都喜エ門とは?ラベルの違いや証紙の種類について解説
都喜エ門は、大島紬の中でも最高級とされるブランドです。
繊細な絣表現、豊富な色彩、斬新な図柄など、高度な技術によって作られた都喜エ門の大島紬は、多くの着物愛好家から愛されています。
都喜エ門の反物には、金ラベルと銀ラベルがありますが、その違いをご存知でしょうか。
また、大島紬には証紙が付いていますが、その種類や意味について詳しく知らないという方もいるでしょう。
本記事では、都喜エ門の特徴やラベルの違い、証紙の種類などについて、詳しく解説していきます。
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都喜ヱ門とは
都喜ヱ門は、奄美大島で生産される最高級の大島紬ブランドの一つです。
都喜ヱ門の名は、江戸時代後期に活躍した紬織物の名工・泉喜右衛門に由来しています。
泉喜右衛門は、大島紬の技術を革新し、絣表現の精緻化や色彩の多様化を実現しました。
その技術は弟子たちに受け継がれ、現在の都喜ヱ門の基盤となっています。
1929年に藤絹織物株式会社が創業され、1973年に「都喜ヱ門」ブランドを展開しています。
都喜ヱ門の大島紬は、手織りによる伝統的な製法で作られています。
原料は絹糸100%で、奄美大島の在来種である玉虫の繭から取れる玉虫糸を使用します。
この玉虫糸は強度が高く、光沢があるのが特徴です。
また、都喜ヱ門では、泥染めと呼ばれる伝統的な染色技法を用いて、深みのある色合いを実現しています。
泥染めは、奄美大島の天然の泥を使って行われ、他の染色方法では出せない独特の色調が生まれます。
参考:会社概要 | 藤絹織物株式会社
都喜ヱ門の特徴
都喜ヱ門の特徴として、以下の4つが挙げられます。
- 繊細な絣表現
- 豊富な色彩
- 斬新な図柄
- 高度な技術
それぞれ詳しく解説します。
繊細な絣表現
都喜ヱ門の大島紬は、非常に繊細な絣表現が特徴です。
絣とは、糸を染める前に部分的に糸を括り、模様を作る技法のことを指します。
都喜ヱ門では、熟練の職人が手作業で絣を施すことで精緻な模様を生み出しています。
絣の精度が高いほど、より細かく美しい模様を表現することができます。
都喜ヱ門の絣は、まさに職人の技術の結晶と言えるでしょう。
豊富な色彩
都喜ヱ門の大島紬は、泥染めによって深みのある色合いを実現しているだけでなく、豊富な色彩が美しいのも魅力の一つです。
伝統的な色合いを守りつつ、現代的なセンスを取り入れた配色は、都喜ヱ門ならではと言えます。
また、同じ色でも微妙に異なる濃淡を表現することで、奥行きのある色彩を生み出しています。
斬新な図柄
都喜ヱ門の大島紬は、伝統的な図柄を守りつつも、斬新なデザインを取り入れているのが特徴です。
古典的な文様をアレンジしたり、現代的なモチーフを取り入れたりすることで、新しい表現を生み出しています。
また、左右非対称の構図や抽象的な模様など、型にはまらないデザインも都喜ヱ門の魅力の一つです。
伝統と革新のバランスが絶妙な都喜ヱ門の図柄は、着る人の個性を引き立ててくれるでしょう。
高度な技術
都喜ヱ門の大島紬の製造工程は、すべて熟練の職人によって手作業で行われています。
原料となる玉虫糸の選定から、絣付け、織り、仕上げに至るまで、一つひとつの工程に職人の技術と経験が詰まっています。
特に、絣付けは非常に精度の高い技術が要求されます。
熟練の職人でも1日にできる絣付けの量は限られています。
職人の手間や時間を充分にかけて作られる都喜ヱ門の反物は、希少性が高く、その分高い価値を持っています。
都喜ヱ門の金ラベルと銀ラベルの違い
都喜ヱ門の反物には、金ラベルと銀ラベルの2種類があります。
金ラベルは、都喜ヱ門の中でも最高級の反物に付けられるラベルです。
金ラベルの反物は、絣の精度が非常に高く、色調も美しいのが特徴です。
一方、銀ラベルは、金ラベルに次ぐ高級ラベルです。
銀ラベルの反物も、十分に高い品質を持っていますが、金ラベルほどの絣の精度や色調の美しさはありません。
金ラベルと銀ラベルの違いは、主に絣の精度と色調にあります。
金ラベルの反物は、より細かく精緻な絣が施されており、色調も美しく調和しています。
一方、銀ラベルの反物は、絣の精度がやや劣り、色調も金ラベルほど美しくない場合があります。
ただし、これはあくまで相対的な話であり、銀ラベルの反物も十分に高品質です。
金ラベルと銀ラベルの違いは、価格にも反映されています。
金ラベルの反物は、銀ラベルの反物よりも高価になります。
ただし、価格差は絶対的なものではなく、銀ラベルの中にも高価な反物があります。
都喜ヱ門の反物を選ぶ際は、ラベルだけでなく、実際の絣の精度や色調を確認することをおすすめします。
大島紬の証紙について
大島紬には、必ず証紙が付けられています。
証紙は、大島紬の品質を保証するためのもので、証紙の種類によって大島紬の産地や等級が分かります。
大島紬の証紙はいくつかありますが、「都喜エ門」を含む以下の3種類をご紹介します。
- 鹿児島産
- 奄美大島産
- 都喜エ門
それではそれぞれ解説します。
関連記事:着物買取で重要な証紙とは?証紙がなくても買い取ってもらえる?
鹿児島産
「鹿児島産」は、その名のとおり鹿児島県内で生産された大島紬に付けられます。
証紙には、「鹿児島産本場大島紬」と書かれています。
奄美大島産
「奄美大島産」は、鹿児島県奄美大島で生産された大島紬に付けられる証紙です。
奄美大島は、大島紬の主要な産地の一つです。
証紙には、「奄美大島産本場大島紬」と書かれています。
都喜エ門
「都喜エ門」は、都喜エ門の反物に付けられる証紙です。
都喜エ門の証紙は、先述したように金ラベルと銀ラベルの2種類があります。
金ラベルには「都喜ヱ門」、銀ラベルには「喜ヱ門」と書かれています。
なお、藤絹織物は本場大島紬協同組合、本場奄美大島紬協同組合のどちらの組合にも属していなかったため、協会の証紙はありません。
独自の証紙だけで、技術力を証明できたブランド力を表しているとも言えるでしょう。
都喜ヱ門の反物の買取価格はいくらぐらい?
都喜ヱ門の反物は、高品質で希少性が高いため、条件によっては高値で取引されます。
特に、金ラベルの反物は、非常に高価とされます。
都喜ヱ門の反物の買取価格は、絣の精度や色調、柄、状態などによって異なります。
金ラベルの都喜ヱ門の反物は、状態にもよりますが、一反あたり百万円を超える買取価格がつくこともあります。
特に絣の精度が高く、色調が美しい反物は、非常に高値で取引されます。
銀ラベルの都喜ヱ門の反物は、金ラベルほどの価値はありませんが、それでも高値で取引されます。
状態にもよりますが、一反あたり数十万円以上の買取価格がつくことも珍しくありません。
ただし、都喜ヱ門の反物の買取価格は、市場の状況や保存状態によっても変動します。
反物にシミや汚れ、虫食いなどがある場合は、大幅に価格が下がることもあります。
また都喜ヱ門の反物を少しでも高く売却したい場合は、複数の買取業者に相談し、その中で納得できる価格を提示してくれた業者で売ることをおすすめします。
まとめ
都喜ヱ門は、奄美大島で生産される最高級の大島紬ブランドです。
都喜ヱ門の大島紬は、繊細な絣表現、豊富な色彩、斬新な図柄など、高度な技術によって作られています。
都喜ヱ門の反物には、金ラベルと銀ラベルの2種類があり、金ラベルがより高品質です。
大島紬には証紙が付けられており、産地や等級を示しています。
都喜ヱ門の反物は、高値で取引されますが、状態によって価格は大きく変動します。
バイセルでは、都喜ヱ門をはじめ着物の買取を行っております。
大島紬の実績も多数ございますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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