菊切手は高額買取ができる?おすすめの買取方法について紹介
- 切手を集めるのが趣味で菊切手などのコレクションを持っています。いくらになりますか?
- 保存状態や切手の発行年代により買取価格が変わりますので一度拝見いたしますので、お電話・メールよりお問合せ下さい。
- 祖父の部屋から菊切手など切手コレクションが大量に出てきました。価値ってありますか?
菊切手は明治時代の後期に発行された切手です。
中央に日本を象徴する菊花紋章が描かれている菊切手は、当時の日本の勢いが伺える図案が特徴となっています。
明治時代の切手としては比較的長い期間発行された菊切手でしたが、大正時代の震災などによって現存する枚数は少なく、希少性が高いとされています。
希少性の高い菊切手ですが、買取方法や普段の扱い方に気を付けないと売る際に損をしてしまう可能性があります。
本コラムでは、菊切手の概要と切手の価値を落とさない方法などについてお伝えします。
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目次
菊切手とは
菊切手は1899年(明治32年)〜1908年(明治41年)の9年間に渡って発行された普通切手です。
菊切手の額面は5厘(1銭の1/2の価値)から10円まであり、全20種類が発行されました。
図案の中央には日本を象徴する菊花紋章が配置され、菊花紋章を囲うように「大日本帝国郵便」と書かれています。
菊花紋章が印象的な菊切手は、1894年(明治27年)の日清戦争、1905年(明治38年)の日露戦争に勝利をおさめた日本の勢いを象徴する図案とも言えます。
20種類のうち、菊切手の額面5円と10円だけは「神功皇后(じんぐうこうごう)」の図案が採用されています。
日本が明治時代であった頃、高額切手の図面にはその国の国家元首の肖像画を用いることが世界的に流行していました。
そのため、日本でもその流れを取り入れて、菊切手のうち高額にあたる5円と10円は別の図案にする考えが浮上しました。
日本の場合、明治時代のトップは明治天皇に当たりますが、天皇の代わりとして菊切手には神功皇后の肖像が採用されました。
そのため、5円・10円の菊切手は日本国内で初の女性肖像が採用された切手でもあります。
ちなみに、明治天皇が切手の図案に採用されなかった理由は、明治天皇が写真嫌いだったことや、明治時代は天皇が日本国内で神格化されていたことにあり、明治天皇の姿を肖像にするのはふさわしくないと考えられいためです。
明治時代以降、天皇の肖像を切手のデザインにするのはタブーとされ、今でも在位中の天皇が切手の図案に採用されることはありません。
同じ種類の切手でも微妙な違いがある菊切手
菊切手が発行されていた明治時代、日本における切手の印刷技術は未熟でした。
そのため同じ種類(額面)の菊切手であっても、発行年によってはインクの色・用紙の白さに僅かな違いが生じていました。
明治時代の切手としては9年間と長命だった菊切手は、例えば同じ種類の切手でも僅かにインクの色に濃淡が出ます。
明治時代の切手には、複数の色を調合したインクが使われていました。
切手を発行する度にインクの調合を人が行ってるため、発行する年によって調合するインクの割合が異なり、結果として発行される菊切手の色に違いが出ます。
そのため、同じ種類でも僅かな違いを持つ菊切手は、収集熱心な切手コレクターから人気となっています。
菊切手は基本的に、額面によって別の色のインクが使われています。
インクには赤や青などが使われているのでインクの色の違いでも、菊切手の種類を容易に見分けることができます。
更に、切手の玄人となると同じ種類の切手でも色の濃淡の違いで発行年数まで分かることもあるそうです。
菊切手の価値
切手の価値は一般的に「現存する枚数」「切手の状態」によって決まります。
明治時代に発行されていたほかの普通切手と比べて、長い期間発行されていた菊切手は、価値が低いようにも考えられます。
しかし、明治時代から大正時代にかけての戦争や震災によって、多くの菊切手が焼失したと言われており、現存する枚数は少ないとされています。
そのため、菊切手は今では希少な切手の一つとされていて、状態によっては高い価値が付く場合があります。
種類によって多少のバラツキはありますが、菊切手の額面が高いほど切手の買取市場では希少性が高いとされています。
5円・10円の神功皇后が肖像となっている菊切手に至っては、一番安い5厘の菊切手と比べて桁違いの買取額が付くこともあります。
偽物のほうがプレミア?菊切手の偽造10銭切手
一般的に偽物の切手には価値が付くことはありません。
しかし「偽物の菊切手」は希少性があると認知がされ、本物よりも高額で扱われることがあります。
明治時代に発行された普通切手は、当時の印刷技術の低さもあってか偽物の切手が作られることもありました。
菊切手にも偽物は存在していて、大正時代に発生した「菊切手偽造事件」は有名な出来事です。
ここからは、どうして偽物の菊切手に本物以上の価値が付くのか、その理由について紹介します。
菊切手偽造事件とは
「菊切手偽造事件」とは、1913年(大正2年)に横浜の郵便局員が、10銭の偽造菊切手を発見したことで明るみに出た事件のことです。
この事件では主犯だけではなく、事件に関与した写真師・印刷業者らが逮捕、額面の価値として当時約1万円分の10銭・20銭の偽造切手が押収されて、事件はすぐに解決しました。
ちなみに当時の1万円を今の価値に換算すると、約3,000万円にも上ります。
切手を偽造して詐取する者が現れることは郵便局側も想定をしていました。
しかし、切手は紙幣と比べて額面が少額だったので、偽造するための費用や捕まるリスクを考えた場合、切手を偽造しても割に合わないため、切手の偽造事件は少なかったと郵便局は踏んでいました。
ところが、菊切手偽造事件が想定以上に大きな規模だったので、この事件を受けてからは切手の偽造防止が強化され、透かしが入れられるようになりました。
偽造菊切手の買取価格と価値
偽物の切手は一般的に価値を持ちませんが、偽造の菊切手は例外です。
本物よりも高い価値を持つ偽造された菊切手は、とあるTV番組で「本物の菊切手」と鑑定されたために鑑定額を落とすという、非常に珍しいエピソードがあるほどです。
偽物の菊切手に高い価値が付く理由は、現存する枚数が少ないことにあります。
菊切手偽造事件は早々に決着したことによって、現存する枚数が極めて少ないとされているために、切手の中でも価値が高い代物として扱われているわけです。
現在確認されている枚数は、使用済みの10銭切手で5枚、20銭切手で未使用が3枚、使用済みが5枚とされています。
枚数からでも、切手の買取市場での価値が高いことが伺えます。
菊切手以外の主な10銭切手
10銭切手と言えば菊切手が有名ですが、ほかにも有名な10銭切手があります。代表的な切手で言えば桜切手や第2次昭和「勅額」も10銭切手になります。
それでは、桜切手と第2次昭和「勅額」についてご紹介します。
桜切手
桜切手の呼称は、切手の四隅に描かれた桜に由来します。今ではなじみ深いですが桜切手から切り取り穴や裏のりが導入されました。また、郵便の普及に伴って切手の製造量が増えたこともあり、製造効率を上げる目的で単色刷りになっています。
第2次昭和 「勅額」
第2次昭和 「勅額」は、太平洋戦争のさなかに作られた切手で、当初は一つ前の第一次昭和切手に負けないほどの出来映えでした。
しかし、戦局が悪化し、同時に切手の制作作業員が徴兵された影響もあり切手のクオリティが低下していきます。なお、第2次昭和「勅額」も日本が戦争をしていた時代に作られた切手になります。
本物の菊切手を見分けるポイント
菊切手はかつて菊切手偽装事件によって偽造切手が流出しました。菊切手は高価な切手だったため、偽装切手が流出したことによって大きなお金が動いてしまう恐れがありました。
幸い偽造切手の発見が早かったこともあり、あまり市場には出回りませんでしたが、その影響もあり収集家の間では、その希少性から偽物のほうが高値で取引されるようになりました。
目打ちの数で判断する
本物の切手と偽物の切手には目打ちの数に違いがあります。本物の切手は目打ちの数が決まっており、1つでも違う場合は偽物の判断ができます。本物の菊切手は13個、偽物はそれ以外の数と判断が容易にできます。
劣化や色落ちなどで判断が難しい場合も!
本物の菊切手でも色落ちや劣化などで見極めが難しくなっている場合もあります。新しい切手であれば、色などでも判別しやすいですが、色が落ちるとパっと見ただけでは分かりにくくなります。
判断が難しい場合は査定に出すなどして、本物か偽物かを専門家に判断してもらいましょう。
菊切手だけじゃない!珍しい切手を紹介
希少性が高い切手は菊切手だけではありません。
特に、1955年以前の「切手ブーム」が日本国内で起きる前に発行された切手は発行枚数が少ないため、今では高い価値を持っている傾向にあります。
ここからは、珍しく希少性が高いとされる昔の切手をご紹介します。
小判切手
「小判切手」は、1876年(明治9年)〜1892年(明治25年)に発行された普通切手です。
小判切手は国内で初となる印刷機を使って大量生産された切手です。
日本政府がドイツの印刷会社から招いた銅版画家のエドアルド・キヨッソーネ氏の指導のもと、小判切手が発行されました。
小判切手の名前は、長方形の図案の中に楕円形の図が描かれたデザインが由来です。
参考記事:小判切手について
軍事切手
1910年(明治43年)〜1944年(昭和19年)の間に発行されたのが「軍事切手」です。
軍事切手は当時発行されていた菊切手やその他の普通切手に「軍事」と文字を加えた切手のことです。
当時の軍人が郵便物を出すために使われていた軍事切手は、中国や朝鮮などの海外に駐屯していた軍人に、毎月1人に2枚の割合で公布されていました。
軍事切手の中でも「菊軍事」「大正白紙軍事」は切手コレクターからも人気が高く、買取額にも期待できる代物です。
参考記事:軍事切手について
田沢切手
正式名称を「田沢型大正白紙(たざわがたたいしょうはくし)」という「田沢切手」は、1913年(大正2年)〜1937年(昭和12年)にかけて発行された普通切手です。
田沢切手は日本で初めてデザインを公募で決めた普通切手です。
いくつかの図案の候補から一つを国民から選んでもらい決まった図案は、当時流行していた西洋風の図柄でした。
採用されたデザインを考案したのが田沢昌言氏という人物であったため、通称・田沢切手と呼ばれるようになりました。
田沢切手は24年間発行されていたため、現存する枚数が多いとされていますが、額面や切手の状態によっては高い買取価格が期待できます。
例えば、一般的に使用されることが少なかった1円の田沢切手は、特に枚数が少ないために希少とされています。
参考記事:田沢切手について
見返り美人切手
「見返り美人切手」は、1948年(昭和23年)に150万枚限定で発行された特殊切手です。
日本の切手ブームの火付け役とも言われる見返り美人切手は、当時の切手としては珍しい縦長の形が特徴です。
また、切手の図案として菱川師宣氏が描いた浮世絵・見返り美人が採用されました。
浮世絵が切手の図案に採用されたことは当時としては珍しく、人気を集める要因になりました。
見返り美人の価値は明治時代に発行された切手よりも劣ることが多いですが、切手の状態が良ければ今でも高い買取値が期待できます。
参考記事:見返り美人切手について
月に雁
「月に雁(かり)」は1949年(昭和24年)に発行された特殊切手です。
図案には江戸時代に活躍した歌川広重氏の浮世絵・月に雁が採用されています。
浮世絵が図案に採用されている見返り美人や月に雁の切手は、日本国内だけではなく、諸外国でも人気があります。
月に雁も見返り美人に負けず、昭和時代に発行された切手の中でも価値の高い切手とされています。
参考記事:月に雁について
切手の買い取りでは「切手の状態」に気を配る
菊切手などの額面以上の価値がある切手の買い取りでは、切手の状態の良し悪しが買取額に大きく影響します。
たとえ価値が高い菊切手であっても、状態が悪いと買取価格はガクッと下がってしまうでしょう。
買取額を落とさないためにも、普段の切手の扱い方から気を配る必要があります。
ここでは、切手の買い取りで損をしないための切手の扱い方について紹介します。
切手の経年劣化に気を付ける
切手はデリケートな素材である紙でできています。
高温多湿な場所で保管することで裏糊が溶けてしまったり、直射日光に長期間さらすことで色焼けしたりして、切手の状態が悪化してしまいます。
切手は保存方法を間違ってしまうと経年劣化による進行が早まり、状態が悪くなって買取額も下がる可能性が高まります。
そのため、所有している切手の売却を検討している、していないに関わらず、切手の経年劣化には気を配って保存する必要があります。
例えば、切手の保管場所として高温多湿の場所を避け、一年を通して気温が安定している場所に移しましょう。
切手にとって高い湿度や気温は裏糊が溶けてしまうだけではなく、カビ・シミ・黄ばみが付いてしまう原因になってしまうからです。
また、切手は直射日光に長期間さらされることで色焼けし、切手全体の色が褪せてしまいます。
そうならないためにも、切手はストックブックなどの切手専用のバインダーに入れて、日中でも日が当たらない場所で保管しましょう。
切手の状態が悪くても無理に補修しない
所有している菊切手の状態が既に悪い場合は、無理に補修をしないでそのままの状態で査定に出しましょう。
例えば、裏面にヒンジが付いている切手は買取額が下がるので、つい取り除きたいと思うでしょう。
ちなみにヒンジとは、切手よりも一回り小さい切手を台紙に固定するために使われる紙のことです。
しかし、ヒンジを無理に剥がしてしまうと切手が破れてしまって、買取額が極端に下がってしまうかもしれません。
そのため、たとえ状態が悪い切手を持っていても売却をする際は、無理な補修はせずに買い取りに出しましょう。
菊切手やその他の切手の買い取りを行なう方法
切手の現金化の方法が多様化した現代では、菊切手の買取方法を選ぶのも一苦労することかと思います。
コレクションとしての要素が強い菊切手は、買取方法を一つ間違えるだけで損をしてしまう場合もあります。
切手の買取方法でも切手の種類によって買取方法を変えることで、受け取れる現金で得をすることができます。
ここでは、菊切手の買い取りで得をするため、切手買取に代表される3つの買取方法を紹介します。
金券ショップを利用する
新幹線の乗車券や旅行券などを取り扱っている金券ショップは、切手も取り扱っている店舗がほとんどです。
金券ショップでは多種多様な切手を扱っていますが、額面を超える価値を持つ切手の売却では利用するのは避けましょう。
金券ショップで扱っている切手のほとんどが、実用目的の今も発行されている切手であるため、菊切手などの希少性がある切手の買い取りには弱いからです。
金券ショップのスタッフは切手の買取額を額面ベースで決めるため、額面としては5厘や1銭からはじまる菊切手の売却で、金券ショップを利用するのはおすすめできません。
フリーマーケットサイトやアプリを利用する
インターネットが発達した現代では、パソコンやスマートフォンから誰でも簡単に切手を出品することができるようになりました。
切手の価格も自分で自由に設定できるので「希少な菊切手なら高額でも売れるかも」と考えて、フリーマーケットサイトやアプリの利用を検討している人もいるのではないでしょうか。
しかし、フリーマーケットサイトやアプリは簡単に出品は可能とはいえ、出品物が購入されるところから、購入額が振り込まれるまでの道のりはとても大変です。
例えば、菊切手などの切手コレクター向けの商品は「価格」「商品の説明文」「写真の取り方」をしっかりと考える必要があります。
また、切手を購入してもらった後も、「商品の配送方法」「送金方法」などを細かく購入者とやり取りするので時間と手間がかかってしまいます。
準備にかかる時間と受け取れるお金の額を考えた場合、切手の売却でフリーマーケットサイト・アプリを利用するのは得策と言えないでしょう。
切手買取のバイセルを利用する
額面以上の買取額が期待できる菊切手の買い取りでは、切手買取のバイセルをご利用ください。
バイセルは、金券ショップと異なり、現行の普通切手以外に、明治時代などの昔に発行された切手の買い取りも積極的に行っています。
明治時代などの昔に発行された切手の買い取りを行っている理由は、切手買取のバイセルは買取(仕入れ)した切手を切手コレクター向けに販売するルートを持っているからです。
菊切手などの希少性が高い明治時代の切手は、切手コレクターからも人気があるため、買取額にも期待できます。
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菊切手は偽物のほうが価値が高い!ただし切手の状態に注意が必要!
菊切手は価値の高い切手の一つで、発行された年代ごとにインクの色や用紙の白さなどに違いがあり、僅かな違いを楽しむコレクターも存在します。
しかしながら買い取りで注意しなければいけないのが、買取業者によっては状態が良かったり未使用品でないと買い取ってもらえない可能性もあることです。
菊切手に限らず、切手の買い取りを行う場合はバイセルにご依頼ください。
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