応挙高村光雲(こううん)富岡鉄斎英一蝶(はなぶさいっちょう)谷文晁(ぶんちょう)東山魁夷(かいい)、上村松園(しょうえん)、竹久夢二(ゆめじ)、川合玉堂(ぎょくどう)、下村観山(かんざん)、山鹿 清華(せいか)、河鍋 暁斎(かわなべきょうさい)、加山又造、片岡玉子、尾形光琳(こうりん)、菱田春草(ひしだしゅんそう)、与謝蕪村、橋本雅邦(がほう)、竹内栖鳳(せいほう)、橋本関雪(かんせつ)、堂本印象(いんしょう)、狩野探信(たんしん)、狩野永徳(えいとく)、田中一村(いっそん)、片山楊谷(ようこく)、池上秀畝(しゅうほ)、木村武山、川端龍子、鏑木清方(かぶらき きよかた)、前田青邨(まえだせいそん)、海北友松(かいほうゆうしょう)、野口小蘋(しょうひん)など

四季花鳥図巻

酒井抱一の「四季花鳥図巻(しきかちょうずかん)」は、四季折々の花鳥が描かれた上下2巻から成る絵巻物です。

酒井抱一が得意とする花鳥が描かれており、繊細な筆致と装飾性が際立つ名作です。

東京国立博物館に所蔵されています。

十二か月花鳥図

酒井抱一の「十二か月花鳥図(じゅうにかげつかちょうず)」1年間の各月を代表する花や鳥を描いた連作の花鳥図です。

藤原定家(ふじわらていか 1162-1241)が「詠花鳥倭歌 各十二首」として各月を象徴する植物と鳥を選び和歌に詠んだ趣向を画題としています。

酒井抱一の描く自然の美しさと季節感を存分に楽しむことができる名作です。

複数のバージョンが存在し、皇居三の丸尚蔵館や出光美術館などに所蔵されています。


このほかにも「文持つ美人図」「秋草鶉図 」「白繻子地梅樹春草模様描絵小袖」「雪月花図」「秋草花卉図」「松風村雨図」など、酒井抱一の有名作品は枚挙にいとまがありません。

また、ここにタイトルがないものでも、酒井抱一作品は価値の高いものばかりです。

お持ちの酒井抱一作品の具体的な価値については、ぜひ1度バイセルの無料査定でお確かめください。

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酒井抱一作品をより高く買取してもらうためのポイント

重要文化財や美術館所蔵作品も多数ある酒井抱一作品は、美術品買取市場に出てくれば非常に高い価値がつくものも多いです。

では、そんな酒井抱一作品をさらに少しでも高く買取してもらうための注意点のようなものはあるでしょうか。

酒井抱一作品を含む掛け軸や日本画の買取において、より高く売るために知っておきたい3つのポイントをご紹介します。

  1. なるべく綺麗な状態で保存しておく
  2. 箱や鑑定書などの付属品を揃えておく
  3. 入手経路などの来歴を明確にしておく

なるべく綺麗な状態で保存しておく

掛け軸や絵画の買取で、買取価格に大きく関わる査定ポイントが「保存状態」です。

保存状態の良いもの(制作当時の状態をなるべく保っているもの)は、買取価格が高くなりやすいでしょう。

特に、酒井抱一のように古い時代の作品で保存状態の良いものには高い希少性が認められ、買取市場でも高く買取される可能性があります。

掛け軸や屏風絵といった形で制作されていることの多い酒井抱一作品は、額装されることの多い西洋画などに比べて外気や湿気に触れる機会が多く、劣化しやすいという特徴があります。

保管方法などに特に気を使っていなければ、保存状態が悪くなって買取価格は下がってしまうでしょう。

保管時には、掛け軸は丸めて箱に収める、湿気の少ない保管場所を選ぶなど、なるべく綺麗な状態で保存するための工夫をしてあげましょう。

箱や鑑定書などの付属品を揃えておく

酒井抱一のような有名画家の作品をより高く売るためには、作者のサインや鑑定書といった、作品の価値を示す付属品の有無が重要な役割を果たします。

酒井抱一の作品には、作品中に「抱一筆」というサインが入っているものも多いですが、それに加えて鑑定書があれば、作品の価値を証明するのに役立つでしょう。

また、掛け軸の場合には、作品が収められた箱に作者の箱書きがあると、やはり作品の価値を証明してくれます。

これらの付属品があることで、買取市場における信頼性が増すでしょう。

より多くの需要を集められることで、高い価格での買取につながる可能性があります。

箱や鑑定書などの付属品がある場合には、作品本体と併せて大切に保管しておきましょう。

大作家である酒井抱一には模写も多く出回っているため、こういった価値を示す付属品の存在はより重要になります。

入手経路などの来歴を明確にしておく

酒井抱一をはじめとした絵画の査定では、買取市場における作品の信頼性のために「どこで手に入れたか」「いつ購入したか」「誰から譲り受けたか」など購入に至るまでの背景が確認されます。

例えば「業界で信頼されている専門店で購入した」「〇年△月に××博物館に貸し出した」などの来歴は、作品の価値を判断するうえでも重要な情報になります。

そして、その来歴を証明する書類等があればさらに信憑性が増し、買取市場における信用度が増すことでより高く売れるかもしれません。

入手した経路や時期、美術館への貸出履歴といった記録がある場合には、処分せずに大切に保管しておきましょう。

酒井抱一作品を売るなら美術品の買取実績豊富な買取業者を選ぼう

酒井抱一作品には非常に価値の高いものも多いです。

そこで、酒井抱一作品の買取で損をしないためには、本来の価値に見合った買取価格をつけてくれる買取業者を選ぶことが重要です。

当たり前のことに聞こえますが、絵画の価値を適正に判断するというのは非常に難しいことなのです。

画家や作品の人気、制作年代、作品の希少性、保存状態、付属品の有無などの細かい査定ポイントを正確に見極められなければ、価値を正確に算出することはできません。

そのため、美術品に関する専門知識を持っていて、酒井抱一作品の正しい価値を見極められる買取業者に査定を依頼するのがおすすめです。

その点、美術品の買取実績豊富な業者なら、それだけ多くの人に選ばれており、査定経験も豊富ということになります。

安心して利用できるでしょう。

酒井抱一作品を売るなら買取実績豊富なバイセルへ

酒井抱一作品の買取をお考えなら、骨董品買取のバイセルにお任せください。

バイセルは日本全国で骨董品・美術品などの買取サービスをご提供し、たくさんのお客様・リピーター様からご指名をいただいてまいりました。

バイセルの査定士は、高い専門知識と豊富な査定経験を生かして、酒井抱一作品をはじめとした絵画1点1点の価値をしっかりと見極め、正確に鑑定します。

バイセルの出張買取ならお電話1本、手数料完全無料で日本全国への出張買取に対応しております。

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