萩焼の買取相場は?高価買取のポイントやおすすめの買取業者選びも解説!

萩焼は、400年以上もの長い歴史をもつ山口県の伝統工芸品です。
素朴な作風と素材を生かした色味の陶器は人気が高く、骨董品として価値のある焼き物となっています。
骨董品買取市場でも人気が高く、有名作家の作品をはじめとして、高く買取されるケースも多く見られます。
本コラムでは、萩焼の概要や特徴、人間国宝をはじめとする萩焼の有名作家に加えて、買取相場、萩焼を高価買取してもらうためのポイント、買取業者選びのコツなどもご紹介します。
※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。
目次
萩焼とは
萩焼とは、主に山口県萩市で作られている伝統工芸品の陶磁器で、和食器や茶器などが作られています。
粗い土を用いることで、浸透性・保水性・保温性に優れ、優しい風合いの焼き物が出来上がります。
浸透性が高いことから、使い込むほど味が出る性質で、それは「萩の七化け」と言われています。
萩焼の作風は装飾がない素朴なものが多く、枇杷(びわ)色・灰青色・白色など、素材を活かした色味が主流です。
萩焼の歴史は慶長年間まで遡り、1604年に韓国から来た陶工が城下に開窯し、高麗(918年〜1392年まで朝鮮半島を統治した国家)風の茶陶を制作し始めたことから始まります。
長年使い続けることで味わい深くなる萩焼は、茶人の間で茶道具として親しまれてきました。
現在でも茶陶を中心として作られる萩焼は、中でも茶碗の数が多く、高麗茶碗から着想を得たわびさびを感じられる作品が生み出され続けています。
萩焼の買取相場
萩焼を買取に出す時に気になるのが、どれくらいの買取価格がつくかではないでしょうか。
では、骨董品買取市場における萩焼の買取相場はどれくらいになるでしょうか。
萩焼に限らず、焼き物全般に言えることですが、本体の状態や手掛けた作家、制作時期などの細かいポイントで決まります。
それぞれが一点物である陶芸作品の買取においては買取価格は作品ひとつひとつ異なっており、「買取相場はこれくらい」と一概に言うのは難しいものがあります。
しかしながら、「有名作家の作品や古萩(こはぎ:制作年代の古い萩焼)なら高く買取されやすい」といった、ある程度の傾向があります。
たとえば、萩焼で人間国宝に認定されている11代三輪休雪の代表的な作品「鬼萩茶碗」が100万円前後で買い取られたといったケースもあります。
ただし、この買取相場はあくまで保存状態が良かった場合の買取相場です。
作品の保存状態などによっても買取価格は大きく変動しますので、あくまで目安程度に留めておいてください。
実際の骨董品買取市場の取引でも、買取金額の幅は非常に広くなっています。
※上記は参考価格であり、実際の買取価格を保証するものではありません。
※ご査定時の市場状況、在庫状況により買取価格が変動する場合ございます。
※お買取相場の価格は未開封の未使用品を想定しています。お品物の状態によって価格が大きく変わる場合がございますのでご了承ください。
バイセルでは萩焼をはじめとする陶磁器の買取を行っております。
お持ちの萩焼の価値については、ぜひ一度バイセルの無料査定をお試しください。
萩焼など陶磁器のバイセルでの買取実績は?
バイセルには、萩焼を含む陶磁器の買取実績が数多くございます。
以下の各ページでは、陶磁器のバイセルでの実際の買取例について記載してございます。
参考までにぜひご覧ください。
高価買取が期待できる萩焼の有名作家
萩焼を含む陶磁器の買取において、高く買取されやすいものの特徴として「有名作家の作品である」という点が挙げられます。
そして、作家の人気や知名度が高いほど、高い買取価格がつきやすいと言えるでしょう。
ここでは、買取市場でも特に人気の高い萩焼の有名作家をご紹介します。
坂倉新兵衛(さかくらしんべえ)
坂倉新兵衛は、萩焼を代表する大名跡の1つです。
萩焼の始祖と言われる李氏朝鮮の陶工・李勺光(りしゃくこう)が、毛利輝元に招かれて1604年に萩城下で窯を築いたところから始まるという長い歴史を持ちます。
この李勺光を初代とする名跡が坂倉新兵衛です。
歴代の中でも有名なのが、山口県指定無形文化財萩焼保持者に指定された14代・坂倉新兵衛です。
日本伝統工芸展の10回以上の入選歴をもち、その後大阪と東京で毎年個展を開くなどして、精力的に陶芸活動を行っていました。
14代・坂倉新兵衛の温かみを感じられる気品ある作風は、「新兵衛茶陶」と言われ茶人たちの間で愛用されました。
14代の主な作品には「萩八角菊文様食籠」をはじめとする茶碗・水指・茶入などがあります。
吉賀大眉(よしかたいび)
吉賀大眉は、文化功労者にも選ばれている萩焼の有名作家です。
萩焼作家・吉賀要作の長男として生まれ、幼少の頃から陶芸に慣れ親しんで過ごしました。
吉賀大眉はある時から伝統の枠組みの中で作陶することに疑問を抱き、伝統の観念にとらわれない陶芸の美しさを表現することを目指しました。
日本最大の美術展と言われる日展で入賞し、現代感覚を活かした独自の作風を確立します。
吉賀大眉の代表作となる「暁雲(ぎょううん)シリーズ」は、赤みを帯びた明け方の空に霧や雨雲が立ち込めた景色が表されています。
作品の種類としては、茶碗・水指・花器などを主に手掛けています。
坂田泥華(さかたでいか)
坂田泥華は山口県長門市深川で継承される萩焼の名跡で、初代・坂倉新兵衛である李勺光の流れを汲んでいます。
韓国李朝時代に作られていた井戸茶碗の研究を重ねることによって確立した、「泥華井戸」と呼ばれる優雅でおおらかな独自の作風が有名です。
井戸茶碗を中心に茶道具を制作しており、特に茶人の世界で高い評価を得ています。
中でも有名なのが13代・坂田泥華で、1972年には山口県指定無形文化財に認定され、1981年には紫綬褒章を受章しています。
坂田泥華の作品には、井戸茶碗「千代の友」の他、湯飲み・ぐい飲み・花入などがあります。
三輪休雪(みわきゅうせつ)
三輪休雪は、江戸時代前期から続く萩焼の大名跡です。
10代と11代が重要無形文化財「萩焼」保持者(人間国宝)に認定されています。
12代はこれまでの萩焼の既成概念にとらわれない作風で有名で、オブジェとしての作品「ハイヒールシリーズ」「卑弥呼の書」「龍人伝説」など刺激的な話題作を次々と生み出しました。
現在(2019年~)は13代が三輪休雪を襲名しており、花こう岩(鉱物から成る深成岩)から着想を得て作られた茶碗「エルキャピタン」などで知られています。
その他13代の有名作品には、荒々しい土を使って迫力を出した「鬼萩茶碗」や、まさに雪山を連想させるいで立ちの花器・水指などを生み出した「雪嶺(せつれい)シリーズ」などがあります。
萩焼を高価買取してもらうための5つのポイント
萩焼の中には買取市場で高い価値がつくものもありますが、具体的にはどんな萩焼が高価買取されやすいのでしょうか。
また、萩焼をより高く買取してもらうために注意すべき点などはあるでしょうか。
ここでは、骨董品買取市場で高く売れやすい萩焼の特徴として、以下の5つのポイントをご紹介します。
- 有名作家が手掛けた萩焼
- 汚れ・欠け・割れがないなど保存状態の良い萩焼
- 共箱などの付属品が揃っている萩焼
- 古い時代に制作された萩焼
- 入手経路などの来歴がはっきりしている萩焼
有名作家が手掛けた萩焼
萩焼をはじめとした骨董品の買取では、作家の人気・知名度が高いほど需要が高く、買取価格も高くなりやすいという特徴があります。
たとえば、先に挙げた坂倉新兵衛・吉賀大眉・坂田泥華・三輪休雪などの有名作家が手掛けたものは高く買取されやすいと言えるでしょう。
また、名跡の歴代の中でも、人間国宝に認定されているなどの人気作家であれば、特に高い需要が見込めるでしょう。
汚れ・欠け・割れがないなど保存状態の良い萩焼
萩焼をはじめとした骨董品の買取で重要な査定ポイントになるのが、作品の保存状態です。
いくら価値の高い萩焼であっても、ヒビ・キズ・欠け・割れがあるなど、保存状態が悪ければ買取価格は下がってしまう可能性は高いでしょう。
ヒビや割れの原因となるような大きな衝撃を与えないように保管時には必ず箱に入れておくなど、普段から丁寧に扱うようにしましょう。
また、萩焼は浸透性が高く水分を吸い込みやすい特徴があるため、水気が残ったままにしているとカビが発生してしまう可能性もあります。
水分や汚れが付着した場合にはすぐに拭き取り、風通しが良くて湿気が溜まりにくい場所に保管すると良いでしょう。
共箱などの付属品が揃っている萩焼
有名作家が手掛けた萩焼など、骨董的価値のある焼き物は共箱と呼ばれる木の箱に入った状態で世に出されることが多いです。
この共箱はコレクションとしても重要なほか、蓋に作家名や作品名といった墨書きが入れられていることが多いこと、本物の作家ものであるという証明にも大きな役割を果たします。
共箱・鑑定書・保証書など、価値を証明するような付属品があることで買取市場における信頼性が増し、より高く買取されやすくなります。
共箱などの付属品は大切に保管しておき、買取に際には作品と一緒に査定に出しましょう。
また、中には共箱が二重になっているケースもあり、内側の箱の底に銘が入っていることもあります。
二重箱は高価な作品に付くことが多く、湿度や温度の変化による劣化から、一重よりさらに厳重に守ります。
古い時代に制作された萩焼
骨董品の買取において、「どれだけ珍しい品物であるか」は買取価格に大きく影響します。
萩焼をはじめとした陶磁器は壊れやすい工芸品です。
制作年代の古い作品で、状態が良いものは非常に珍しく、そのため買取価格も高くなりやすいと言えます。
具体的には、1700年代よりも前に作られた荻焼は「古荻」と呼ばれ、骨董品買取市場でも価値が高いとされています。
古荻は、近年の荻焼に比べてやわらかい土で焼き上げられているため、表面がぼそっとしたようなきめの粗さが特徴です。
お持ちの作品が古荻かどうかについては、バイセルの無料査定でお確かめください。
入手経路などの来歴がはっきりしている萩焼
骨董品は様々な人の手に渡っていくものですし、価値の高い作家の作品には贋物も多く存在します。
そこで、萩焼など陶磁器の査定では信頼性の確認として、その作品の来歴や、入手した経路や時期といった情報もチェックされます。
例えば、「有名な歴史上の人物が保有していたことを示す収蔵印や書状がある」「業界で信頼されている専門店で購入した際の保証書がある」など、来歴を示す資料は作品の価値を判断するうえでも重要な情報になります。
また、詳しい来歴がはっきりしていなくても、わかる範囲の方法でも査定する際に役立ち、正確な査定につながるかもしれません。
入手経路や時期などの記録がある場合は、処分せずに大切に保管しておきましょう。
萩焼は骨董品の買取実績豊富な業者に売ろう
萩焼は、有名作家の作品などを中心に高く買取されることも多いです。
そんな価値ある萩焼を売るなら、骨董品の買取実績豊富な業者に依頼するのがおすすめです。
萩焼などの陶磁器を適正な価格で買取するためには、以下のようなポイントを正確に見定めなければなりません。
- 作家の人気
- 作品の希少性
- 制作年代
- 保存状態
- 付属品の有無
- 使われている技法
このように、陶磁器の価値を適正に判断するというのは、専門知識を持った買取業者でなければ非常に難しいことなのです。
買取業者選びを間違えてしまうと、せっかくの価値ある萩焼も、本来の価値に見合った価格で買取してもらえない可能性があります。
その点、陶磁器など骨董品の買取実績豊富な業者なら、それだけ多くの人に選ばれており、査定経験も豊富ということになります。
安心して利用できるでしょう。
萩焼を売るなら骨董品の買取実績豊富なバイセルへ
萩焼の買取をお考えなら、骨董品買取のバイセルにお任せください。
バイセルは日本全国で骨董品などの買取サービスをご提供し、たくさんのお客様・リピーター様からご指名をいただいてまいりました。
バイセルの査定士は、高い専門知識と豊富な査定経験を生かして、萩焼をはじめとした陶磁器1点1点の価値をしっかりと見極め、正確に鑑定します。
バイセルの出張買取ならお電話1本、手数料完全無料で日本全国への出張買取に対応しております。
「試しに価値がどれくらいか聞いてみたい」「傷や汚れがあって売れるか不安」といった場合にも無料でご相談いただけます。
ぜひ1度お気軽にお試しください。

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こんな状態でも査定してもらえる?萩焼買取のQ&A
萩焼を含む骨董品の買取には分かりにくい点も多く、特に初めての人にとっては疑問点はつきものかもしれません。
ここでは萩焼の買取に関して、よくある質問をQ&A形式でご紹介します。
傷や汚れがある萩焼でも見てもらえる?
傷や汚れがあるなど保存状態の良くない萩焼は買取金額が下がってしまう可能性はありますが、査定自体は可能です。
多少の傷があっても買取価格がつくものもありますので、まずはバイセルの無料査定で価値をお確かめください。
作者が誰か分からない萩焼でも見てもらえる?
骨董品の買取では、親族や知人から譲り受けたものなどで、「どうやら萩焼ではあるようだが、誰の作品かは分からない」といったケースも珍しくありません。
そのような場合でも、骨董品買取のバイセルなら、専門知識を持った査定士が1点1点どういう品物であるかを見極め、適正な価値を判断いたします。
作者が分からなくても気兼ねすることなく、まずはバイセルにご相談ください。
共箱がない古い萩焼でも査定してもらえる?
共箱は付いていることでより高く買取される可能性もありますが、無いからといって査定ができないというものではありません。
共箱が無い萩焼でも、バイセルの査定士が1点1点どういう品物であるかを見極め、適正な価値を判断いたします。
共箱がない古い萩焼でも、有名作家の作品で保存状態が良いなどの条件が揃っていれば、高く買取される可能性もあるでしょう。
萩焼以外の陶器も一緒に見てもらえる?
骨董品買取のバイセルでは萩焼だけでなく、国内・海外の様々な陶磁器について豊富な買取実績がございます。
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なお、陶磁器の数が多い場合には、売りたい品物を持ち運ぶ必要のないバイセルの出張買取がおすすめです。
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