レコードの針圧で聴こえ方が変わる?針圧調整の仕方と調整がいらないレコーダーとは?
レコードはCDにはないアナログな音質が楽しめることで人気が高まっています。
ただし、レコードプレーヤーで再生するときは、そのまま針を落とせばいいわけではありません。
状況に応じて針の重さ(針圧)を調整することが必要です。
この記事では針圧調整に関する解説や、実際に調整するときのポイントを説明します。
また、難しい調整をしなくても気軽にレコードが楽しめるプレーヤーも併せてご紹介します。
針圧調整とは何か、どうやって調整するのかを知りたい方は参考にしてみてください。
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目次
レコードプレーヤーの針圧(しんあつ)とは?
針圧とは、レコード針がレコードを下方向に押さえるときの重さ(圧力)です。
一般的に針圧が軽いと高音の抜けが良くなり、重いと重低音が増してノイズが少なくなるといわれています。
しかし、針圧が軽すぎると針飛びしてきれいに音が流れず、重すぎると針がレコード盤を強くこすってしまって、レコードを傷つける原因になります。
レコードの針圧を調整するだけで好みの音色を作れるのが、レコードの魅力です。
プレイヤーを置いている部屋の気温やレコード針によって適切な針圧が変わるので、レコードを使い続けたいのであれば針圧の調整の仕方を覚えておくといいでしょう。
針圧の調整にまつわる部品
針圧調整をする際はレコードプレーヤーの様々な部品を操作します。
ここでは針圧調整に関わる部品と便利なアイテムを紹介します。
針圧調整に関わる部品
インシュレーター | レコードプレーヤーを支える足の部分。回すと高さを調節できる。 |
バランスウェイト | 針圧を調節するための重り。回して調整する部分が2つある。 |
カートリッジ | レコード針のこと。シェルと一体型もある。 |
トーンアーム | くの字に曲がっている棒状の部品。カートリッジを先端につける。 |
シェル | トーンアームとカートリッジをつなぐ部品 |
アンチスケーティング | 再生中に、針が内側に向かおうとする力を抑えるダイヤル式の部品。 |
ピボットベース | アンチスケーティングを固定する部品 |
トーンアームホルダー | トーンアームを固定するための部品 |
あると便利なアイテム
針圧計 | 調整を行なったあとに針圧を確認するためのアクセサリー |
水準器 | レコードプレーヤーを水平にするときにあると便利 |
針圧の調整方法
ここでは針圧調整の手順を紹介します。
慣れればスムーズにできるので、手順を見ながら調整してみましょう。
1、ターンテーブルを水平にする
ターンテーブルを平らな場所に設置します。
インシュレーター(ターンテーブルの足)を回して、ターンテーブルが水平になるように高さを調節しましょう。
2、針先とバランスウェイトが平行になるように調整する
ターンテーブルの高さを水平にしたら、トーンアーム(くの字に曲がった棒状の部品)にカートリッジを取り付けます。
トーンアームの根本にはバランスウェイト(針圧を調整するための重り。目盛りが書かれている)が2カ所あり、外側部分を回しながらトーンアームとターンテーブルを平行に調整します。
3、針圧の目盛りをゼロにして、レコード針に合わせて針圧を調整する
トーンアームとターンテーブルを平行にすると、針にかかる重さはゼログラムになります。
この状態をゼロバランスといいます。
次にトーンアームにある線に合わせて、針圧の目盛りをゼロにします。
ここからお持ちのレコード針に合わせて針圧を調整します。
レコード針ごとに適切な針圧があるので説明書を確認してください。
例えば、STANTON社製「500 AL II」の適正針圧は「2.0〜5.0」です。
針圧がわからない場合はカートリッジの説明書やメーカーの公式サイトを確認しましょう。
針圧を調整する際に目盛りではなくバランスウェイトを回さないと、ゼロバランスが崩れてしまうので注意してください。
4、アンチスケーティングのダイヤルを針圧に合わせる
針圧調整をしたら、最後にアンチスケーティングの調整をしましょう。
アンチスケーティングとは、レコードを再生しているときにアームが回転軸の中心に向かって引っ張られないようにするものです。
アンチスケーティングのダイヤルを針圧の数値に合わせて、アンチスケーティングが動かないようにピボットベースをロックすれば完了です。
初心者でも扱いやすいレコードプレーヤー
針圧調整は、手順に慣れていないと手こずってしまいますよね。
プレイヤーを使い慣れていないと、レコード針ごとに適切な針圧を設定したり、音飛びや音割れが出るたびに針圧を調整するのは億劫でしょう。
しかし、針圧の調整が不要で購入したらすぐに聞けるプレイヤーも登場しています。
ここでは初心者でも扱いやすいプレーヤーをいくつかご紹介します。
オーディオテクニカ:AT-LP60X
オーディオテクニカ「AT-LP60X」は、アナログ初心者でも扱いやすいフルオート(自動再生)のモデルです。
33回転と45回転のレコードで利用でき、自宅にスピーカーがあればレコードを聴けます。
定価は1万5,000円ほどと購入しやすい金額です。
アイオンオーディオ:Max LP
アイオンオーディオ「Max LP」は木目調の温かみのあるデザインが特徴で、初めての一台に選ぶ人が多いとされています。
同モデルは33-1/3、45、78回転に対応しています。
また、ステレオスピーカー搭載のオールインワンタイプで、Max LP単体ですぐにレコードが聴けて、自宅に音楽を聴くプレイヤーがない方におすすめです。
USB端子も装備しており、スマートフォンやパソコンに録音もできます。
ソニー:PS-LX310BT
ソニー「PS-LX310BT」は、マットブラックの洗練されたデザインが人気です。
Bluetooth搭載でワイヤレスイヤホンやスマートフォンからレコードの音を楽しめて、さらに付属のUSBケーブルでパソコンにつなげば録音もできます。
同モデルは無駄な配線がないので、配線の煩わしさから開放されたい人にはぴったりです。
33‐1/3回転と45回転に対応し、定価はは3〜4万円ほどで購入できます。
針圧を調整しても音飛びや音質が悪い場合
レコードの針圧を調整するタイミングは、プレイヤーを購入したとき、針を取り替えるとき、音飛びや音割れがするときなどが挙げられます。
これらに該当しないのに針圧を調整しても音飛びや音割れが発生する場合は、以下の方法を試してみましょう。
・レコード針の先端をきれいにする
・トーンアームのリフターの位置を確認する
ここでは簡単にご紹介します。
レコード針の先端をきれいにする
レコード盤の素材は塩化ビニールなので、静電気を発しやすくホコリがつきやすいです。
ゴミやホコリがレコード針の先端についていると、レコード針が溝に溜まったホコリを拾ってしまって音声信号が伝わらず、再生したときに音割れしてしまいます。
そのため、乾式ブラシを用いてレコード針の先端の汚れを取ってから再生しましょう。
レコードの音飛びの原因は、バイセルのこちらの記事に詳しく説明しています。
トーンアームのリフターの高さを調整する
音割れが気になるときは、トーンアームのリフターの高さを調整してみましょう。
リフターの位置が高すぎると、リフターレバーを降ろしてレコードを再生してもアームパイプにリフターが当たってしまい、針先が溝に当たらない場合があります。
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