
聖徳太子や板垣退助は、紙幣の柄になっていることを知っている人は多いでしょう。
しかし、聖徳太子や板垣退助が何の紙幣に載っているのか、またどのような背景をもとに作られて価値があるかまでは、知らない人が多いのではないでしょうか?
今回は、100円札の種類の説明と買取相場、高額買取が狙える100円札の3つの特徴をご紹介します。
記事のポイント『1分まとめ』
当記事を1分で分かるようにまとめてました!
お時間のない方はここだけを読むか、気になる項目があれば詳細を押して、詳しく読みたい項目へ進みましょう。
100円札は『9種類』
100円札の買取相場
買取相場については、各100円札の種類や状態によって様々です!正確な価値を知りたい場合は、試しに査定を利用するのが手っ取り早いです。
ただ、相場感をイメージしたいという方は詳細をご確認いただければと思います。
高額買取が狙える100円札の特徴は『3つ』
上記3つの条件のいずれかでも満たす100円札は『額面以上の価値』を期待できるでしょう。
とはいえ、自分で紙幣の価値を調べようと思っていても、正直限界があります。自己判断だと細かい部分に気づかないケースも多いです。
そのため、自己判断ではなく古銭査定のプロに価値を調べてもらいましょう。
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100円札とは

当記事で紹介する100円札は、聖徳太子や板垣退助が印刷されているものをメインとします。
100円札とは1872年から1974年まで流通されていた紙幣で、現在は発行停止されていますが、一部の100円札は額面での使用可能です。
なお、100円札の中には、額面の30倍以上の価値があるお札も存在しています。
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不用意な取り扱いは紙幣のダメージに繋がり、場合によっては価値がなくなってしまう恐れもございます。

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100円札は9つの種類がある

100円札は明治時代初期から発行されて、全部で9種類の100円札が発行されました。
紙幣によっては聖徳太子や板垣退助などの肖像画が描かれており、それぞれに特徴があります。
ここでは全9種類の100円札の特徴をご紹介します。
明治通宝百円券
明治通宝は1872年に明治政府が発行した紙幣です。
明治通宝の前には、様々な機関が紙幣を発行しており、偽札が横行していました。
そこで、偽造をされないように導入した紙幣が明治通宝です。
しかし、明治通宝は額面は違っても図案が9種類全て同じで、額面を変える不正や偽造が多発したため、1881年に偽造の多さから改造紙幣に換えられました。
参考ページ:明治通宝の価値を種類別に解説!買取相場はどのくらい?
参考ページ:改造紙幣の買取相場は?おすすめの買取方法とは?
大黒札(旧百円券)
大黒札は1885年に発行された、商売や農業の神様である大黒天の座像が描かれている紙幣です。
偽造や不正で混乱した状況を改善するために、1882年に日本で唯一の紙幣を発券できる機関である日本銀行を設立しました。
日本銀行が初めて発行した紙幣がこの大黒札です。
大黒札は偽造防止のために青色インクを使用していました。
しかし、化学反応を起こしやすい鉛白が含まれていたため、温泉地などでは硫化水素と化学反応を起こして黒色に変化して、簡単に偽造ができるようになってしまいました。
ちなみに紙質強化のために、紙幣にこんにゃく粉を混ぜたら害虫被害が多発した話はとても有名です。
藤原鎌足の100円札
藤原鎌足が描かれた100円札は「改造百円券」と「甲号券」の2種類があります。
ここでは、改造百円券と甲号券の特徴をご紹介します。
改造百円券
藤原鎌足の改造百円券は、1891年~1939年まで使われていました。
改造百円券のサイズは縦30mm、横210mmと、日本で発行された紙幣の中で最もサイズが大きいです。
改造百円券の図柄は、表面が藤原鎌足の肖像画で裏面は彩紋です。
表面の図柄は眼鏡の形に見えることから、通称「メガネ百円」や「メガネ鎌足」とも呼ばれています。
なお、大黒・旧百円券と同じく改造百円券も発行枚数が少なく、現存数も数枚程度といわれるくらい珍しい紙幣です。
甲号券
「甲号券」は、改造百円券の後の1900年~1939年まで使われていました。
甲号券はサイズが縦104mm、横180mmで、表面は藤原鎌足のままで、裏面は紫色が多用されていたことから、通称「紫百円」や「裏紫百円」とも呼ばれています。
甲号券は製造年が和暦で書かれていますが、組番号と通し番号の表記は前期甲号券と後期甲号券で違います。
前期甲号券は変体仮名の組番号と漢数字の通し番号が組み合わせで、後期甲号券は組番号とアラビア数字の通し番号になっています。
なお、前期甲号券と後期甲号券では査定時の価値に差があり、保存状態の良い前期甲号券は買取相場が数百万円にも上る可能性があります。
聖徳太子の100円札
聖徳太子の100円札は1930年から1956年まで発行されており、種類は乙号券、い号券、ろ号券、A号券があります。
紙幣4種類の図柄には、表面が聖徳太子と夢殿で裏面が法隆寺が描かれています。
なお、ろ号券は表面は聖徳太子のみで、裏面は他の紙幣と同じ柄が描いてあります。
乙号券
「乙号券」は、1930年~1946年まで使われていました。
関東大震災や昭和恐慌のために、一時停止していた金への引き換えを再開するのに合わせて流通したもので、発行枚数の多さで有名です。
乙号券はサイズが縦93mm、横162mmです。
い号券
「い号券」は1944年~1946年まで使われていました。
い号券のサイズは縦93mm、横163mmです。
図柄は乙号券と同じですが、100円札のい号券は「日本銀行兌換券」ではなく「日本銀行券」になっています。
また、乙号券とい号券は、聖徳太子の表情と全体の彩色の違いがあります。
い号券は、現存数が多い紙幣でもあります。
ろ号券
「ろ号券」は1945年から1946年まで使われており、戦後発生する混乱に備えて終戦直後に緊急で作られた紙幣です。
新円切り替えで1年足らずで運用停止となったので、ろ号券は乙号券・い号券よりも高い価値があります。
また、ろ号券が流通された時期は戦後に国力が衰退した時期と重なり、100円札のろ号券は彩色の簡略化がされています。
100円札の乙号券やい号券と比較すると、ろ号券は肖像画の位置が表面の中央へと変更されています。
なお、紙幣のサイズは縦93mm、横162mmです。
A号券
「A号券」は1946年から1956年までインフレ抑制を目的に発行され、発行期間は終わりましたが現在でも使用できる紙幣です。
A号券はサイズが縦93mm、横162mmで、い号券のデザインを踏襲していますが、彩色の変更と新円標識が追加されています。
A号券の印刷は民間の工場も任されており、印刷工場によっては透かしなどが大きく違っていました。
板垣退助の100円札
板垣退助の100円札は「B号券」と呼ばれ、1953年から1974年まで使われていました。
B号券を発行したのは、A号券と同じくインフレ抑制のために発行されたことと、徐々に偽造被害が目立ってきたためといわれています。
B号券は表面が板垣退助の肖像画、裏面が国会議事堂の図柄で、サイズは縦76mm、横148mmです。
B号券は前期と後期で発行時期と色に違いがあり、前期は表面と裏面がクリーム色で、後期は乳白色となっています。
この100円札は発行時期によって3種類あり、それぞれ特徴があります。
「発行枚数が最も少ないとされる初期」「先頭にアルファベットが2つある前期」「全体が白っぽい後期」と区分されており、お札に何が記載されているかで価値が違います。
なお、現在もB号券の100円札は利用できます。
100円札の買取相場


- 明治通宝
現存数が少なく、古銭市場においても買取相場を付けるのが難しいです。
※この100円札は数万円程度になるなど、額面をはるかに超える買取相場が予想されます。 - 大黒・旧百円券
買取相場について、美品であれば『数千円程度』になる可能性が高いです。 - 藤原鎌足・百円券
買取相場について、保存状態が美品であれば『数万円以上』が期待できます。 - 聖徳太子の100円札
買取相場について、保存状態がきれいであれば『数万円以上』で、少し汚れている場合は『数百円から数千円程度』です。 - 板垣退助のB号券
買取相場について、希少性の高いB号券以外は『数百円程度』です。
高額買取が狙える100円札の3つの特徴

高額買取の可能性が高い100円札にはある特徴があります。
これらの特徴があり、なお且つ保存状態が良ければ、買取金額が跳ね上がるかもしれません。
エラー紙幣
「エラー紙幣」とは、製造過程で起きた印刷・断裁ミスで、造幣局が気づかずに流通してしまった珍しい紙幣です。
エラー紙幣のある100円札は、中古市場でも価値が高くてコレクターが欲しがるため、高値で買い取られる可能性があります。
以下に、エラー紙幣はどのような種類があるのかをまとめました。
印刷ミス
印刷ミスにはこのような特徴があります。
- 紙幣の絵柄の一部が空白になっている
- 紙幣の余白の幅が上下で異なっている
- 絵柄が片面だけに刷られている
- 絵柄がずれている
- 絵柄が重なっている
- インクのにじんでいる
紙幣の余白は広いものから数ミリ単位で違うものあります。
また「裏写り」という、紙幣の裏に印刷されるはずの絵柄が表に刷られているミスもあります。
記号違い
「記号違い」は、紙幣の下にあるアルファベットと数字が表面と裏面で違う紙幣です。
なお、通常は紙幣の表と裏は一致しています。
透かし
「透かし」は、アルファベットや数字が透けてしまっている紙幣です。
パッと見ただけではわかりにくいのが特徴です。
耳つき
「耳つき」とは、紙幣を印刷した後、切りべきところに余分な紙が残っている紙幣です。
通常、紙幣は大きな紙に複数枚印刷された後、決められた形に裁断して形に整えます。
しかし、紙幣の四隅の一部が裁断されていません。
そのたため本来のサイズよりも余白の分があって大きくなっていたり、一部が飛び出しています。
記番号
「記番号」とは、紙幣に印字された通し番号(シリアルナンバー)で、発行元が紙幣の管理をしやすいように付けたものです。
例えば、以下のような記番号がエラー紙幣に含まれます。
- 【A******A】とアルファベットで挟まれている
- 【RR******R】とアルファベットが揃っている
- 【*123456*】や【*888888*】とゾロ目・連番になっている
- 【100000】や【200000】 などキリのいい数字になっている
- 【*122221*】や【*800008*】と数字が左右対称になっている
- 【*000001*】のように初期に印刷された製造番号になっている
希少価値の高い100円札にある共通点に、発行枚数と流通量の少なさがあります。
また、同じ種類の100円札でも、発行枚数が少ない紙幣や、上記のような紙幣の左上と右下に印刷されるアルファベットと数字を組み合わせた記番号は高額買取が期待できるでしょう。
帯付き
「帯つき」とは、帯が付いている札束を指します。
帯つきの100円札は超高額買取になる可能性を秘めているのです。
使った形跡がない新品の紙幣には帯が付いており、見つけたら帯を外さずにシワもつけずに厳重に保管しておきましょう。
エラー紙幣があるだけでも高額買取に近づきます。
しかし、シミ、シワ、カビ、折り目が付いていると、保存状態が悪いと見なされて買取相場が下がる恐れがあります。
エラー紙幣がある場合は、特に保存状態に注意して保管しておきましょう。
古銭に熟知している買取業者に査定をしてもらう

100円札は古銭に熟知している買取業者に査定をしてもらうことをおすすめします。
買取業者は紙幣の状態が良くても悪くても、古銭の知識と査定経験が豊富なために、価値相応の買取金額を付けてくれます。
買取業者の査定員は、査定時に100円札の希少価値があるかどうか、柄や重さ、保存状態などの査定基準を設けてを総合的に判断します。
100円札の価値は、古銭の知識がない人には価値を見定めるのは難しいです。
自宅に売却しようか迷っている100円札があるなら、古銭に熟知した買取業者に査定をしてもらいましょう。
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