機械式腕時計のお手入れ方法!すぐできる掃除からオーバーホールまで詳しく解説

お気に入りの腕時計は、できるだけ長持ちさせたいものです。
長持ちさせるには、適宜セルフメンテナンスを行なうのが効果的です。
ただし、セルフメンテナンスの方法について理解していないと、大切な腕時計の寿命が短くなってしまいかねません。
とりわけ構造の複雑な機械式腕時計は、パーツや素材別での適切なお手入れ方法を学ぶことで、より長く使用できます。
この記事では、機械式腕時計のお手入れ方法や、パーツ・素材別のお手入れ方法について紹介しています。
機械式時計の状態維持に必要な「オーバーホール」についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
機械式腕時計における3つのお手入れ方法

機械式時計の状態を維持するためのお手入れには、以下3つの方法が挙げられます。
- 時計の着用後にできる簡単なお手入れ
- 手間をかけて行なう汚れ落とし
- オーバーホール
ここではそれぞれについて詳しく解説します。
時計の着用後にできる簡単なお手入れ
お気に入りの機械式腕時計を長く美しく保つには、使ったあとのお手入れが重要です。
腕時計は常に肌と接するため、汗や皮脂汚れが付きやすくなります。
使用後は、やわらかい布やマイクロファイバークロスなどで、時計のケースやストラップを優しく拭くことで、汚れの蓄積を防止できます。
手間をかけて行なう汚れ落とし
日常的なお手入れだけでなく、定期的に手間をかけて汚れを落とすことも重要です。
毎日拭き取りを行なっていたとしても、細かい汚れが隙間に入り込み、落としきれない場合もあります。
定期的に手間をかけて汚れを除去すれば、細かい汚れも一掃でき、汚れによる故障や動作不良を防ぐことが可能です。
オーバーホール
オーバーホールとは、機械式腕時計の状態を最適な状態に戻すための重要なお手入れで、時計のすべての部品を分解・洗浄し、調整後再度組み立てを行なうというものです。
分解や組み立てには専門的な知識が必要なため、メーカーや修理店へ依頼するのが一般的です。
【パーツ・素材別】着用後に行なう機械式時計の簡単なお手入れ方法
機械式時計のお手入れには、それぞれのパーツや素材に適した方法があります。
最適な方法でお手入れすれば、より長く愛用できるでしょう。
ここでは、パーツ・素材別の簡単なお手入れ方法を紹介します。
ケース・ガラスのお手入れ方法
腕時計のなかで、文字盤などが入っている本体となる部分を「ケース」と呼び、腕時計の前面に付いているガラス部分を「ガラス」と呼びます。
毎日時計を着用していると、皮脂や油汚れの付着は避けられません。
そのため、時計を外したら、早めにやわらかい布やマイクロファイバークロスなどで汚れを拭き取りましょう。
汚れがひどい場合は、綿棒や除菌シートを使うのも有効ですが、強くこすると傷が付く場合もあるため注意が必要です。
リューズ・ベゼルのお手入れ方法
リューズとは、文字盤の3時の位置に配置されている、時計やカレンダーを操作するパーツを指し、ベゼルとは、ガラスのまわりにあるリング状のパーツを指します。
リューズは素手で触る機会が多く、手垢が溜まりそのまま錆びて故障することが多い箇所です。
日々のお手入れでは、リューズを引き出して、先の細かいブラシなどで細かな汚れを除去しましょう。
ベゼルの場合、やわらかい布やクロスでは拭き取りづらいため、縁に沿うようにブラッシングするのがおすすめです。
ベルト・ブレスレットのお手入れ方法
ベルトとは、腕時計を腕に装着するための部位を指し、金属素材の場合はブレスレットと呼ばれます。
金属素材(チタン・ステンレス)のブレスレットの場合、ブレスレットを傷付けないためにも、やわらかい歯ブラシで汚れを落としましょう。
歯ブラシでも落とせないような細かい汚れは、爪楊枝を用いれば除去できます。
革素材のベルトの場合、汗や皮脂汚れが付着しやすいため、時計を外してからやわらかい布やマイクロファイバークロスなどで、定期的に汚れを拭き取ります。
汗などが残ってしまうと、臭いの原因にもなるため、水分を残さないよう意識しましょう。
シリコン・ウレタン素材のベルトは、やわらかく傷が付きやすいものです。
歯ブラシなどで汚れを落とすとベルトに細かい傷が付いてしまうため、やわらかい布やマイクロファイバークロス、ウエットティッシュなどで汚れを取り除きます。
【パーツ・素材別】手間をかけて行なう機械式時計の汚れ落とし方法
お気に入りの機械式腕時計を長く愛用するには、定期的に時間を取り、しっかりと汚れを除去するのも大切です。
ここでは、パーツ・素材別の手間をかけて行なう汚れの落とし方を紹介します。
ケース・ガラスのお手入れ方法
ケースに汚れが蓄積すると、防水性を発揮できなくなったり、汚れそのものが時計の内部に侵入したりするおそれがあります。
外装の隙間部分に歯ブラシを当て、さまざまな角度や方向から磨くことで、汚れの除去が可能です。
歯ブラシでは取れない汚れの場合、爪楊枝で削り、その後歯ブラシで汚れを一掃しましょう。
ガラスの場合、ガラスコーティング用の時計磨きグッズが売られているため、それらを使用し磨けば、細かい傷を消すことができ、さらにコーティングされ傷が付きにくくなります。
ただし、大きな傷の場合は、ガラスを交換しなければいけない場合もあるため、専門店で見てもらいましょう。
リューズ・ベゼルのお手入れ方法
リューズに付いた汚れは、綿棒でこすれば落とせます。
こびりついた頑固な汚れには爪楊枝を使い、丁寧に汚れを落としましょう。
リューズはあまり動かす機会がありませんが、定期的に動かすことで潤滑油が巡り、汚れの固定化や錆びの防止にもなります。
ベゼルまわりは細かいため、爪楊枝で掻き出すように汚れを取り除きます。
ベゼルやリューズまわりは、メンテナンスを怠るとトラブルの原因にもなりやすいため、定期的にしっかりとお手入れを行ないましょう。
ベルト・ブレスレットのお手入れ方法
金属素材のブレスレットをしっかりお手入れするには、食器用洗剤などで使う中性洗剤と、歯ブラシを用意します。
歯ブラシに洗剤を付け、泡立ててからこすれば、たいていの汚れは落とせます。
ブレスレットを磨いたあとは、洗剤が残らないようしっかり水で洗い流し、乾燥させましょう。
革素材のベルトは、汗による湿気を多く含みやすく、臭いが気になるケースも少なくありません。
臭いの除去や雑菌の防止には、重曹を使用したお手入れがおすすめです。
大さじ2~3杯の重曹を布で包み、革素材のベルトと一緒にビニール袋に入れ数日置いておけば、臭いも取れ、除湿効果も期待できます。
ただし、これはあくまでも脱臭の方法であり、革素材のベルトを洗浄する際に重曹の使用はNGです。
シリコン・ウレタン素材のベルトは、傷が付きやすく、ゴミが溜まりやすい性質があります。
お手入れを行なう際は、ベルトを本体から外し、洗面器にぬるま湯を入れ、中性洗剤を5倍程度に薄めたものへ漬け込んで洗いましょう。
汚れが取れたら、濡れたタオルで拭き、ドライヤーで完全に乾かします。
風通しの良い場所に2~3日置いておけば、自然乾燥も可能です。
機械式時計の状態維持に必要な「オーバーホール」

ここまでで紹介したお手入れ方法は、おもに時計の外観に対して行なうものです。
一方、機械式時計の内部では、潤滑油が日々劣化し、3年~5年も経てば油の硬化が始まってしまいます。
硬化によって潤滑油が本来の役割を果たせなくなると、部品の摩擦圧が上がり、動作不良や破損などが起こる可能性もあります。
腕時計の使用頻度や状態にもよりますが、機械式腕時計の場合、3~5年に1回、クオーツ式では4~5年に1度のペースでオーバーホールが必要です。
オーバーホールの費用相場
オーバーホールの費用は、時計のブランドや依頼先によって変わります。
海外ブランドの場合、正規店やメーカーであれば5~15万円程度、時計専門店では2~7万円程度が一つの目安です。
これに対し、国産ブランドの場合、正規店やメーカーで2~10万円程度、時計専門店では1~5万円程度と見ておくとよいでしょう。
愛用の時計を高く売るためにも日々のお手入れは大切
中古市場では、再販売などを目的に古い時計の買取査定を行なっています。
機械式時計の買い取りの際には、ケース・ガラス・ブレスレットなどの状態も大事な査定ポイントになります。
日々のお手入れにより良い状態を保てば、査定士に対して魅力や大切さのアピールもしやすくなるでしょう。
高級時計の買取査定なら、時計に詳しいバイセルにぜひ相談してください。
おわりに
この記事では、機械式腕時計における3つのお手入れ方法について詳しく紹介しました。
パーツや素材によってもお手入れ方法や注意すべきポイントは異なります。
そのため、ご自身が愛用している時計にはどのような方法が適切かを理解したうえでお手入れすることが大切です。
時計の着用後だけでなく、定期的に手間をかけじっくりとお手入れを行なえば、より長く時計を使用できるでしょう。

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