皇室献上作家・北出与三郎の着物や帯の買取相場は?高価買取のコツもご紹介
- 北出与三郎の着物と帯を持っています。いくらになりますか?
- 北出与三郎の着物や帯は非常に価値の高いものが多いですが、具体的な買取価格は保存状態や作品の人気などによっても変わります。詳しくは専門知識を持ったバイセルの査定士が一度拝見いたしますので、まずはバイセルにお問合せ下さい。
- 母から譲り受けた着物や帯が北出与三郎という作家の品でした。価値ってありますか?
北出与三郎(きたでよさぶろう)は、古都・京都が誇る伝統工芸品・京友禅の染織作家です。
初代・北出与三郎は40年にわたって100枚以上の着物を皇室に収め続け、皇室御用達の作家として活躍しました。
「北出カラー」と呼ばれる神々しく美しい染色は茶道の先生など着物に造詣の深いユーザーから絶大な支持を得ており、買取市場でも非常に高い価値が認められています。
北出与三郎が手掛けた着物や帯の特徴と、北出与三郎作品の買取相場、北出与三郎作品を高く買取してもらうためのポイントについてご紹介します。
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お申し込みフォームへ※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。
目次
皇室献上作家・北出与三郎とは
初代・北出与三郎は、1905年に福井県で生まれます。
京都へ出て京友禅作家になると、類まれなデザイン力から生み出される初代・北出与三郎の作品は話題を呼ぶようになりました。
美しく豪華でありながらも、もののあわれを感じさせてペーソスを誘うデザインは政財界の女性たちから愛され、のちに「北出カラー」と呼ばれる初代・北出与三郎の作品は社交界を席捲します。
そして1955年には初代の息子で、のちの2代目・北出与三郎が初代に師事し、親子2代での制作が始まりました。
時の皇太后であった貞明皇后陛下のお目に留まったのも、そのような時でした。
1959年に時の皇后陛下の御紋服、翌1960年に当時の皇太子妃であった美智子さまの御紋服を献上すると、初代・北出与三郎は皇室の式典や園遊会の際に欠かせない作家として篤いご信頼を受けます。
秋篠宮殿下御成婚に際しては紀子妃殿下・紀宮さまの御紋服、皇太子殿下御成婚に際しては雅子妃殿下の御紋服を手掛けるなど、2000年に亡くなるまでの40年にわたって、100枚以上の着物を皇室に収め続けました。
現在は、初代・北出与三郎とともに作品を作り続けてきた息子が2代目・北出与三郎を襲名し、「北出カラー」を守り続けています。
北出与三郎の特徴「北出カラー」とは
北出与三郎の着物や帯の特徴といえば、やはり「北出カラー」と呼ばれる、卓越したデザイン力から生み出される色使いでしょう。
その「北出カラー」を支えているのが「榊染め(さかきぞめ)」と呼ばれる、古くから神棚や祭壇に供えられてきた榊を用いた染め技法です。
榊の実から染料を抽出する方法は北出与三郎以前にもあったのですが、北出与三郎の榊染めでは榊の葉から染料を抽出する点が特徴です。
葉で染色をすることで、実では違った独特の味わいを引き出すことができるといいます。
また、北出与三郎の榊染めは、単に榊を使って草木染をするということには留まりません。
神事にも使われる榊を京都・北山で採取したのち、着る人の健康と幸福を願って祈祷を受けます。
いわば神の加護をうけた榊を使って染めることで、淡くも深みがあり、どこか神秘性を感じられる榊染めが完成するのです。
その榊染めと、比肩する者が無いほどのデザイン力、そして染めのグラデーションの中に金箔を使うという大胆な発想によって、北出カラーは完成します。
美しく豪華で、長い年月を経ても変化しない金を大胆に使いながらもののあわれを感じさせる「北出カラー」は、山の端から太陽が昇る瞬間を思い起こさせるような神秘的な印象を持っています。
北出与三郎の買取相場はどれくらい?
北出与三郎の着物や帯の買取相場ですが、近年の着物買取市場の買取例では、北出カラーが美しく出ているなど人気の高い作品で15,000円前後になります。
ただし、傷やシミ・カビ・帯の場合には強い締め跡があるなど、保存状態によっては買取価格が下がってしまう可能性があります。
着用後の手入れや普段の保管方法など、着物や帯の保存状態には十分注意してください。
また、北出与三郎の作品の場合、初代と2代目が親子で制作していた時代の着物は特に需要が高く、買取価格も高くなりやすいと言われています。
お持ちの着物や帯の制作年代が分かるようなら、北出与三郎のどの時代の作品かを調べてみてください。
なお、これはあくまで相場ですので、実際の買取価格はこの限りではありません。
お持ちの着物や帯の正確な価値が知りたい場合は、着物買取のバイセルの無料査定をお試しください。
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お申し込みフォームへ北出与三郎の代表作
皇室献上作家である北出与三郎には、着物ファンの間では名の通った有名作品がいくつもあります。
ここでは、そのような北出与三郎の代表作の中から、いくつかピックアップしてご紹介します。
本袋帯「流水蔦の細道・濃墨色」
本袋帯とは、留袖や訪問着など格式の高い着物に合わせる袋帯の中でも、金銀糸が使われるなど特に豪華なものを指します。
難しい作業工程を経て作られることから現在は作り手が減少傾向にありますが、北出与三郎は卓越した技術で本袋帯の制作を得意としています。
本袋帯「流水蔦の細道・濃墨色」は、淡く上品なすみれ色の地に、流れる水や草木を金糸で表現しているのが特徴です。
金糸をふんだんに使いながらも落ち着いた印象で、非常に高貴さが感じられる作品です。
大王松訪問着
大王松訪問着は、「北出カラー」で染め上げられた上品なピンク地の全面に松の葉が描かれているのが特徴の着物です。
松の葉はあえて地と同系色で描かれており、主張しすぎない上品な印象を与えてくれます。
裾にぼかしを施したベージュの色合いは着用した時にさらに見る者を魅了し、ピンクの地との間に配された本金箔加工は格調を感じさせます。
本袋帯「象牙色 菊桐唐花華文」
本袋帯「象牙色 菊桐唐花華文」は、柔らかな印象を与える象牙色の生地の中央に、菱形の縁取りと大きな華文(花を抽象化して丸い形に文様化したもの)が描かれているのが印象的な作品です。
その周囲には、金銀糸を使った菊花や桐花の唐草文が襷に配されています。
正統派古典の高い格調を備えながらも程良く主張を抑えており、古典的で優雅な雰囲気を楽しめます。
柄が控え目な訪問着にも合わせやすいなど、合わせる着物の色柄を選びません。
色無地「滅紫色 薔薇の地紋」
色無地「滅紫色 薔薇の地紋」は、胸から裾にかけてたくさんの薔薇のつぼみの地紋が織りだされた生地を、藤の花を思わせる落ち着いた紫に染めた着物です。
京友禅は「多色」「多彩」といった点が特徴とされていますが、この作品をはじめとした北出与三郎作品は、色づかいが控えめなものが多いです。
光の加減とともにふっくらと浮かび上がる、同系色で描かれたデザインは、非常に上品さを感じさせます。
北出与三郎の着物や帯を高く買取してもらうためのポイントとは
皇室献上作家・北出与三郎の着物や帯は、着物に造詣の深いユーザーの間で絶大な支持を得ています。
中古市場でも底堅い人気があるのですが、実際の買取の場面で高い買取金額をつけてもらうためにはいくつか注意すべき点があります。
・買取査定の際に落款を提示する
・保存状態を良く保っておく
・証紙や箱などの付属品を揃えておく
買取査定の際に落款を提示する
北出与三郎が作った着物や帯には「北出与三郎」と書かれた印が付けられています。
これは「落款(らっかん)」と呼ばれるもので、その着物や帯が間違いなく北出与三郎の作品であることを証明するための印です。
初代と2代目でも落款の形は少し違っていますので、着物に精通した査定士に落款を提示することで初代の(あるいは2代目の)北出与三郎の作品であると認めてもらえ、北出与三郎作品本来の価値に即した買取価格が期待できるでしょう。
擦れや傷などで落款が消えてしまうことのないように大切に保管し、買取査定の際には忘れずに提示するようにしてください。
保存状態を良く保っておく
北出与三郎の着物や帯はどれも価値が高いものばかりですが、保存状態が良くないと買取価格が大きく減額されてしまうことがあります。
具体的には、破れやシミ・カビ・シワ、帯の場合は強い締め跡などがあった場合には減額されてしまう可能性があります。
着物や帯は湿気に弱いですから、湿気によってカビや虫食いが発生しないように保管方法には十分注意する必要があります。
湿気の多い場所を避け、たとう紙に包んで、除湿剤や防虫剤を使用するなどして保管するのが良いでしょう。
除湿剤や防虫剤は着物や帯に直接触れると変色の原因になることがありますから、たとう紙の上から使用するようにしてください。
また、着用していなくても、湿気の多い季節を終えた夏や冬などに虫干しを行うことで、湿気が溜まるのを防ぐことができます。
証紙や箱などの付属品を揃えておく
北出与三郎作品を新品で購入すると、作家銘が入った桐箱が付属してくることが多いです。
また、「監修 北出与三郎」と書かれた証紙が付属してきます。
これらの付属品は、本物の北出与三郎作品であることを示す印であるため、着物や帯の価値を証明するのに役立ちます。
また、着物コレクターにとっては重要なコレクションの一部であるため、付属品がついていることで買取市場での需要が高まります。
このように着物買取市場では付属品が揃っているものが高く評価される傾向にありますので、購入時についていた付属品は、大切に取っておくようにしてください。
北出与三郎作品の買取ならまずはバイセルを試してみませんか?
北出与三郎の着物や帯はたいへん価値のあるもので、特別な場で着用されたり、思い入れも大きい場合が多いのではないでしょうか。
そんな大切な着物や帯を買取に出すのですから、信頼できる買取業者を選ばなければなりません。
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大切な着物や帯であるがゆえに、「やっぱり売らなければ良かったかな」というような後悔の念が残ってくる可能性はあると思います。
しかし、それは着物買取を生業としているバイセルにとって悲しいことです。
そこでバイセルでは、買取の契約をする前にもう1度立ち止まって考えていただきたいと思っています。
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