真っすぐに伝統を守り続ける芭蕉布
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- 保存状態や種類により買取価格が変わりますので一度拝見いたします。お電話・メールよりお問合せ下さい。
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沖縄の伝統工芸品である芭蕉布は、植物の茎の繊維を取り出し、糸にして織って作られています。
昔ながらの製法と技法で製造されているため、糸を作るまでに大変な手間が掛かる織物です。
昔は沖縄のあちこちで織られていたものの、現在では非常に希少になった芭蕉布について説明します。
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芭蕉布の芭蕉はバナナの仲間
芭蕉布は、沖縄で昔から織られてきた布の中で最も長い、100年以上の歴史を持ちます。
「芭蕉」とはバナナを含むバショウ科の多年草の植物のことです。芭蕉布の原材料はバナナではありません。
バナナの実がなるバショウ科の植物は「実芭蕉」と呼ばれます。そして、芭蕉布を織る繊維を取るバショウは「糸芭蕉」です。
こちらは沖縄だけでなく九州や本州にも生えていて、俳人の松尾芭蕉の名前の由来になったという説があります。
糸芭蕉は、元は中国原産ですが、英名はジャパニーズ・バナナです。この2つのバショウの他に、花を楽しむ「花芭蕉」というのもあります。
黄色い実のバナナとは違いますが、芭蕉は意外と古くから日本では身近な植物だったのです。
材料と手間が非常に掛かる布
芭蕉布にする糸は、糸芭蕉の茎から取られます。
茎はタマネギのように何層にもなっていて、内側の繊維が細くてやわらかく、着物に使う布を作るのに向いています。
外側の繊維では、座布団などの布が織られます。またこの表皮で紙も漉けるのです。
着物に適している繊維は、1本の糸芭蕉からはほんの少ししか取れません。1反に200本の糸芭蕉がいるとされています。
さらに、灰汁で煮たり、繊維を手作業で糸にしたりと、非常に手間が掛かるのです。
そして、できた糸を染め、織り、仕上げをして完成させるのにも、たくさんの工程が必要となります。
芭蕉布の糸や染料の原料は、沖縄産の自然素材です。
糸の原料には多数の糸芭蕉が必要ですが、線維が取れるまでに育つのに3年掛かります。
作れる職人も、現在ではそんなに多くはありません。
このように貴重な芭蕉布は、国の重要無形文化財に指定されている伝統工芸品でもあるのです。
涼やかで実用性に富む芭蕉布
芭蕉布は、丈夫で軽く風通しが良いため、蒸し暑い沖縄の気候に適した着物になります。
地色も透明感があり、そこに涼し気なデザインが施され、見た目にも実用性にも優れています。
以前、芭蕉布は沖縄の各島で作られていましたが、合成繊維の普及などで需要が減ったこともあって、現在は大宣味村の喜如嘉が主な産地となっています。
ですから、喜如嘉産の芭蕉布には証紙が付いているのです。
重要無形文化財の芭蕉布は喜如嘉産ですが、修行するなどして独立し、別の場所で制作を行っている芭蕉布作家もいます。
芭蕉布で作られる商品は着物や帯だけではなく、バッグやネクタイ、コースターなど日常生活で使用しやすいものも作られています。
希少価値を持つ芭蕉布
芭蕉布と間違われやすいものに絹芭蕉があります。
「芭蕉」という言葉が使われていますが、絹が原料の織物です。
芭蕉布は原料をそろえて制作するのが大変で量産もしにくいため、絹を使った芭蕉布の風合いを持つ織物が開発されたのです。
絹芭蕉もシャリシャリしたしなやかな布で、夏の着物に適していますが、芭蕉布とは別物です。
芭蕉布は年に300反も作ることができません。
直接工房に注文した場合は数年掛かることもあり、店頭販売されている商品も種類によっては品薄です。
そのため芭蕉布は、着物買取業者での買取相場が高価なものになっているのです。
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