
古い「500円札」をご存じでしょうか?タンスのなかにしまってあるという人もいるでしょう。
500円札は昭和の半ば頃に使われていたお札で、いまでは日常生活で見かけることはほとんどなくなりました。
ということは...「ひょっとすると古銭買取に持って行くと高く買取ってもらえるのでは?」そう思った人もいるかもしれません。
そこで今回は、500円札の価格相場についてご紹介するとともに、その他のお札とも共通する「エラープリント」や「珍番号」の見極め方も解説しているので、そちらも合わせてご覧下さい。
500円札とは?
500円札は1951年(昭和26年)に発行が開始され、1994年(平成6年)に支払い停止となった旧紙幣です。
表面の肖像として描かれているのは岩倉具視で、幕末から明治にかけて活躍した下級公家出身の政治家で、西郷隆盛、大久保利通らとともに倒幕・明治維新に尽力しました。
裏面に描かれている富士山の原画は、1942年(昭和17年)11月3日に、当時の国鉄職員・名取久作が山梨県大月市の雁ヶ腹摺山山頂から撮影した写真です。
B号券

B号券は1951年(昭和26年)に発行開始、1971年(昭和46年)に支払停止となりました。
サイズは縦76ミリ×横156ミリで表面に桜の花が描かれています。また、「五百円」の表記の下に「500」という数字が入っているのも特徴です。
裏面は図案化された大きな「500」の文字が富士山の左側にあり、透かしを見る白い部分がありませんが野菊と「500」の透かしが入っています。
C号券

C号券は1969年(昭和44年)に発行開始、1994年(平成6年)に支払停止となりました。
サイズは縦72ミリ×横159ミリで全体に青を基調とし、B号券よりも精緻なデザインです。透かしのための余白があり桜花と波線が確認できます。
このC号券は、500円玉が発行された3年後の1985年(昭和60年)まで製造されていました。
今すぐチェック!額面以上の価値があるプレミア500円札はコレ!
額面以上になるプレミア紙幣と称される500円札にはいくつかの特徴があります。
- エラープリント500円札
- 福耳つき500円札
- 通し番号の珍番号
- AA券
上記はあくまでも代表的なもので、他にも多数あります!
下記で詳しく説明しているので、読んでいきましょう!
エラープリント500円札

印刷のエラー、ミスが見られる500円札です。印刷の液ダレが見られる、ズレや滲み、欠損がある、記番号など文字の一部の太さが違うといったエラーが考えられます。
エラーの度合いにもよりますが、もしもこうした500円札が見つかれば「10~150倍」程度の値段がつく可能性があります。
福耳つき500円札

造幣局での印刷工程で生じた裁断ミスにより、紙幣の4つ角のいずれがに紙片が残ってしまったものが該当します。(通称:福耳)
製造技術の向上した現在ではほぼ福耳エラーが起こることは考えづらい状況ですが、500円札の流通していた1950年代は技術が低く稀に流通していたようです。
通し番号の珍番号
紙幣の端に記載されている番号を「通し番号」と呼び、珍しい並び順の番号は珍番号と呼ばれ高値が期待できます。
珍番号の名称 | 通し番号の並び順 |
---|---|
トップ番号 | 000001 など |
ゾロ目 | 333333、555555 など |
キリ番 | 100000 など |
階段 | 123456 など |
サンドイッチ番号 | 122221 など |
通し番号はそれぞれ推定される発行枚数などによって価格が変わります。
同じゾロ目でもラッキーナンバーの「777777」、末広がりの意味がある「888888」は人気があります。
また同じキリ番でも「400000」よりキリのいい「500000」のほうが価値が上がるといった傾向もあります。
AA券
AA券は「A6789934A」のように頭記号が1桁で、頭記号と末尾記号がどちらもAである紙幣です。
ただし、もともと各紙幣の「A000001A」~「A000100A」までは記念品として施設や機関に寄贈され、市場に出回ることはほとんどないと言われています。
それでも、1万円札の「A000007A」がテレビの鑑定番組に登場したことがあり、そのときは「300万円」の値がつけられました。
ちなみに「AA398748A」など、頭記号2桁のお札はZまでを使ったあとに製造されたものなのでAA券ではありません。
その他(ZZ-Z券、重複記号、ちょうちん番号)
一般的に「ZZ453876Z」といったZZ-Z券は、その紙幣の最後に製造されたことを示す「最終期番号」で、これも価値があります。
「B346897B」「CC567899C」など英字が重複しているものは「重複記号」と言われ、価格が高くなります。
さらに「J888888J」など通し番号の珍番号と英字の重複記号が組み合わさった「ちょうちん番号」も価格が上がります。
おわりに
今回は「岩倉具視500円紙幣」と言われる500円札について、どんな場合に価値がつくのかをご紹介しました。
普通の500円札には額面以上の価値はないものの、場合によっては高額で買取ってもらえるものがあるということがおわかりいただけたでしょうか。
500円札が家のどこかにしまってあるという人は手元に持ってきて、エラープリントがないか、通し番号や記号がどうなっているかなど、ぜひチェックしてみてください。
思い当たるような500円札があったら、そのときは買取専門店に持ち込んで見てもらいましょう。
なお相場は常に変動するので、ここで挙げた価格はあくまで目安と理解してください。
記番号のことなどに詳しくなると、普段からお札を見る目も変わってくるはずです。
エラープリントや珍番号、AA券などは500円札以外のお札にも有効なので、気になったらそちらも調べてみましょう。
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