邦楽レコードの種類や買取相場を解説!高値がつくレコードってどんなもの?
2022.03.16
レコード買取
現在ではあまり見かける機会のないレコードですが、いまだに多くのファンが存在しています。
中古市場では多くのレコードが流通しており、あまり価格のつかないものから、かなり高値で取引されるものまでさまざまです。
自宅に眠っているレコードが、どれほどの価値を持つのか気になる方もいるでしょう。
この記事では、邦楽レコードの種類や買取相場、高値がつくものなどを詳しく解説します。
邦楽レコードの売却を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
邦楽レコードとは
邦楽とは、日本で生まれた音楽のことを指します。
狭義には「古くから日本に存在する雅楽や和楽」といった意味もありますが、一般には海外から来た洋楽の対比として、日本でリリースされた楽曲を指すことが大半です。
したがって、邦楽レコードとは、日本で生まれた歌謡曲やポップス、ロックなどが収録されているレコードを指します。
邦楽レコードの主な種類
邦楽レコードは時代により楽曲の分野が大きく異なるので、具体的にどのような分野のレコードが存在するのかを見ていきましょう。
なお、邦楽といってもレコードとして発売されたジャンルに限定しているため、最近のJ-POPなどは含まれません。
ニューロック
ビートルズが来日した1966年以降、日本でもグループ・サウンズ旋風が巻き起こりました。
そういったなか、アメリカやイギリスでは既存の音楽形態からの脱却を目指す「ロックミュージック」が誕生します。
この影響を受け、日本でも1970年代に入ると、ギターの音を際立たせ即興性を主体とするバンドが活躍し始めました。
これが、日本におけるニューロックです。
既成の音楽から飛び出し、新たな表現の方法を切り開いていくミュージシャンたちにより作られた分野といえます。
昭和歌謡
演歌やラテン、ジャズなど国内外のさまざまな音楽を取り入れ、独自の音楽ジャンルとして確立されたのが昭和歌謡です。
多くの場合、昭和の時代に生まれた多様な音楽をひとくくりにして、こう呼びます。
昭和歌謡の全盛期は1960年代後半~1970年代です。
ザ・タイガースなどのグループ・サウンズ、山口百恵などのアイドル歌謡、シティ・ポップの先駆けといわれるニューミュージックなどがこのカテゴリに入ります。
シティ・ポップ
シティ・ポップは、1970年代~1980年代に流行しました。
都会的で洗練された雰囲気が特徴で、ソウルやディスコ・ミュージックをはじめとする、さまざまな音楽ジャンルの要素が含まれています。
そのため、ジャンルとしてではなく、ムードの総称として使われることが多いでしょう。
代表的なアーティストには、山下達郎・竹内まりや・大貫妙子・角松敏生・大瀧詠一などが挙げられ、曲の歌詞には都会をイメージさせる単語がたくさん出てきます。
80年代ロック
1980年代は、多くのロックバンドやロックシンガーが誕生した時代です。
そのため、この時期に発表された曲は、80年代ロックと位置付けられています。
主要なバンドやアーティストには、THE BLUE HEARTS、玉置浩二を中心とした安全地帯、THE ALFEE、尾崎豊などが挙げられます。
現在でも根強い人気を誇るため、曲などを聴いたことがある人は多いでしょう。
純邦楽
三味線・琴などの演奏や、雅楽・能楽・浄瑠璃などを純邦楽と呼びます。
日本の伝統的な古典音楽・民族音楽などを指し、地方に存在する民謡や祭囃子、長唄などもこのジャンルに分類されます。
ニューロックレコードの買取相場
ここでは、前述した邦楽分野のうち「ニューロック」のレコード買取相場や、そのなかでも高値がつく可能性のあるレコードについて解説します。
ニューロックレコードの買取相場
ニューロックのレコードの買取相場は、数百円~数万円程度です。
出荷数が少ないものは希少価値が高く、買取金額も上がります。
最近になって再評価された楽曲もあるため、レコードのニーズはこれからも増えていくでしょう。
ニューロックレコードで高価買取の可能性があるもの
レコードの発行数が少ないものや人気が高いグループのレコードは高値がつく可能性があります。
もちろん、パッケージの傷や帯の有無は査定のうえで重要なポイントですが、レコードそのものに価値があるため、金額が下がりにくいといえるでしょう。
竹千代:脱出組曲
1972年にMCAビクターからリリースされたアルバムです。
メンバーは「はっぴいえんど」人脈の鈴木茂・林立夫・駒沢裕城・松任谷正隆に加え、小原礼・高橋幸宏の「サディスティック・ミカ・バンド」組が参加しています。
サウンドへの評価が非常に高く、竹千代の唯一のアルバムとして高額で取引されています。
スピード・グルー&シンキ:スピード・グルー&シンキ
1971年にギタリストの陳信輝が中心となり、加部正義とアメリカ人ドラマーのジョーイ・スミスによって結成されたバンドです。
1972年に2枚組の『スピード・グルー&シンキ』をリリースしましたが、翌年には解散してしまいました。
活動期間は2年弱と短いためレコードもあまり出回っておらず、高値がつく傾向にあります。
TOO MUCH:TOO MUCH
「TOO MUCH」は、ジュニーラッシュ・青木正行・小川勉・小林秀弥で結成されたバンドで、1971年に唯一のアルバム『TOO MUCH』をリリースしています。
現在では、日本のニューロックを代表する名盤として認知されていますが、流通枚数は多くありません。
その希少性から高値がついています。
昭和歌謡レコードの買取相場
多くの歌手が生まれ、多くの昭和歌謡楽曲がリリースされたため、レコードを持っている方も多いのではないでしょうか。
昭和歌謡レコードの買取相場
昭和歌謡のレコード買取相場は、数百円~数万円程度です。
多くの楽曲がレコードとして流通していますが、人気アーティストのカバーなどにより人気が再燃するケースが多くあります。
こうした場合、オリジナルのレコードは価値が高まりやすく、高額で取引されることがあるでしょう。
昭和歌謡レコードで高価買取の可能性があるもの
リリース当時から人気のあった曲はもちろん、シンガーがデビュー後すぐに引退してしまうなど、唯一の音楽作品となったレコードは希少価値があります。
以下、3つ例を紹介します。
勝新太郎:夜を歌う
俳優だけでなく、歌手としても人気を誇った勝新太郎。
1969年にリリースされたこのアルバムは、1万円以上で取引されることもある貴重なレコードです。
2003年にはCDで再リリースされており、A面・B面で12曲が収録されています。
ピラニア軍団:ピラニア軍団
ピラニア軍団は、チンピラ・斬られ役などの個性派俳優が中心になって結成されたグループです。
彼らを中心にした映画も多く作られ、1970年代半ばから人気が急上昇。
1977年にはグループ名のついたアルバムがリリースされました。
これが唯一の音楽作品であるため、レコードは数万円で取引されることもあります。
フラワー・メグ:ささやき・ためいき・もだえ
フラワー・メグは1971年に歌手デビューし、1972年にアルバム『ささやき・ためいき・もだえ』をリリースしましたが、同年に結婚して引退しています。
2007年、同アルバムの復刻版CD発売をきっかけに芸能活動を再開し、話題となりました。
レコードに関しても人気が高く、数千円で取引されています。
シティ・ポップレコードの買取相場

シティ・ポップは今でも根強い人気があり、多くの歌手にカバーされています。
シティ・ポップのミュージシャンは現在も精力的に活動をしているため、名前や曲を聴く機会も多いでしょう。
オリジナルのレコードにも人気が集まり、ニーズは増加しています。
シティ・ポップレコードの買取相場
シティ・ポップのレコード買取相場は、数千円~1万円程度です。
今でも活動しているシンガーが多いため、希少価値という点では少し控えめな印象かもしれませんが、楽曲に対する人気が非常に高いため、高値で取引される場合があります。
また、複数枚のセットでリリースされているレコードの場合も、高値がつきやすいでしょう。
シティ・ポップレコードで高価買取される可能性があるもの
リリース当初はあまり目立たなかった楽曲でも、あとから評価・人気が高まったものは高値で取引されるケースがあります。
ミュージシャンが多くの楽曲をリリースしているシティ・ポップは、今後も曲の再評価により高額取引となる可能性が高いでしょう。
竹内まりや:プラスティックラブ
大学在学中にデビューした竹内まりや。1979年にリリースした『SEPTEMBER』、1980年に発表した『不思議なピーチパイ』が立て続けにヒットし、ニューミュージックのトップミュージシャンとなりました。
1984年に発表された『プラスティックラブ』は、竹内まりやの代表曲として高い認知度を誇っています。
彼女にとっては異色曲とされており、レコードも人気のため、数万円で取引されることもあります 。
山下達郎:THE RCA/AIR YEARS LP BOX 1976-1982、JOY
シティ・ポップを語る際、代表格の一人として名前が挙がるのが山下達郎でしょう。
『THE RCA/AIR YEARS LP BOX 1976-1982』は、それまでに発表されたアルバム7タイトルをLP9枚組としてリリースした作品です。
ファンの間で人気が高く、高額で取引されています。
また、『JOY』は、80年代のツアーを収録したライブ・アルバムです。
80年代ロックレコードの買取相場
80年代は多くのロックミュージックがリリースされ、日本におけるロックの全盛期でした。
今でも人気の高い曲が多く、レコードの取引も盛んです。
一般の認知度が低いレコードでも、コレクターの間では高値で取引されることがあります。
80年代ロックレコードの買取相場
80年代ロックのレコード買取相場は、安い値段での取引となるレコードが多くなっていますが、流通量の少ない曲であれば高値も期待できます。
80年代ロックレコードで高価買取される可能性があるもの
シティ・ポップと同様に、リリース後に評価が高まったものが高値となる傾向があるようです。
高額取引となったレコードの例を2つ紹介します。
吉村弘:サラウンド
1986年にリリースされ、同年発表の『Green』とともに高く評価されている楽曲です。
吉村弘は地下鉄の発車音を作曲したことでも有名な音楽家で、レコードも高額で取引されています。
オシレーション・サーキット:オシレーション・サーキット
アンビエントと呼ばれる環境音楽で、入手が難しい作品です。
その希少価値から、査定価格も高くなる傾向 にあります。
純邦楽レコードの買取相場
純邦楽のレコード取引市場は、他分野のレコードに比べると小さいといえます。
流通量も少ないため、レコードを探すにもやや苦労をするでしょう。
純邦楽レコードの買取相場
純邦楽レコードの買取相場は、数千円~1万円を超える程度です。
市場は小さめですが、希少価値の高いものであれば、十分高値が期待できるでしょう。
純邦楽レコードで高価買取される可能性があるもの
人気が高い曲や、現在も第一線で活躍する奏者のレコードは価値が上がります。
例として、高値で取引されている作品を2つ紹介します。
里国隆:奄美の哭きうた
里国隆は、竪琴や三味線を弾いて、奄美や沖縄の各地をまわっていた島唄歌手です。
1975年にリリースされたこのアルバムは、復刻版CDが発売されるほどの人気を誇ります。
特にオリジナル盤は人気が高く、入手困難なレア盤のため価値も高まっています。
三橋貴風:尺八 里の詩
1976年にリリースされた、日本の民謡を尺八で演奏したアルバムです。
三橋貴風は尺八の奏者として海外でも人気があり、リサイタルも数多くこなしています。
レコードも価値が高く、高額で取引されています。
邦楽レコードを高価買取してもらうポイント

邦楽レコードを高値で買い取ってもらうには、いくつかのポイントがあります。
これからレコード売却を検討している方は、ぜひ以下をチェックしてみてください。
専門店で査定に出す
レコード専門店は、楽曲やアーティストの希少価値について深い知識があります。
そのため、売る側が知らなくても、思いがけず高値で買い取ってもらえる可能性もあるでしょう。
一方で、一般の買取店やリサイクルショップでは価値を見極められず、本来の価格よりも安く買い取られてしまう場合もあります。
損をしないためにも、レコード専門店へ持ち込むことをおすすめします。
専門店はプロが目利きするので、公正な判断を下してくれる
日々多くのレコードが持ち込まれる専門店には、その価値を見極める経験豊富なプロがいます。
しっかりとした知識により公正に査定してもらえるため、買取金額にも納得できるでしょう。
ただし、専門店にも得意分野があるため、事前に把握しておくとスムーズです。
オークションサイトなどでは出品しないほうが良い
オークション・フリマアプリは、出品や購入希望者とのやりとりがすべてインターネット上で行なえるため、手軽に中古品を手放せる方法でしょう。
しかし、レコードは非常にデリケートな商材のため、発送の際には注意が必要です。
また、梱包も自分で行なわなければならず、材料の費用がかさむこともあるでしょう。
プロに査定を依頼したほうが、結果的にメリットが大きいかもしれません。
きれいな状態で売る
傷、汚れ、パッケージの色落ちなどは、査定に大きな影響をおよぼします。
回復できない傷や色落ちがある場合は仕方ありませんが、ほこりや落とせる汚れはできるだけなくしておきましょう。
また、帯がついているジャケットの場合は価値が高まります。
必ず保管しておき、帯と併せて査定に出しましょう。
複数枚持っているなら一緒に査定に出す
専門店はレコード1枚から買い取ってくれるのが基本ですが、まとめて査定に出したほうが高値となる場合が多いでしょう。
なかには、複数枚の査定を依頼した場合にボーナスをつけてくれるところもあります。
眠っているレコードがある場合は、なるべくまとめて出すようにしましょう。
おわりに
邦楽レコードはさまざまなジャンルがあり、それぞれ査定価格も異なります。
流通量が少ないものや帯がついているものは、高値で買い取ってもらえる可能性が高くなるため、ご自宅にあるレコードもぜひ確認してみてください。
これから楽曲が再評価されれば、その楽曲のレコード価格が急騰することもあるでしょう。
専門知識がないとレコード価値の判断は難しいため、売却する際は専門店に査定を依頼することをおすすめします。